トランプ関税については折り込み? 注目は金利銘柄、防衛、インフラ関連

動きの定まらない株式相場だが、結局のところは「半値戻しは全値戻し」であり、すでに「知ったらしまい」の状況なのか?

望月純夫2025/03/25

トランプ関税については折り込み? 注目は金利銘柄、防衛、インフラ関連
  • 結局のとこをは4月2日のトランプ関税待ちの状態が依然として続きそう
  • 金利については日本は「利上げ」、米国は「利下げ」の現状維持で変化なし

「半値戻しは全戻し」

3月18日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比448円高の3万7845円と続伸。前週末から世界的にリスクオフの巻き戻し局面に入っていた。この前日は欧州各国の株価が文字通りの全面高状態となり、米国株市場でもその延長線上で協調相場となった。

ハイテク株の動きは鈍かったものの、NYダウが350ドルあまりの上昇と戻り足を継続。ダウは前週10日から13日までの4営業日で約2000ドルの急落に見舞われたが、前週末14日と週をまたいだ17日の2営業日で1000ドル強戻した。目まぐるしい動きながら綺麗に下げの半分を取り戻した勘定で、投資家の不安心理は相応に改善と、相場格言の「半値戻しは全値戻し」となった。

「知ったらしまい」の東京市場

東京市場もハイボラティリティな地合いで、昨年9月下旬から今年2月上旬にかけて日経平均はおよそ5か月間にわたり3万8000円から4万円のレンジ相場を続けた。しかし、3月に入ってそのボックス下限を踏みぬくかたちで下値を大きく試す波乱の展開となった。
市場関係者のなかには2024年8月初旬の大暴落(3営業日合計で7600円強の下落)に対する2番底を摸索する動きに入ったと見る向きもあったほどだ。

今回、値ごろ感からの逆張りは危険であるとの認識が市場筋にも広がっていたが、そうはならなかった。
AIアルゴリズムのシステマチックな売りの後には、必ずと言っていいほどそのアンワインド局面が訪れる。理詰めでAIトレードに先回りするのはなかなか困難であり、結局、後づけ講釈になってしまうのがお決まりのコースである。
海外投資家の売りに淡々と買い向かった個人投資家が、結果オーライでリバウンドの恩恵にあずかるパターンが多い。今回もそれに倣う値動きとなった。タイミングよく、著名投資家のバフェット氏が、この局面で大型商社の買い増しを進めてきた。

ただ、18日には一時3万8000円大台ラインに乗せたとはいえ、すかさず戻り売りを浴び終値では3万7000円台に押し戻された。
累積売買代金が積み上がった3万8000円絡みの水準が、上値抵抗ラインとなるケースも考慮され、仮にこのまま3万8000円台に戻し切れなければ、ボックス圏が一段切り下がったことを認めざるを得なくなる。

その場合、ボックス下限はどこかといえば、3月11日に下ヒゲで一瞬割り込んだ3万6000円近辺ということになる。つまり、中期視野で今は上昇相場の途上にはないというコンセンサスが次第に強まる可能性がある。ただ、4月2日の関税引き上げが決まると市場は平静に戻る可能性も否定できない。
相場格言「知ったらしまい」である。

米国株のバりエーション調整はまだ完了しておらず、迷走気味のトランプ米政権下で波乱要素を内在させている。とりわけ17、18日は中銀ウィークであり、イベントリスクも意識され、19日には日銀の金融政策決定会合の結果が昼ごろに発表され、午後取引終了後には植田日銀総裁の記者会見が予定された。

そこから半日遅れで日本時間20日未明にFOMCの結果発表と30分おいてパウエルFRB議長の記者会見という運びとなった。
もっとも、日本は「利上げ」、米国は「利下げ」が俎上に載ってはいたが、日米ともに現状維持というのが既定路線に落ち着いた。
会合後の記者会見も、植田氏もパウエル氏も次回会合での金融政策に対してサジェストするような時間軸になく、努めて当たり障りのない発言にとどまっている。

株式市場への影響は良くも悪くも限定的となった。当面の焦点は4月2日の関税引き上げに移る。トランプ大統領の厳しい関税政策が今のところ目立つだろうが、まだ妥協の余地も残されている。

トランプと金利――注目11銘柄

注目銘柄としては、3月の日銀金融政策決定会合での金利引き上げはなかったが、6月には金利引き上げの可能性は高く引き続き金融関連の三菱UFJ、りそなHD、楽天銀行など。

2027年以降は防衛費がGDP比3%に引き上げられる流れを受けて防衛関連の三菱重工、川崎重工、日本アビエーション、日本航空電子など。

インフラの水道管の老朽化に伴う補修修繕関連では、日本ヒューム、ブルーイノベーション、オリジナル設計、ダイダンなど。
ウクライナ復興関連しては、コマツ、クボタ、マキタあたりを注目したい。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

この記事を書いた人

望月純夫

望月純夫株式ストレジスト、コンサルタント、ラジオパーソナリティ

1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています