環境問題が指摘されるメガソーラ、事業者撤退の風力、次の主役は

太陽光発電・関連事業のコンサルティングを行う資源総合システムが発行した『太陽光発電マーケット2025~市場レビュー・ビジネスモデル・将来見通し~』によれば、2024年、世界の太陽光発電システム年間導入量は2023年比32%増の602GWに達し、累積導入量は2022年の1TW到達から2年で2TWを突破し、持続可能な次世代のエネルギーとしてトップランナーといえるだろう。
しかしながら、昨今、メガソーラー建設については、釧路湿原をはじめ全国各地で法令違反や環境破壊問題、廃棄物問題が取り沙汰され、クリーンなエネルギーから一転、マイナスなイメージが付き始めている。
また、2030年の目標達成やカーボンニュートラルの実現に向けた日本の再生可能エネルギーの主力電源として、期待されていた洋上風力発電は、三菱商事や中部電力が撤退し、まさに風前のともしびとなりつつある。

そんなかで、次世代の太陽光発電システムとして注目されるペロブスカイト太陽電池はフィルムによるもので、今あるソーラーシステムとは違うものだ。しかも、洋上風力のようにイニシャルコストも大きくない。
太陽電池産業は、かつて国際競争力を失った経験を持つ。その反省を踏まえ「実装加速連絡会」に提出された資料では「規模」と「スピード」で世界に後れを取らない体制を築くことが強調されている。
ペロブスカイト太陽電池をはじめとした次世代の次世代型太陽電池が社会に定着するかどうかは、今後数年の取り組みにかかっている。産業競争力の強化とカーボンニュートラルの実現を両立させる試みは、今、まさに正念場を迎えている。







