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ダイドーGHD 上期営業益4.9倍の67億円、通期も上方修正|決算ウォッチ

27日の日経平均は3日ぶりに反落し、130円18銭安の6万6131円98銭で引けた。引け後に2Qを出したダイドーGHDは上期の営業利益が67億4400万円と前年同期の4.9倍になり、通期計画も123億円へ引き上げた。今日の発表はキタック1社になる。

コマンドY2026/08/28

ダイドーGHD 上期営業益4.9倍の67億円、通期も上方修正|決算ウォッチ
  • ダイドーGHDの上期営業利益は67億4400万円で前年同期の4.9倍。通期は105億円から123億円へ上方修正
  • 増益の主因は前期に計上した減損298億円にともなう減価償却費の減少で、国内飲料は減収のまま黒字転換した
  • キタックは上期で通期純利益計画の105.3%に達している。27日は発表前に出来高が6.27倍に膨らんだ

この記事でわかること
・27日の東京市場──高く寄って売られた1日
・27日の答え合わせ──ダイドーGHDは上期67億円で着地、通期も上方修正
・今日の決算発表──キタック1社
・またぎ注意──今週と来週の並び

27日の東京市場──高く寄って売られた1日

27日の日経平均は3日ぶりに反落し、130円18銭安の6万6131円98銭で引けた。前日比▲0.20%になる。

寄り付きは高かった。米エヌビディアの5〜7月期決算が市場予想を上回ったことで半導体・AI関連に買いが先行し、取引開始直後に6万6954円69銭まで上げている。前日終値からは692円53銭高で、6万7000円が目前に迫った。

そこからが売りだった。買い一巡後に利益確定売りが膨らみ、前場中盤には6万5782円59銭までマイナス圏に沈んでいる。高値から安値までの日中値幅は1172円10銭に達した。終値ベースでは、寄り付きから1000円近く値を消したことになる。

指標 27日終値 前日比
日経平均 6万6131円98銭 ▲130円18銭(▲0.20%)
TOPIX 4117.22 +6.20pt(+0.15%)
プライム平均株価 +0.08%(中央値 +0.00%)

日経平均が下げてTOPIXが上げている。 指数の方向が割れた日だ。

プライム平均株価でも、値上がり713銘柄に対して値下がり770銘柄と拮抗している。平均は+0.08%、中央値にいたっては+0.00%だった。市場全体はほとんど動いていない。

では日経平均の130円安は何かというと、指数寄与度の大きい一部銘柄が押し下げた結果になる。値下がり寄与トップのアドバンテストは1銘柄で日経平均を約263円押し下げた。ファーストリテを合わせた2銘柄で約309円分の押し下げになる。日経平均の下げ幅は130円だから、この2銘柄がなければプラスで終わっていた計算だ。

決算をまたぐかどうかを考えるとき、この違いは押さえておきたい。「日経平均が下げた日」と「自分の持ち株が属する市場が下げた日」は、別のことがある。

27日の答え合わせ──ダイドーGHDは上期67億円で着地、通期も上方修正

前号で、27日引け後に発表されるダイドーグループホールディングス(2590)の2Qについて、こう書いた。

1Qが15億5600万円だったので、上期で40億円台に乗れば通期の折り返しとして計算が合う。30億円台前半にとどまれば、下期に70億円以上を稼ぐ計算になり、計画の実現性に疑問がつく。

結果は上期の営業利益67億4400万円だった。40億円台どころではない。旧計画105億円に対する進捗は64.2%になる。

上期の実績

項目 前年同期 当上期 増減
売上高 1177億0100万円 1200億5700万円 +2.0%
営業利益 13億8100万円 67億4400万円 +388.2%
経常利益 6900万円 43億3100万円
中間純損益 ▲13億6100万円 +28億0000万円

営業利益が4.9倍になっている。前年同期に13億6100万円の赤字だった最終損益も、28億円の黒字に変わった。

会社は同時に通期計画を上方修正した。

項目 前回計画 修正後 増減率
売上高 2468億円 2463億円 ▲0.2%
営業利益 105億円 123億円 +17.1%
経常利益 84億円 94億円 +11.9%
当期純利益 50億円 60億円 +20.0%

1株当たり利益は157円73銭から189円25銭になる。前期が▲957円83銭だったので、そこからの振れ幅は大きい。

増益の中身は「減損の裏返し」だった

前号で書いた303億円の最終赤字は、自販機などの減損損失298億円が中心だった。その減損が、今期は利益を押し上げる側に回っている。

減損を計上すると、その資産の帳簿価額が下がる。帳簿価額が下がれば、翌期以降に計上する減価償却費も減る。会社は増益の理由を「前連結会計年度の減損損失計上に伴う減価償却費の減少や収益改善施策によるコスト抑制など」と説明している。

セグメント別に見ると、その構造がはっきりする。

セグメント 売上高(前年同期→当上期) セグメント利益(同)
国内飲料 715億2300万円 → 676億1800万円(▲5.5%) ▲20億3100万円 → +21億1400万円
海外飲料 287億5600万円 → 360億2900万円(+25.3%) 31億1100万円 → 52億2800万円(+68.1%)
医薬品関連 4億6300万円 → 2億6700万円(▲42.2%)
食品 5億3000万円 → 3500万円(▲93.2%)

国内飲料は売上が5.5%減っているのに、利益は41億4600万円改善して黒字に転じている。 売れているから儲かったのではない。自販機の稼働台数は減り続けており、会社も減収の理由に「自販機稼働台数の減少影響」を挙げている。

利益が出たのはコスト側の話だ。減損で償却費が軽くなり、不採算の自販機を政策的に引き上げた効果が出た。売上を伸ばして稼いだ利益と、費用を落として出た利益は、続き方が違う。 償却費の減少は、減損した資産が償却され切るまでの一時的な追い風になる。

一方の海外飲料は素直に伸びている。主力のトルコ飲料事業が増収増益で、会社は中間期として4年連続の最高更新としている。

経常段階で24億円が消えている

営業67億4400万円に対して経常は43億3100万円と、24億1300万円小さい。主因は同日に別途開示された営業外費用の24億6600万円になる。

名目は「正味貨幣持高に関する損失」という。トルコの3年間の累積インフレ率が100%を超えたため、会社はIAS第29号(超インフレ経済下における財務報告)にもとづく調整を2023年1月期から入れている。トルコ子会社の業績が好調で現預金や売上債権が増え、それが貨幣性負債を上回ったことで損失が立った。

業績がいいから出た損失、という理屈になる。 直感には反するが、超インフレ下では現金や売掛金を持っているほど目減りする、という会計上の扱いになるためだ。

通期の修正計画にも、この調整の影響として売上+16億円、営業▲11億円、経常▲38億円、純利益▲35億円が織り込まれている。ダイドーGHDの経常以下を見るときは、この項目が挟まることを前提にしたい。

株価は27日に▲1.31%で発表を迎えた

27日のダイドーGHDは40円安の3010円で引けた。前日比▲1.31%になる。出来高11万3800株は直前20営業日平均の1.32倍、売買代金は3億4300万円だった。

前号で書いたとおり、開示は引け後15時30分だった。27日の値動きは決算を見ていない値段で、答えが出るのは今日28日ということになる。

株価の位置も前号のまま変わらない。1月29日の年初来安値2423円から24.2%戻しており、7月29日の高値3090円に対して97.4%の水準にいる(いずれも終値ベース)。戻り高値の近くで上方修正を迎えた形だ。

過去2回、この会社は決算翌日に大きく動いている。3月5日は+10.69%、5月27日は+8.37%だった。どちらも2500円前後の安値圏からの動きで、今回とは位置が違う。上値では利益確定売りが出やすい。

見どころは、上方修正という材料に対して、寄り付きがどこに付くかだ。寄り高で始まって上値が重いなら、材料が寄り付きで消化されたと読める。 高く始まったあと出来高を伴って上値を切り上げるかどうかで、意味が変わる。

今日の決算発表──キタック1社

今日28日の決算発表はキタック(4707・スタンダード市場)の1社だけだ。10月期の3Qにあたる。

社数はこの週ずっと少ない。27日が1社、今日28日も1社で、来週月曜31日に5社と戻り始める。9月4日には11社が並ぶ。

★要注意 キタック(4707)──上期で通期計画を超えている

新潟が地盤の建設コンサルタントで、地質調査や測量、不動産事業を手がける。時価総額は小さく、ふだんの出来高は1万株前後にとどまる。

注目したいのは上期時点ですでに通期計画を超えている点だ。

項目 上期実績 通期計画 進捗率
売上高 17億7800万円 35億8700万円 49.6%
営業利益 2億3200万円 2億5400万円 91.3%
経常利益 2億3300万円 2億5900万円 90.0%
当期純利益 1億7900万円 1億7000万円 105.3%

純利益は上期で通期計画の105.3%に達している。 営業利益も91.3%まで来ている。売上の進捗は49.6%とちょうど半分なので、利益率が計画より高く出ていることになる。

1Qは営業4100万円だったので、2Q単独で1億9100万円を稼いだ計算になる。公共事業の受注は年度後半に片寄りやすい業種で、上期に利益が寄る形は本来めずらしい。

3Qで見る数字は、会社が通期計画を据え置くかどうかだ。 5月29日の2Q発表時点では計画は据え置かれている。3Qの時点で進捗が120%を超えてくれば、修正を出さない理由のほうが説明しづらくなる。据え置いたままなら、下期に何を見込んで慎重にしているのかが焦点になる。

スイング目線──発表前に出来高が6.27倍

27日のキタックは9円高の346円で引けた。前日比+2.67%になる。

気になるのは出来高だ。7万2000株は直前20営業日平均1万1480株の6.27倍にあたる。売買代金は2500万円程度なので金額としては小さいが、ふだん1万株前後の銘柄が7万株出来ている。

株価も切り上がっている。8月14日の325円から、8月27日の346円まで6.5%上げてきた。発表前に買われている形だ。

過去2回の決算翌日を見ておく。

発表 発表日終値 翌日終値 騰落 出来高倍率
1Q(2月27日) 361円 337円 ▲6.65% 6.33倍
2Q(5月29日) 324円 328円 +1.23% 6.33倍

どちらも翌日の出来高が6.33倍に膨らんでいる。 この銘柄は、決算翌日に売買が集中する型だと言えるが、株価の方向は分かれており、2月は6.65%下げ、5月は1.23%上げている。

そのうえで、今回は発表前の27日に、すでに6.27倍の出来高が出ている点が過去2回と違う。 発表前に期待が入っているぶん、上期並みの好調が確認できても「知っていた」で終わる可能性がある。逆に計画の上方修正が出れば、材料としてはまだ織り込まれていない。

売買代金が2500万円規模という点も押さえておきたい。枚数を持つと、自分の注文で値段が動く水準だ。 板の薄い銘柄で決算をまたぐなら、指値で入って指値で出る前提にしたい。成行は避けたい。

開示は過去2回と同じ引け後になる見込みだ。今日の日中の値動きは決算を見ていない値段で、答えが出るのは週明け31日ということになる。

またぎ注意──今週と来週の並び

日付 社数 主な銘柄
8月27日(木) 1社 ダイドーGHD(2Q・発表済み)
8月28日(金) 1社 キタック(3Q)
8月31日(月) 5社 パーク24(3Q)、トリケミカル研究所(2Q)、ラクーンHD(1Q)ほか
9月1日(火) 3社 伊藤園(1Q)ほか
9月4日(金) 11社

今週は悩む場面が少ない週だった。 発表が1日1社なら、決算をまたぐかどうかの判断も1銘柄ずつ落ち着いて考えられる。

来週31日からは社数が戻り始める。プライムではパーク24とトリケミカル研究所、ラクーンHDが並ぶ。9月4日の11社を過ぎると、9月10日に32社、9月11日に74社と一気に増える。8月期決算の会社が動き出す時期にあたる。

閑散な週のうちに、自分の持ち株の決算発表日を確認しておきたい。発表日を知らずに持っている状態が、いちばん避けたい形になる。

※本文中の決算数値は、ダイドーグループホールディングス「2027年1月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」「2027年1月期 通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」「営業外費用(正味貨幣持高に関する損失)の計上に関するお知らせ」(いずれも2026年8月27日開示)、およびキタック「2026年10月期 第2四半期決算短信」にもとづく。株価・出来高・売買代金・日中値幅はJPX公式のJ-Quants APIによる8月27日終値時点の値。日経平均とTOPIXの終値・前日比は日経平均プロフィルの公開データおよび27日の市況報道による。プライム平均株価は東証プライム全銘柄の前日比騰落率を単純平均した独自指標で、時価総額や株価水準で重みをつけず1銘柄を1票として数えている。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

10万円を1年で100万円にする株式投資術(コマンドY 著)

記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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この記事を書いた人

コマンドY

コマンドYスイングトレーダー

大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています