1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。
東京市場が崩れた2つの要因
大きくずれた要因は2つある。
1つ目は、業績予想となる円相場の見通しである。
トヨタを含め主要企業の4割りの想定レートは1ドル=145円となり、過去10年以降で見る限り、実勢レートとの差は11円と最大になり業績の見通しの難しさを反映した予想と言える。
実際、24年3月期好調な決算を発表したトヨタは円安効果で収益を上げただけに、今期はその効果は継続できないとの見通しから、株価は3月末比で1割安に沈んでいる。また、自動車を中心とした製造業は、中国・欧州での需要鈍化懸念もくすぶり買い進む状況にはない。
2つ目の要因は、23年以降の株高局面で、日本株を買い始めた海外投資家が多く、日本の決算発表事情に疎く、失望売りを誘ったと言える。
当面のPERは17倍~16倍を動くとすると、3万7500円~3万9831円が想定される。
NTT株は減益見通しを発表し、失望売りに押され11日続落した。11日連続安は2001年以来23年ぶりのことで、個人投資家の失望売りが中心である。