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伊藤園 1Q営業益22.0%増、進捗51.0% 本日の発表は内田洋行本決算|決算ウォッチ

1日の日経平均は一時735円安まで売られ、終値は96円59銭安の6万6215円34銭まで戻した。本日の発表は内田洋行1社で、3Qですでに通期の営業計画を超えている。昨日引け後の伊藤園1Qは、前号で書いた進捗41.8%の答えになった。

コマンドY2026/09/02

伊藤園 1Q営業益22.0%増、進捗51.0% 本日の発表は内田洋行本決算|決算ウォッチ
  • 本日の発表は内田洋行1社。3Qで通期の営業計画を103.4%まで超えている
  • 伊藤園の1Q営業利益は102億円で22.0%増。通期進捗51.0%と前年の41.8%を超えた
  • 日経平均は735円安から戻して96円安。押し下げは東エレクとファストリで約242円

1日の東京市場──735円安から戻して、96円安

1日の日経平均は96円59銭安の6万6215円34銭で続落した。前日比では0.15%の下げにすぎないが、その中身は静かな一日ではない。

時点 前日終値比
始値 6万5885円47銭 ▲426円46銭
ザラ場安値 ▲735円32銭
ザラ場高値 +213円80銭
終値 6万6215円34銭 ▲96円59銭

寄り付きから426円安く始まっている。対イラン紛争の激化を背景に前日の米国株が下げ、その流れを受けた売り先行だ。そこからさらに売られて一時735円安まで沈み、その後は買い戻されて一時は前日比プラス213円まで浮上した。振れ幅は949円ある。終値は96円安で、行って来いに近い形で終えている。

押し下げたのは2銘柄

日経平均を押し下げたのは東京エレクトロンとファーストリテイリングで、この2銘柄で約242円の押し下げになっている。東京エレクトロン単独で約146円だ。日経平均の下げ幅は96円59銭だから、この2社がなければ指数は上げていた計算になる。

構成銘柄の騰落数は値上がり170銘柄、値下がり55銘柄、変わらず0銘柄だった。指数は下げたが、中身は3倍以上の銘柄が上げている。

プライム平均株価は上げている

指標 9月1日 前日比
日経平均 6万6215円34銭 ▲0.15%
TOPIX 4181.86 +0.62%
プライム平均株価 +0.25%

プライム平均株価は、東証プライム全銘柄の前日比騰落率を単純平均した独自指標だ。時価総額や株価水準で重みをつけず、1銘柄を1票として数える。1日は+0.25%(中央値+0.21%)で、対象1556銘柄のうち値上がり845銘柄、値下がり661銘柄、変わらず50銘柄だった。

日経平均が下げてTOPIXとプライム平均が上げている。値がさの半導体株が指数を押し下げただけで、市場全体が売られた日ではないということだ。前日の米国株安を受けた寄り付きの売りは、指数の外側までは広がらなかった。

☆【注目度S級】内田洋行(8057/卸売業)2026年7月期 本決算

本日発表するのはこの1社だけだ。プライム上場で、期末は7月20日にあたる。

この銘柄を今日の目玉に立てるのは、値動きが荒いからではない。 20営業日平均の日中値幅は1.71%で、むしろ穏やかなほうだ。理由は別にある。

3Qで通期の営業計画をすでに超えている

項目 3Q累計 通期計画 進捗
売上高 3143億73百万円 4210億円 74.7%
営業利益 159億24百万円 154億円 103.4%
経常利益 167億10百万円 163億円 102.5%
純利益 121億78百万円 115億円 105.9%

6月3日に開示された3Q(2026年4月20日まで)の時点で、営業利益・経常利益・純利益のいずれも通期計画を超えている。 3Qで103.4%だ。しかも会社は6月3日に通期計画そのものを上方修正しており、その引き上げ後の計画に対しての数字がこれになる。

3Q累計の前年同期比は売上34.2%増、営業利益35.0%増、純利益45.1%増だった。

見どころ
本日の本決算で見るのは、着地が計画をどれだけ超えたかと、来期(2027年7月期)の計画をどう置いてくるかだ。3Qで超過が確定的だった以上、着地が計画超えであること自体は驚きになりにくい。焦点は来期側にある。

スイング目線
1日の終値は2344円(前日比+0.04%)で、3営業日前からは+3.40%。1か月では+12.5%と上げてきている。売買代金は3.3億円で、プライムとしては薄いほうだ。上げてきたところで本決算をまたぐ形になる。 開示は引け後が基本なので、本日の値段は決算を見ていない。

Point
3Qで通期計画を超えている会社の本決算は、良い数字が出ても株価が動かない、あるいは逆に下げることがある。すでに分かっていることは、株価に先に入っているからだ。 私が見たいのは着地の数字より来期計画のほうで、そこが市場の線とずれたときに値が動く。上げてきた後の水準であることも合わせて、またぐなら分の悪い場面だと考えている。

数字を見るときの注意──1対5の分割がある

内田洋行は2026年1月19日付で1対5の株式分割を実施している。過去の数字をそのまま並べると、1株当たり利益が997円26銭から234円52銭に、配当が300円から72円に「下がった」ように見えるが、これは分割によるもので、減配でも減益でもない。

株価チャートや1株当たりの指標を過去にさかのぼって見るときは、分割調整後の値かどうかを確かめてほしい。調整前の値が混じっていると、実態と正反対の印象になる。

昨日の引け後に伊藤園が出した──答えが出るのは今日

決算発表は引け後15時30分以降の開示が大半で、伊藤園も1日の15時30分に1Qを開示している。1日の終値3011円(前日比▲0.66%)は、この数字を見ていない値段だ。 市場が織り込むのは今日になる。

前号(9月1日)で私はこう書いた。営業利益の進捗が41.8%を超えるかを見る、と。前1Qの営業利益83億60百万円を今期計画200億円で割った値が41.8%で、これを今期の合格ラインに置いた。

答えは出ている。

伊藤園(2593/食料品)2027年4月期1Q

項目 1Q実績 前年同期 前年同期比
売上高 1351億80百万円 1308億75百万円 +3.3%
営業利益 102億00百万円 83億60百万円 +22.0%
経常利益 101億22百万円 89億24百万円 +13.4%
純利益 65億59百万円 57億12百万円 +14.8%

中身
増収増益だ。売上は3.3%増と伸びは大きくないが、営業利益が22.0%増えている。売上の伸びを利益の伸びが大きく上回っており、利益率が改善した形だ。

サプライズ
通期計画に対する営業利益の進捗は51.0%になった。前1Qの41.8%を9.2ポイント上回っている。1Qだけで通期計画の半分を超えた。

初動
1日は▲0.66%の3011円で、出来高47万4100株。8月25日からの5営業日はおおむね3000円前後での揉み合いで、発表を前に動いていない。

スイング目線
今期の会社計画は営業200億円で、前期比7.8%減の減益計画だ。その計画に対して1Qで51.0%まで来た。計画が保守的だった可能性を、市場がどう評価するかが今日の焦点になる。 前日終値3011円が起点だ。

Point
見立て通りの数字が出た。ただ数字が良かったこと自体より、減益計画に対して1Qで半分を超えたという「ズレ」のほうが売買材料としては大きい。 『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたが、株が動くのは良い決算だからではなく、市場が思っていた線と実際がずれたときだ。私なら今日は寄り付きの値段そのものより、そこに出来高が付いてくるかを見る。

純利益の前期比は使いものにならない

伊藤園については、前期の数字をそのまま比較に使うと読み違える。前期(2026年4月期)は自動販売機事業の減損損失148億83百万円を計上しており、純利益は34億66百万円と75.5%減で着地している。営業利益の減少は12億85百万円にすぎない。

そのため今期の純利益計画114億30百万円は前期比229.7%増という数字になるが、これは事業が3倍以上になるという話ではなく、減損の反動でしかない。 前期比の派手な数字に意味がない年が、決算にはときどきある。今期の伊藤園を見るなら、純利益ではなく営業利益で追ったほうがいい。

配当は前期48円から今期52円の予想になっている。

昨日発表の残り2社

伊藤園のほかに、1日はダイサン(4750/スタンダード・4月期1Q)とピープル(7865/スタンダード・1月期2Q)が発表している。ダイサンの1日終値は553円で▲3.15%、ピープルは370円で+7.87%だった。

ただし両社とも売買代金が1億円に届かない。ダイサンが0.17億円、ピープルが0.51億円だ。この規模では、数百万円の売買でも株価が数%動く。 決算の中身を評価した値動きなのか、単に薄いだけなのかを切り分けられない。スイングの対象としては、板の薄さのほうが決算より効いてくる。この連載で扱う銘柄とは性質が違うと考えている。

今後の決算発表予定──またぎ注意

日付 発表社数
9月3日(木) 1社
9月4日(金) 11社
9月5日(金)以降
9月7日(月) 2社
9月8日(火) 7社

今週は決算発表が薄い。まとまるのは9月4日の11社で、そこまでは1日1〜2社が続く。持ち株の決算発表日が近いかどうかを確かめるには、いい週だ。 発表が集中する週は日々の値動きに追われるが、今週はその圧がない。

決算をまたぐかどうかは、決算の中身を当てられるかではなく、外したときにどれだけ損をするかで決めるものだ。またぐと決めたなら、その前に撤退ラインを置いておく。含み損を抱えてから考え始めると、判断が「戻ってほしい」という願望のほうへ寄っていく。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(伊藤園:2027年4月期第1四半期決算短信、内田洋行:2026年7月期第3四半期決算短信)にもとづく。株価・出来高・日中値幅はJPX公式のJ-Quants APIによる9月1日終値時点の値。日経平均の終値と1日の市況はフィスコの報道による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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この記事を書いた人

コマンドY

コマンドYスイングトレーダー

大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。

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