いまさら聞けない「新NISA」――おさえておきたい基本

まだまだ間に合う「NISA」への取り組み。その基本的な考え方をイチから解説。

石田智美2024/07/04

やってる人とやらない人の差は広がるばかり

S&P500の、19年~24年までの過去5年間の平均金利は約19%。
毎月3万円を貯金代わりに積立て投資していたら、5年間の元本額(実際に自分が支払う額)は、180万円になります。
元利合計額は、約297万円なので、運用益だけで約117万円増えたということです。
さらに、通常はこの117万円に20%の税金がかかりますが、NISAではその20%の税金が非課税になるため、約23.4万円の税金が取られずに済むことになります。

どうでしょうか?

月3万円を5年間で、117万円増えていたなら、やっておけばよかったと思いませんか?

とはいえ、ここ5年間は、S&P500の金利が過去の実績を見てもよすぎるので、今後のシミュレーションをする際には、1965年以降の平均である10%前後で考えておいた方がよいと思います。2018年に起こったリーマンショックのような経済危機があったとしても、10年、20年スパンで考えた時に、米国市場は右肩上がりになっていくと予想されますし、実際にリーマンショック後に右肩上がりに戻っています。一時的なマイナスを見込んだうえでの過去の実績で、シミュレーションおくとよいでしょう。

メンタルブロックと向き合ったNISAの活用法

こうしてシミュレーションしてみると、投資をやったほうがいいと思っていただけたのではないでしょうか?

それでも、「自分には無縁」「でも、減ることもあるんでしょ?怖い」といったお金のメンタルブロックがある方は、前回の記事を参考に自分のお金のメンタルブロックを書き出していただくと同時に、スモールステップにするということをおススメします。

例えば、証券口座だけ開設してみる、少額だけやってみるといった方法です。
証券口座の開設だけならお金がかからないどころか、ポイントがもらえてプラスになりますし、
投資する金額も証券会社によっては投資信託なら、100円からできるため、例えばペットボトルのお茶やコーヒー代、あるいはランチ代1000円が勉強代と思える金額から始めると、心理的ハードルが下がり、始めやすくなります。
また、これも難しい方は、クレジットカードのポイントで投資ができる証券会社もあるので、ポイントを使って投資してみるのもおススメです。

ちなみに私の受講生さんで、お金のメンタルブロックが強かった方は、私のセッションにプラスして、クレジットカードのポイント投資を始めたところ、
「100万円以上入れている銀行の金利より、わずか数カ月1000円分のポイント投資でついた運用益の方が高かった」と、投資の効果を実感され、すぐに投資信託や他の投資を開始。娘さんにも投資信託を勧め、親子で投資を始めた、という方もいらっしゃいます。

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いくら理論を説明しても実践に勝るものはありません。
百聞は一見に如かず。
まずは、少額からスタートしてみてはいかがでしょうか。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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この記事を書いた人

石田智美

石田智美マネーコーチ

市役所勤務時代に、1000万円の貯金を作るも、給料だけで今後のお金が足りない不安から、投資を始める。
投資スクールで学ぶなかで、お金の知識だけだけでは「投資できる人」と「できない人」に分かれていくことに疑問を持つ。どんな人でも上手くいく方法として、資産運用にコーチングを掛け合わせた手法を確立。1対1のパーソナルセッションを中心にセミナーや無料オンラインサロン「MONEY LABO.」を主宰。社会を支える人がちゃんと豊かに幸せに暮らすための「お金×コーチング」サービスを提供している。

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