最低3か月の固定費を確保――安定したマンション投資

マンション投資での最大のリスクは空室になることだ。しかし、それ以上に注意しなければならないのはその後の対応だ。空室がなかなか埋まらないと焦らないために必要なこととは。

齋藤岳志2024/08/02

苦し紛れの選択をしないための備え

その経験も踏まえさせて頂き、また1日でも早く空室を埋めるために、誰でもいいから入居してもらう、などということをしないためにも、固定費の3か月分、より安心感を強めたいということであれば6か月分くらいを、換金性のある資産に置いておくことが、最悪の事態への備えになると、私は感じています。
早く空室を埋めたい気持ちは分かりますが、入居者様の吟味を怠ってしまうと、入居後に賃料の滞納や近隣の入居者さんとのトラブルなども起こりかねません。
賃貸管理会社に委託をしていたとしても、精神的にやきもきして、ストレスを抱えることにもなりかねないからこそ、しっかりした入居者さんに部屋を選んで頂けるまでの空室に耐えられる備えは、しておくに越したことはないと思うのです。

ただ、これも、保有している部屋がすべて同時に空室になった場合に発生するという、最悪の事態です。あなたが保有されている部屋数などによっても備えの金額は変わりますが、複数の部屋を、異なる場所に保有されている場合であれば、100%とは言い切れませんが、3部屋以上が同時に空室になる可能性は低いのでは?と感じています。
つまり、少なくても3部屋あれば、2部屋同時に空室になったとしても、1部屋は入居者がいる状態を維持できるのではないか、ということです。

私にとって、「3」というのは、好きな数字、キリの良い数字だと感じています。
毛利元就の「3本の矢」、「3人寄れば文殊の知恵」など、3に関わることは、一回り大きくなれる、強さみたいなことを感じさせてくれる、と私は感じています。
大家という立場で言っても、「家賃の入金が3か月続いて安心感を抱けた」とか「3部屋保有できた時に、少し安定した気持ちになれた」など、「3」は、自分の中で目標や節目になるような数字として、ずっと関わっているな、と感じています。

ご相談をお受けするとき、「最初の目標として3部屋保有を目指してみるのはいかがですか?」とお伝えするのも、そんな自分の気持ちの現われなのかもしれないな、と今これを書きながら、改めて感じたりしました。
だからこそ、「3」は、最悪に備える、という意味でも、安心感をもたらしてくれる部屋の数字ではないかな、と私は考えています。
あなたも、3部屋とか3か月など、「3」を意識して、備えも考えて頂くこと、1つの参考にして頂ければと思います。

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この記事を書いた人

齋藤岳志

齋藤岳志CFP ・FPオフィス ケセラセラ横浜代表

1977年横浜市生まれ。2001年上智大学文学部哲学科卒。
百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社への勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。信用取引や商品先物取引、投資信託、FXなど投資という名の付くものは すべて経験し、その中で自身に一番合った大家業を2007年にスタート。 不動産投資に関するアドバイスを中心とした ファイナンシャルプランナーとして活動中.。著作に『FP大家だけが知っている資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由』(合同フォレスト)、『老後が不安……。貯金と年金で大丈夫ですか? インフレ到来で「貯めているだけ」は危険』(現代書林)がある。エフエム戸塚「戸塚井戸端会議。」レギュラー出演中。

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