一級建築士、宅地建物取引士。
多くの大工棟梁を育てた工務店の三代目として育つ。家業をベースにした「地場工務店を経営する一級建築士事務所」として多様な暮らしに寄り添った家づくりを実現。「住まう人のやりたいをかたちに」を経営理念とし、家の設計から新築やリフォームの建築工事までをワンストップに取り組む家づくりに詳しい専門家。
紙のチラシからスタイリッシュなモデルハウスまで、住宅業界には家を売るための仕掛けがたくさんあります。洗練されたモデルハウスの中に入ると、その家の主人公になった自分を想像して思わずその気になってしまいますが、それも仕掛けのなせるワザ。落ち着いて本当に欲しい家を手に入れるためにも、住宅販売の最前線で使われる仕掛けの数々を押さえておきましょう。
小林桂樹2026/01/16

117)チラシ[ちらし]
自社で開発販売する商品(家)を販売するために紙でつくられている広告。スマホやパソコンの普及で、そのチラシは大小の「画面」に変わった。特徴は、①きれい②パッパッとスクロール③情報が満載④見比べるには慣れが必要⑤販売価格の競争。一歩踏み込んで、⑥販売価格には住宅本体価格とオプションを明示⑦「限定」「特別仕様」「特典」での誘い⑧「相談会」「見学会」「フェア」「キャンペーン」等で行動の誘い⑨「家賃並み」で興味をひく。
118)本体価格[ほんたいかかく]
自社の商品(家)を最低限の仕様に絞り込んだときの建物のみの価格(自動車に置き換えてみれば分りやすい)。商品をできるだけ安く見せるからくりがある。「オプション」も含めた総額を表示するケースもある。
119)オプション[おぷしょん]
「あなたのお好みでどんなこともできます」という選ぶ楽しみを演出する仕掛け。住宅販売業者(住宅メーカーや住宅ビルダー)の販売する家づくりには欠かすことができない要素。
120)キャンペーン[きゃんぺーん]
期間限定が最大の特徴だが、○○キャンペーンの期間が終了した翌日には次のキャンペーンが始まっている。○○フェアも同様。特典付きのイベントで商品(家)を販売する手法。
121)家賃並み[やちんなみ]
「条件はありますが、現在住んでいるアパートや借家の家賃と同じ金額の負担で住宅ローンが使えます。ぜひ自分の家を手に入れましょう」というお誘い。この条件で「自分の家」を手に入れて、生活しはじめると、アパートや借家住まいにはなかった出費がでるので注意が必要。
122)限定[げんてい]
「期間限定」と「先着限定」がお決まりのパターン。「エリア限定」「特別限定」もある。気持ちがくすぐられるかもしれないが、家づくりは決して急いではいけない。落ち着いて考えよう。「あせり」は禁物。
123)見学会[けんがくかい]
これから自分の家を手に入れる人たちには必ず参考になるイベント。積極的に参加して参考にするのがよい。ただし、住宅販売業者が誘い出す見学会は、きれいに整理整頓されていて都合の悪いところは見せないので、建築現場の生の様子は分からない。完成現場より建築途中の家づくりの様子を個別に見せてもらうのがポイント。ありのままの建設現場は生の情報が満載。

124)内覧会[ないらんかい]
主に完成した商品(家)を公開するイベントで、自社商品の自慢大会の色合いがある。
125)参観日[さんかんび]
某大手住宅メーカーの見学会の呼び方。
126)オープンハウス[おーぷんはうす]
すでに生活が始まっている家の見学会の呼び方。
127)モデルハウス[もでるはうす]
自社の商品(家)を「見て納得」してもらえるように建てられている「気取ったモデル」の家。文字通りモデルとして飾り付けられており、本当の姿は見ることができない。中に入ると「家族が暮らしている」実感が湧かない、どこかかしこまっていてよそよそしい空気が漂っている。あなたの家づくりでは、部屋の大きさの実感と窓の大きさによる明るさの確認程度。
128)住宅展示場[じゅうたくてんじじょう]
モデルハウスが立ち並んだ、非日常的なイベント広場で豪華仕様のモデルになった家を見学したいときに行くとよい。家の中を見学するときは営業マンかセールスレディーが付きます。
129)商品ラインナップ[しょうひんらいんなっぷ]
様々なデザイン、様々な仕様を揃えた、好きなものを選びやすくする品揃え。家の場合、暮らしの仕方を考える「家づくり」にはあまり関係ない外観に惑わされないように気を付けることが大切。
130)モニターハウス募集[もにたーはうすぼしゅう]
これから家を建てたい人の情報が欲しい場合や、すぐにでも商品(家)を売りたい場合に手軽に使われる宣伝文句。家の価格が特別安く(モニター価格という)、ほとんどが抽選ということになっていて、抽選にもれたひとたちは「すぐに家を欲しがっている」大切なお客様としてリストアップされ、営業マンの訪問ターゲットになる。
この記事を書いた人
小林桂樹株式会社パウムテック代表取締役
一級建築士、宅地建物取引士。
多くの大工棟梁を育てた工務店の三代目として育つ。家業をベースにした「地場工務店を経営する一級建築士事務所」として多様な暮らしに寄り添った家づくりを実現。「住まう人のやりたいをかたちに」を経営理念とし、家の設計から新築やリフォームの建築工事までをワンストップに取り組む家づくりに詳しい専門家。
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