お金と資産、ビジネスで
ちょっとウエを目指す情報サイト/Gold beans.

介護費用に2300万円、今の年金・預貯金で足りる? まず「試算」から始める

老親一人を看取るまでにかかる介護費用は、およそ2300万円。だが「2000万円以上備えている」人はわずか6.2%にとどまる。さらに親子の8割が、介護とお金を一度も話し合っていない。迫る大介護時代の現実とは

Gold beans.編集部2026/06/29

介護費用に2300万円、今の年金・預貯金で足りる? まず「試算」から始める
  • 2040年に要介護認定者900万人時代へ。看取りまでの介護費用は約2300万円
  • 「2,000万円以上備えている」は6.2%、「子に頼りたくない」は84.3%
  • 親子の8割が「お金の話」を未対話。東京944万円・埼玉324万円の地域差も

2026年6月22日、高市早苗首相が出席した衆議院予算委員会で、介護をめぐる質疑のなかで、1つの数字が突きつけられた。2040年には、要介護・要支援の認定者が900万人を超えかねないというのだ。もはや、介護問題は「将来の不安」ではなく、目前に迫った現実である。

実際、厚生労働省系の推計では、要介護・要支援の認定者は2024年度の約693万人から増え続け、2040年には900万人前後でピークを迎える。実に2割超、見方によっては3割の上積みである。
一方、支え手のほうは、逆に細る。厚労省の推計では、2040年度に必要な介護職員は約272万人。これに対し、確保できる見込みとの差は約57万人にのぼる。需要が膨らみ、担い手が足りない。認定そのものも追いつかず、法律で「30日以内」と定められた要介護認定の審査は、2023年度の全国平均で40.8日を要している。

そこで国は、この審査にかかる時間短縮をデジタルで縫おうとしている。要介護認定へのAI活用やオンライン化の検討が進み、2020年代後半には制度的な手当てが講じられる見通しだ。だが、行政が迅速になったところで、肝心の費用を払うのは家計である。介護はますます「お金で買う」領域へと押し出されていく。

看取りまでに必要なお金は約2300万円

では、その家計の負担は、いくらになるのか。LIFULL seniorが2026年6月に行った調査によると、在宅で1年(月5.3万円・計63.6万円)、その後に介護付き有料老人ホームへ5年(入居一時金690万円+月25.7万円)。これを合算すると、入居から看取りまでのおよそ6年間で総額は2295.6万円。ざっと2,300万円が必要とされるという。

ところが、調査に答えた人の備えは、この額に遠く及ばない。「2000万円以上備えている」と答えたのはわずか6.2%。そもそも「備えていない」が約6割を占め、「いくら必要かわからない」も42.1%にのぼった。金額の見当すらつかないまま、介護を必要とされる人が4割を超える、ということなのである。

「子には頼りたくない」が、8割超

では、足りない分は誰が払うのか。ここで「子ども」と答えた人は少数派だった。

「自分の介護費用を子に支援してほしいか」との問いに、「あまり思わない」38.2%、「全く思わない」46.1%。合わせて84.3%が、子からの支援を望んでいないと答えている。だが問題は、その意思を貫くだけの備えが手元にないことだ。頼りたくない、けれど2000万円超の蓄えもない。矛盾した状態にあるのが、将来の要介護予備軍の平均像なのである。

さらに深刻なのは、当の親子がこの問題を話し合っていない点だ。
介護とお金について「ほとんど話し合ったことがない」21.5%、「全く話し合ったことがない」59.0%。実に80.5%が、“不都合な真実”については沈黙したまま来ている。

住む場所で、費用は944万円から324万円まで

また、見落とされがちなのが「地域差」である。
介護付き有料老人ホームの入居時費用相場(2026年5月末時点)は、東京都944.0万円に対し、神奈川県712.5万円、千葉県477.5万円、埼玉県324.0万円。東京と埼玉では620万円もの開きがある。加えて、月額費用も東京の29.4万円に対し埼玉22.0万円と、月7万円超の差がある。

築年数による違いも小さくない。1990年より前の建物は月額の中央値が約13.2万円、1990年以降は約17.0万円と新しさを取るか、価格を取るかの選択になる。
これまでは「老後資金2000万円」が注目されてきたが、これに介護費用の負担についても考える必要が出てきているようだ。
ただし、介護費用単独で2300万円が必要とうわけではなく、現在の生活費に比べ、介護施設に入居した際にかかる費用がどの程度増えるのかを計算し、どの程度不足するか一度、試算してみてはどうだろうか。

この記事を書いた人

Gold beans.編集部

Gold beans.編集部

  • WEB

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています