大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。
この記事でわかること
・8月26日の東京市場──251円安で始まり、405円高で終えた
・前号の答え合わせ──タカショーは寄り高、北川精機は続落
・【本日発表予定】ダイドーグループホールディングス(2590)
・今後の決算発表予定──またぎ注意
8月26日の東京市場──251円安で始まり、405円高で終えた
26日の日経平均は405円73銭高の6万6262円16銭で続伸した。ただこの日は、寄り付きから終値までの動きのほうが中身を語っている。
| 時点 | 値 | 前日終値比 |
|---|---|---|
| 始値 | 6万5604円49銭 | ▲251円94銭 |
| 安値 | 6万5390円55銭 | ▲465円88銭 |
| 高値 | 6万6442円34銭 | +585円91銭 |
| 終値 | 6万6262円16銭 | +405円73銭(+0.62%) |
朝は250円あまり安く始まり、そこから終値まで657円67銭を切り返した。前日の米国株が上昇していたにもかかわらず、半導体関連の一角に利益確定売りが出て寄り付きは売りが先行している。その後、原油先物価格の下落と米長期金利の低下が安心感となり、前場中盤にプラス圏を回復した。
日中値幅は1051円79銭だ。指数が1000円動いた日を「静かな日」と読まないこと。
中身も伴っている
| 指標 | 8月26日 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 6万6262円16銭 | +405円73銭(+0.62%) |
| TOPIX | 4111.02 | +17.35(+0.42%) |
| プライム平均株価 | ― | +0.41% |
2日続けて3つとも上げている。プライム市場では値上がりが979銘柄、値下がりが518銘柄で、上げた銘柄が全体の6割を超えた。前日の847銘柄からさらに増えている。
前々号まで「指数と中身が逆行している」と書いた形は、完全に解けた。
半導体のなかで綱引きが起きている
ただ寄与度を見ると、様子が違う。
| 区分 | 銘柄 | 寄与度(前引け時点) |
|---|---|---|
| 押し上げ | アドバンテスト | +164円12銭 |
| 押し上げ | ソフトバンクグループ | +111円03銭 |
| 押し上げ | リクルートホールディングス | +30円17銭 |
| 押し下げ | 東京エレクトロン | ▲75円42銭 |
| 押し下げ | キオクシアホールディングス | ▲26円05銭 |
| 押し下げ | 太陽誘電 | ▲12円07銭 |
アドバンテストが1銘柄で164円押し上げる一方、東京エレクトロンが75円押し下げている。どちらも半導体関連だ。前日はイビデンが押し上げ2位だったが、この日は下落側に回った。
24日の号で「同じ半導体関連でも明暗が分かれた」と書いたが、その傾向が続いている。セクターで一括りにできる相場ではない。
業種別では証券・商品先物取引業、医薬品、銀行業などが上昇し、海運業、石油・石炭製品、金属製品が下落した。
今晩、答えが出る
売買が薄いまま指数だけが動いていた理由は、今晩で片づく。
日本時間27日早朝 米エヌビディアの5〜7月期決算
今晩 米GDP(4〜6月期)、7月の個人所得・個人消費支出、7月の耐久財受注
28日 ジャクソンホール会議でのFRB議長講演
今日27日の日本市場は、エヌビディアの結果を見たうえで動く。昨日までとは前提が変わる。半導体関連を持っているなら、寄り付きの値段がどう作られたかを確かめてから判断したい。
前号の答え合わせ──タカショーは寄り高、北川精機は続落
前号で「25日の株価は決算を見ていない値段であり、答えが出るのは今日26日」と書いた。その26日が終わったので、まず結果から見る。
タカショー(7590)──寄り付きが天井だった
| 時点 | 値 | 前日終値408円との比 |
|---|---|---|
| 始値 | 416円 | +1.96% |
| 高値 | 420円 | +2.94% |
| 安値 | 405円 | ▲0.74% |
| 終値 | 409円 | +0.25% |
前号で「進捗率144.2%という見出しの数字だけが独り歩きすると、寄り高で終わる形になりやすい」と書いた。実際に416円で寄り付いて420円まで買われ、そこから15円下げて409円で引けている。高値から2.62%押し戻された。
出来高は15万7200株で前日をさらに上回ったが、値幅3.67%を作ったうえで前日比+0.25%だ。上下に振られて、ほとんど動かなかったのと同じ結果になった。
進捗144.2%は事実であり、悪い数字ではない。ただ通期計画が39.6%の減益で置かれている以上、上期の超過分だけで買い上がる理由にはならなかった、と読める。
北川精機(6327)──戻りは続かなかった
前号で「上げた日なのに売買代金は5営業日で最も少ない」「下げ止まりは下げ幅ではなく、その後の値動きと出来高でしか確認できない」と書いた。
| 日付 | 終値 | 前日比 | 売買代金 |
|---|---|---|---|
| 8月24日 | 3090円 | ▲4.48% | 12億0800万円 |
| 8月25日 | 3310円 | +7.12% | 10億0000万円 |
| 8月26日 | 3200円 | ▲3.32% | 6億2700万円 |
代金はさらに細って6億2700万円になった。直前20営業日の平均26億4500万円に対して4分の1以下だ。25日の7.12%高は、翌日に半分近く戻された。
高値は3330円で、これは前日終値からわずか+0.60%。上に伸びる力がないまま、そのまま安値引けしている。
売買代金が細りながらの上げは、参加者が減っただけで買いが増えたわけではない。この2日間は、その形をそのまま見せた。
【本日発表予定】ダイドーグループホールディングス(2590/食料品)1月期2Q プライム
今日27日の決算発表は1社。ダイドーグループホールディングスの2027年1月期第2四半期(中間期)決算だ。
自動販売機を主力とする飲料メーカーで、「ダイドーブレンド」の会社と言えば通りがいい。トルコの飲料事業や医薬品関連(ダイドービタミン)も持つ。
前期に303億円の最終赤字を出した会社である
この銘柄を見るとき、まず押さえるのは前期の数字だ。
| 項目 | 2026年1月期実績 | 前々期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2412億3600万円 | 2371億8900万円 |
| 営業利益 | 41億6300万円 | 47億8900万円 |
| 経常利益 | 14億6700万円 | 30億2300万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純損益 | ▲303億2200万円 | +38億0400万円 |
営業利益は41億円の黒字なのに、最終損益が303億円の赤字だ。この差は特別損失から出ている。国内飲料事業の不振を受けて自動販売機など事業用資産を見直し、減損損失298億円を計上したためだ(日本経済新聞の報道による)。
原材料であるコーヒー豆の高騰に加え、節約志向でスーパーやドラッグストアでの飲料購入が増え、主力の自販機の利用率が下がっていることが背景にある。
この損失は財務にそのまま出た。
| 項目 | 2025年1月期末 | 2026年1月期末 |
|---|---|---|
| 純資産 | 935億0700万円 | 648億9500万円 |
| 自己資本比率 | 49.6% | 39.5% |
| 1株当たり純資産 | 2908円51銭 | 2028円83銭 |
1年で自己資本が286億円減り、BPSは880円近く落ちた。
今期は50億円の黒字計画。1Qの進捗は2.2%だった
その前期を受けて、今期2027年1月期の会社計画はこうなっている。
| 項目 | 通期計画 | 前期実績 | 1Q実績 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2468億円 | 2412億3600万円 | 552億3900万円 | 22.4% |
| 営業利益 | 105億円 | 41億6300万円 | 15億5600万円 | 14.8% |
| 経常利益 | 84億円 | 14億6700万円 | 4億5900万円 | 5.5% |
| 純利益 | 50億円 | ▲303億2200万円 | 1億1000万円 | 2.2% |
営業利益を41億円から105億円へ、2.5倍にする計画だ。減損を終えた資産の償却負担が軽くなることを織り込んでいると読める。
ただし1Qの進捗は営業14.8%、純利益2.2%にとどまった。前年同期が営業14億4500万円の赤字だったので黒字転換はしているが、通期計画に対しては出遅れている。
2Qで見る数字
今日の中間発表で見るのは、通期105億円に対して上期でどこまで積んだかだ。
1Qが15億5600万円だったので、上期で40億円台に乗れば通期の折り返しとして計算が合う。30億円台前半にとどまれば、下期に70億円以上を稼ぐ計算になり、計画の実現性に疑問がつく。
もうひとつ、通期計画を据え置くかを見たい。前期は2月16日に純利益予想を▲307億円へ下方修正した経緯がある。中間発表は計画を見直す節目でもある。
スイング目線
26日のダイドーGHDは40円安の3050円で、前日比▲1.29%だった。出来高7万9000株は直前20営業日の平均8万7730株の0.90倍、売買代金は2億4300万円で、発表前としては動きが乏しい。
株価の位置は確かめておきたい。1月29日の年初来安値2423円から25.9%戻しており、7月29日の高値3090円に対して98.7%の水準だ(いずれも終値ベース)。安値圏ではなく、戻り高値の近くにいる。
そのうえで、この銘柄は過去2回、発表翌日に大きく動いている。
| 発表 | 発表日終値 | 翌日終値 | 翌日の騰落 | 翌日の出来高 |
|---|---|---|---|---|
| 前期本決算(3月4日) | 2516円 | 2785円 | +10.69% | 発表前20日平均の10.59倍 |
| 1Q(5月26日) | 2509円 | 2719円 | +8.37% | 同4.52倍 |
303億円の赤字を発表した翌日に10.69%上げている。悪い決算で上げたのではなく、それが「もう出た」ことで買われたと読むのが素直だ。市場が織り込んでいた水準より悪くなければ、悪材料の確定はむしろ買い材料になる。
拙著『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で「株が動くのは good か bad かではなく、市場予想との差である」と書いたが、この2回はその実例にあたる。
ただ、同じ形が3回目も繰り返されるとはかぎらない。前2回と今回では前提が違う。
3月・5月は安値圏(2500円前後)からの反応だった
今日は戻り高値圏(3050円)で迎える
悪材料の出尽くしという材料は、前期本決算ですでに1度消化されている
下がっている銘柄が「出尽くし」で上げるのと、戻り高値まで来た銘柄が上げるのとでは、意味が違う。上値では利益確定売りが出やすい。
開示は前2回と同じ引け後になる見込みだ。今日の日中の値動きは決算を見ていない値段で、答えが出るのは明日28日ということになる。決算をまたぐかどうかは、この2点で考えたい。またぐなら、翌日に1割動く前提の枚数に落としておく。またがないなら、明日の寄り付きの反応と出来高を見てからでも遅くない。
今後の決算発表予定──またぎ注意
| 日付 | 社数 | 主な銘柄 |
|---|---|---|
| 8月27日(木) | 1社 | ダイドーグループホールディングス(2590/食料品)1月期2Q プライム |
| 8月28日(金) | 1社 | キタック(4707/サービス業)10月期3Q スタンダード |
| 8月31日(月) | 5社 | パーク24(4666/不動産業)10月期3Q プライム/トリケミカル研究所(4369/化学)1月期2Q プライム/ラクーンホールディングス(3031/情報・通信業)4月期1Q プライム ほか2社 |
| 9月1日(火) | 3社 | ― |
| 9月4日(金) | 11社 | ― |
今週の発表は今日と明日で1社ずつ。来週月曜に5社、9月に入ると社数が戻り始め、4日には11社が並ぶ。
決算をまたぐのは、結局のところ賭けになる。内容が良いか悪いかは発表されるまで誰にもわからないうえに、良くても「織り込み済み」で下げることがある。前号の北川精機と、昨日のタカショーがどちらもその形だった。
発表後の反応という事実を見てから動いても、スイングなら十分に間に合う。
ただし、配当を目的にしている場合は、権利確定日との兼ね合いで判断が変わる。ここは自分の保有目的で切り分けたい。
外部要因のほうは、今日27日早朝のエヌビディア決算と28日のジャクソンホールだ。日本企業の決算より、こちらのほうが値動きへの影響は大きい。
「プライム平均株価」について
プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月26日の対象は1557銘柄だった。
日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、数のうえで上げた銘柄が多かったのかを見るのに向いている。
26日は日経平均が+0.62%、プライム平均株価は+0.41%だった。値上がり979銘柄に対し値下がり518銘柄、変わらず60銘柄で、中央値は+0.35%だ。値上がりが全体の62.9%を占めており、前日の54.4%から厚みが増している。
平均+0.41%と中央値+0.35%の差も小さい。極端に動いた銘柄が平均を引っ張っているわけではなく、広く買われた日だったと読める。
ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。
なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。
※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信にもとづく(ダイドーグループホールディングス:2026年1月期決算短信および2027年1月期第1四半期決算短信)。減損損失298億円と国内飲料事業の状況に関する記述は日本経済新聞の報道による。株価・出来高・日中値幅・売買代金はJPX公式のJ-Quants APIによる8月26日終値時点の値で、株価は分割調整後の値を使っている。日経平均の四本値は日経平均プロフィルの公表値による。TOPIXはJ-Quants APIによる。26日の市況、業種別の騰落、日経平均への寄与度は報道による(寄与度は前引け時点の値)。決算発表予定は日本取引所グループ「決算発表予定会社一覧」による。
※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。






