【破綻 介護事業】超高齢時代に過去最多600件あまりが事業撤退

超高齢社会の日本。そんななかにあって介護施設の破綻が増えているという。その背景に潜むものとは何だったのか。

立川昭吾2024/08/19

ホテルのような介護施設(Photo 123RF)

危ない介護施設を見分けるポイント

利用者の立場から考えると、介護施設が倒産されてしまうと困ってしまいます。そこで危ない介護施設を見極める必要があります。やはり、介護施設にも倒産の兆候というものがあります。

居宅介護では、まず始めに患者数のベッド数を含めた空室が多くなってきます。一方、通所介護は評判が悪くなって、だんだんと利用者が少なくなってしまうということがあります。

こうなってしまうと、設備に資金が回らなくなってしまい、機器の故障が起ききます。実際にこうしたことが、介護施設で起こっています。さらにこうした施設では、スタッフも辞めてしまい、簡単には人の補充もできないため無理を重ねて業務違反みたいなものが多くなり、それが繰り返されて一挙に悪化していき、最後は倒産ということになってしまいます。
介護サービスを利用する際は、こうしたことを参考に事業者を調べてみてください。

ただ、介護ビジネスは、単なる金を儲けるだけという感覚では絶対やってはいけない産業です。病院に近い存在なのです。年を重ねれば誰もがお世話になる施設です。だからこそ、大切にこの業界を守っていかなければなりません。この業界の健全な発展をしてもらいたいと思っています。

立川昭吾の企業再生チャンネル「【破綻】超高齢化時代 倒産続出 介護福祉事業」より

1 2 3 4 5

この記事を書いた人

立川昭吾

立川昭吾

1945年新潟生まれ。
中央大学商学部卒業後、東京重機工業株式会社(現株式会社ジューキ)入社。退社後は、企業の倒産現場に数多く立会い、企業の倒産回避のノウハウをマスター。1995年設立のTSKプランニングで、コンサルタントとして経営危機に直面した企業の倒産回避および事業再生に関するコンサルティングを手掛けている。
著書に『隣の会社「なぜ?」潰れないのか』『脱常識のしたたか社長論。』『日本が潰してはいけない会社』など多数。

  • WEB

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています