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納得できる「家づくり」用語集11 家づくりの税金

今回の用語は、家づくりに関わる税金のいろいろです。契約書や領収書に貼る印紙というかたちの「印紙税」、土地や建物を登記する際に必ず掛かる「登録免許税」。土地や建物を取得したときの「不動産取得税」。これらの税金には特例があるので、専門家(司法書士や税理士)に問い合わせるとよいでしょう。

小林桂樹2025/12/19

納得できる「家づくり」用語集11 家づくりの税金
  • 税金[ぜいきん]、不動産[ふどうさん]、土地[とち]、建物[たてもの]、登記[とうき]、登記簿[とうきぼ]
  • 抵当権[ていとうけん]、住宅取得控除(住宅ローン減税の特例)、不動産を持っているときの税金、親からの資金贈与
  • 司法書士[しほうしょし]、土地家屋調査士[とちかおくちょうさし]、税理士[ぜいりし]、宅地建物取引士[たくちたてものとりひきし]

☆建築士Eyes

あなたの家づくりのなかで、もしかしたら一番とっつきにくく、分りにくいのが「税金」のことかもしれません。あなたが面倒に思ったり、嫌だと思っても、決して避けては通ることができません。後ろ向きに考えるとつまらない発想しか浮かばないので、前向きに考えましょう。

ここでは、なじみがないこと、なじみがないだけにあまり考えたくないことを前向きに考えるキッカケになるようにキーワードをまとめました。

あなたの家に関係する税金は、建築工事が終わってみないと分からないし、住んでみないと分からないことがいっぱいです。また、その家での暮らしにかかる「コスト」も住んでみないと分からないことがあります。

したがって、「住宅ローン減税」に期待して「家賃並み」で商品(家)を手に入れたとしても、過度の期待は禁物です。それに、将来の「ライフサイクル」コストも考えておくことが大切です。

103)税金[ぜいきん]
「不動産」を「購入」「売却」「交換」「買換え」「贈与」「相続」「新築」「増改築」「所有」したときに掛けられる国や県、市町村の収入源。多くの人が「節税」を考えている。

104)不動産[ふどうさん]
「土地」と「建物」。動かすことができないもの。

105)土地[とち]
国の機関である法務局で保管管理している土地登記簿に記録(「登記」)されていて、その数え方は一筆、二筆。一筆の土地がそれぞれ「登記簿」に記載されている。その「登記簿」を元に所有者が決められていて、土地の取引の履歴が記載されている。

106)建物[たてもの]
土地とは別に建物登記簿に登記されていて、建物の所有権は土地の所有権と区別されている。

107)登記[とうき]
不動産の現在の状況を表す「表示に関する登記」と、不動産の権利が分かる「権利に関する登記」がある。主な不動産登記は「表示登記」「所有権保存登記」「所有権移転登記」「抵当権設定の登記」「抵当権抹消の登記」。

108)登記簿[とうきぼ]
不動産の権利関係が分かる帳簿。法務局と呼ばれる国の機関が管理運営していて、誰でも自由に見ること(閲覧)ができる。ただし手数料が掛かる。土地建物の現況、所有権者、抵当権者が分かる内容になっている。

109)抵当権[ていとうけん]
「担保」といわれ、住宅ローンを使って土地や建物を手に入れるとき、避けて通ることができない「保証の差し出し」のこと。万が一、住宅ローンの返済ができなくなれば、土地や建物を手放すことになる。

110)住宅取得控除(住宅ローン減税の特例)
住宅(家)を「購入」したり「新築」したり「増改築」したとき、決められた条件をクリアすれば、一定期間、借入金残高の一定の割合が所得税から控除される。対象となる期間が10年と決められているが、住宅ローン返済が始まってから10年間、ローン残高に応じて所得税が控除される「期間限定」の特例がある。「最高の控除」を考えてしまうが、あなたの所得と「住宅ローン」の残高に応じて控除の金額が決められるので過度の期待は禁物。

111)不動産を持っているときの税金
毎年1月1日の時点で「登記簿」に登記されている所有者に、その土地建物がある市町村から課税される「固定資産税」。この税金からは絶対逃がれることはできない。念のため。都市計画区域のなかにある土地建物に課税される「都市計画税」があるが、税率が低いので、あまり気にすることはない。

112)親からの資金贈与
住宅(家)の取得を目的とした場合、親からの資金援助に掛かる贈与税が非課税となる。「建てたり」「購入したり」して、家を手に入れるときにはこうした特例を最大限に利用しましょう。

<不動産の登記に必ず必要になる専門家>

あなたが家という不動産を手に入れるときに力になってくれる専門家がいます。「司法書士」と「土地家屋調査士」です。ごくまれに「税理士」のお世話になります。また、他人同士による不動産取引の橋渡しに必要な専門家は「宅地建物取引士」です。

113)司法書士[しほうしょし]
不動産を買ったり売ったりするときに事務的な法的な手続きをあなたの代わりにしてくれる専門家。

114)土地家屋調査士[とちかおくちょうさし]
「不動産の表示」の登記に際し、土地と建物に関する調査、測量、申請の手続きをしてくれる専門家。

115)税理士[ぜいりし]
不動産に関係する税金について相談相手になる専門的な知識を持っている税の専門家。

116)宅地建物取引士[たくちたてものとりひきし]
土地や建物を「買う」「売る」「交換」するとき、様々な法律に照らし合わせて、間違いのない取引を円満かつ円滑に成立させる専門家。

その家が「空き屋問題」になる前に読む本 小林桂樹・著

この記事を書いた人

小林桂樹

小林桂樹株式会社パウムテック代表取締役

一級建築士、宅地建物取引士。

多くの大工棟梁を育てた工務店の三代目として育つ。家業をベースにした「地場工務店を経営する一級建築士事務所」として多様な暮らしに寄り添った家づくりを実現。「住まう人のやりたいをかたちに」を経営理念とし、家の設計から新築やリフォームの建築工事までをワンストップに取り組む家づくりに詳しい専門家。

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