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賃貸住宅の落とし穴 結婚と自宅兼事務所で突然「退去」になる理由

賃貸住宅は暮らし方だけでなく契約条件に左右される。結婚や独立を機に起こりやすい名義変更や自宅兼事務所の問題。こうしたトラブルへの対処方法とは

大谷昭二2026/01/13

賃貸住宅の落とし穴 結婚と自宅兼事務所で突然「退去」になる理由
  • 結婚や同棲でも、賃貸では契約条件が優先され名義変更できない場合がある
  • 家族向け物件でも、説明不足から家主に誤解され退去を求められるケースも
  • 自宅兼事務所は実態次第で可否が分かれるため、事前説明が重要になる

賃貸住宅は、実際の暮らし方だけで自由に使えるものではない。契約書に記された条件によって、使い方が細かく定められている。
具体的には、結婚や同棲といったライフイベント、あるいは事業を始める場面では、この「契約」が思わぬ壁になることもある。対応を誤れば、家主や管理会社とのトラブルに発展しかねない点には注意が必要だ。

結婚を機に求められる契約名義変更、家主からの拒否

結婚は人生の大きな節目である。新生活に向けた準備のなかで、意外と悩まされやすいのが賃貸借契約の名義変更だ。特に、配偶者が勤務先に住宅手当を申請する場合、契約名義人が誰かは実務上、重要なポイントになる。
また、共働きが一般化しつつあるなか、共有名義というケースも増えている。
そのため名義変更を申し出たところ、家主から難色を示されるケースも少なくない。

まず確認しておきたいのは、借りている物件の性格である。
もし単身者向け物件であれば、結婚後の居住そのものが契約条件に合わない可能性がある。この場合、名義変更以前に「そもそも住み続けられるのか」という問題になる。

一方、家族向け物件であるにもかかわらず名義変更を拒否された場合は、家主が拒否する理由を丁寧に確認することが大切だ。説明不足から、単なる同棲と誤解されているケースもある。正式な婚姻に伴う変更であり、生活実態が大きく変わらないことを伝えることで、理解が得られる場合もある。

それでも家主が慎重な姿勢を崩さない場合には、現実的な選択肢も考えられる。
1つは、住宅手当の申請上、配偶者が「借主」となっていれば足りるのであれば、外形的な契約関係は維持しつつ、夫婦間で実質的な賃貸借関係を整理する方法だ。ただし、転貸にあたる可能性があるため、書面の扱いには慎重さが求められる。

2つ目は、名義変更に伴う負担を考慮し、一定額の名義変更料を支払うことを条件として提示する方法である。金銭条件を明確にすることで、話が前に進むケースもある。

3つ目は、家主自身に承諾の条件を確認し、その条件を満たす形で調整する方法だ。保証人の追加や契約条件の見直しによって、家主の不安が解消されることもある。

それでも折り合いがつかない場合は、退去を含めた判断も現実的な選択肢になる。結婚は新しい生活のスタートでもある。心機一転、新しい住まいを選ぶという考え方も決して後ろ向きではない。

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この記事を書いた人

大谷昭二

大谷昭二NPO法人日本住宅性能検査協会理事長/一般社団法人空き家流通促進機構会長/元仲裁ADR法学会理事

1948年広島県生まれ。住宅をめぐるトラブル解決を図るNPO法人日本住宅性能検査協会を2004年に設立。サブリース契約、敷金・保証金など契約問題や被害者団体からの相談を受け、関係官庁や関連企業との交渉、話し合いなどを行っている。

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