【胃の不調】胃痛、食べ過ぎ、ストレス…症状別「漢方」の使い分け

胃の不調は、胃腸が弱い、食生活やストレスなど原因や症状はさまざま。そんな胃の不調、症状に合った漢方薬を徹底解説。

斉藤明美2025/01/17

2)食べ過ぎやストレスなどが原因の胃もたれタイプ

ストレスや食べ過ぎ・飲み過ぎが原因で胃に余分な熱や水が生じることで、胃に未消化物が残り、みずおちがはる、胃もたれ、食欲不振などの症状を招きます。
胃の中の余分な熱を去り、胃の水はけよくして下におろして症状を改善します。

【胃の不調の具体的な症状と傾向:みずおちがつかえ、げっぷ・胸やけ、悪心・嘔吐、軟便・下痢傾向の方に】
*半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)
過労、不安などのストレスによりみずおちがつかえを伴う神経性胃炎。胃の膨満感・げっぷ・胸やけ、食欲不振、悪心・嘔吐、お腹がゴロゴロ鳴り軟便または下痢傾向の方に。口内炎にも効果があります。
胃の中にある熱をさますことで胃のつかえを改善し、余分な水分をさばきながら、胃の血行と機能の回復を助けます。

【胃の不調の具体的な症状と傾向:食べ過ぎ・飲み過ぎによる胃の膨満感、もたれ、げっぷ、吐き気に】
*平胃散(ヘイイサン) 
胃が強くないのに食べ過ぎて、食べ物の残渣と水分が停滞したために消化不良となり、胃や腹の膨満感、食欲不振、もたれ、げっぷ、吐き気が持続します。
下痢症状を伴うこともあります。
胃の水はけを整えながら、消化を助け、”厚朴(コウボク)”で「気」を生みだし、”陳皮”で巡らせることで症状を改善します。

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この記事を書いた人

斉藤明美

斉藤明美薬剤師・医学博士

北里大学薬学部卒業後、大学病院、企業診療所、透析施設で薬剤師として勤務。その後、製薬会社で企画販売に従事し、体調を崩した時に漢方薬に出会い、漢方を学びはじめる。日本漢方協会漢方講座を経て、田畑隆一郎先生の無門塾入門、愛全診療所 蓮村幸兌先生(漢方専門医)の漢方外来にて研修。現在は「より健やかに、更に美しく」を目指して患者さんの漢方相談、わかりやすい漢方の啓蒙活動に取り組んでいる。著書に『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』(ごきげんビジネス出版)がある。

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