1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。
24年上期は、格言とは逆に動いた東京市場
相場格言には、「節分天井、彼岸底」、「七夕天井、天神底(7月25日前後)などがある。
今年の東京市場を見る限り、格言とは真逆に動いている。日経平均株価は3月22日に4万1087円で天井を打ち、4月19日に3万6733円の安値を付け反発に転じた。ここで大事なことは相場格言の「半値戻しは全値」があり、下落幅は4354円、下落率は10.1%(10%は調整の範囲)で、戻り高値は5月20日に3万9437円を付け、半値戻しを達成した。
この動きから判断できることは、相場の上昇トレンドは崩れていない。さらに、その後の安値は5月30日の3万7617円、6月17日の3万7950円と下値の堅さを見せている。この間、2024年3月期の決算を織り込み、2025年3月期の企業予想2%程度の増益を織り込んだ。
とはいえ、2%程度という失望感はあるものの、日銀の金融政策(金利引き上げのタイミング)により円安のピークが見えないことから企業が保守的な見通しを立てていることが読み取れる。
これは企業の為替予想の平均が144円ということにも表れている。
政治面では岸田内閣の低支持率が続き、不安定な状態で、9月末までの岸田文雄自民党総裁が再選されるかも見通せない状況にある。とはいえ、直近の国民の関心は政治資金問題から、東京都知事選(投票日は7月7日の七夕選挙)に移っている。
話題は、小池百合子氏、蓮舫氏の戦いに移っているが、元広島県安芸高田市市長で若手政治家の石丸伸二氏(41歳)への期待も高い。18日の政見放送はYou Tubeを通じて異例の11時間超に及んだ。
この動きは、2008年に大阪府知事、2011年に大阪市長になった橋下徹氏を想起させる。「年寄りによる年寄りのための政治」からの脱却の絶好の機会が来たといえる。これに若者たちがどのように反応するかが、日本の将来を占う上で非常に大切である。