体の「五行」を理解して、毎日を快調に過ごす健康対策

これだけでわかる! イライラ、疲れやすさ……ちょっとした体の不調を整える東洋医学の「五行」の基本と活用法

斉藤明美2024/10/17

五行のそれぞれの回復と強化のポイント

いかがでしたか?
チェックの数が多かった臓器には注意が必要です。
それぞれの回復、強化の方法は以下のようになります。

■肝にチェックが多かった方へのアドバイス
自律神経と密接にかかわるので、ストレスを受けるとダメージを受けやすくなります。
ストレス発散を心がけ、適度な運動や入浴でリラックス。柑橘類など酸味のある食材、また、気の流れをスムーズにする春菊、三つ葉などの香味野菜もおすすめです。

■心にチェックが多かった方へのアドバイス
ストレスは肝だけでなく心にも伝わります。
激しすぎず、適度な汗をかくことで気が巡ります。不眠は入浴や足湯でからだを温め、熱が冷めていくことで眠気を生じます。神経過敏な場合には小魚などカルシウムを多く摂るのもおすすめです。

■脾にチェックが多かった方へのアドバイス
加齢に伴い胃腸機能は弱ってきます。
食養生がとても大切で、腹八分を心がけましょう。そのうえで食べ物が蓄積されないように眠る3時間前には食事を終わらせるようにします。鶏肉、山芋などは滋養強壮効果、穀類、イモ類、豆、キノコ類は消化機能を高める効果があります。

■肺にチェックが多かった方へのアドバイス
肺は気を全身に巡らせる働きがあるので、強いストレスは気の巡りが滞りがちになります。
1日1回は必ず深呼吸を行い、大きな声をだすことで肺の機能を高めましょう。ハチミツは肺を潤し、梨、銀杏も肺のパワーを高めます。辛いものは肺の働きを調整し、停滞した気と血の流れを促進する作用があるので、ネギ、タマネギ、生姜なども上手に取り入れましょう。

■腎にチェックが多かった方へのアドバイス
腎のパワーは老化と共に誰でも減少します。
腎の働きは腰・膝など下半身から弱まるので、スクワットなどがおすすめです。腎を補う食材としては、にがりの入った天然の塩辛さを適度にプラスしてください。このほか山芋、オクラ、なめこなどのねばねば食品、黒豆、黒ゴマ、ひじきなど黒い色の食材の摂取も重要です。

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この記事を書いた人

斉藤明美

斉藤明美薬剤師・医学博士

北里大学薬学部卒業後、大学病院、企業診療所、透析施設で薬剤師として勤務。その後、製薬会社で企画販売に従事し、体調を崩した時に漢方薬に出会い、漢方を学びはじめる。日本漢方協会漢方講座を経て、田畑隆一郎先生の無門塾入門、愛全診療所 蓮村幸兌先生(漢方専門医)の漢方外来にて研修。現在は「より健やかに、更に美しく」を目指して患者さんの漢方相談、わかりやすい漢方の啓蒙活動に取り組んでいる。著書に『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』(ごきげんビジネス出版)がある。

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