火災保険「水災補償」のチェックポイントと、失敗しない保険請求の方法

異常な暑さが続いた今年の夏。その一方で台風も押し寄せ、日本各地で大雨による被害が出ている。こうした災害に対応するのが火災保険だ。しかし、洪水などの水災についてカバーしていないものもある。そんな火災保険の解説から、もしものときに請求方法について。

平野敦之2023/09/15

もし水災被害にあってしまったら…失敗しない請求

異常気象によってどこで洪水があってもおかしくない (Photo 123RF)

万が一、床上浸水などの被害に遭った場合の保険金請求に際して、いくつかのことを覚えておいてください。水災といってもきれいな真水が上がってくるわけではありません。水が引いたあとには、臭いや汚れが残ります。浸水して使えない家財などはさっさと捨てたいでしょうが、破棄する前にスマホで構わないので写真を撮っておいてください。

自分で撮った写真がなくても、保険金の請求はできなくはありませんが、あった方が支払いはスムーズです。

写真の撮り方のポイントは、衣類などは枚数が分かるように広げて、全体が分かるようする。さらにそれぞれ寄りの写真も撮っておきましょう。
建物の場合には、四方から同じように全体が分かるものと、浸水のあった水のあと(浸水線)などが分かるように撮影します。

メジャーがあれば45㎝が分かるように、なければペットボトルなど大きさが分かるものを一緒に並べて撮っておきましょう。保険会社によっては、LINEから保険金請求や専用のアプリを用意しているケースもあります。なかなか難しいですが、川の近くや、低い地域で水が出やすいような地域にお住まいであれば、被害に遭う前に事前にこうした準備もしておくといいでしょう。

2024年には火災保険料率が改定、保険料の値上がりも

火災保険料率は改定が続いていますが、2024年中にも再び火災保険料率等が改定される見込みです。次の改定では水災危険のリスクを火災保険料率に反映される予定ですので、水災危険リスクの高い人はこうしたことも考慮しておいてください。

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この記事を書いた人

平野敦之

平野敦之平野FP事務所 代表

CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。

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