1978年生まれ。埼玉大学経済学部卒業後、国内大手金融機関、外資系金融機関勤務を経て独立し、株式会社ライフサポートを設立。25年以上の株式投資経験を活かし、徹底的に企業の決算短信を読み込み、チャート分析からはわからない経済分析、個別企業分析をYouTube「カブアカちゃんねる」で展開。全決算を最速分析しているnote『カブアカマガジン』を日々更新中。
ネットプロテクションズホールディングスの短信をどう読み解くか
なぜネットプロテクションズを金ピカ銘柄と判断したのか、その理由を説明しましょう。まず、私が運営している『カブアカ』での決算分析システムの表の色分けは、ピンクがポジティブ、黄色が高評価、ブルー、グレーがネガティブ、といった具合に色分けしています。

同社の2024年8月の短信から決算内容がポジティブに変化し、その後の評価は最上級になりました。
ネットプロテクションズは、バイナウペイレイターというサービスの会社で、これは「今すぐ購入して後で支払う」という後払い決済システムの会社です。
正直、クレジットカードを使えないような人に向けたサービスで、日本では受け入れられなのではないかと、最初はあまりよいイメージはありませんでした。
とはいえ、このサービスの取引量を調べると世界市場では50兆円を超えているもので、日本では2兆円程度の市場です。しかしながら、この会社の取引先を調べると法人が多いことがわかりました。
また、私がこの会社に目を向けた5月ごろというのはサイバーセキュリティがクローズアップされていて、実際、5月にはインターネット証券のフィッシング詐欺による不正アクセスに対して、大手証券やネット証券の10社一定の被害補償をするといった発表があり、社会の耳目が集まっていた時期でもありました。
こうなるとクレジットカードを持ってない人だけでなく、持っている人もネットでの商品購入などでクレジットカードを使いたくないという人も増えくてるかもしれない。そうなればこのビジネスの最大手であるネットプロテクションが伸びる可能性が十分あるだろうと考えました。
さらにこの会社は急成長中で、このときの時価総額がもう少しで500億円に届きそうな段階だった。この「時価総額500億」というのは非常に重要な数字で、これを超えるか超えないかで機関投資家が乗り込んでくるかどうかという目安となる時価総額です。
そんなところで中期経営計画を2年前倒しした上方修正を行った。
こうしたことから、これは大きな波が来る前に仕込む絶好のタイミングだなと判断しました。
ただ、私が買いに入ったのは5月16日で、その後株価はズルズルと20%近く下がって、ちょっと嫌な感じもしました。しかし、腹を括った以上、ここはナンピンをしていきました。すると5月22日に株価が上がりはじめた。私は23日に最後に買いを入れ、その後、株価は反転して上がり、利益をあげることができました。
このように私の銘柄選びでは何か1つだけで判断していません。
ネットプロテクションズでは、ビジネスの国内外の可能性、取引先、社会情勢、マクロ的に見た株価、事業計画の進捗などから投資すべきか見極めています。そして、投資対象を見定めれば、あとはこれで株価が下がれば切腹覚悟で、ナンピンし続けるということです。