火災保険の加入を義務付けている理由
通常は、自分が火元になって近隣の住民に迷惑を掛けた場合、失火責任法によって重過失(著しい落ち度)がある場合を除くと、出火責任は問われません。しかし、民法415条の債務不履行責任により、家主に対して賃貸借契約満了後に借りていた物件を元通りにして返すことができなくなります。そのため家主に対する損害賠償義務が生じることがあります。
ほかにも賃貸マンションなどの場合、火事や自然災害による損害以上に多く発生するのが漏水事故です。入居者が階下の入居者に漏水事故で損害を与えた場合、損害賠償額が多額になると保険に加入していないと賠償できない可能性もあります。
家主からすれば、入居者同士でのトラブルを減らす意味からも保険に加入して対処できるようにしておく目的があるのです。
入居者向けの火災保険でカバーされる補償
賃貸・持ち家に限りませんが、火災保険というものの補償される内容は火事のときだけではありません。
<家財保険の主契約の主な補償内容>
1)火災
2)落雷
3)破裂・爆発
4)風災・ひょう災・雪災
5)水災
6)建物外部からの物体の飛来・落下・衝突等
7)盗難
8)破損・汚損等
保険会社や補償プランによって違いはありますが、一般的に上記の内容等が補償されます。
保険そのものは個別ではなく、保険各社のセットプランで対応することが一般的です。
なお、引っ越しなどをする場合、火災保険の保険期間が残っている場合、解約すると未経過分が返金されることがあります。