『カブアカ』古賀真人の実践投資講座(2)  株式投資で重要な「リスク許容度の把握と時間分散」

自らのリスク許容度の把握と、時間的分散投資。チャート、テクニカル分析で負け続けた古賀氏がたどり着いた投資術とは。

古賀真人2025/08/14

チャート、テクニカル分析で負け続け

こう話すと「その銘柄の株価が下がり続ける。最悪、潰れたらどうするのか」といわれます。それを防ぐには、銘柄選択に命を懸け、決算短信を読み込み、投資に値する企業かどうかを見定めるのです。

中には粉飾をしている企業もありますが、そうした企業の決算短信には、少なくとも、「財務」という企業のファクト(事実)、またその企業が見通している「業績見通し」を反映したものになっています。そのためどうとでも取れるテクニカル分析や、誰かもわからない人や特に優秀でもない人が勝手にすすめる推奨銘柄などとは明らかに情報の精度が異なります。
だからこそ、私は経済指標、決算短信などといった情報を複合して銘柄の選定を行っているのです。

私も最初のころはチャートばかり見て投資しており、そのときは負けてばかりいました。

実際、チャートやテクニカル分析などを駆使して数千万円負け、何度も破産に近いことを経験しました。この方法で最後に負け続けたのが2021年のコロナ後のときで、恐らくこの時期は誰もが勝ったときに私は残り60万円になるまで元金を減らしました。
チャートやテクニカル分析で投資して、散々負けた末に辿り着いた手法が、今のスタイルであります。
そこから今の手法に逃げ込むようにたどり着き、2022年は厳しい下落相場だったにもかかわらず空売りで大きな利益を得て、それ以降は主にロングポジションで、爆益の連発を繰り返し、今は数億のポジションで戦えております。

私の投資の詳細については、毎日YouTubeでも配信しています。しかし、私は自分が正解を持っているなどというおこがましい考えは一切ありません。
負けても次に向けた良い経験になると思って相場に接しているので、YouTubeでは、勝っても負けてもありのままを自分の相場日記として残してます。長い視聴者の方は私の勝率についてよく分かってくださっていると思います。

こういった話をすると、ため込んでると思われがちですが、株の利益は経営している会社に多くを入れていて、その会社は赤字なので、それほど残っていないのが実態です。自分自身、投資家としては何とかある程度のパフォーマンスを出せていると思いますが、経営者としてはダメダメですね。

そんな私の決算書分析では、次の15項目を見ています。

1)割安性(PER、PBR、ネットキャッシュ比率)
(決算短信→1株あたりの中間利益/純資産/キャッシュフロー計算書:現金及び現金同等物の中間期末残)
2)配当
3)ROE(自己資本利益率)
4)成長性
5)計画進捗
6)コンセンサス進捗(経常利益)
7)EPS(1株当たりの当期純利益)
8)売上
9)新年度のガイダンス
10)営業キャッシュフロー
11)投資キャッシュフロー
12)財務キャッシュフロー
13)剰余金
14)借り入れ
15)企業のコメント

ポイントはこれら15項目を継続的に読み込むことで、それらがどのように変化しているかを掴むことです。

次回は、この15項目をどのように読み込み、私が投資判断をしているかについてお話しします。

note『カブアカマガジン』
https://note.com/masatokoga

1 2 3

この記事を書いた人

古賀真人

古賀真人個人投資家、経済アナリスト、会社経営者、投資系YouTuber

1978年生まれ。埼玉大学経済学部卒業後、国内大手金融機関、外資系金融機関勤務を経て独立し、株式会社ライフサポートを設立。25年以上の株式投資経験を活かし、徹底的に企業の決算短信を読み込み、チャート分析からはわからない経済分析、個別企業分析をYouTube「カブアカちゃんねる」で展開。全決算を最速分析しているnote『カブアカマガジン』を日々更新中。

  • WEB

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています