ゼロ金利政策の解除と4万1000円の節目を超え、次の焦点は個人消費

ゼロ金利政策が解除になり、日経平均も4万1000円の節目を超えた。これが今後も持続していくのか、企業の3月決算が出てくる中でその先を見極めるヒント。

望月純夫2024/03/25

GWの日本人は海外へ飛び出すか?

GWの日本人の海外旅行者数が見極めの目安

さらには、2024年1月から始まった新NISAにより、毎月恒常的に株式市場に資金が流入することになった。このように珍しいほどの需給改善が進んでいるのが今の状況なのだ。

3月中旬までの年金のリバランスによる大量の売りも下落幅2000円で収まった。昨年度は事業法人による自社株買いにより売りは吸収できた。
今年は、個人、法人、外国人の3つの買い手が揃う稀有の状態にある。この需給関係の良さに、円安や企業の上方修正、米国市場の好調さが市場を支えている。

日本の金利引き上げのスピード、米の金利引き下げのスピードは緩慢なもので、急激な円高に進む流れはいまのところ小さい。この円安により、中国を除く海外からの旅行客の増加により、ホテル代などの値上げや外食産業の値上げも通りやすくなっている。

次の焦点は、4月以降の賃上げ効果で個人消費が回復してくるかという点だ。
円安の中で回復が鈍い海外へ旅行する日本人客が、ゴールデンウィークでどこまで伸ばせるか回復できるかも焦点と言えよう。
過去2年間、消費信用の残高が増加し、滞納率が増えているマイナス要因もみられるが、緩やかながらも続く景気回復の中ではコップの嵐となろう。

さて最後に相場の格言を紹介しよう。

「sell in may come back in September」
「休むも相場」

この時期には前期の決算と今期の決算見通しが発表され、よほどの自信がある企業でない限り、強気の見通しが出しにくい時期に当たるのも原因の一つといえるだろう。

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この記事を書いた人

望月純夫

望月純夫株式ストレジスト、コンサルタント、ラジオパーソナリティ

1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

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