ひとり暮らしが快適すぎる?「ソロ活」と「一人時間」が広げる新しいライフスタイル

単身世帯の増加とともに広がる「ひとり時間」志向。個人が自由に過ごすライフスタイルは、新たな消費行動と市場を生み出している。アンケート調査から見えてきた、ソロ活や一人暮らしの実態から、生活意識の変化

複眼FPラボ2025/07/11

「ひとり」の寂しさより、広がる楽しみ方

「日常的に寂しさを感じるか」との問いでは、「毎日寂しい」と回答したのはひとり暮らしの男性が17.7%と最多。次いで同棲・カップル女性が17.4%と続く。しかし、ひとり暮らしの女性で寂しいと感じると答えた人は9.8%と少ない。

一方、「ひとりで抵抗なく楽しめること」については、「ひとり映画」「ひとりカフェ」はすべての世帯で半数以上が抵抗感なく楽しめると回答。これらについては、むしろひとりのほうが楽しめている傾向がある。
また、「ひとりカラオケ」や「ひとり焼肉」についても3~4割は肯定的だ。一方、「ひとり海外旅行」「ひとりテーマパーク」も1~2割が抵抗なく楽しんでおり、ソロ活動に対する前向きな意識の広がりが見て取れる。

「ひとり暮らし研究所(株式会社エイブルホールディングス)」アンケート調査より

ひとり暮らしのライフスタイル イメージと現実の差

理想の働き方については、ひとり暮らしの男女ともに「フリーランスなどひとりで働ける仕事」が最も多く、世帯・性別別に見ると、同棲・カップル女性は48.2%、ファミリー女性は33.0%で低くなる。また、「会社で大勢と関わる仕事」は全体の2割前後にとどまり、同棲・カップル男性やひとり暮らし女性がやや高めの傾向を示している。

ひとり暮らしに対するイメージは、「経済面での不安」はファミリー、ひとり暮らし世帯が共通して高い。また、「自由気まま」「インテリア自由」など生活の自由度の高さの一方で、「精神的自立につながる」といった自己成長に繋がるポジティブなイメージも強い。
しかし、実際にひとり暮らしをしている人自身は、「家計管理など生活スキルが身につきそう」という答えは低く、自己管理の難しさを感じているようだ。

このアンケート調査から、今の「ひとり暮らし」は必ずしも“寂しい”ものではなく、自らの時間を主体的に過ごすための選択の1つとして認識されてきたことがうかがえる。
また、SNSを通じて、「ひとり」とはいえ誰かと繋がっているという思いや、ひとり行動を発信することで、その楽しさを共有できるということもあり、現代社会では「ひとり=孤独」ではなくなったということもあるだろう。

今後ますます増えることが予想される「ひとり暮らし」世帯。ソロ活、ひとり時間をより楽しめるサービスや空間の提供が大きなビジネスチャンスに繋がりそうだ。

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マクロ経済の潮流から日々の暮らしに寄り添うお金の話まで――複眼的な視点で「生活」と「ファイナンス」を読み解く実践的チーム。メンバーは、生活者のリアルを綴るライター、現場感覚を持つファイナンシャルプランナー、そして個人に最も近い立場でライフリスクと向き合う生命保険・損害保険の営業パーソン。異なる立場と経験から、数字や制度にとどまらない“生きた情報”を発信している。

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