2023年の高値は3カ月ごとに訪れる――景気の循環論で見る相場

2023年も余すところ2カ月。今年を振り返りつつ、年末に向けた東京市場の動きを考察する

望月純夫2023/11/04

3カ月ごとに訪れる「高値」

もう一つ今年の相場の特徴は、高値が3月11日、6月24日、9月15日と3ヵ月ごとに来ていることで、その都度、先物主導で相場が上昇し、天井からの局面では現物売りに崩されている。これが3,100円割れでの買戻しと3万3,000円超での売り転換を引き起こしている。ボックス相場の要因は、企業業績の発表が思ったほどでないことが影響している。

10月16日の引け3万1,960円に対するPERは15.10倍、EPS(1株当たり利益)は2,110円となる。2023年3月期でみるとPERは15.53倍なのでEPSは2,057円である。
10月前半までは2,070円程度であり、2月決算銘柄の発表により10日程度でEPSは40円上昇(約2%)した。11月初めにかけて3月期銘柄の決算が発表される。

現状での予想は上方修正されると予想が多く、期待以上の上方修正があれば、全値戻し、つまり9月15日の高値に肉迫することにある。

11月10日(第2週の金曜日)がオプションの清算日に当たることもあり、今期再度の3万3,300円乗せとなれば、12月にはさらなる上振れが起きても不思議ではない。
この要因は、解散総選挙と米の金利引き上げの終了宣言による。現在までのところ、12月10日、17日、24日が投票日の候補となっている。私は、9月の時点で、12月17日説を立てていたが、現実味を帯びだしてきている。

選挙銘柄であるムサシ(7521)、イムラ封筒(3955)にはまだ特段の動きは見られない。株価は、割安株買いよりも企業業績の変化により動く方が理解しやすい。

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この記事を書いた人

望月純夫

望月純夫株式ストレジスト、コンサルタント、ラジオパーソナリティ

1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

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