大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。
この記事でわかること
・【プライム】東京製鐵(5423)は通期を上方修正
・【スタンダード・グロース】島根銀行ほか2社
・【REIT】サンケイRE・野村不動産マスターF
・【上方修正】東京製鐵ほか2社
・【下方修正】島根銀行ほか3社
・【翌営業日の発表予定】10月19日(月)4社
【プライム】東京製鐵(5423)
10月16日に決算短信を出したプライム企業はなく、今回は注目度の級を付けない。プライムで目立った開示は、14時30分に出た東京製鐵の業績予想の修正だ。
東京製鐵(5423)2027年3月期 業績予想の修正(単体)
上方修正。通期の営業損益を40億円の赤字から10億円の黒字に、純利益を10億円から70億円に引き上げた。製品の出荷単価が想定どおり上がり、主原料の鉄スクラップの購入価格が想定を下回ったことによる。上げた後でも、営業利益は前期の72億3000万円を86.2%下回る水準だ。
中間期の営業損益は35億円の赤字見込み(従来40億円の赤字)で、4〜6月の23億700万円の赤字を引くと、7〜9月は11億9300万円の赤字に縮む計算になる。通期の計画どおりなら下期に45億円の営業黒字が要り、実施した価格改定が出荷単価に順次反映されることが前提。中間純利益は資産の売却で22億5000万円に上げた。
株価は16日、開示をはさんで前日比2.7%高の1688円で引け、25日線(約1692円)をわずかに下回る。この線の上に乗れば、下期45億円の黒字を市場が受け入れ始めた形といえるだろう。10月23日の中間決算で、7〜9月の実績と出荷単価の上がり方を確かめることになる。
東京製鐵(5423)の株価と25日線
10月16日の終値1688円は、25日線(1692円)を0.3%下回る
陽線陰線25日線業績予想の修正の開示日(10月16日)
直近10営業日の数値を表で見る
| 日付 | 終値 | 25日線 | 乖離 |
|---|---|---|---|
| 10/2 | 1661円 | 1723円 | -3.6% |
| 10/5 | 1656円 | 1720円 | -3.7% |
| 10/6 | 1690円 | 1718円 | -1.6% |
| 10/7 | 1673円 | 1716円 | -2.5% |
| 10/8 | 1624円 | 1712円 | -5.1% |
| 10/9 | 1611円 | 1704円 | -5.4% |
| 10/13 | 1644円 | 1700円 | -3.3% |
| 10/14 | 1636円 | 1696円 | -3.5% |
| 10/15 | 1643円 | 1693円 | -3.0% |
| 10/16 | 1688円 | 1692円 | -0.3% |
【スタンダード・グロース】
島根銀行(7150・スタンダード)
下方修正。通期の純損益を2億7000万円の黒字から59億8000万円の赤字に引き下げた。評価損を抱える有価証券約600億円を2027年1〜3月に売り、約65億円の売却損を出すことによる。同時にSBI新生銀行を割当先とするC種優先株式100億円の発行を決め、12月24日の臨時株主総会に諮る。2027年3月末の自己資本比率は約8.5%に上がる見通しで、年10円の配当予想は変えない。
株価は16日に安値467円を付け、終値は前日比2.3%高の497円。25日線(約510円)を2.5%下回る。損失を確定させて財務を立て直す道筋が評価されたかどうかは、この約510円を取り戻せるかに表れる。
島根銀行(7150)の株価と25日線
10月16日の終値497円は、25日線(510円)を2.5%下回る
陽線陰線25日線業績予想の修正の開示日(10月16日)
直近10営業日の数値を表で見る
| 日付 | 終値 | 25日線 | 乖離 |
|---|---|---|---|
| 10/2 | 506円 | 522円 | -3.1% |
| 10/5 | 507円 | 521円 | -2.7% |
| 10/6 | 510円 | 520円 | -2.0% |
| 10/7 | 506円 | 519円 | -2.6% |
| 10/8 | 497円 | 518円 | -4.0% |
| 10/9 | 497円 | 516円 | -3.6% |
| 10/13 | 498円 | 515円 | -3.2% |
| 10/14 | 489円 | 513円 | -4.6% |
| 10/15 | 486円 | 511円 | -4.9% |
| 10/16 | 497円 | 510円 | -2.5% |
ゲンダイエージェンシー(2411・スタンダード)2027年3月期 中間
中間期の売上高は7.0%減の36億4500万円、営業利益は33.1%減の2億6600万円。パチンコホール向けの折込広告など紙媒体の減少が、期初の想定を大きく上回った。資産除去債務の見積りを見直し、減価償却費6100万円を一括で計上した影響もある。
通期の営業利益計画8億円(18.6%増)は据え置き、進捗は33.3%。下期に5億3400万円と、前年下期(2億7600万円)の約1.9倍が要る。
アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(6085・グロース)2027年2月期 中間
中間期の売上高は1億9600万円、営業損益は3億1800万円の赤字。純資産は5億4700万円のマイナス(前期末は2億2300万円のマイナス)と債務超過が広がり、継続企業の前提に関する注記が付いている。グロース市場の上場維持基準のうち流通株式比率と純資産の額に適合しておらず、2027年2月期末までの適合を計画する。
通期の営業利益4800万円の黒字計画は据え置き、下期に3億6600万円の営業黒字が要る。株価は16日、前日比2.2%安の90円。
【REIT】
サンケイリアルエステート投資法人(2972)は2026年8月期の1口当たり分配金が3680円(前期は損失で0円)、2027年2月期の予想は2061円。野村不動産マスターファンド投資法人(3462)は利益超過分配金を含めて3695円(前期3634円)、2027年2月期の予想は3719円。
REITは分配金と物件の稼働で見るもので、決算の数字が予想と違って値が動く事業会社とは性質が違うため、級は付けない。
【上方修正】
| 銘柄 | 修正した項目 | 修正前→修正後 | 修正率 |
|---|---|---|---|
| 東京製鐵(5423・プライム) | 2027年3月期 売上高 | 3150億円→3260億円 | 3.5%増 |
| 同 営業損益 | 40億円の赤字→10億円の黒字 | 黒字転換 | |
| 同 当期純利益 | 10億円→70億円 | 600.0%増 | |
| 同 中間期 営業損益 | 40億円の赤字→35億円の赤字 | 赤字縮小 | |
| 同 中間期 純利益 | 10億円→22億5000万円 | 125.0%増 | |
| 島根銀行(7150・スタンダード) | 2027年3月期 中間期 経常収益 | 59億2000万円→72億円 | 21.6%増 |
| 同 中間期 経常利益 | 1億5000万円→2億6000万円 | 73.3%増 | |
| 同 中間期 純利益 | 1億2000万円→1億円 | 16.6%減 | |
| 名古屋電機工業(6797・スタンダード) | 2027年3月期 中間期 売上高 | 52億円→47億5000万円 | 8.7%減 |
| 同 中間期 営業損益 | 7億8000万円の赤字→4億6000万円の赤字 | 赤字縮小 | |
| 同 中間期 純損益 | 8億3000万円の赤字→3億4000万円の赤字 | 赤字縮小 |
島根銀行の中間期は、貸出債権の譲渡益に加え、有価証券利息配当金と役務取引等収益が想定を上回り、経費も想定を下回る。与信関連費用は想定を上回る見込み。名古屋電機工業は社会インフラ事業の大型案件の進捗が想定を下回って売上高が減るが、費用の発生も後ろにずれ、損失は縮む。通期の予想は据え置いた。
【下方修正】
| 銘柄 | 修正した項目 | 修正前→修正後 | 修正率 |
|---|---|---|---|
| 島根銀行(7150・スタンダード) | 2027年3月期 経常収益 | 121億6000万円→136億円 | 11.8%増 |
| 同 経常損益 | 3億3000万円の黒字→59億6000万円の赤字 | 赤字転落 | |
| 同 当期純損益 | 2億7000万円の黒字→59億8000万円の赤字 | 赤字転落 | |
| タカキタ(6325・スタンダード) | 2027年3月期 中間期 売上高 | 35億円→28億9300万円 | 17.3%減 |
| 同 中間期 営業利益 | 1億5000万円→1億3600万円 | 9.3%減 | |
| 同 中間期 純利益 | 1億900万円→1億3400万円 | 22.9%増 | |
| 昭和真空(6384・スタンダード) | 2027年3月期 中間期 売上高 | 35億円→23億7000万円 | 32.3%減 |
| 同 中間期 営業損益 | 6500万円の黒字→1億9900万円の赤字 | 赤字転落 | |
| 同 中間期 純損益 | 5200万円の黒字→2億300万円の赤字 | 赤字転落 | |
| メディネット(2370・グロース) | 2026年9月期 売上高 | 9億4300万円→8億2100万円 | 12.9%減 |
| 同 営業損益 | 14億5400万円の赤字→15億2000万円の赤字 | 赤字拡大 | |
| 同 当期純損益 | 14億5300万円の赤字→14億2600万円の赤字 | 赤字縮小 |
島根銀行は上の解説のとおり。タカキタは国内で土づくり関連の作業機の販売が前年を下回り、畜産クラスター事業の採択の遅れで一部が下期にずれた。純利益は税負担が当初の見込みを下回って上がる。通期の予想は精査中で、中間決算の発表時に示す。昭和真空は複数の案件が下期以降に延びたことによる。下期中に売上を計上する見込みで、通期の予想は変えない。メディネットは免疫細胞の加工で海外の患者が減り、新しい細胞加工メニューの提供開始も遅れた。研究開発費も増え、営業損失は広がる。
【翌営業日の発表予定】10月19日(月)4社
ヒューリックリート投資法人(3295・REIT)決算/三菱地所物流リート投資法人(3481・REIT)決算/セントラル・リート投資法人(3488・REIT)決算/大和ハウスリート投資法人(8984・REIT)決算
※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。






