人生100年を元気で生きる漢方活用の基礎知識

人生100年時代、健康で楽しく過ごすために漢方薬を生活に取り入れる。漢方薬の基本、服用方法から効能……わかりやすく解説し、健康維持や自然治癒力の向上に役立つ情報を解説。

斉藤明美2024/07/02

漢方薬の剤形――「湯」「丸」「散」それぞれの服用方法

形状によって服用方法が違う (Photo 123RF)

現在、服用されている漢方は、エキス顆粒・細粒剤が多く用いられていますが古くは湯剤(煎じ薬)、丸剤、散剤などいろいろな剤形があり、服用方法もさまざまでした。

1)「湯剤」は、いわゆる煎じ薬で、刻んだ生薬をじっくり煮詰めて作ります。
風邪のときに服用する葛根湯などが有名で名前の最後に「~湯」とつくものが一般的で、多くは温かい状態で服用します。

2)「丸剤」は、生薬を粉末状にして混ぜ、はちみつで丸く練り固めて作ります。
長期保存が可能で胃や腸でゆっくり溶けるので持続性があり、慢性的な症状に適しています。一般的には白湯や水で服用しますが漢方のアンチエイジング薬である八味地黄丸(ハチミジオウガン)などは少量の温めた日本酒で服用すると一層体が温まります。

3)「散剤」は、生薬を粉末にして混ぜたもので、即効性が期待できます。白湯や水で服用し、頭痛やむくみの ときに服用する五苓散などが有名です。

4)「漢方エキス剤」は、生薬の煎じ液からエキス成分を抽出し、顆粒や細粒に製剤化したものです。
服用も簡単で携帯にも便利で、長期保存にも適しています。「~湯」という名前の漢方薬は白湯に溶かしてから服用すると吸収も高まります。
吐き気止めや、のぼせを和らげる頭痛やむくみ、吐き気などに用いる小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)や体の熱感が強い時の黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)などの漢方薬は白湯で一度溶かして、常温にさましてからの服用がおすすめです。

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この記事を書いた人

斉藤明美

斉藤明美薬剤師・医学博士

北里大学薬学部卒業後、大学病院、企業診療所、透析施設で薬剤師として勤務。その後、製薬会社で企画販売に従事し、体調を崩した時に漢方薬に出会い、漢方を学びはじめる。日本漢方協会漢方講座を経て、田畑隆一郎先生の無門塾入門、愛全診療所 蓮村幸兌先生(漢方専門医)の漢方外来にて研修。現在は「より健やかに、更に美しく」を目指して患者さんの漢方相談、わかりやすい漢方の啓蒙活動に取り組んでいる。著書に『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』(ごきげんビジネス出版)がある。

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