1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。
明暗を分ける日米市場
米国株が相次ぎ最高値を更新する中、日本株は足踏みをしている。
日経平均株価は3月末比で4%安と、同期間の騰落率は主要国20指数で最下位となった。その大きな要因は、3月期企業の決算発表で、慎重な今期計画が表明され、投資家の期待にそぐわないものであったためによる。脱デフレに対する外国人投資家の期待が大きかっただけに、株高持続のハードルが高くなってきたと言えよう。
2013年末以降比では16%高とはいえ、4月、5月の2か月で4%下落した。
一方、米国市場は失速することなくインフレが収まる「軟着陸期待」で再び買いが広がりNYダウは40000ドルを引値ベースでクリアーした。英独仏も最高値を更新し、香港・上海も反転に転じた。
多くの日本企業は例年、通期決算の発表時に今期見通しを公表する。期中の業績下方修正を避けるために、期初の見通しは保守的になりがちである。
5月16日現在、対象企業の予想純利益は前期比2%増に対して6%減で、差は8%と3年間の平均5%を上回る数値で、予想からの下振れ幅は2.8兆円と高い。