【書評】令和バブルの背景と、これから5年不動産動向を読み解く一冊

『2030年不動産の未来と最高の選び方・買い方を全部1冊にまとめてみた』
(山下 努 著/東洋経済新報社刊 1,870円税込み)

2024/06/03

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「タワマンは15年で売り抜けるべし」だという

不動産価格を先読みするヒントに

この経験から、行政や東京都都市計画審議会を回り、いま都内で進められている開発行為が表面化する10年以上前から確実に予測できることを知り、都心の公有地と一等地における現代日本の「囲い込み(エンクロジャー)の法則」を渋谷や横浜、阿佐ヶ谷、八重洲、築地、日比谷など具体例を挙げて検証、証明している。

また、高度成長時代の東京湾埋め立てによる水平的な国土拡大(東京湾埋め立ての「千葉方式」が代表例)と、現今の容積率未利用地(公有地等)の摩天楼化による中枢都心の垂直利用拡大に関係について、同じような業界が積極的にかかわり、都道府県が後押しする現実。最近の神宮外苑の再開発や晴海フラッグ選手村など東京五輪にまつわる開発も深掘りしている。

そんな令和バブル醸成の舞台裏のノンフィクションとして読むことができるのだ。もちろん、これから先のどのエリアの不動産が狙い目かを見極める不動産投資のバイブルとして読むこともできる。
いずれの読み方も、これからの日本経済、不動産の先読みに変わりはないのだから。不動産だけでなく、今後の日本経済の先読みの参考になるだろう。

『2030年不動産の未来と最高の選び方・買い方を全部1冊にまとめてみた』

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