最新、地震保険のしくみ

いつ起こるかわからない地震。その万が一のときに頼りになるのが地震保険だ。2011年の東日本大地震以降、日本各地では震度6以上の地震が13回起きており、大きな被害も出ている。頻発する地震を受けて地震保険の見直しも行われている。そんな地震保険の最新内容をわかりやすく解説。

平野敦之2023/11/07

最新、地震保険のしくみ
  • 地震保険は相互扶助が目的ではなく、生活再建が目的の保険
  • 現在の地震保険の支払限度額は12兆円
  • ローンが多い、資産がない、被災後の収入がなくなる可能性が高い――加入したほうがよい人3大条件

地震保険の補償内容を火災保険との違い

地震保険の補償内容の特徴と火災保険との主な違いは以下の表のとおりです。

火災保険が火災や台風や豪雨などによる損害について、保険金によって元の状態に戻す(修理や再築・再購入)のに対して、地震保険は被災した後の生活再建が目的です。地震等の災害では助け合いという仕組みが成り立ちにくいため、地震保険では表のような制限が設けられています。

※自由化前の火災保険では、保険金額が時価額、実損払いでないケースもある

地震保険の保険料と割引の仕組み

地震保険の保険料は、地域ごとに分けられている等地区分と建物構造(2区分)で決められています。建物構造はイ構造(主に非木造)とロ構造(主に木造)に分けられています。

また、地震保険には次のような4つの割引制度が設けられています。これらは重ねて利用することができませんので、有利なものを一つ選択することになります。実際に割引を適用する際には、所定の書類やその写し等の提出を求められます。

具体的な必要書類は、割引の種類によっても異なるので保険会社や保険代理店等に確認してみてください。 建築年割引は昭和56年6月1日以降に新築された建物であることが条件です。すでに42年以上経過しているので、今後はこの割引の適用ができる人が増えてくるでしょう。

なお、地震保険の保険料は各社一律ですが、具体的な保険料は下記にて確認することができます。

【参考】一般社団法人日本損害保険協会 地震保険料の試算

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この記事を書いた人

平野敦之

平野敦之平野FP事務所 代表

CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。

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