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カナモト 2Q営業益22.1%増で進捗51.1%、上方計画を越えるかがポイント|決算ウォッチ

3日の日経平均は111円16銭安と4日続落したが、TOPIXは0.50%高で値上がり805銘柄と中身は逆を向いた。本日の決算発表は11社で、うち6社が10月期の3Qになる。泉州電業は昨年の同じ9月4日に通期計画を下げた会社で、今年は上げた後の3Qを迎える。

コマンドY2026/09/04

カナモト 2Q営業益22.1%増で進捗51.1%、上方計画を越えるかがポイント|決算ウォッチ
  • 日経平均は4日続落の6万4214円48銭。ただTOPIXは0.50%高で値上がり805銘柄と中身は強い
  • カナモトは2Qで営業益22.1%増、上方修正後の計画に対して進捗51.1%まで来ている
  • ハイレックスの純利益4.4倍は負ののれん発生益283億円によるもので、本業は営業益で見る

この記事でわかること
・☆【注目度S級】カナモト(9678)2026年
・◎【注目度A級】泉州電業(9824)2026年
・★【要注意D級】ハイレックスコーポレーション(7279)2026年
・【本日発表予定】
・今後の決算発表予定──またぎ注意

3日の東京市場──4日続落、ただし下げたのは指数だけ

3日の日経平均は111円16銭安の6万4214円48銭で、4日続落となった。朝方は前日の米国株高を受けて堅調に始まったが、後場中盤に韓国のKOSPIが軟化したのにつれ安となり、一時は6万4000円を割り込む場面もあった。為替は円が急伸し、一時156円36銭をつけている。

ただ下げたのは指数だけだ。同じ日のTOPIXは20.44ポイント高の4102.04で、0.50%上昇している。プライムの売買代金は7兆5770億円だった。

指標 9月3日 前日比
日経平均 6万4214円48銭 ▲111円16銭(▲0.17%)
TOPIX 4102.04 +20.44pt(+0.50%)
プライム平均株価 +0.15%(中央値 +0.09%)
値上がり/値下がり 805銘柄/686銘柄 変わらず65銘柄
プライム平均株価は東証プライム全銘柄の騰落率を単純平均した独自指標(対象1556銘柄)

値上がり805銘柄、値下がり686銘柄

中身を数えると、東証プライムで値上がりしたのは805銘柄、値下がりは686銘柄で、上げたほうが119銘柄多い。プライム平均株価も0.15%のプラスだった。

プライム平均株価は、東証プライム全銘柄の前日比騰落率を単純平均した独自の指標だ。時価総額や株価水準で重みをつけず、1銘柄を1票として数える。この日は対象1556銘柄で0.15%高、中央値でも0.09%高だった。

日経平均が下げてTOPIXとプライム平均株価が上げたということは、下げたのは値がさ株に偏っていたということになる。実際、この日売られたのはファーストリテイリング、アドバンテスト、イビデンといった指数寄与度の大きい銘柄だ。逆に上げたのは三菱商事、伊藤忠商事、丸紅の商社株で、バークシャー・ハザウェイのグレッグ・アベルCEOが大手商社株を長期保有する姿勢を示したことが材料になった。

指数の数字だけを見て「4日続落」と受け取ると、相場の中身を取り違える。自分の持ち株が値がさのハイテクなのか、それ以外なのかで、この日の景色はまるで違ったはずだ。

本日は11社。うち6社が10月期の3Q

本日の決算発表は11社で、プライムが4社、スタンダードが7社になる。決算期で分けるとこうなる。

  • 10月期の3Qが6社(カナモト、泉州電業、ハイレックスコーポレーション、ナトコ、エイケン工業、ファースト住建)
  • 7月期の本決算が3社(エイチームホールディングス、ティーライフ、大和コンピューター)
  • 4月期の1Qが2社(日本ハウスホールディングス、ロック・フィールド)

10月期決算の会社が6社そろうのは、この時期ならではだ。3Qは通期の着地がおおよそ見えてくる四半期で、会社計画に対してどこまで来ているかがそのまま「残り3か月で間に合うか」の判断材料になる。今日はそこを軸に見ていく。

なお決算発表は引け後15時30分以降の開示が大半で、本日の値動きはまだ数字を見ていない値段だ。今日出る11社の答えが株価に出るのは、週明けの月曜になる。

☆【注目度S級】カナモト(9678/サービス業)2026年10月期3Q

建設機械レンタルの最大手だ。3日の終値は5570円で前日比0.36%高、3営業日前からは0.72%高と、相場が4日続落するなかを小幅に上げている。出来高は6万5600株、売買代金は3.7億円だった。

2Q(2025年11月〜2026年4月) 実績 前年同期比
売上高 1079億5200万円 +2.7%
営業利益 104億3000万円 +22.1%
経常利益 107億1300万円 +25.7%
純利益 69億5200万円 +34.4%

