『カブアカ』古賀真人の実践投資講座(3) 決算短信の読み方 お宝銘柄はここで見抜く!

決算短信をどう読む? PER・PBRだけでなくネットキャッシュや営業CF、そして……お宝銘柄を見抜く方法を徹底解説

古賀真人2025/08/21

組み合わせと想像力で企業のストーリーを読み解く

ここまで大まかに決算短信の内容、見方の説明をしましたが、これのどれか1つを見ればよいというわけではありません。それぞれの指標は繋がっていて、組み合わせたり、全体のバランスから投資に値するかを見極めます。

例えば、最近では、PBR1倍割れ企業に注目が集まっておりますが、減収減益企業でも割安といえるか? 逆に、売上、利益ともに過去最高業績だったらどうか? など、同じPBR1倍割れであっても、そのときどきの状況によって、見方は変わり、一緒にはできません。これらの指標をどう組み合わせるかによっても、見方が違ってきます。
そこで重要なのは想像力と、これらの指標や、経済状況からどのようなストーリーが思い浮かぶかということです。

決算短信のほかにも企業は、その時々でさまざまな発表をします。その中でも重要なのは「上方修正」「下方修正」です。とくに上方修正があると株価は上振れすることが多くなります。しかし、すべての上方修正がよいとは限りません。

上方修正は株価を上げる要素になりますが、その理由がとても重要なのです。たとえば、保有する有価証券の売却や、自社不動産の売却であれば、本業の利益ではないのでそれだけでは投資に値する上方修正とは一概に判断できないかもしれません。

ポイントは「有価証券や不動産を売却してまでキャッシュをつくる理由とは何か」ということです。具体的にはPBRが低い企業であれば、キャッシュフローのところでも指摘した自社株買いを考えているのか。また、余剰金を増やして借り入れまで返済していたら、何か大きな事業展開を考えている可能性もあるのではないか……。
このように資産を売却する理由は、何かを考え、それにストーリーが展開できれば、買い要素になります。

中でもこうしたストーリーを考えやすい指標がフリーキャッシュフローです。
フリーキャッシュフローが増えて、そして、余剰金も増えていたとしたら、そのお金が何に使われるのかを考えます。
繰り返しになりますが、最初に思いつくストーリーは、増配、自社株買いです。あるいは、借り入れの返済のためということも考えられます。

実際、私はこうしたフリーキャッシュフローの動きから、2024年はファミリーマート、ローソンのTOB、三菱商事のケンタッキー売却を予測し、大きな利益を得ました。このケースでは露骨に財務が改善した動きがあった記憶があります。こうした変化にアンテナを立てておくことが重要です。

最近、改めて重要だと再認識しているのが「15)企業のコメント(経営成績に関する説明)」です。
ざっと見ただけでは通り一遍のことしか書いていないように思えます。しかし、丁寧に読んでいくと、何がうまくいっているのか、その理由や、ダメだった理由を詳しく書いている企業もあります。また、今後の見通しについての気合を熱く語る企業も見つけることができます。

私はこのようにして発表される企業の決算短信を読み込み『カブアカマガジン』にて、投資に値する「金ピカ決算書」として紹介、システムを提供しています。
次回からは、私が注目した銘柄について具体的に語っていきたいと思います。

■古賀真人『カブアカマガジン』
https://note.com/masatokoga

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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この記事を書いた人

古賀真人

古賀真人個人投資家、経済アナリスト、会社経営者、投資系YouTuber

1978年生まれ。埼玉大学経済学部卒業後、国内大手金融機関、外資系金融機関勤務を経て独立し、株式会社ライフサポートを設立。25年以上の株式投資経験を活かし、徹底的に企業の決算短信を読み込み、チャート分析からはわからない経済分析、個別企業分析をYouTube「カブアカちゃんねる」で展開。全決算を最速分析しているnote『カブアカマガジン』を日々更新中。

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