1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。
変化日は7月10日、上向きトレンドに期待
一方、株式市場では、今年の初めから新NISAが始まり、日本の証券市場が様変わりした。
多くの将来を不安視する若者たちが一気に参入してきたためだ。多分、年配層は、昔ながらの銘柄、NTT、トヨタ、JT、三菱UFJに投資、若手層の人気はなんと言ってもエヌビディアや積極運用型の海外投資信託である。
この海外型の投信の動きにより、為替市場も予想外の展開で、1~5月の間だけでも5兆円超えの資金が米国に流れ、円安に繋がっている。米国市場の半導体関連銘柄(マイクロソフト、アーム、アップル、テスラなど)、国内の半導体関連にも注目が集まってはいるが、米国ほどの動きにはつながっていない(半導体製造装置絡みに限定)。
注目しているインド市場は、6月4日の選挙の結果を受け一時急落した。
これは「モディ首相の求心力低下」「モディ首相のカリスマ性に陰り」「インドの8%成長の危機」が要因だ。しかし、株価は選挙前の19日現在高値を更新している。
また、今年は選挙イヤーと言われ、英国では7月4日、フランスでは6月30日が第1回投票、7月7日が決選投票と各国が政治の混乱による総選挙になっている。この動き同様、日本も同様に夜明け前が暗いと考えたい。
こうした動きを踏まえ、テクニカル的に見る株価は、7月10日が一目均衡表の変化日に当たり、トレンドが上向くことに期待したい。
2013年以降に市場に参入した投資家は、暴落の経験がない人たちで、下がれば押し目買いの好機と判断している。また、見切り売りが早いのも特徴といえる。
個別銘柄では、金融株の代表の三菱UFJは、この調整局面でも下値は堅く、日銀の金利引き上げが続く局面では注目しておきたい。また、米カルテル訴訟の影響を受け利益が抑えられていた日本ケミコンは、2025年3月期から大幅増益に転じるだけに期待できそうである。
※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。