人生100年を元気で生きる漢方活用の基礎知識

人生100年時代、健康で楽しく過ごすために漢方薬を生活に取り入れる。漢方薬の基本、服用方法から効能……わかりやすく解説し、健康維持や自然治癒力の向上に役立つ情報を解説。

斉藤明美2024/07/02

漢方薬の特徴――一人ひとりの症状をみながら自然治癒力を高める

それぞれの症状に合わせて生薬を組み合わる

漢方薬の特徴は一人ひとりの「証(しょう/体質やタイプ)」や症状をみながら、こころとからだのバランスを整え、全体の調和を図り自然治癒力を高めていきます。

病名がついていなくても、何となく頭が重い、気分が優れない、食欲がないなど自覚症状があれば「気のせい」と考えず、いわゆる未病としてアプローチできるのも、漢方の特徴の1つです。
ただ、同じ症状でも違う漢方薬を用いることもありますし、漢方薬を服用することでからだ全体のバランスが整うので体質改善につながります。
なかには、食欲不振が治ったら毎年の花粉症が出なくなった、頭痛が起こらなくなったら便秘が治ったなど、思いもかけない症状が改善されていきます。また、漢方薬は長く服用しないと効かないというイメージがありますが、風邪やこむら返り、胃の不調など即効性が期待できるものもあります。

次回は自分の体質やタイプ(体力の有無や病気に対する抵抗力の強弱)を知る漢方のものさしとなる「証」や気血水(きけつすい)についてお伝えしていきます。

斉藤明美『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』
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この記事を書いた人

斉藤明美

斉藤明美薬剤師・医学博士

北里大学薬学部卒業後、大学病院、企業診療所、透析施設で薬剤師として勤務。その後、製薬会社で企画販売に従事し、体調を崩した時に漢方薬に出会い、漢方を学びはじめる。日本漢方協会漢方講座を経て、田畑隆一郎先生の無門塾入門、愛全診療所 蓮村幸兌先生(漢方専門医)の漢方外来にて研修。現在は「より健やかに、更に美しく」を目指して患者さんの漢方相談、わかりやすい漢方の啓蒙活動に取り組んでいる。著書に『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』(ごきげんビジネス出版)がある。

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