2024年株価予想――「辰巳天井」の市場動向を読み解く

2023年の株式市場は、年間での上げ幅7369円と1989年(8756円高)以来の大きさで幕を閉じた。「辰巳天井」の格言になる2024年の株式市場を占う。

望月純夫2024/01/03

2024年を日本が再び羽ばたく年にできるか

さて、過去の流れを考慮しながら2024年を占ってみよう。

国際情勢に目を向けると「2024年は米国では連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが見込まれ、大統領選挙に向けて混乱。12月29日にはロシアがウクライナ全土の一斉攻撃を行ったウクライナ問題は終結に絡んだ動きや混乱もありそうだ。
さらにアジアにおいては、中国の不動産バブル崩壊等があり得る。

国内に目を向けると日銀が春闘後にマイナス金利を解除するとみられ、秋の自民党総裁選までには解散・選挙も予想される。政局がらみでは、自民党の安倍派・二階派パーティ券問題の行方が注目される。
そして、4年に1度の大統領選の始まる11月、秋の総裁選に絡み年後半は波乱の可能性を頭に入れて対応したい。

20年ぶりの新しい1万円札(画像:日本銀行)

2024年7月には財務省と日本銀行が渋沢栄一を図柄にした新たな1万円札などを発行される。このデザイン刷新は2004年以来20年ぶりのことである。同氏が新札に選ばれた理由は、日本の新産業の育成に貢献したことにある。
そんな渋沢1万円札登場する2024日本が再び世界に羽ばたくスタートの年になることを期待したい。そのうえで2024年は3万8900円に挑戦する年と位置付けたい。

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この記事を書いた人

望月純夫

望月純夫株式ストレジスト、コンサルタント、ラジオパーソナリティ

1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

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