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管理会社からの「更新手数料」は断れる 払ってしまったら返還請求もできる

賃貸契約の更新時期に管理会社から「更新手数料」を請求されるケースがある。しかし、契約書に記載がなければ借主に支払い義務はなく、「払わなければ更新できない」という主張に法的根拠はない。すでに払ってしまった場合も返還請求できる可能性も

大谷昭二2026/04/28

管理会社からの「更新手数料」は断れる 払ってしまったら返還請求もできる
  • 更新手数料は本来、家主が管理会社に支払うもので、借主に支払い義務はない
  • 契約書に記載がない、重要事項説明書に記載があっても支払い義務は生じない
  • 支払い済みの場合は不当利得として返還請求が可能

管理会社からの更新手数料を払うべき人とは?

賃貸契約の更新時期が近づくと、家主への更新料とは別に、管理会社から「更新手数料」の請求が届くケースがある。しかも、こうしたケースではしばしば「支払わなければ更新できない」と言われることもあるようだ。こう言われれば多くの借主はそのまま支払ってしまうだろう。しかし、実はこの手数料を払う必要はない。

そもそも手数料とは、ある業務を誰かに依頼した人が、依頼を受けた側にその対価として支払うものである。 賃貸契約の更新は、家主と借主の間で行うもの。管理会社の役割は家主の代理人として更新手続きを引き受けており、その業務の委託者はあくまで家主になる。つまり、更新手続きに関する手数料は家主が管理会社に支払うべきもので、借主が管理会社に支払う筋合いのものではない。

こう考えると借主は、管理会社に更新業務を委託したわけでも、依頼したわけでもない。家主の代理人として対応している管理会社と手続きを進めているにすぎず、借主が管理会社に別途の手数料が発生する根拠はないといえるわけ。

更新手数料を求められた際、多くのケースでは、賃貸借契約書に更新手数料についての記載がない場合、借主に支払い義務はまったく生じない。管理会社が「払わなければ更新しない」と言ったとしても、それは脅しに近い要求であり、法的な根拠はないといえる。

更新手数料を支払う義務がないのに、これを徴収しようとする行為は不当利得ともいえる。万が一すでに支払ってしまっている場合でも、その返還を請求できる可能性もある。

重要事項説明書に記載があっても支払い義務は生じない?

では、契約書ではなく、重要事項説明書に更新手数料の記載があった場合はどうだろうか。

重要事項説明書とは、借主が契約を締結するかどうかを判断するにあたって必要な事項を記載した文書で、宅地建物取引業法に基づいて交付されるもの。 「賃料以外に授受されるお金」の欄に更新手数料が記載されていることもあるが、これはあくまで「このようなお金のやり取りがある」という情報提供にすぎない。借主の支払い義務を定めたものではないのだ。

逆に言えば、重要事項説明書への記載をもって、更新手数料の支払いを義務づけることはできない。重要事項説明書の役割を誤解し、「記載があるから支払え」という主張は法的に成り立たない。

契約書に特約として記載されていた場合は?

前に「契約書に記載があれば…」といったが、仮に賃貸借契約書に更新手数料を支払う旨が特約として記載されている場合であっても、そもそも賃貸借契約書は家主と借主の間の取り決めだ。そこに第三者である管理会社への手数料支払いが記載されていたとしても、その特約が有効かどうかという疑問が残る。 実際には、管理会社への更新手数料を定めた特約は、借主に一方的に不利な内容として、多くの場合、特約としての効力が認められないと考えられている。

とはいえ、管理会社からの更新手数料を巡るトラブルは珍しくない。 「業者の言うままに支払ってきた」という借主も少なくないが、支払い義務のないお金を請求されているケースがほとんどだ。

昨今、賃貸住宅の家賃の値上げが行われるケースが増えている。ただでさえ借主の負担が増える中で、少しでの出費は抑えたいもの。 更新手数料の請求を受けた際は、まず賃貸契約書、特約の内容をよく確認し、こうしたことを管理会社にきちんと伝えたうえで、必要であれば消費生活センターや法律の専門家に相談することも1つの方法だ。

この記事を書いた人

大谷昭二

大谷昭二NPO法人日本住宅性能検査協会理事長/一般社団法人空き家流通促進機構会長/元仲裁ADR法学会理事

1948年広島県生まれ。住宅をめぐるトラブル解決を図るNPO法人日本住宅性能検査協会を2004年に設立。サブリース契約、敷金・保証金など契約問題や被害者団体からの相談を受け、関係官庁や関連企業との交渉、話し合いなどを行っている。

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