中身

直近の2Q(2025年11月〜2026年4月)は、売上高1079億5200万円で2.7%増、営業利益は104億3000万円で22.1%増だった。経常利益は107億1300万円で25.7%増、純利益は69億5200万円で34.4%増になる。増収率が2.7%にとどまるなかで営業利益が22.1%伸びているので、売上の伸び以上に利益が出ている。レンタル業は稼働率が上がると利益率が跳ねやすい。

サプライズ

見どころは、この会社が今年6月1日に通期計画を上方修正していることだ。営業利益の計画を187億円から204億円へ、9.1%引き上げた。そのうえで2Qの実績104億3000万円は、引き上げ後の計画204億円に対して進捗51.1%になる。前年同期は85億4100万円÷171億円で49.9%だったから、ハードルを上げた後でなお前年を上回るペースということだ。

3Qで見る数字

前期の3Q時点では、営業利益117億3400万円で通期計画171億円に対し68.6%まで来ていた。今期の計画204億円に同じ68.6%を当てはめると、3Qの営業利益はおよそ140億円になる。ここを超えていれば計画の204億円は現実的な線として読めるし、130億円を割り込むようだと残り3か月で64億円以上を積む必要が出てくる。140億円前後が一つの目安になる。

スイング目線

株価は9月3日終値で5570円。20営業日の平均値幅は1.71%と、荒い値動きの銘柄ではない。ただ上方修正を出した後の3Qなので、進捗が想定を下回れば失望が出やすい局面ではある。決算をまたいで持つ理由は薄い。

Point

私が見るのは進捗率そのものより、上方修正した後に上振れを続けられているかだ。会社が自分で上げたハードルを自分で越えられるかどうかは、その会社の見通しの精度を測る材料になる。数字が出てから、上がり始めを出来高とともに確認しても遅くない。

◎【注目度A級】泉州電業(9824/卸売業)2026年10月期3Q

電線の専門商社だ。3日の終値は7280円で前日比0.55%高、3営業日前からは0.82%安になる。売買代金は4.1億円、20営業日の平均値幅は2.84%で、本日発表する11社のなかでは最も値が動きやすい。

中身

2Qは売上高767億7900万円で11.3%増、営業利益は55億9400万円で16.6%増、純利益は41億9900万円で23.3%増だった。カナモトと違い、こちらは売上そのものが二桁伸びている。

サプライズ──1年前の同じ日に、この会社は計画を下げた

この銘柄をA級に置いた理由は、ちょうど1年前の2025年9月4日、同じ3Qの発表で通期計画を引き下げたことにある。

昨年(2025年10月期) 今年(2026年10月期)
期中の計画修正 9月4日に110億円→91億円へ引き下げ 6月4日に107億円→112億円へ引き上げ
2Q時点の営業利益 47億9800万円 55億9400万円
2Q時点の進捗率 43.6% 49.9%
通期の着地 89億5200万円(計画91億円に未達)

そのときの3Q営業利益は67億4400万円で、当時の通期計画110億円に対して進捗61.3%だった。会社はこの発表と同時に通期の営業利益計画を110億円から91億円へ、17.3%引き下げている。結果として着地は89億5200万円で、引き下げた後の計画91億円にも届かなかった。

今年は逆だ。6月4日に営業利益の計画を107億円から112億円へ引き上げている。2Q時点の進捗は55億9400万円÷112億円で49.9%。昨年の2Q時点は47億9800万円÷110億円で43.6%だったから、同じ時期の進捗が6.3ポイント高い

3Qで見る数字

昨年つまずいたのが、まさに今日と同じ3Qの発表だった。今年の計画112億円に対し、3Qでどこまで来るか。単純に4分の3で84億円、昨年の下方修正前の進捗61.3%を当てはめれば69億円になる。70億円台後半から80億円台に乗っていれば計画どおり、60億円台前半で止まると昨年の再現が頭をよぎるという見方ができる。

スイング目線

株価は7280円。値幅が2.84%と本日の発表銘柄で最も大きいので、数字が計画から外れたときの振れも大きくなりやすい。1年前に同じ日で計画を切り下げた実績がある以上、またいで持つのは分が悪い。

Point

去年と今年で会社の姿勢が真逆になっている銘柄は、比べる軸がはっきりしていて読みやすい。ただ引き上げた計画は、そのぶん未達になったときの落差も大きくなる。私なら数字を見てから判断する。

★【要注意D級】ハイレックスコーポレーション(7279/輸送用機器)2026年10月期3Q

自動車用のコントロールケーブルを手がける会社だ。3日の終値は2659円、売買代金は1.8億円で、20営業日の平均値幅は2.50%になる。

この銘柄を要注意に挙げたのは、決算の見出しの数字が、そのままでは使いものにならないからだ。

中身──純利益4.4倍のからくり

会社の通期計画は、売上高4010億円で31.9%増、営業利益54億円で59.2%増、そして純利益368億5000万円で337.7%増となっている。純利益だけが4.4倍だ。

