8月の株価を読む――ポイントは「ほぼトラ」と「バリュー株」

値動きの激しかった7月の東京市場だったが、8月の株価はどう動くか。そのポイントを読み解く。

望月純夫2024/07/22

相場の流れはハイテク株からバリュー株へ

現在、企業は読めない為替動向などを考慮して保守的な数字になっているが、7月末から8月上旬の第1四半期の決算発表次第では上方修正する企業が増加してもおかしくはない。

今回の急落により、ハイテク株相場からバリュー株相場に移りつつある。
史上最高値を付けたNYダウはバリュー株志向、ナスダックはハイテク株志向であり、日経平均はナスダック連動型だけに、今後はTOPIX連動型になると考えて対応したい。

物色の対象業種は日替わりに近いが、建設機械、金融、造船(防衛含む)、電力、食品、小売り、石油に動意づいたものが散見される。半導体関連の銘柄、東京エレクトロン、ディスコは一目均衡表を見る限り、雲の下の動きに変わっており、頭が重く、戻り売り相場展開となろう。
一方、三菱重工、川崎重工、日本製鋼、三菱UFJ、古河電工、INPEX、大成建設等は日経平均急落の局面でも、下落幅は限られている。日経平均の39000円割れがあっても相場が崩れる状態にはないので、不安に駆られて投げることのないようにしたい。

2020年から長期で進めてきたインド株ETF(1678)は、すでに2.5倍程の上昇をしているが、まだまだインドの長期成長を織り込んではいないので継続、また新たに毎月の積立て投資を始めても遅くはない。
2036年のオリンピック招致も進めており、長期上昇トレンドに変化なし。新NISAの投資対象に選ばれつつある。2024年上半期の投信番付にも3月設定のアムンディ・ジャパンのファンドが、SMBC日興が215億円販売、7月12日以来のプラス22.1%で、残高は1027億円まで伸びている。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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この記事を書いた人

望月純夫

望月純夫株式ストレジスト、コンサルタント、ラジオパーソナリティ

1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

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