導入直後は、新聞、雑誌、テレビはもとよりネットでは新NISAについてさまざまな情報が発信されてきた。
こうした記事や情報で「自分もやらないと」と焦ってNISA口座を開設する人も多く、口座開設に数週間から1か月かかるということもあった。そんな新NISA熱もおさまりつつあるようだ。
一方、iDeCo(個人型確定拠出年金)も22年に加入年齢や受給開始年齢、掛金拠出限度額などが延長・引き上げられている。
そこで落ち着いたところで、いま一度、新NISAとidecoについて考えてみよう。
簡単に新NISA、iDeCoについて大ざっぱに説明すると、新NISAはつみたて投資枠が年間120万円まで引き上げられたことに加え、新たに成長投資枠が年間240万円が加えられ、360万円までと増額された。また、投資期間無期限になった。
一方、iDeCoは、公務員や確定給付型企業年金がある会社員のiDeCoの掛金の上限額が、1万2000円から2万円に引き上げらた。
iDeCoとNISAについては、「手数料が高い」あるいは「投資商品なため(iDeCoは元本保証の商品もある)、リスクがある」などさんざんな評価をする経済評論家もいる。
しかし、こうした改正もあって証券会社、銀行、生保など手数料を下げたり、無料にするなどしており、手数料は低くなってきている。
しかも、いずれも「非課税」という点が大きい。
ともかく、2000万円を貯めるために
では、実際にこの2つを利用したとするとどのくらい資産をつくることができるのだろか。新NISAiDeCoとでシミュレーションしてみよう。
たとえば、いま40歳の人が、iDeCoで月々2万円・つみたてNISAで月々3万円を20年間、インデックスファンドに積み立てた場合で考えると、インデックスファンドの平均利回りが4~6%といわれていおり、年利5%として計算すると、20年後の受け取り金額は元金1200万円・運用益837万円で合計2037万円になる。
つまり、いわゆる「2000万円問題」をクリアすることができる。そもそも想定金利が高すぎるのではないかとおもわれる人も多いだろう。
しかし、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(円換算ベース)に連動させたS&P500の過去10年の平均利回りは10%ほどなので、何に投資するかを調べて行えば無理な数字ではないだろう。
余談だが、2000年以降、かのジョージ・ソロス銘柄の平均利回りより、S&P500のほうが高いという株式評論家もいる。とはいえ、何に投資するかは慎重に選ぶ必要がある。