『カブアカ』古賀真人、株式投資講座(序章) 上場3900社決算短信の研究はこうして始まった

貧困、カジノ・プロ、保険営業──波乱万丈の人生を経てたどり着いた「株式投資」のための決算短信分析の実践術

古賀真人2025/08/07

営業マンに役立つ株式投資の知識

保険営業でかけずり回っている間も、株式投資については、毎日ポイントを抑えてチェックをしていました。企業情報や決算短信を調べては、記録し自分なりに投資企業を研究し、投資対象とするだけでなく、興味が湧いた企業には社長にダイレクトメールを送ってアポイントを取りつけたりと、保険の営業活動にも大いに役立ちました。
実際、交流会や食事会では、上場企業の話というのは、企業の経営層や富裕層にウケがよく、距離を縮めるのに大いに役立ちました。企業経営者や富裕層は、経済に敏感な人が多く、株の情報収集から得た各企業の情報は経営層や富裕層の興味を惹きつけました。
営業先の会社の社長などから「君の話は面白い」と言っていただき、保険の話よりも株式投資にまつわる話ができたことによって保険の売り上げに繋がったことは間違いありません。

しかし、前述の通り保険営業の主力だった節税の保険商品がなくなり、さらにコロナ禍で対面によるリアル営業もできなります。収入が絶たれ、事業転換を余儀なくさせられます。事業転換と言っても、すぐにでも始めることができる仕事など思い当たりません。「とにかく自分ができることを手あたり次第商品にするしかない」という気持ちで何でもかんでもアウトプットして、値段を付けていきました。
2021年6月に「note」に、自分なりに分析した海運関連株の記事を投稿し、これに100円の価格をつけて売ってみたのです。
すると2、3時間もしないうちに、この記事が売れたのです。
当時の私はインフルエンサーどころか、フォロワーすら一人もいませんでした。

そんな私の記事が100円とはいえ、売れたことに衝撃を受けました。もはや株式投資に対するネガティブイメージを気にしている場合ではありません。「もっと記事を書こう、書きまくろう」という気持ちになったのです。
趣味で株式投資をしている間も、何の理由もなく株価が、急騰したり急落する光景を何度も目のあたりにし、その理由はどこにあるのかを探り、決算短信をこれまで以上に詳しく読み込み、翌日にはその分析記事を「note」に掲載していきました。

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この記事を書いた人

古賀真人

古賀真人個人投資家、経済アナリスト、会社経営者、投資系YouTuber

1978年生まれ。埼玉大学経済学部卒業後、国内大手金融機関、外資系金融機関勤務を経て独立し、株式会社ライフサポートを設立。25年以上の株式投資経験を活かし、徹底的に企業の決算短信を読み込み、チャート分析からはわからない経済分析、個別企業分析をYouTube「カブアカちゃんねる」で展開。全決算を最速分析しているnote『カブアカマガジン』を日々更新中。

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