2024年は最高値3万8915円87銭を突破 バブル後遺症から脱却

2023年の日経平均の上期は一気に3万3000円台まで“跳ねた”。その後、下期になるとこの3万3000円台で一進一退を続けている。そんな株式市場の2024年の動向を読み解く。

望月純夫2023/12/05

2024年は円高を意識、中国も狙い目か

当然のことだが、株価上昇の最大のポイントは企業業績である。
2023年3月期の日経平均を構成する銘柄の1株当たり利益は(EPS)は2047円で、11月17日現在のEPSは2247円と2022年比9.7%で、まだ上方修正の余地があると見られている。
その結果が見られるのは2024年に1月末~2月初め。それまでは、好材料を織り込む段階といえる。

2024年前半には、1989年12月末の最高値3万8915円87銭(終値)を抜くことが期待される。
PERの16倍を基準として考えると、EPSは2400円台が必要で、2024年3月期(予想)のEPSが2280円まで上方修正されることになれば、5%程度の上昇であれば、これは不可能ではない。
一方、企業業績を押し上げた円安については、2024年は米国の金利のピーク感があり、今年ほどの円安感が継続する可能性は少なく、逆に貿易の黒字化の定着により、円高を意識することになろう。

今期減益が目立ったのは中国関連株で、中国経済の減速はまだ続く可能性が強い。しかし、この悪材料も織り込んでいくことを考えると、今年悪いパフォーマンスであった銘柄を狙うのも投資スタンスとしては悪くない。ただピークから下落期間が1年半から2年に及んでいれば、底値は堅くなる可能性も十分あるといえる。
また、近い未来を占う動きにも焦点が当たってもおかしくはない。

2023年 上海市場の動向
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望月純夫

望月純夫株式ストレジスト、コンサルタント、ラジオパーソナリティ

1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

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