全国平均13%の値上げ――火災保険料改定、その詳細と対策

2022年10月に保険料の値上げがされたばかりの火災保険。2024年度中にも再値上げが予想されている。度重なる値上げの背景と改定内容、その備えとは?

平野敦之2023/10/13

過去最大の値上げ幅、改定の詳細内容

地域よっては保険料の値上げ幅さらに大きくなることも

損害保険料率算出機構が、2023年6月21日に金融庁長官に火災保険の参考純率※1の届出を行い、金融庁は同年6月28日に適合性審査を終えています。
(※1 保険料のうち事故発生の際に支払う保険金に充てられる純保険料部分のこと)

改定の内容は次の2点です。

・火災保険の参考純率を全国平均で13.0%引き上げ※2
・水災に関する料率を地域のリスクに応じて5区分に細分化

(※2 実際の保険料の改定幅等は個別の契約条件等や損保ごとに異なる)

全国平均で13.0%引き上げは、過去最大といわれた前回改定(平均10.9%)よりも大きな上げ幅です。また、全国一律だった水災料率が市区町村別に細分化されます。区分は最も保険料の安い1等地から最も保険料の高い5等地まで5区分となり、同じ都道府県でも、市区町村別に改定の影響が異なると考えてください。

どのくらいの影響かは個々に異なりますが、特に水災リスクの高い地域については保険料引上げの影響を大きく受けることになると考えられます。

もう一点重要なことはいつ改定されるかです。火災保険はすでに自由化されていますので、いつどのような改定をするかは各損保の自由です。この記事執筆時点では各損保は火災保険の改定について特に何も公表していません。それを踏まえてこれまで火災保険が改定されるまでの流れを確認しておきましょう。

火災保険の改定に向けてやっておくべきこと

この改定によって家計における保険料負担が増えることが予想されます。改定までにすべきことを確認しておきましょう。

・現在の保険始期日および満期日、その間の改定実施の影響
・改定実施時期について早期に把握
・自分の火災保険の改定幅によっては、必要に応じて見直しを実施

なお、水災料率の細分化による等地区分は検索して調べられます。

【参考】損害保険料率算出機構 水災等地検索
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/touchi/

この水災等地区分は適宜見直しされるようですが、自分の住まいの状況を確認して早めに対策を検討してください。

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この記事を書いた人

平野敦之

平野敦之平野FP事務所 代表

CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。

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