2Qの中間純利益 348億5700万円(前年同期17億7900万円)
うち 負ののれん発生益 283億500万円
うち 投資有価証券売却益 83億1500万円
本業の営業利益 22億2600万円(+5.0%)
2026年10月期第2四半期決算短信より

この数字だけを見ると大変な好業績に見えるが、中身は違う。2Qの短信を読むと、中間純利益348億5700万円(前年同期は17億7900万円)の内訳として、特別利益に負ののれん発生益283億500万円投資有価証券売却益83億1500万円が計上されている。合計で366億円あまりだ。

負ののれん発生益は、企業を買収したときに買収額が相手の純資産を下回った場合、その差額を利益として一度だけ計上するものだ。ハイレックスアクトを連結子会社化したことで発生している。現金が入ってくる利益ではないし、来期も続く利益でもない

サプライズ

では本業はどうかというと、2Qの営業利益は22億2600万円で5.0%増にとどまる。通期計画54億円に対する進捗は41.2%だ。売上は2091億700万円で37.3%増と大きく伸びているが、これも子会社を連結した効果が入っている。

同じ会社の同じ決算で、純利益は4.4倍、営業利益は5.0%増。見る場所を変えるだけで、まったく違う会社に見える

スイング目線

3Qでも純利益の前年同期比は大きな数字が出るはずだが、そこは見なくていい。見るのは営業利益と、通期計画54億円に対する進捗だ。2Qの41.2%から3Qでどこまで積めているか。値幅2.50%と動きやすい銘柄でもあるので、見出しの数字に反応した値動きが出たときこそ落ち着いて中身を確かめたい。

Point

前号でも伊藤園の純利益について同じことを書いたが、前年同期比という数字は、比べる相手が普通でなければ意味を持たない。『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、決算を見る作業は儲けを探すためというより、地雷を避けるためのものだ。4.4倍という見出しに乗って買い、営業利益5.0%増という実態に後から気づくのが、いちばん避けたい形になる。

【本日発表予定】

上記3社を除く8社は次のとおり。カッコ内は直近の四半期時点で、会社の通期計画に対して営業利益がどこまで来ているかを示した。

7月期 本決算(今日が着地の発表)

  • エイチームホールディングス(3662/情報・通信業/プライム)── 3Q時点で営業利益7億6600万円、通期計画9億円に対し85.1%
  • ティーライフ(3172/小売業/スタンダード)── 3Q時点で1億9500万円、計画2億5800万円に対し75.6%
  • 大和コンピューター(3816/情報・通信業/スタンダード)── 3Q時点で1億7000万円、計画2億5200万円に対し67.5%

10月期 3Q

  • ナトコ(4627/化学/スタンダード)── 2Q時点で8億6400万円、計画14億5000万円に対し59.6%
  • ファースト住建(8917/不動産業/スタンダード)── 2Q時点で12億9400万円、計画26億5000万円に対し48.8%
  • エイケン工業(7265/輸送用機器/スタンダード)── 2Q時点で1億200万円、計画4億800万円に対し25.0%。残り半期で3億円を積む必要があり、この8社では最も計画から離れている

4月期 1Q

  • 日本ハウスホールディングス(1873/建設業/プライム)── 前期は営業利益23億8000万円、純利益13億4000万円
  • ロック・フィールド(2910/食料品/プライム)── 前期は営業利益7億8000万円に対し純利益9800万円

今後の決算発表予定──またぎ注意

来週は水曜まで発表が少ない。

日付 社数 主なところ
9月7日(月) 2社 アイル(7月期 本決算・プライム)、萩原工業(10月期3Q・プライム)
9月8日(火) 7社 セルソース、アスカネット、ミライアルなど
9月9日(水) 11社 柿安本店、ANYCOLOR、三井ハイテック、ビューティガレージ
9月10日(木) 32社 積水ハウス、タイミーなど。ここから社数が増える

月曜から水曜までは2社、7社、11社と少なく、持ち株の決算発表に当たる可能性は低い。ただ木曜の9月10日から32社に増え、そこには積水ハウスの2Qが入る。来週前半は落ち着いているが、後半に向けて数が増えていく週だと押さえておきたい。

決算をまたぐかどうかで迷う場面が少ない週は、逆にいえば準備に使える週でもある。持ち株がいつ決算発表を迎えるのかを確かめて、そこまでに撤退ラインを決めておく。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(カナモト:2026年10月期第2四半期決算短信および2025年10月期決算短信、泉州電業:2026年10月期第2四半期決算短信、ハイレックスコーポレーション:2026年10月期第2四半期決算短信ほか)にもとづく。株価・出来高・日中値幅はJPX公式のJ-Quants APIによる9月3日終値時点の値で、株式分割を調整済み。日経平均の終値は日経平均プロフィル、3日の市況は株探の報道による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

10万円を1年で100万円にする株式投資術(コマンドY 著)

記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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この記事を書いた人

コマンドY

コマンドYスイングトレーダー

大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています