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タワマン建設が加速? その背景にあるもの

7月7日投開票の東京都知事選は、現職の小池百合子氏が強さを発揮し当選した。当初の予想では立憲民主党の前参議院議員の蓮舫氏との一騎打ちとみられていたが、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が2位に入ったことがサプライズになった。また、投票率が前回選挙の2020年に比べて5.62ポイント高い60.62%で、関心の高さを裏付けた。

小池都政の2期8年については、「「歴史と自然破壊」が進んだ? 小池百合子都知事の2期8年を検証」という記事で詳細にお伝えした。3期目の小池都政によって東京はどうなるのか。選挙戦では「世界で一番の都市、東京にしてまいります」と訴えてきた小池氏だが、3期目の小池都政で東京はどうなるのかを考えいきたい。

(関連記事)「歴史と自然破壊」が進んだ? 小池百合子都知事の2期8年を検証」

「国際競争が激化する中で経済を守り、かつ、成長させないといけない」と小池氏の3期目では、国際的な都市間競争を勝ち抜くため、東京の都市機能強化のうえで、さらに再開発が推進されることが予想される。その原動力になりそうなのが、タワマン(タワーマンション)建設の推進だ。
実は東京のタワマンは、23区を中心に国や都の補助金を推進力にしており、これが「再開発事業」の柱になっていることはあまり知られていない。こうしたことから今後も東京のタワマン建設がさらに進むことが予想される。とくにこれまでと違ったタワマン開発として、東京特有の巨大商店街との連結効果を狙った再開発が行われそうだ。

そんなタワマン建設が進んでいる区の1つが品川区である。なかでも、全国的にも知られる全長800mのアーケードからなる武蔵小山商店街は、その開発最前線になっている。
行政はこうした事業を「再開発」と称し、巨額な補助金を注ぎ込み、これまでのマイナス金利効果と相まって、超大手デベロッパーによる再開発コストをタワマンの高さのように天を貫くほどかけてきた。そして、小池都政が安泰になったことで、今後も公園など公有地周辺における再開発規制の緩和をそのままに、巨大商店街との連結が社会現象となるだろう。

ただ、これは東京23区、多摩地区の自治体の首長や議会、役所も同様の都市計画を支持することが多い。
というのも、東京都はもとより自治体、その議会まで再開発に公的な支援をするのは、富裕層を住民にできるからだ。つまり、税収を増やす一助になる。

一方で、都営住宅や区営・市営住宅の維持や建物更新、新規建設には熱心ではない。1億円を超えるタワマンに住む住民に比べ、低賃料の住宅に住む住民は、固定資産税を払わず、住民税の額も少ない。そのうえ福祉や医療費などで自治体にとって負担になるからだ。

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タワマンによって地域の「都市階級化」が進む

都内のタワマン人気は高まるばかり? 

行政の裁量で決められる建物の高層化や容積率アップを認める代わりに、ホテルや国際会議場などを含めた準公的な施設の建設を自治体の財布も痛めることなく、民間(大手デベロッパー)に建設促進してもらえる。もちろん、こうした施設も新たな税収を生み出す。
この東京の富裕住民の優遇策は、日本の成長を支えてきた中流社会の分解を促進し、地域の「階級都市化」が進む結果を生み出す。

ただ、日本は少子高齢化と人口減少は着実に進むため、タワマン開発で地域の人口が増えても、それは他の自治体から富裕層をはがして自分の自治体に貼り付ける行為で、いわば富裕層の取り合いでしかない。

加えて、見落とせないのは、日本の国力や国際競争力の低下である。
2023年にはGDPでドイツに抜かれたが、早ければ24年中にはインドに抜かれ、日本は世界5位となる。また、1人当たりのGDPは、先進国が集まるOECD38カ国で最下位のグループだ。IMD「世界競争力年鑑2023年度版」によると、同機関が算出する国の競争力で日本はタイ(25位)などにも抜かれ、アジアの新興国の後塵を拝し、今後は日本の人口の2倍以上のインドネシアにも抜かれかねず、将来的にアジアのお荷物になる懸念すらある。
こうした国のそのものの経済力低下のなかで、自治体は高額納税者の誘致競争に走り出したのだ。

税金依存率7割、補助金漬けのタワマン建設も

武蔵小山商店街
都内のあちこちで建設が進むタワマン(写真はイメージ)

前に指摘したように、東京都内のタワマン建設を促進しているのは補助金にある。東京都内で毎年50か所の事業が進んでおり、平均すると、少なくともその2割の額が補助金で支えられている。タワマンは一握りの大手デベロッパーしか開発に参入できない現状において、大手デベロッパーに対するこの上ない行政支援だ。しかも、再開発事業の縦覧期間(公開チェック等の機関)が2週間と短く、開発者側が有利になっている。

国や自治体の説明では、防火や耐震など防災事業を行うには再開発が最適とされる。そこでタワマンの開発は、道路拡幅や建物の不燃化、細分化された土地建物の権利関係を解きほぐす格好のツールになる。ただ、これは表向きの理由に過ぎない。

これらの再開発事業は道路などのほか住居や私有不動産がからむため、補助金をテコに建物を高層化・大型化して、再開発で外部に売れる保留床といわれる部分を作ることで補助金漬けを招き、郊外では保有床の価格が安い。そのためこうした開発の中には税金依存率が7割まで高まっている。

タワマンと教育無償化で富裕層の囲い込み

ばらまき政策、目先の問題だけに終始した2024年の都知事選挙

加えて、タワマン建設を柱とした再開発では、道路の新設や拡幅もセットとなる。道路に用地を売る地主は、タワマン開発による利益が得られる。こうして不動産を持てる富裕層は優遇され、都市の「階級化」が進む結果を生む。

さらにこうしたタワマンを完売支援策が実は、所得制限のない高校生授業料の無償化や、子どもの医療費無償化だ。
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の知事と横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市の市長の1都3県の5つの政令都市の市長でつくる「九都県市首脳会議」では、4月の会合で税収が豊かで不交付団体の東京都の独り勝ちが問題になった。
24年度から始める東京による東京都の所得制限なしの授業料実質無償化のような手厚い支援は東京都以外の8自治体では難しい。このため、子育て層が東京から地価や住宅の安い東京都以外の8自治体に転居する流れを抑制してしまうからだ。
埼玉県の大野元裕知事は、「本来無償化は国が全国一律で実施すべきだが、一部の自治体が単独で行い不均衡が生じていることは強く懸念している」といい、他の知事らも同調した。

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特色ある地域の商店街を分断するタワマン開発

商店街を宣伝する品川区のポスター

再開発を巡っては、東京都に残る都内有数の大規模商店街が反対を始めている。
板橋区のハッピーロード大山商店街(560m)は、タワマン建設によってアーケード街をかなり前に都市計画決定された都道建設により分断されるため、有力スーパーの社長が先頭に立って反対運動を起こしている。

また、品川区の武蔵小山商店街の入り口部分の東急目黒線武蔵小山駅前には、近年、三井不動産と住友不動産がタワーマンションを建設され、駅前の風景が一変した。さらに、商店街の中ほどに3棟のタワマンを建てる計画が進んでおり、品川区も推進している。
いずれの計画も100億円前後の補助金が支出、または今後の支出が見込まれている。
このようにタワマン建設は、湾岸エリアだけではなく、大規模商店街とタワマンを連結させる計画も進んでいる。

武蔵小山の商店街のタワマンに長年反対してきた佐藤弥二郎元品川区議によると、武蔵小山商店街は戦前からの歴史があり、桑畑が目立った入り口部分は大森海岸などで海苔をつくっていた山本海苔店(中央区日本橋)などの海苔を干す場所だったという。

戦後の人口増加で建物が建ったが、所有者は山本海苔店のグループの山本保全(本社・中央区日本橋)で、同社が駅前のタワマン再開発も用地の9割以上を用意したという。
ちなみに、いまの中央区長は山本海苔店の副社長だった山本泰人氏である、中央区長を務め、同区の再開発は日本橋に本社がある三井不動産で、武蔵小山の再開発に直接かかわりはないが、結果的に中央区の再開発と似たような構図になっている。

多くの買い物客で賑わう長いアーケードの武蔵小山商店街

商店街の衰退を懸念する声がある一方、商店街にタワマンができると富裕層が数多く住居するため、商店街の売上増につながるという見方もある。
店主が高齢化や売上高の低迷に直面し、後継者がいないケースやタワマンや道路建設に賛成しやすいムードが高まるという流れもある。

また、タワマン建設で商店街の店舗の高級化やナショナルチェーン化が進むという懸念もある。
商店街は、いわば庶民にとっての「水平に長い大規模百貨店」ともいえる。その水平商店街が垂直に高く伸びるタワマンと連結される変容局面を迎えようとしている。そして、こうした動きは、容積率が低未利用な公園や公有地を再開発対象にする動きと軸を同じにしている。

折しも3期目を迎える小池都政発足直前に都庁の幹部職員の大手デベロッパーへの天下り問題がクローズアップされており、小池氏のいう「世界で一番の都市・東京」に影を落としている。
また、品川区一帯の開発に、ある新興宗教団体の関係者が詳しかったようで、「計画を事前に知ったわけではないだろうが、開発近隣地の土地所有や合意形成、開発コンサルタントの専任などの開発過程を洗いなおす価値がある」という声もあり、そうした検証も必要かも知れない。

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https://goldbeans.jp/?p=3897 <![CDATA[ 【フジテレビ】ドラマ『日本一の最低男』があまりにリアルすぎると大反響 ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3897.html Sun, 23 Mar 2025 04:00:00 +0900 Sun, 23 Mar 2025 04:12:16 +0900 1

大手不動産批判ができないテレビ、新聞の実情

テレビを観ていれば必ず目にするのが大手不動産会社のCMだ。
2月に発表された大手不動産会社の第3四半期の決算発表の報道をみると、「増収増益」「過去最高益」「上方修正」など景気のよい文言が並び、テレビCMなどに投下される広告宣伝費も潤沢なのだろう。
実際、大手不動産会社のCM見ると、三井不動産は広瀬すずや吉永小百合、三菱地所は高畑充希、東急不動産は二階堂ふみと、人気女優をメインキャラクターに据えて、イメージ戦略に余念がない。なかには古い街並みや歴史的建造物などを再開発しながら、経年劣化ならぬ「経年優化する」という言葉を人気女優に「したり顔」で語らせていたりする。

一方、大手マスコミの側も、不動産事業とは切っても切れない関係にある。
例えば、明治神宮再開発では、新秩父宮ラグビー場の整備に日本テレビは協力会社として加わっている。TBSは赤坂の本社近くで大規模再開発を行っている。
加えて自社がもつ不動産を活用するためには、大手不動産会社の協力は欠かせない。つまり、大手マスコミにとってはCMのスポンサーであり、共同開発事業のパートナーでもある大手不動産会社が手掛ける再開発事業は批判しにくい。

ドラマの舞台は品川区のタワマン開発?

そんな中で元SMAPの中居氏による問題でCM収入が激減しているはずのフジテレビ『日本一の最低男』が不動産業界の関係者の度肝を抜く、内容の不動産ドラマを放送した。ドラマ自体は3月20日放送で終了したが、主役を務めた元SMAPの香取慎吾の迫真的な演技が視聴者から高い評価を受けている。

なぜ、このドラマが高い評価を受けているかというと、その内容が実在する再開発計画がモチーフにされていることをうかがわせ、それを徹底取材しているという点だ。
ストーリーは、商店街近くに大きなタワマンを造るというもので、開発を行う不動産会社は出てこないが、わかる人が見れば、タワマン建設が止まらない東洋一のアーケードがある武蔵小山商店街のことだろうかと思いあたる。

武蔵小山商店街

武蔵小山商店街は、品川区が観光PRするほど、昔ながらのアーケードや商店が軒を連ね、他区からも多くの買い物客が訪れる人気スポット。また、同じ品川区には戸越公園商店街があり、ここにも大規模なタワマンを建てる計画がある。


最終回放送後には、Xでもトレンド入り

どんな再開発計画でも説明会に行けば分かることだが、現実は裏の世界、そしてそのまた裏の世界があるといわれる。
 ドラマ『日本一の最低男』では、そうした普通の人がうかがい知れない世界を描かいた点でも画期的だ。このため、想定外の高い視聴率で、最終回の放送後には、X(旧ツイッター)の登場頻発度を示すトレンドに入るほどだった。

少し長くなるが、このドラマの後半部分のあらすじを説明しよう。

主人公の一平(香取慎吾)はパワハラ問題で会社を辞め、家族も子どもも嫌いな「最低男」。そんな彼がシングルファーザーの義弟の子育ての支援を引き受け一緒に暮らすようになる。地域に根を張ってみて、はじめて再開発のような社会問題に気づかされる。
そんな一平は、再開発に反対する人たちと体当たりで付き合うなかで、本来目指した区議選ではなく、区長選にでる羽目となってしまう。そのきっかけは、再開発を進める現職区長やその取り巻きから懐柔を受けたことへ反発だった。

ドラマ『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』FODオリジナル作品『Hello Again』(C)フジテレビ

一方、開発を進めたい区長側の思惑は、地域問題を解決し、地域に溶け込み頼られる存在になった一平に目をつけ、彼が住む家も再開発地域で有利だと自陣営に取り込み、再開発の説得役を依頼、利用することにあった。
その話に納得はできない一平だったが、しぶしぶ顔見知りであり、再開発予定地にある商店街の銭湯の女将と話をするが、彼女の話を聞いて逆に再開発に同意できなくなる。

そんななかでその銭湯が反社的な連中の嫌がらせと裏工作で追い出されてしまい、放置できなくなって区長選出馬を決断し、勝負に出ることに。
選挙戦では、緻密な計画と周囲の強固な協力を得ながら、最低男の汚名をかぶり、現職区長派の悪事を暴き、目的のために邁進していく。そして、地元の有権者や区議に寄り添ってきた第3の候補者が名乗りをあげ、当選を果たすのだが……。

SNS選挙、二馬力選挙のリアルな現実も取り込む

ドラマ『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』FODオリジナル作品『Hello Again』(C)フジテレビ

このドラマは、単純な勧善懲悪なストーリーではなく、一平を利用しようとした現職区長派の議員も初出馬の時は、爽やかな改革の意思をもって当選したものの、周辺の影響を受け、だんだんと改革の意思がなくなってしまう姿が描かれているところも見逃せない。
ドラマプロデューサーの北野拓氏がヤフーニュースなどを通じて複数の媒体でドラマの背景や作り手の思いを熱く語っている。

ドラマを観た実際の再開発に直面する視聴者からは、次のような感想が寄せられた。
「徹底した取材と秘密主義と妨害、誹謗中傷覚悟のタイトル戦略とドラマ展開。これがさらにドラマチックであり、ハラハラドキドキしつつ最後は、人々の良心や思いやる気持ちが勝つというところに胸を撫で下ろし、爽快感もある」
「誹謗中傷をする連中や粗暴などこともわからないメディアをアホバカに描くところ。本来あるべきテレビメディアの意地を見せてくれたこと、難題に挑戦し正解を具現してくれたこと。スタッフと俳優陣のやる気がハンパじゃなかったこと。すべてに感謝と賞賛しかないです」

 さらにこのドラマの見どころは、再開発の暗部を描く上でSNSの使い方が秀逸さだ。
例えば、主人公が自らの失策をあえてSNSで発信し、「肉を切らせて骨を断つ」的な高等戦術や、選挙と再開発をSNSと絡めた点は興味深く、そこに若い人のIT力を利用するといった部分も、ドラマがヒットした理由だろう。
 さらに昨今話題の「二馬力選挙」など現実の選挙で起きていることも描かれる。

結末まで描かれず、続編を期待する声も

ドラマでは、主人公の一平が区長選では落選し、一平の親友で再開発を進める現職区長の甥が当選を果たすところで終わっており、果たして、当選した現職区長の甥はおじの政治スタイルをまねるのか、親友の一平の意志を継ぐのかまでは描かれていない。続編があるのかを期待したい。

このドラマはフィクションとはいえ、再開発計画のある地域であれば、自分の住む地域を取材したのだろう」と共感をもつ人が少なからずいる、そんなドラマに仕上がっている。

※このドラマについては、FOD、TVerで視聴可能(一部無料、最新話は期間限定で無料)
FOD https://fod.fujitv.co.jp/title/107p/
TVer https://tver.jp/episodes/ep96tetkl1

※関連記事
「10棟以上のタワマン建設」北品川再開発の中身と計画反対に動き出す住民たち
品川区タワマン補助金2000億円を投入!? 区議会で飛び出した再開発の試算額

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https://goldbeans.jp/?p=3885 <![CDATA[ 沖縄のシェアハウスで暮らす人々 独特の距離感とそれぞれの事情 ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3885.html Thu, 20 Mar 2025 03:30:00 +0900 Fri, 21 Mar 2025 13:02:35 +0900 2

シェアハウスで暮らすそれぞれの事情

約3年前から私は沖縄と埼玉の二拠点生活をしています。

きっかけは、先に移住していた知り合いから、「那覇でシェアハウスを作りたいから手伝わない?」と誘われたことでした。
インテリアコーディネーターと、不動産も扱うファイナンシャルプランナーの2つの仕事を連携させ「住まいとお金のコンシェルジュ」としてはじめたころで、沖縄でのシェアハウス立ち上げは、私にとってとても魅力的な仕事でした。
これまでそのオーナーとは4件のシェアハウス立ち上げと、その管理をしていました。違うオーナーの物件に移りましたが、現在もシェアハウスを管理しています。

今回はその沖縄のシェアハウスについて、取り上げていきます。

沖縄のシェアハウスに住む人々の年齢は10代から60代まで幅広く「沖縄に憧れて!」、「キレイな海が好き!」など新しい環境を求める“アクティブ派”の方。「内地(沖縄県外)に疲れた」「内地で体調が整わないから暖かい沖縄で体調を整えたい」という沖縄の自然のなかで安らぎを求める“癒やし派”の方など入居者が求めるものはさまざまです。

それだけ沖縄という地は、日本の中でも何か違う、何か変われる! という良い意味で体とこころのバランスを整える特別な地だと、二拠点生活をおくるなかで日々感じます。

とはいえ、シェアハウスということもあって、完全移住まではまだ出来ないけれど、短期間沖縄に住んでみたい、というお試し移住のような方も多くいます。

また、移住生活でシェアハウスに利用するもう一つの理由は、経済的な理由もあります。沖縄県は全体的に所得が低く、アルバイト収入だけで生活をしている人も多くいます。
そのため初期費用がかからず、入居審査もないシェアハウスは“駆け込み寺”的な役割も担っています。

ドラマとは違うシェアハウスの人間模様

そんなそれぞれの理由によって入居してくる方が多いこともあって、普通の賃貸物件と違い、出入りはとても激しいのがシェアハウスの特徴といえます。

また、居住者のキャラクターもさまざまです。ただ安いからという理由で入居した方は、コミュニケーションに悩むことになったりすることもあるようです。

シェアハウスとはいっても、それぞれは個室に分かれるので、テレビドラマのように常に共有スペースにみんなが集まってということはなく、時々すれ違う程度という感じの生活になります。共有スペースでは、それぞれの価値観が一致しないことも出てくるので、たまにそれが元でちょっとしたトラブルになることもあります。

そんななかでも「冷蔵庫問題」が原因になることが多い。
ルールとしては、自分の物には名前を書いて、みんなでシェアしてよいものには名前を記入しないというルールにしていても、名前を書いていたにもかかわらず、勝手に他の入居者に食べられた、飲まれた、というトラブルは起こりがちなものです。

大人が集まったシェアハウスであっても、食べ物のトラブルはおこりがち。やはり食べ物の恨みは深いということなのでしょうか。

家族で暮らして、勝手に食べた食べないということは起こりがちですが、家族ほど近い関係ではなく、友だちでもない、むしろ他人の集まりだから言いづらかったり、気持ちが上手く伝わらないということもあるように思います。日々同じ屋根の下に暮らしているものの、この関係性はシェアハウス独特の距離感、人間関係です。

現在、私は別の場所に住みながら、シェアハウス管理は遠隔で行っています。ただ、半分一緒に暮らしながらの管理をしたこともあるので、その人間模様はとても興味深いと実感していました。

時々トラブルがあり、その都度、処理も必要ですが、そんなシェアハウス独特のコミュニティから、友情が生まれたり、恋愛が生まれたりもして、シェアハウスの暮らしは面白いものです。
そして、シェアハウスの管理から私はたくさんことを学ばせてもらっています。

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https://goldbeans.jp/?p=3843 <![CDATA[ コメ消滅!? 農業政策の無策が生み出した令和のコメ騒動 ]]> https://goldbeans.jp/life/page_3843.html Wed, 12 Mar 2025 16:15:00 +0900 Fri, 14 Mar 2025 02:03:27 +0900 2

「楽しい日本」にするために備蓄米を放出

2月21日、ついに江藤拓農水相が政府備蓄米の放出を発表しました。この備蓄米が市場に出回るのは3月下旬あたりといわれています。

そこで改めてこのコメの問題について考えていきたいと思います。
このコラムでは、24年5月に農家倒産について取り上げており、その後、コメの価格がじわじわと上がってきました。そして、農水相は、新米が出回れば、自然と需給バランスが取れて米価は安定すると発表していました。

たしかに秋になると一時的にコメの価格は下がりましたが、年が明けると再びコメの価格は上昇に転じ、価格高騰は続いています。新米が出たから下がるどころか、逆に上がってしまっています。こうした状況を見ると、政府は農業政策をまじめにやっているのかと疑問がわいてきます。

所信表明演説する石破首相

年明けから開かれた第217回国会で石破茂首相の施政演説では、これまでやってきた地方創生を核に「楽しい日本を実現する」と演説しています。「楽しい日本」というフレーズはどうなのかと話題になりましたが、これで日本の農家が守られるのかがとても心配です。

私は新潟県出身で、新潟の農家の現状を知っているのですが、「コメの価格は低く抑えられ、一反からできる米では、生活できなくなっている状態がずっと続いています。このままでどうなってしまうのか分かりません」という不安をコメ農家の皆さんから聞いていました。

このコメ問題を解決できない限り、石破首相がいう「楽しい日本」というのは、どこの国の話だという感想しか持てません。
とくに石破首相は、「地方創生」を強く打ち出している政治家で、この人がこの農業問題に真剣に取り組まない限り、口先だけといわれても仕方がないでしょう。

コロコロかわる備蓄米の役割

こうした石破首相の政治信条はともかく、コメの高騰が続くなかで「100万トンも備蓄米があるのだから放出すればよいではないか」ということをよく現地で耳に しました。
そんな声に対して政府は「備蓄米の本来の目的は、災害時に迅速に食料供給をすること」とコメントしていました。

しかし、振り返ってみると、2024年1月1日に能登半島地震発生後、避難されている方たちは「コメが来ない」「コメが不足している」と近所の人が集まり、それぞれがコメを持ち寄って必死になって生活している姿が報道されていました。つまり、災害時に備蓄米が放出された形跡はなく、備蓄米が本来の目的である災害に対応したようには思えません。

能登半島地震では道路が寸断された

当時政府は「震災の影響で、運べない、流通できなかった」という言い訳の様な見解でした。能登は半島ということもあって通じている道路が地震で寸断されてしまい、トラックで運ぶ手段がないといったこともあるでしょう。しかし、地震や災害は、交通の便のよいところだけで起きるわけではありません。災害が起こって困るところは、むしろ地方の交通の便の悪い村落です。

そうしたことに対応するマニュアルを作っておくべきではないでしょうか。空からヘリコプターや航空機を使った災害時に対応した運搬スキームを作っておかなくては、ただコメだけ集めて備蓄米にしても何の役にも立ちません。

こうした指摘を受けると、政府は「いやそれだけではない」と「コメは10年に一度不作になることがある。そして、かつては2年連続不作でも対処できる水準として政府は備蓄米を100万トン保有している」と、 「この制度に480億円予算を計上している」というのです。
新米価格は2024年10月の1か月だけで30%も上昇しています。この短期間での大幅な価格高騰で、この値上がりは異常です。
そうなれば国民は、市場にコメがないのだから備蓄米を放出してほしいというのは当然ですが、農水省は、今検討中というばかりでした。

そして、新米が出れば価格が安定するというアナウンスするのみ。これは日銀や財務省が円相場などで行う口先介入のようなもので、農水省もまさにこの口先介入をしていただけに過ぎません。しかし、その効果はなく、農水省はコメの価格をコントロールできませんでした。

減反推進派が多数を占める農水省

農林水産省の政策にかかっている

コメだけに限らず、農水省の施策は対症療法ばかりで、コメはもとより農業政策をどうするのかということがわれわれからは見えません。今回のコメ高騰の対策を見ていると、世論の動向だけを見てやっているんじゃないかとすら思えます。

私の出身地の新潟周辺を見ていてもわかるのですが、コメ農家はずっと減反、減反です。こうした生産調整ばかりで、政府は農家のほうを向いていない。そんな状態ですからコメ農家は、みんなやめてしまってどんどん減っていくばかりです。そして、こうした休耕田を借りて大きくしてやっている人もいるのですが、規模を大きくしても儲からないというのです。

この状態を私は、いったいどうなってしまっているのかと思っていまいます。しかも、古い話ですが、1993年の冷夏による大凶作になった平成のコメ騒動があったあとも、減反が続けられてきました。
こうしたことからも、現在の農業政策は、矛盾しているように感じます。

そうしたこともあってか、2018年度に1970年から続いていた減反政策が廃止されます。
しかし、農水省内では、いまだに減反推進派が多い。そこで表面上は「減反」は廃止したものの、コメ以外の作物に転換をさせる「水田活用の直接支払交付金制度」というものを作ります。

この「水田活用の直接支払交付金制度」は、コメをやめて、野菜などの作物に転作すれば交付金を払うという制度です。つまり、水田を潰せばお金を上げるのでコメはやめなさいと勧めているもので、減反はなくなっても田んぼを減らす政策が続いています。その予算額は3200億円で、制度としての減反はなくなっても田んぼを減らす政策の予算は減っていません。

とはいえ、この3200億円の予算はどこにいったのか、誰が使っているのかということがはっきりわかりません。これは国の農業政策が国民に全然見えない状態になっています。本来ではこうした予算がどう使われているか農家はもとより、一般国民もわかるようでなければなりません。

コメにも及んできたオーバーツーリズム

今回のコメ不足の原因は、流通段階にあると農水省はいっていますが、国の備蓄米は全体の4割で、残りの6割は自由米です。しかも、備蓄米は市場に出てきていない。この残り6割のコメを、一部の業者が大量に買っている可能性があるわけです。
その背景には米価が上がるから大量に買う、不足しそうだから買うという実態があるからでしょう。

外国人に人気の日本食

ただ、コメがここまで高騰することは国も予測していなかったことでした。
それは2024年の訪日外国人が3687万人もいて、25年は4000万人を超えるとみられているからです。
インバウンド需要が高まるなかで、日本食ブームが起こっていることもあります。たとえば、コンビニおにぎりから、寿司、ラーメン、カツカレーなんていうものまで外国人に大人気です。
単純に考えれば1か月300万人以上の人口が一気に増えているようなもので、これではコメがなくなって当たり前です。
つまり、コメを食べる人が急増したにもかかわらず、コメ市場を国がコントロールできていないということが問題なのです。

「幻の17万トン」といわれますが、国が買い付けているのは4割だけですから、残りの6割の自由取引から大口で買い付けたり、直接農家から買い取ったりということが起きている。コメ市場では、大手企業や大口需要業者によってコメの取り合いが起こっている。
昔のコメ騒動の裏はコメ問屋から始まりましたが、現代は大手飲食チェーンから始まるというようなことになっているのではないかと思います。これは断定できませんが、農水省がいっている こととは、原因が違うように私は思います。

では、新米が出てコメの流通が増えれば下がるはずの値段が下がっていない。この矛盾からは、何度も言いますが、国、農協が主食のコメをコントロールできないという実態が見えてくるのです。

2月21日に備蓄米の放出が決まりましたが、これも官邸からの圧力ともいわれています。とはいえ、実際に放出が行われてもそんなにコメ価格が下がらない可能性もあります。

いま、コメの消費市場においては流通構造の大変化が起きています。加えて、国のコメをはじめとした農業政策、インバウンド需要が高まった現在に合っているかどうかについても考える必要があります。

これまで政府は国の1番大事な根幹にあたる農業問題に対する施策が常に遅れています。
地方出身の石破首相は「楽しい日本」を作るといっていますが、石破首相の選挙区である鳥取も農業は盛んですから、首相も農業を取り巻く厳しい環境についてわかっているはずです。
一歩も二歩も遅れてしまっている農業問題に取り組むことが、石破首相のいう「楽しい日本」を作るスタートではないのかと思うのです。

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https://goldbeans.jp/?p=3829 <![CDATA[ 「花粉症の症状別」漢方薬活用ガイド 漢方薬の選び方と対策方法 ]]> https://goldbeans.jp/life/page_3829.html Sun, 09 Mar 2025 20:15:00 +0900 Sun, 09 Mar 2025 23:10:57 +0900 1

くしゃみ、鼻水、鼻つまりの三大症状は水の代謝や排泄が正常に行われていない状態のことで漢方では「水毒」を呼ばれています。
なかでも花粉症の場合は、鼻や気管支に「水」が蓄積されていると考えられますので、余分な「水」をさばく漢方薬を用います。そして、どのような漢方薬を用いるかは、それぞれの体質や症状により異なります。
花粉症は、三大症状に悩まされるだけでなく集中力も低下するといったこともあるため、眠くならない漢方薬で乗りきりましょう。

サラサラ鼻水が止まらない「寒証タイプ」

寒証タイプの花粉症は 水毒に寒証(からだに寒邪が侵入することにより冷える状態)が結びつくことが原因です。
このタイプの特徴は、寒気を伴う「水のようなサラサラした鼻水」が止まらない、鼻汁は無色という点です。
対応策は、からだを温めながら水代謝を改善する漢方薬を用いますが、冷えは症状を悪化させるため、薄着をしないことも重要です。

*小青竜湯 (ショウセイリュウトウ)
【体質と主な症状】やや体力のある方/くしゃみ、鼻水、鼻つまり

【特徴】水様性の鼻水やくしゃみの第一選択薬で花粉症の初期に多く用いられる漢方薬です。サラサラした無色透明の鼻水、鼻がムズムズしてくしゃみが1日に何度もでる、体が冷えると症状がひどくなる、朝起きてからくしゃみがひどい、お腹をたたくとぽちゃぽちゃ音がすることがあるなどがよくみられます。

【成分の効能】麻黄(マオウ)と桂枝(ケイシ)で体の外から侵入する冷えた邪(寒邪)を温めながら発散させ、細辛(サイシン)、乾姜(カンキョウ)、半夏(ハンゲ)、五味子(ゴミシ)で肺を温めながら水分循環を促し余分な水分を体から排出することで症状を改善します。

*苓甘姜味辛夏仁湯 (リョウカンキョウミシンゲニントウ)
【体質と主な症状】体力のあまりない方/冷え症で鼻水、咳、薄い水様の痰

【特徴】肺の水はけが滞ったために起こる鼻炎に効果があります。麻黄が含まれていないため胃腸が弱っている場合や、体力のない高齢の方に使いやすい漢方薬です。

【成分の効能】甘草(カンゾウ)、乾姜、細辛で肺を温め、茯苓(ブクリョウ)、半夏で水をさばくことで鼻水が軽減し、五味子、杏仁(キョウニン)が咳や痰を改善します。

眼の痒みや、くしゃみ・鼻水の症状はどうすえば緩和できるか

無色から白色で少し粘り気のある鼻汁の「熱証タイプ」

熱証タイプは、鼻炎が長引くと鼻に余分な熱が発生し炎症を引き起こすため、粘り気のある濃い鼻水となります。強い鼻炎症状のため熱により水分が失われるので乾燥して鼻つまりが起こります。鼻汁は無色から白色に、更に黄色~緑色に変わることもあります。
肺を潤わせ熱を冷ましながら炎症をおさえ、排膿効果のある生薬を含む漢方薬を用いて鼻つまりなどを改善します。

*葛根湯加川芎辛夷 (カッコントウカセンキュウシンイ)
【体質と主な症状】やや体力のある方/鼻水、鼻つまり、肩こり・首こり、頭痛・頭重

【特徴】無色から白色で少し粘り気のある鼻汁、鼻つまりが強い、入浴などで温まると鼻つまりが軽減される、くしゃみ、鼻水が治っても鼻つまりだけ残る。
首や肩のこり、発熱、頭痛・頭重を伴うこともあります。

【成分の効能】熱証タイプには、身体を温める葛根湯をベースにした処方で川芎(センキュウ)と辛夷(シンイ)が鼻腔や副鼻腔の炎症を抑え、排膿を促すことで鼻つまりを開通させます。

*辛夷清肺湯 (シンイセイハイトウ)
【体質と主な症状】やや体力のある方/鼻汁の粘性が高く、とにかく鼻閉がひどく、匂いがわからないことも。

【特徴】肺に熱がこもることで起こる頑固な鼻詰まり、匂いがわからない、鼻の乾燥した感じ、頭痛や鼻の痛み、黄色~緑色の粘り気のある鼻水。

【成分の効能】黄芩(オウゴン)、知母(チモ)、石膏(セッコウ)で肺の熱をさまし、麦門冬(バクモンドウ)や百合(ビャクゴウ)で肺を潤し、さらに辛夷が鼻詰まりを治すことで症状を改善します。

寒気や全身倦怠感を伴う透明な鼻水の「陰証タイプ」

陰証タイプは、体力が著しく消耗している人や高齢者は常にエネルギーが不足している(漢方では陰証といいます)ので、寒さなどの邪に対する防衛力がないため、冷えなどを感じると鼻水などの表証(体表にあらわれる症状)だけでなく、裏証(臓腑や血管、骨髄など体の内部で起こる症状)による手足の強い冷えや倦怠感などが同時にあらわれます。
寒気や全身倦怠感を伴う透明な鼻水が特徴で薄い痰を伴うこともあります。
陰証タイプに対しては、からだを温めながら、寒気を感じる体表にエネルギーを生みだす効果の漢方薬を用います。

*麻黄附子細辛湯 (マオウセツサイシントウ)
【体質と主な症状】やや体力のない方/鼻炎症状だけでなく、強い寒気がある、元気がない、倦怠感が強いなど新陳代謝が落ちている人や高齢者に。

【特徴】鼻水のほかに微熱や咳、眠気を伴うこともあります。
四肢に冷えがある風邪や寒冷じんましん、冷えによる関節痛・神経痛にも用います。

【成分の効能】附子(ブシ)と細辛でからだの表面や深部も温めることで衰えたエネルギーを回復させ、麻黄で少し発汗させて寒気、くしゃみ、鼻水に効果を現します。

【花粉症対策 ワンポイントアドバイス】

1)花粉症の予防と早い時期からの対策
薄着や冷飲食物・水分の摂りすぎは、からだの代謝を低下させ鼻水や鼻つまりの原因を招きます。からだを冷やさない衣服や湯船につかる入浴などでからだを温める工夫を意識しましょう。少し早めに薬の服用を開始することで症状がひどくならずに済むこともあります。

2)ストレスを溜めない心がけ
慢性的なストレスや体力の低下、睡眠不足は、免疫力低下の原因となり症状が出やすくなります。夜は早めの就寝や日頃のストレス発散など、でリラックスタイムを上手に作ることがポイントです。

3)バランスの摂れた食生活
コンビ二やファストフードはできるだけ少なくして、旬の食材を取り入れた食生活で免疫力をあげて症状が起こらないからだつくりを目指します。

次回は「めまい」についての漢方薬を紹介します。

斉藤明美『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』

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暮らし https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/03/sugikafun.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3804 <![CDATA[ 3万8000円~4万円のボックス相場、その背景にあるもの ]]> https://goldbeans.jp/money/page_3804.html Fri, 28 Feb 2025 08:00:00 +0900 Fri, 28 Feb 2025 07:20:48 +0900 1

日米首脳会談、25年度予算は無難にクリアでもバッとしない石破政権

2月8日、石破首相とトランプ米国大統領の初めての首脳会談が行われた。この首脳会談を日本の政官財人及び投資家は、固唾を呑んで見守っていたが、会談中の両首脳のやり取りから共同声明まで友好的に接したことで安堵感が高まったようだ。
しかし、第2次トランプ政権の関税対策は強行で、自動車に対しては25%程度を検討し、4月2日にも発表される、半導体、医薬品ついてはまだ未定でだが、これも20%程度を検討しているようだ。

そのような不安定な状況のなかで、日銀の金融政策に変化が見られる。
金利引き上げについては、好調な企業業績、賃金引き上げを見極めたうえで、3月の日銀金融政策決定会合で行われる可能性が高まりつつある。

国会に目を転じれば、25年度予算については、話題の「103万円の壁」に関して、自民党は一貫して財政を理由に否定的で、対する国民民主も強気で両社ともに譲る気配はなく、国民民主は予算案に反対することを決めたようだ。とはいえ、維新とは妥協しており、とりあえず、25年度予算は成立しそうではある。
このような状況下だけに、市場の動向は、多くの企業の今期は非常に良い業績ながら、来期の市場動向ははかなり保守的だ。そのため日経平均株価は3万8000円~4万円のボックス相場から抜け出せないでいる。

老朽化するインフラ整備――関連銘柄を再チェック

一方、国民生活派というと、1月28日に埼玉県八潮市の県道で、陥没した道路にトラックが転落。陥没事故は発生から3週間が経過しても、復旧までは莫大な費用と時間を要しそうである。
下水道管の破損が陥没の原因とみられ、道路陥没事故の未然防止に向けて各地で緊急点検が相次いでいる。老朽化するインフラへの関心が急速に高まるなか、水道管や道路の空洞調査・点検急務だ。

2月20日、大野元裕・埼玉県知事より災害救助法の適用の要請をうける石破首相

この事故を受けて国土交通省は、事故現場と同様の大規模な下水道管路を管理する7都府県に対して、緊急点検と補完的に路面下空洞調査の実施を要請。2月14日には調査結果を公表し、管路の腐食などの異状が埼玉県の3か所で確認され、必要な対策を速やかに実施するよう要請したという。
また、空洞調査では、下水道管路に起因する空洞の可能性がある箇所は、現時点で確認されなかった。さらに、前述の7都府県以外でも、多くの自治体が自主的に緊急点検を実施していると伝わるなど、水道インフラ老朽化への懸念が深まっている。

こうしたなか石破茂首相は、6月をメドに策定する国土強靱化計画に「下水道の老朽化対策」を盛り込む要請をした。
国交省では、今後20年間で、建設後50年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなるとみているが、一斉に老朽化するインフラを戦略的に維持管理・更新するには、膨大な経費と時間がかかり一朝一夕でできるものではなく、緊急性を必要としながらも、息の長いテーマとなりそうだ。
それの参考になるのが2012年12月の笹子トンネル事故で、水道管や道路の空洞調査・点検など、ドローン・DXなど先端技術の活用が求められる。

そこでこれに関連銘柄を考えてみたい。
関連銘柄としては、日本ヒューム(5262)、土木管理総合研究所(6171)、日水コン(261A)、栗田工業(6370)、ブルーイノベーション、NJS(2325)、応用地質(9755)、いであ〈9768〉ベルラクスコーポレーション〈5290〉、オリジナル設計(4642)などが挙げられる。
とはいえ、現状では「噂を買う」段階であり、一旦の調整後は本命株がハッキリ見えてくることになろう。
また、「103万円の壁」関連銘柄としては、タイミー(215A)、パーソル(2181)と、関連銘柄に注目したい。

日本ヒューム:直近3か月株価の動き

タイミー:直近3か月株価の動き

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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マネー https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/02/ishuba_toramp.jpeg
https://goldbeans.jp/?p=3652 <![CDATA[ 【民泊投資物件情報】都心から1時間 四季折々のレジャーが楽しめる7LDKの希少物件 ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3652.html Fri, 21 Feb 2025 00:00:00 +0900 Tue, 18 Feb 2025 22:26:28 +0900 2

都心から1時間半の好アクセス

自然豊かな群馬県みなかみ町。東京から新幹線でわずか1時間、車でもアクセス良好なこのエリアは、実は民泊投資の隠れた優良スポットだ。

多くの人はスキーリゾートというと長野や新潟を思い浮かべるだろう。しかし、その手前に位置する月夜野は、アクセスの良さ、豊かな自然、そして充実した周辺施設という三拍子揃った穴場エリアなのだ。

上越新幹線を利用すれば、東京駅からわずか63分で上毛高原駅に到着する。車でのアクセスも良好で、関越自動車道水上ICから約10分という利便性も魅力だ。週末を利用した短期滞在や、長期休暇での滞在など、様々なニーズに対応できるアクセスの良さが、月夜野の大きな強みと言えるだろう。

豊かな自然と観光資源

四季折々の月夜野の魅力

みなかみ町は、谷川岳や赤城山などの雄大な山々に囲まれ、清流利根川が流れる自然豊かな土地だ。温泉、スキー場、ゴルフ場、キャンプ場など、多様なレジャー施設が揃っており、年間を通して観光客が訪れる。

伊香保温泉街にある有名な石段

春(3月~5月): 雪解けとともに、山々には新緑が芽吹き、花々が咲き乱れる。宝川温泉や水上温泉で桜を眺めながらのんびり温泉に浸かるのも良いだろう。また、伊香保温泉も近い。

夏(6月~8月):いまなお手つかずの自然がのそのままで、夏の夜には、ホタルが飛び交う幻想的な光景が見られる場所もある。夏のレジャーとしては清流での川遊びやラフティング、カヌー、周辺の山々でのハイキングなど、アウトドアアクティビティを満喫できる。


秋(9月~11月):秋はもちろん周辺の山々が赤や黄色に色づき、美しい紅葉の景色が広がる。谷川岳ロープウェイで山頂へ登れば、360度のパノラマ紅葉を楽しむことができる。10月下旬から11月上旬にかけては「みなかみ紅葉まつり」が開催され、紅葉ライトアップやイベントが行われる。

冬(12月~2月):そして、冬はあたり一面が雪景色。谷川岳天神平スキー場や苗場スキー場も自動車で移動圏内。谷川岳天神平スキー場(車で約20分)、苗場スキー場(車で約40分)など、初心者から上級者まで楽しめるスキー場が揃っている。これらスキー場は、パウダースノーを満喫できる。

もちろん温泉も充実。宝川温泉(車で約30分)、水上温泉(車で約15分)、湯桧曽温泉(車で約20分)など、個性豊かな温泉地が点在している。日帰り入浴も可能な施設も多い。

このほかレジャー施設としては、ゴルフ場(みなかみゴルフクラブ/車で約10分)など、自然に囲まれたゴルフ場でプレーを楽しむことができる。

民泊投資としての魅力

こうした月夜野だが、これだけさまざまなものがありながら、近隣の新潟県や長野に比べれると知られていない。つまり、穴場エリアといえる。そのため宿泊施設の数は限られており、民泊の需要は高く、投資物件としての魅力も大きい。

今回、紹介する物件はそんな月夜野にある、7LDKの広々しとした物件だ。
セミナーや研修、宴会などが開ける26㎡広間も備えた使い勝手のよい間取りの物件だ。

物件の外観

この物件の大きな特徴は、7LDKという間取りで、それぞれの部屋がすべて8畳(14.5㎡)以上あるという点にある。そのため1部屋にベッド2つをおいても広々とした空間を確保することができる。

間取り図(左上)/玄関ホール(右上)/大広間(左下)/キッチン・ダイニング(右下)


また、家の中心には8畳の部屋が続いており、16畳(29㎡)の大広間として活用すれば、宴会場はもとよりビジネスユースとしては会議室やセミナールームとしても使いやすいまどりになっている。
もちろん、大人数が宿泊できる大部屋としても活用できる。どんな目的で使うかは自由自在だ。

玄関~大広間(左上)/大広間横の廊下(右上)/バスルーム(左下)/物置(右下)

現状では宿泊施設が少ないため、競争率が低く、広い民泊での高い収益が見込めだろう。
東京からのアクセスが良く、豊かな自然と観光資源、充実した周辺施設、そして美味しい食。月夜野は、民泊投資に最適な条件が揃っていると言える。

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/01/Mount_Mitsumine_Gunma.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3728 <![CDATA[ 【風邪】症状にあった漢方薬を活用して免疫力で諸症状を追い出す! ]]> https://goldbeans.jp/life/page_3728.html Wed, 12 Feb 2025 01:00:00 +0900 Wed, 12 Feb 2025 00:48:44 +0900 1

「風邪は万病のもと」といわれるようにこじれると肺炎などの思い症状を引き起こすことがあります。
ゾクゾクする寒気や発熱、風邪かなと思っても、眠くなってしまうのではとついついお薬を服用することをためらっていませんか?
一般的なに風邪薬は眠くなる成分が含まれることが多いですが、風邪の諸症状を緩和する漢方薬は眠くなることはありません。
また、体質や症状で選ぶことがもでき、ピタリと合えばわずか数回の服用で症状の改善がみられます。

風邪に対応した漢方薬は、体温を上げて免疫力をアップすることにより、体全体のバランスが整え、本来、体が備えている「自己治癒力」を高めることで症状の改善へと導きます。
風邪にも即効漢方で、風邪の季節を乗り切りましょう。

葛根湯(カッコントウ)

【体質と主な症状】
やや体力のある方/発汗はなく、寒気、頭痛、発熱、首・肩こり
【緩和する症状】
頭痛、発熱、ぞくぞくする寒気、首筋・肩こり、腹痛、下痢、吐き気
【成分の効能】
麻黄(マオウ)、桂枝(ケイシ:シナモン)、生姜(ショウキョウ:ショウガ)で体を温め、発汗を促し免疫機能を活性化させて風邪の諸症状を緩和します。
葛根(カッコン:クズの根)は、首・肩の筋肉の緊張を緩めますので、肩こり・首こりを改善します。また腹痛、下痢・吐き気などの感冒性胃腸炎にも効果があります。

麻黄湯(マオウトウ)

【体質と主な症状】
強い体力のある方/発汗はなく、強い寒気、急な発熱、節々の痛み
【緩和する症状】
発熱、強い寒気、ふしぶしの痛み、頭痛、ガタガタふるえる、咳
【成分の効能】
麻黄(マオウ)と桂枝(ケイシ)でしっかりと体を温め、体温をあげて毛孔や汗の孔を開いて発汗を促すと共に、風邪を治そうとする力を強化して症状を改善します。

小青竜湯(ショウセイリュウトウ)

【体質と主な症状】
やや体力のある方/発汗はなく、透明でさらさらした鼻水・痰
【緩和する症状】
いきなりのくしゃみ・鼻水が立て続けにでる、発熱、寒気、咳、頭が重い
【効能】
麻黄など8つ成分が体を温めながら、体を温め、鼻水・くしゃみや痰の原因となる水分代謝異常を整え、体を温めることで症状を改善します。肺を温める効果もあるので、咳や気管支喘息にも効果があります。

桂枝湯(ケイシトウ)

【体質と主な症状】
体力のあまりない方/寒気、頭痛、発熱から始まり、じわっと汗ばむなど風邪の初期症状
【緩和する症状】
体力虚弱、寒気は強くないが気分がすぐれない状態、鼻かぜのような軽い症状、のぼせ感、頭痛、微熱と共に出るじわっとした汗ばみ
【効能】
5つの生薬がバランスよく体を温めながら、軽く発汗させて、皮膚の防御機能を回復させ症状を改善します。汗が自然にじみ出るような状態で用いることが多いですが、汗の出ていない場合にも用いることができます。

麻黄附子細辛湯 (マオウブシサイシントウ)

【体質と主な症状】
体力のあまりない方/発汗はなく、強い寒気、微熱、倦怠感
【緩和する症状】
普段から冷え性で、四肢が冷えた強い寒気、全身の倦怠感、くしゃみ・鼻水、のどのイガイガや痛み、蒼白い顔色、微熱が続く症状
【成分の効能】
附子(ブシ)と細辛(サイシン)で体の表面と深部の熱を作り出す力をサポートし、麻黄で少し発汗させて、病邪(ビョウジャ)という外部より体内に侵入すると考えられている病気の原因とされているものを追い出して症状を改善します。

「風邪かな?」と思ったときのワンポイントアドバイス

しっかり食べて、睡眠を取ることが重要

風邪を予防するには何といっても免疫力を維持しておくことが大切なので、疲れ、ストレス、睡眠不足は大敵です。
日頃から十分な睡眠、バランスの摂れた食事、入浴、軽い運動などで血流をよくすることが大切です。
風邪をひいたら、安静にして体を温める、無理せずしっかりと休養をとるなど早めのケアを心がけてください。
室内の乾燥を防ぎ、食欲があれば温かいうどんに生姜やネギ、発熱で発汗しているときにはスポーツドリンクなどで水分を補給してください。

次回は「花粉症」についての漢方薬を紹介します。

斉藤明美『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』

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暮らし https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/02/kaze.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3703 <![CDATA[ 隅田川沿いタワマン開発から見えてくる京急・東武の不動産開発の思惑 ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3703.html Thu, 06 Feb 2025 00:00:00 +0900 Thu, 06 Feb 2025 01:36:56 +0900 1

ライオンの本社跡地の可能性

神田を起源とする歯磨き粉と歯ブラシの大手メーカーだった「ライオン」が、墨田区本所から隅田川を挟んだ蔵前の日本郵政の開発地「蔵前JPテラス」に移転したのは、2023年のこと。それから2年、隅田川右岸の本所1丁目の旧ライオン本社(約6500㎡)は、丸ごとタワーマンションに再開発される。この「墨田区本所1丁目計画(仮称)」とされる開発は京浜急行電鉄(以下・京急)など、6社の共同開発。珍しい点は、京急が東武鉄道(以下・東武)や長谷工コーポレーションの子会社の総合地所などと組んでいる点だ。

1月中旬にあった近隣住民に対する計画説明によると、建物は、26階建て(91.4m)で464戸。竣工は4年後の2029年4月上旬予定である。
土地の規制は近隣商業地域で建蔽率80%、容積率500%、日影規制なし、建築物の高さ制限は95mなので、ほぼ規制ギリギリの大きい建物が建つ予定だ。
長谷工本体は、マンション建設に特化し、低中層マンションの競争力がある。

完成後の価格は出ていないが、墨田区に06年2月に竣工した錦糸町のの「ブリリアタワー東京」(45階)の33階(80.4㎡)が1.5億円。東武曳舟駅近くにある15年11月に竣工した地上28階建ての「アトラスタワー曳舟」は、1~1.2億(70㎡)。隅田川を越えた都営浅草線蔵前駅近くの「大枝緒タワーレジデンス」(26階)の17階(64.48㎡)が1.45億と中古物件でも1億を超えていることから、新築の中規模のタワマンであれば、1億を超えてくることになるだろう。

建設工事が進む旧ライオン本社跡

もっとも、隅田川右岸には高架の首都高速6号線向島線が走っており、上層階でなければ隅田川を見渡せない。また、高速道路の騒音も懸念される。ただ、周辺は小さいマンションや戸建て、ビルが多く、部屋の向きによっては隅田川花火を自室から見ることも可能だ。
そんな再開発の住民説明会が1月中旬に開かれた。この地域には巨大マンションはなく、いきなりの巨大マンションの出現で自分の家の資産価値が落ちてしまわないかという不安の声も聞かれた。

本社を都心から移す私鉄各社

この開発も含めて、最近のマンション開発を見ていると、私鉄本社の「脱東京」「脱都心」が潮流になっているようだ。

具体的には、新宿拠点の京王電鉄は聖蹟桜ヶ丘へ移転し、新宿の百貨店跡地の再開発に不動産事業の全力を挙げている。
国際空港のある成田と東京(羽田/都営浅草線、京浜急行等と接続)を結び上野に本社があった京成電鉄は、千葉県市川市に引っ込んだ。
東京都多摩地区に沿線が多い西武鉄道も所沢に移転。東武は、自社の不動産開発で命運を賭けたスカイツリー一帯の開発事業に沿ってスカイツリーの隣接地に移った。
そして、京急はというと、高輪・品川エリアから横浜市に本社を移転。京急社長は横浜商工会議所の幹部としてIR(カジノ)の横浜誘致の旗振り役をしたが、残念ながらカジノは実現できなかった。

京急の三浦半島一周構想

戦前は、関東、関西を中心に数多くの独立経営の中小私鉄があったが、大手に統合されてきた。
なかでも関東での西武鉄道の堤家と、箱根などのリゾート地開発を巡って競った東急電鉄の創始者の五島慶太が次々と買収を重ねてきたことは有名で、その五島慶太は“強盗・慶太”とも揶揄された。西武も資本外の路線を包み込んで、軽井沢の朝香宮家の別荘取得が「プリンスホテル」の名前の始まりだった。
このように私鉄が増えるなかで各社は大風呂敷を広げていく。

三浦半島の河津桜の並木を走る京浜急行電鉄

京急本線は京急品川駅発で、終点が三崎口。一方で、本線の途中の金沢八景駅からは、路線が枝分かれし、逗子・葉山駅まで伸びている。その昔は、逗子、葉山駅と三崎口駅をつなげる構想もあったといわれ、三浦半島一周線構想を断念したのは、バブル崩壊後のこと。
いまでは三浦市や横須賀市では人口減少が進み、横浜市も南部を中心に人口が減り、2年連続の人口減に見舞われている。

高輪・品川地区をはじき出された京急

そんな京急だが、不動産事業は儲かると、横浜シフトとの東京シフトを目指してきたが、この構想も股裂きのようにも見える。

かつて京急の本社は、いまや巨大開発が進む高輪・品川地区にあった。しかし、この地に、日本有数の拠点駅や操車場を持つJR東日本のパワーは絶大で、山手線の高輪ゲートウェイ駅を中心に再開発が進み、結果的に京急は横浜市に本社を移す選択をした。
また、台場に高級ホテル(メディリアン)を持っていた。隣の円形の東京ニッコーホテルと対照的な板型の高層ホテルだったが、その後、訪日客による都心のホテルブームが起きたものの、ヒューリックやリース会社に取引され、ニッコーホテルはヒルトンになり、京急の持っていたホテルが日航の名を冠するややこしい関係になった。このホテルの取引価格は急上昇。

2020年にオープンした「高輪ゲートウェイ駅」

京急としては、労使問題などさまざまなことがあって台場を撤退せざるをえなかったものの、いまの台場の状況をみると残念な話だろう。
加えて、京急は横浜移転後、社長が横浜商工会議所を舞台に横浜の山下埠頭へIR(カジノ)を誘致する旗を振ったが、実現はしなかった。

羽田~成田直通のアドバンテージもなくなる

やることが裏目に出ているような京急だが、先のライオン本社跡地のマンション開発など都内の事業に注目が集まる。なかでも、JR新橋駅の東口において、24年に再開発準備組合ができた。

この再開発の主な事業の1つが、老朽化した新橋駅前ビルの建て替えだ。同ビルと周辺地は、東京都と京急グループが主な権利者だが、その実態はあまりよく知られていない。
京急はドル箱路線として京急蒲田から羽田空港を結ぶ京急空港線を有し、この路線は都営浅草線に乗り入れ新橋はその経由駅。さらにその都営浅草線は京成路線を通り、成田空港に通じている。

とはいえ、これで安泰かというとそうはいかない。京急が危機感を募らせているのが、JR東日本の存在だ。
京急が横浜に本社を移転させる契機のひとつとなったのは、前述のしたように高輪ゲートウェイ新駅の周辺のJR東日本の超大規模開発だった。しかし、京急の心胆を寒からしめるものはそれだけではない。

それは2031年にJR東日本が高輪界隈から羽田界隈につながる貨物線を空港アクセス線としては開業させる計画だ。
この路線が開通すればJR東日本は独力で羽田と成田の空港をつなげることになる。さらに、横浜湘南方面や都内各所から成田へのJRの特急アクセスがすでにサービスを始めているおり、横浜~羽田~都心~成田が一気に繋がる。
こうなっては羽田~成田を繋ぐ京急のアドバンテージは少なくなる。

浅草~日光、観光ポテンシャルの高い東武

一方、一見するとカヤの外のような東武鉄道だが、増える訪日客によって注目されている。というのも、東武は日光など関東北部の観光地、埼玉県西部へのアクセスが今後も訪日客を取り込むポテンシャルを秘めているからだ。しかも、廃墟化が目立つ鬼怒川温泉など沿線の温泉街も、訪日客を呼び込めるとして東武は期待している。

2023年に運行開始した東武鉄道 新型特急「スペーシア X」

東武の主力線は、東上線と伊勢崎線だ。東上線は、東京と上州(群馬)を繋ぐ路線。また、伊勢崎線は「東武スカイツリーライン・伊勢崎線」と名前を変えて観光客を惹き付ける東京スカイツリー前面に出しつつ、訪日客で沸く浅草から栃木、群馬をつなぐ。しかも、東武にもその昔、両線を結んで関東平野をぐるっと一周させる壮大な計画があったようだ。

東武は、亀戸線などローカル線がある一方、東武野田線を「アーバンパークライナー」というネーミングでシティっぽさを懸命にPRしている。もっとも沿線地域のなかには「アーバンパークライナーという名は、千葉と埼玉の郷土色とマッチしない」という声もある。

とはいえ、今後は首都圏も人口減少が本格化するので、東武のイメージアップ作戦は痛いほどよくわかる。その背景には何としても儲かる不動産事業を成功させ、沿線以外にも自社ファンを増やしたいという思いからだろう。
そういう意味で、東武と京急が組んだ本所のマンション開発は、単に中規模タワマン開発というだけでなく、今後の鉄道事業を考えるといった視点で見ると、不動産開発に躍起にならざるをえない鉄道会社の思惑が見えてくるのである。

東京に集まる全国の交通系企業

東京でホテルやタワマン開発に参入してくる鉄道会社は少なくない。
実際、JR九州、近鉄、京阪電鉄、三重交通、両備バス(両備HD)などだ。両備HDは京阪と組んで八王子で大型マンションを建設する。

その一方で、非鉄道系のデベロッパーが建てるタワマンもどんどん東京都を離れて建設が進む。
京浜東北線の蕨駅(埼玉県)の駅前ではタワマンが次々と建設されている。価格は5000万円程度で、埼京線の十条駅前の1億円超のタワマンの半額だ。
西武の核線沿線では、小川駅(小平市)の前にもタワマンが建つ。もちろん西武線の沿線では、所沢駅、飯能駅、川越駅、ひばりが丘駅の前にもタワマンができている。

この先、人口減少で鉄道各社の駅に近い操車場や工場がリストラされ、マンションになる可能性もある。JR東日本の高輪ゲートウェイがまさにそうだった。そうなると次は駅構内の「駅上化マンション」も登場するのだろうか。

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/02/honjo1projct.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3694 <![CDATA[ 「レッドゾーン」区域の土地売却に必要なこと(神奈川県横須賀市) ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3694.html Sun, 02 Feb 2025 00:50:00 +0900 Sun, 02 Feb 2025 00:36:19 +0900 1

崖崩れの記憶と「手放せない土地」

土地を所有していることが資産になると考えるのは一般的ですが、ときとしてそれが負担となることもあります。
神奈川県横須賀市でのある土地の売却相談は、その典型的な例でした。

相談内容は、依頼者が相続した横須賀にある土地の売却でした。
この土地は、依頼者の父親が知り合いの不動産会社から、「息子(依頼者)名義で資産としてどうか」とすすめられ、購入されたものでした。
この土地はほぼ全てが傾斜地となっており、かつ、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定されており、一部が急傾斜地崩壊危険区域に指定されている崖でした。かけ崩れを起こさないように崖の保護工事をするために県の補助金を受けられる可能性はありましたが、順番待ちでいつになるかわかない、そんな土地でした。そうこうしているうちに依頼者の父親が他界。依頼者名義の土地だけが残されてしまいました。

父親が亡くなられたことをきっかけに、依頼者はこの土地を手放すことを決意。しかし、不動産会社に相談しても、「崖崩れのリスクが高すぎる」「需要がない」との理由で取り扱いを断られるばかりでした。
依頼者は自分の子どもへの相続を避けるため、売るに売れないことから、相続放棄で手放せるようにと土地の名義を母親に変更するなど、土地を手放すための手だてを講じていました。

当該物件の詳細を整理すると、以下のようになります。
・駅からはギリギリ徒歩圏内
・丘の上にある急傾斜地
・全体が急傾斜地、ほぼ全てが土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)
・土地の一部が急傾斜地崩壊危険区域で、今後、その範囲が拡大される予定
・隣接地に所有者不明土地がある
・住宅地隣接で過去にこの土地で崖崩れが発生した
・10年以上前に倒木リスクをなくすために100万円上の費用をかけて一部伐採
・横須賀市より崖を適切に管理するよう通知書が届いている
・境界標が一部不明

土砂災害警戒区域の現実

依頼者の話を聞いたあと、改めて役所への調査を行いました。
市役所での調査では、土地のほぼ全部が土砂災害特別警戒区域、俗にいうレッドゾーンという区域及び一部が急傾斜地崩壊危険区域に指定されていること。「急傾斜地崩壊危険区域」については、今後その範囲が拡大する可能性があることがわかりました。
また、この区域で建物の建築を行うには許可が必要で、加えて土地の一部が過去に崖崩れを起こした経緯があるため、新たに建物を建てるには多額の工事費がかかる可能性がありました。ほかにも水道、下水、ガスの引込みもない土地であるということもわかりました。

市役所での調査後、現地を調査。
土地面積は全部で659㎡。そのうち15㎡くらいが平らな部分で、現状ではゴミ置場として利用されています。
そして、車も入らないような細い路地を入っていったその奥は急傾斜地で、過去に崖崩れした傷跡がいまも残されていました。土地の北側隣地の土地がえぐれている状態でした。
一方、南側隣地は何年も放置された空き家があり、周辺は鬱蒼(うっそう)とした樹木に囲まれています。
しかも、隣との境界標はほとんどなく、これまで私自身さまざまな空家、空地をみてきましたが、「これはなかなか手強い土地だ」という印象の土地でした。

うっそうとした雑木林になっている土地


崖地保護工事をすると使えるところがない

こうした現地調査を終えたころ、依頼者の元に県から「急傾斜地崩壊危険区域の範囲拡大のための基礎調査」というお知らせが届きました。
これは依頼者が何年も前からこの土地や隣地の崖が崩落することのないよう神奈川県に崖地保護の要望書を提出していたため、崖地保護の第一歩として基礎調査を行政主体で測量を実施するというものでした。

管轄は横須賀土木事務所急傾斜地課という部署で、調査の進捗状況の確認のため、その窓口に行き、詳細ヒアリングを行いました。
土木事務所のヒアリングでは「現状としては神奈川県での崖地保護工事ができるかはわからない。もし、崖地保護工事ができた場合、相談さている土地はほぼ使える場所がなくなってしまう」とのことでした。

その後、依頼者と土地の処分について検討をしていると、隣地が所有者不明土地であることも判明しました。隣地が所有者不明土地のままでは崖地保護工事が進みません。そこで崖地保護の要望書を依頼者が提出した際に所有者不明土地について弁護士に依頼し、財産管理人の申立てを行いました。

後日、再度現地に行った際に近所の方から話を聞いたところ、「この空き家の所有者は外国人らしく、隣の墓地所有者も相続登記がされていないため誰が所有者かわからないと、土地家屋調査士の先生が言っていた」というお話。
さらに土地の目の前にお住まいの方からは「また崖崩れるのではないかととても不安です」という話がありました。

1円物件として売り出すと意外な反応が

隣家からは不安の声も

こうしたさまざまな調査を終え、売却活動に入りました。
実際、この土地に建物を建てようとすれば、崖崩れを防ぐ工事などで数千万円単位での工事費がかかります。さらに道路後退(セットバック)工事及びそれに付随する土留め工事も必要となり、それらの工事にかかる総額がつかめないほどでした。

そこで販売価格を1円に設定し、売却活動を開始しました。
この価格が目を引いたためか、土地に興味を持つ購入希望者が2組現れました。そのなかから、建築に詳しい購入希望者と話を進めることとしました。
そして、契約締結前に売主・買主双方で注意点を共有。境界非明示売買、契約不適合責任免責を条件に、売買契約を締結しました。
なお、買主はこの崖地購入後は、崖地のごく一部の平坦地部分を駐車場として賃貸される予定でした。
崖地所有のリスクはあるものの、確かに1円で購入した崖地の平坦地部分を駐車場として月数千円で賃貸するということは投資的にはありなのかもしれません。

ただ「境界非明示売買」として売主は境界を明示せず、測量もしなくてよいというものにしたうえで、引渡し後に売主も買主も知らなかったことで買主に損害が発生しても売主はその損害を補償しないという「契約不適合責任免責」という条件を付けました。
結果として、土地は無事に売却され、依頼者が長年抱えていた負担を解消することができました。
契約金額が低額だったこともあり、手続きは売買契約と引渡しを同時に行う「一括決済」で行い、無事に契約が締結され、引渡しが終わりました。

諦めずに挑戦することで道は開ける

この物件は、土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域の区域内でかつ、過去の崖崩れがあった急傾斜地というもので、私自身もかなり難しい物件だと思っていました。
しかし、売却活動をはじめて見ると2組からの申し込みがありました。

この物件の販売では、不動産取引における困難を乗り越えるためには何よりもチャレンジしえみることが必要であることを感じました。
「もう売れない」と思い込むか、「とにかくやってみようとチャレンジスする」かで、結果はおのずと違ってくるものです。
ただ、この案件も当社は依頼者より報酬がいただけないボランティア案件になってしまいましたが。

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/02/yokosuka01.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3641 <![CDATA[ 大逆転もあり? 2024年社会動向から読み解く25年の株式相場 ]]> https://goldbeans.jp/money/page_3641.html Sun, 26 Jan 2025 23:00:00 +0900 Sat, 25 Jan 2025 08:57:20 +0900 2

トランプ政権にかかる期待値

2024年7月14日にトランプ前大統領が演説中に撃たれる暗殺未遂事件が起き、その後、8月6日にハリス副大統領が民主党の大統領候補となったあたりから、米国市場の流れが大きく変わった。

8月5日までは4万ドルを割込んでいたが、その後は着実に株価は上昇し、11月5日の大統領選でトランプ氏が勝利するまで上昇を続けた。
つまり、トランプ暗殺未遂によってバイデン政権の終わりを感じ取り、それを受け入れた。実際、株価の推移を見ると、8月5日のダウ平均3万8499ドルが、11月11日には高値の4万4486ドルまで15.5%も上昇している。

これはトランプ大統領になれば大きな変化をもたらすという期待と言える。いわば民主党のバイデン大統領の不安に対する裏返しでもあったわけだ。

2025年1月20日にトランプ大統領が就任し、現状ではその政策を評価していく段階に入った。大統領就任前までは100を超える大統領令を出すといっていたが、実際には40本あまりにとどまっている。とはいえ、政策の実効性にも期待が高い。実際、大統領就任直前にはイスラエルとハマスの停戦合意にこぎ着けている。

また、敵視していたTikTokを米で再開することなった。中国に対してすべてNOを突きつけるわけではないことを示してもいる。エネルギー政策も大転換し,インフレを迅速に克服に対する期待も大きい。

1月24日までに出されたトランプ大領が出した主な大統領令
発行日大統領令のタイトル日本語訳
2025年1月20日Protecting The Meaning And Value Of American Citizenshipアメリカ市民権の意味と価値の保護
2025年1月20日Securing Our Borders国境の安全確保
2025年1月20日Restoring The Death Penalty And Protecting Public Safety死刑の復活と公共の安全の保護
2025年1月20日Declaring a National Energy Emergency国家エネルギー非常事態の宣言
2025年1月20日Reevaluating And Realigning United States Foreign Aid米国の対外援助の再評価と再調整
2025年1月20日Protecting The American People Against Invasion米国民を侵略から守る
2025年1月20日Unleashing Alaska's Extraordinary Resource Potentialアラスカの卓越した資源潜在力の解放
2025年1月20日Protecting The United States From Foreign Terrorists And Other National Security And Public Safety Threats米国を外国のテロリストおよびその他の国家安全保障および公共の安全の脅威から守る
2025年1月20日America First Policy Directive To The Secretary Of State国務長官へのアメリカ第一主義政策指令
2025年1月20日Establishing And Implementing The President's "Department Of Government Efficiency"大統領の「政府効率化省」の設立と実施
2025年1月20日Defending Women From Gender Ideology Extremism And Restoring Biological Truth To The Federal Government女性をジェンダー・イデオロギーの過激主義から守り、連邦政府に生物学的真実を回復する
2025年1月20日Ending Radical And Wasteful Government DEI Programs And Preferencing政府の過激で無駄なDEIプログラムと優遇措置の終了
2025年1月20日Reforming The Federal Hiring Process And Restoring Merit To Government Service連邦政府の採用プロセスの改革と政府サービスへの功績の回復
2025年1月20日Designating Cartels And Other Organizations As Foreign Terrorist Organizations And Specially Designated Global Terroristsカルテルおよびその他の組織を外国テロ組織および特別指定グローバルテロリストとして指定する
2025年1月20日Restoring Names That Honor American Greatnessアメリカの偉大さを称える名称の復元
2025年1月21日Ending Illegal Discrimination And Restoring Merit-Based Opportunity違法な差別の終了と功績に基づく機会の回復
2025年1月22日Designation Of Ansar Allah as a Foreign Terrorist Organizationアンサール・アッラーの外国テロ組織としての指定
2025年1月23日Strengthening American Leadership in Digital Financial Technologyデジタル金融技術におけるアメリカのリーダーシップの強化
2025年1月23日Declassification of Records Concerning the Assassinations of President John F. Kennedy, and the Reverend Dr. Martin Luther King, Jr.ジョン・F・ケネディ大統領およびマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の暗殺に関する記録の機密解除
2025年1月23日President's Council of Advisors on Science and Technology大統領の科学技術諮問委員会
2025年1月23日Removing Barriers to American Leadership in Artificial Intelligence人工知能におけるアメリカのリーダーシップへの障壁の除去
2025年1月24日Enforcing the Hyde Amendmentハイド修正条項の施行

これが2025年の有望業種

さて、その動きに対して東京市場はどのように動いたのだろうか。
2024年の33業種別ランキングから25年の有望な業種を考えてみよう。

24年のダウ第1位の業種は保険業の+45.31%、第2位は銀行業の+42.80%、第3位は非鉄金属の+41.57%、第4位は石油・石炭の+29.41%、第5位が繊維製品の+22.93%、第6位はその他製品の+17.7%、第7位は証券・商品先物取引業の+17.54%、第8位は倉庫・運輸関連業の+15.12%、第9位はサービス業の+14.59%、第10位は小売業の+12.45%になっている。
第11位以下は機械の+10.56%、第12位精密機械の+9.91%、第13位建設業の+9.43%、14位電気機器の+8.88%、第15位その他金融の+8.16%、第16位ガラス・土石の+5.70%、第17位は情報・通信業の+4.48%、第18位不動産業の+3.61%、第19位は水産・農林業の+2.97%、第20位は金属製品の+1.34%。

第21位からはマイナスに転じる。
第21位卸売業▼0.24%、第22位医薬品の▼0.79%、第23位鉱業の▼1.01%、第24位輸送用機器の▼3.18%、第25位食料品の▼3.68%、第26位化学の▼4.08&、第27位電気・ガス業の▼4.35%、第28位パルプ・紙の▼4.50%,第29位は海運業の▼6.37%,第30位ゴム製品の▼10.48%、第31位鉄鋼の▼12.14%、第32位陸運業の▼13.84%、第33位空運業の▼14.06%

特徴は的なのは日銀による金融政策の変更から金利敏感株である保険・金融が大幅に上昇したことであろう。

エネルギー政策転換で上昇する業界が大きく変化か

また、個別企業で見ると、防衛関連(機械に分類)の三菱重工、川崎重工、IHIの上昇が目立った。
一方、円安や原油価格の上昇により陸運・空運業や紙パルプが大きく影響を受けた。25年は24年と異なる業種が上昇するのか延長線上で行くのだろうか。

銘柄では、当然トランプ政権のエネルギー政策の転換によって、空運、陸運、海運、鉄鋼、ゴム、パルプ紙が恩恵を受けることになるだろう。
個別銘柄としては、日本航空、ヤマト運輸、郵船、日本製鉄、ブリジストン、王子製紙。この6銘柄で日経平均を超えるパフォーマンスに期待できるのではないか。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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マネー https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/01/DSC_0679.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3615 <![CDATA[ 【胃の不調】胃痛、食べ過ぎ、ストレス…症状別「漢方」の使い分け ]]> https://goldbeans.jp/life/page_3615.html Fri, 17 Jan 2025 05:08:49 +0900 Mon, 20 Jan 2025 09:50:41 +0900 2

食生活の欧米化により胃の不調を訴える人は増える傾向にあり、コロナ禍でさらに増えたといわれています。
胃の機能は体調、食生活、ストレスなどの影響を受けやすく、胃の不調といっても、食欲不振や胃もたれ、胃痛など症状はさまざまです。漢方では、主な原因は「気」や「水」の巡りの不調と考えます。
胃の不調が起こる原因を漢方的なタイプに分け、それぞれ代表的な漢方薬を紹介します。

1)もともと胃腸が弱い脾虚(ひきょ)タイプ

もともと胃腸が弱く消化吸収の働きが低下しているために、あまり食欲がない、悪心・嘔吐、胃の痛みなどがみられます。また、むくみや冷えを伴うこともあります。
改善させるには、「気」を補いながら余分な「水」をさばくことで胃腸の働きを立て直し、からだ全体のエネルギーを上げていきます。

【胃の不調の具体的な症状と傾向:胃腸が弱く、食欲不振、食後のもたれ感、悪心・嘔吐がある方に】
*六君子湯(リックンシトウ)
胃腸が弱く、食欲がわかない、みずおちがつかえ、疲れやすく、食後に胃もたれや吐き気、むかつきなどの症状がみられます。冷え性、下痢傾向の方にも効果があります。
主成分の“人参”で胃を温めながら胃内に停滞している「水」をさばいて胃腸の機能を高めるとともに“陳皮(ちんぴ)”で「気」を巡らせ元気不足を解消します。

【胃の不調の具体的な症状と傾向:冷え性で胃痛、腹痛があり空腹時に症状が悪化する方に】
*安中散(アンチュウサン) 
胃弱でみずおちにつかえと痛みがあり、甘いものを好む傾向がある方の胃痛、腹痛、胸やけ、げっぷ症状。冷え性があり、空腹時にかえって痛みやもたれを感じる方。
生理時の冷えによる腹痛にも効果があります。
“桂皮(ケイヒ/シナモン)”や“延胡索(エンゴサク)”で胃を温めながら痛みを去り、胃酸を中和したり健胃作用の生薬で胃の不調を整えます。
処方名にある「中(チュウ)は「おなか」を指す言葉で、「おなかをを安らかにする」という意味です。

【胃の不調の具体的な症状と傾向:疲労倦怠感が強く、消化機能が衰えて食欲不振、疲れやすい方に】
*補中益気湯(ホチュウエキキトウ)
病後や過労、体質的に虚弱なために消化吸収機能が低下してスタミナ不足となり、疲労倦怠感、無気力、夏やせ、食欲不振が著しい方向けの漢方薬です
胃腸の機能を高め、食欲を益すことで「気」を増やし、「気」を上に持ち上げながら巡らせる“升麻(ショウマ)”や柴胡(サイコ)”という生薬で元気を補い、胃腸の消化吸収を整えるばかりでなく疲れを改善していきます。

2)食べ過ぎやストレスなどが原因の胃もたれタイプ

ストレスや食べ過ぎ・飲み過ぎが原因で胃に余分な熱や水が生じることで、胃に未消化物が残り、みずおちがはる、胃もたれ、食欲不振などの症状を招きます。
胃の中の余分な熱を去り、胃の水はけよくして下におろして症状を改善します。

【胃の不調の具体的な症状と傾向:みずおちがつかえ、げっぷ・胸やけ、悪心・嘔吐、軟便・下痢傾向の方に】
*半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)
過労、不安などのストレスによりみずおちのつかえが伴う神経性胃炎。胃の膨満感・げっぷ・胸やけ、食欲不振、悪心・嘔吐、お腹がゴロゴロ鳴り軟便または下痢傾向の方に。口内炎にも効果があります。
胃の中にある熱をさますことで胃のつかえを改善し、余分な水分をさばきながら、胃の血行と機能の回復を助けます。

【胃の不調の具体的な症状と傾向:食べ過ぎ・飲み過ぎによる胃の膨満感、もたれ、げっぷ、吐き気に】
*平胃散(ヘイイサン) 
胃が強くないのに食べ過ぎて、食べ物の残渣と水分が停滞したために消化不良となり、胃や腹の膨満感、食欲不振、もたれ、げっぷ、吐き気が持続します。
下痢症状を伴うこともあります。
胃の水はけを整えながら、消化を助け、”厚朴(コウボク)”で「気」を生みだし、”陳皮”で巡らせることで症状を改善します。

3)イライラ、不眠を伴うストレスが原因の気滞タイプ

精神的なストレスや緊張により自律神経の働きが乱れると、全身に「気」を巡らせる「肝」の不調が起こります。「肝」の不調はイライラや不眠を伴う食欲不振、のどのつかえ感、胸やけなどの症状が現れます。「気」のバランスを整え、巡らせながら胃腸の機能を改善します。

【胃の不調の具体的な症状と傾向:精神的ストレスに伴う胃痛・腹痛、食欲不振、吐き気】
*柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)
精神的ストレスが胃腸に影響して胃痛・腹痛、食欲不振、吐き気などを起こす方。
首筋のこわばり、首から上の汗、のぼせ、頭痛を伴う症状が出る場合こともあります。
”柴胡”と”芍薬(シャクヤク)”で「気」の発散をはかることで自律神経の緊張をゆるめ、”人参(ニンジン)”や”生姜(ショウキョウ)”で胃を温めながら、胃腸の機能を改善します。
長引いた風邪に用いることもあります。

【胃の不調の具体的な症状と傾向:のどのつかえ感、不安神経症を伴う吐き気や食欲不振などの神経性胃炎に】
*半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
気分がふさいでのど・胸のつかえ感があるためつい咳払いをしたり、不安神経症、不眠、吐き気や食欲不振などの症状がある方。動悸、めまい、胸苦しさ、咳を伴うこともあります。
ストレスをためがちな人は「気」の巡りが悪くなり、のどや胸のあたりでつかえてしまい、「気」だけでなく「水」も巡らなくなることがあり、そのことが原因で起こります。
”半夏(ハンゲ)”と”厚朴”でつかえた気を押し下げ、”茯苓(ブクリョウ)”や”生姜で”胃の機能を高めながら”蘇葉(ソヨウ/紫蘇の葉)”の香りで気持ちをのびやかに整えます。

【胃の不調のワンポイントアドバイス】
胃腸の機能低下の際は、体調に合わせた食生活を整えることが大切です。具体的には以下を参考にしてください。
・胃腸の働きを助けるジャガイモ・山芋、消化酵素を多く含む大根、胃の粘膜を修復するキャベツなどを取り入れる。
・食事は就寝2時間前までには済ませ、食べ過ぎ・飲み過ぎを避け、食べる量も腹八分目が基準になります。
・消化のよいものを選び、よく噛んで、ゆっくり食べる。
・刺激物は控えめにする。
・ストレス発散や適度な運動、十分な睡眠をとる。

次回は、「風邪」について漢方薬を紹介します。

斉藤明美『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』

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暮らし https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/01/ituu-1.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3588 <![CDATA[ 2025年大企業に危機が迫る!  倒産、M&A、リストラ、カントリーリスク… ]]> https://goldbeans.jp/money/page_3588.html Mon, 13 Jan 2025 23:15:00 +0900 Tue, 14 Jan 2025 06:51:16 +0900 1

上場企業472社が危険水域

2025年が明けました。
年明け早々の1月3日には、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画の中止をバイデン米大統領が命令、年末の12月23日には、ホンダと日産の経営統合のニュースが出るなど大きな動きがありました。

事業再生視点から、2025年の日本経済、特に大企業の経営状況についてお話したいと思います。

2024年は中小企業の経営悪化についてはさまざまなところで取り上げられています。実際、2024年1月~10月の中小企業の倒産累計は8323件となっており、2024年の年間倒産は1万社を超えるのではないかと見られています。年間1万件超える倒産件数は、11年ぶりの高い水準です。
一方、24年の後半にかけて大企業も非常に厳しい状況に置かれていることが明らかになってきています。
そのため2025年は、大企業のM&Aや倒産が続出するのではないかと、東京証券取引所や専門家の間で囁かれており、私自身も、その可能性は高いと思っています。

今まであまり目立たなかった大企業の経営状況も、悪化しつつあり、東京証券取引所の上場企業のうち、すでに472社が危険水域に達しているという発表もありました。

帝国データバンク調べ

ビッグモーター、船井電器が次々倒産

例えば、つい先日、ビッグモーターが民事再生に追い込まれたことは記憶に新しいでしょう。

ビッグモーターは、伊藤忠商事とジェイ・ウィル・パートナーズが共同で再生を進めていましたが、自動車の修理に関する被害請求が次々と発生し、収拾がつかないため、民事再生手続きによって債権者確定をして再建を進めることのようです。

また、セブン&アイが、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けていることも、日本企業の脆弱性を示す象徴的な出来事といえるでしょう。
セブン&アイについては日本の銀行団が、創業家の伊藤家を軸にセブン&アイ・ホールディングスを日本企業として存続させ、上場廃止にする方向で動いているようですが、その金額はなんと9兆円にものぼるといわれています。9兆円、10兆円という途方もない金額に、もはや金額の感覚が麻痺してしまいそうです。

さらに、10月24日には、ブラウン管テレビの製造で世界的に有名だった船井電機が破綻したのは、衝撃的な出来事でした
日本の家電業界は、多くの企業が苦境に立たされ、2016年にシャープは台湾の鴻海(ホンハイ)に買収されました。船井電機の破綻は、かつてソニーに次ぐと言われていた船井電機でさえも、経営破綻したことで、いまなお日本の家電企業が厳しい状況にあることを示唆しており、非常に不安を感じます。

生き残りかけ、加速するM&A

このような大企業にとっても厳しい状況になっている背景の1つは、昔と違って、監査法人が厳格に審査するため、不正を隠蔽することが難しく、本当に経営が悪化している企業が明らかになっているのです。

実際、日産自動車やユニゾンホールディングス、大王製紙などの大企業も経営が悪化し、リストラを余儀なくされています。
すでに日産自動車は、世界的に9000人規模のリストラを行うことを発表。他の企業も経営が悪化すれば、人件費削減が大きな課題となるでしょう。
そんななかで12月23日には、その日産がホンダとの経営統合へ向けた協議入りを発表。日本の基幹産業である自動車産業も、もはや無関係ではいられないことが明確になっています。
このように大企業も倒産を避けるためのM&Aが、今後、増加する可能性があります。

最大の問題は「カントリーリスク」

プーチン・ロシア大統領/習近平・中華人民共和国国家主席

大企業を取り巻く厳しさの最大の要因は、経済状況や消費者動向よりも、トランプ大統領の関税政策や、中国の習近平国家主席によるゼロコロナ政策などによる経済の減速、反スパイ法による日本人の拘束。さらにウクライナ戦争や中東問題などが要因と考えられます。
つまり、国内の経済環境だけでなく、いわばカントリーリスク、とくに中国経済のリスクが非常に大きくなっています。

中国経済の悪化に伴い、多くの日本企業が中国から撤退していますが、その影響は甚大で、日本の企業全体で、約1万社が中国リスクの影響を受けるといわれています。

大企業を見ても、パナソニックや新日鉄などが中国から撤退していますし、中国で成功したといわれていたモスバーガーも、全6店舗を閉鎖。伊勢丹も天津にある2店舗、上海の店舗を閉店しています。
さらに資生堂も中国市場の低迷により、経営が悪化。国内では優良企業と思われていた資生堂でさえ、売上の半分以上を中国市場に依存していたため、その影響は非常に大きく、関連事業のM&Aや売却を進めているようです。化粧品業界の巨人である資生堂が、これほど中国の影響を大きく受けていることに驚かされます。

これは中国だけではありません。
アメリカにおいても日本製鉄にいるUSスチールの買収計画の中止をバイデン大統領が命じるなど、日本企業のアメリカへの投資にもリスクがあることを認識させられました。

大統領就任後に何が飛び出すかわからないトランプ次期大統領

このようにカントリーリスクはますます増大することが予想され、大企業は世界中に進出しているため、世界中のリスクを常に把握していなければなりません。
今後はゼネコンや総合商社など、あらゆる業種がその影響を受ける可能性が高くなっています。

直近では、トランプ大統領の政策による関税引き上げや、中国経済の不安定化、韓国の政治混乱、2年目に突入したロシアのウクライナ侵攻など、こうしてみると、わが国の周辺国はカントリーリスクの高い国ばかりです。

日本の周辺国はキケンがいっぱい

海外進出している企業が多い日本企業は、カントリーリスクの影響をすぐに受けてしまいます。

このほかにも、人手不足や資源高騰、海外情勢の悪化による海外進出の断念、トランプ大統領の政策によるアメリカ市場の不透明感、インサイダー取引や会計関連リスクの増加による海外投資の採算悪化。そして、中国における日本人誘拐事件の発生など大企業の海外戦略に見直しも必要になってきています。

特に、中国での日本人誘拐事件などに対する不安から、海外勤務を命じられても、若い社員が嫌がるケースが増えています。このような状況も、大企業の経営を揺るがす要因の一つです。

海外だけでなく、国内でも人件費の高騰や人手不足は深刻で、特に飲食業などは大きな影響を受けています。たとえば、「梅の花」は25年4月期の中間決算をみると、前年同期比マイナイスとなっています。これは原材料費の高騰と、顧客が支払う金額とのバランスが取れなくなってきていることが大きな要因といえるでしょう。

規制強化と押し寄せる2030年問題

さらに、国の規制強化も企業にとって大きな負担となっています。
物流業界、建設業界がかかえる働き方改革による2024年問題や運輸・環境規制など、次々と新しい規制が導入され、企業はその対応に追われています。
これらの規制は、企業の経営を圧迫する要因となっています。

また、私がとくに懸念しているのは、不動産の2030年問題です。
2030年になると、人口減少が加速し、不動産業界は大きな打撃を受けるでしょう。

不動産の2030年問題とは、団塊の世代が徐々に減少していく一方で、若い世代の人口は少なく、住宅需要は減少の一途を辿ることから起こる問題です。
加えて、インフレによる地価上昇も、デベロッパーや住宅メーカーなどの経営を圧迫しています。
2030年ごろをピークに、不動産業界は長期的な低迷期に入るといわれており、不動産市場の低迷は、日本経済全体に大きな影響を与える可能性があります。

この難局を大企業はどう乗り越えていくのか、また政府はどういった政策を打ち出すのか注視していくことが必要です。

ただ2025年の景気動向は、厳しい状況にはありますが、ひとまずは景気は回復すると見ています。とはいえ、私の予測では前半は景気が安定するものの、後半が勝負になると思います。

関連記事「環七より外側 マンションブームの終焉「不動産2030年問題」

【緊急配信】次々と経営悪化!大企業の崖 より

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マネー https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/01/96289361_m_normal_none.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3601 <![CDATA[ ヤマダデンキ、巨大不動産会社へ「くらしまるごと」戦略の全貌 ]]> https://goldbeans.jp/business/page_3601.html Tue, 07 Jan 2025 23:30:00 +0900 Tue, 14 Jan 2025 06:50:13 +0900 2

ヤマダが君臨して四半世紀、進む家電販店の棲み分け

テレビCMで家電量販トップのヤマダホールディングス(以下=ヤマダ)、これまでの家電販売から住宅の宣伝に力を入れている。
これはこの先の人口減少を見据えた、家電だけでない「住宅でくらしまるごと」を消費者に売り込む戦略の一環である。

現在は戸建て住宅、リフォームが目立つが、マンション販売、戸建て買い取りなどや不動産事業全般へと幅を広げる構想もある。
群馬県高崎市に本社を置くヤマダが家電販売で日本一に君臨してから四半世紀経つが、家電販売大手の顔触れは15年前後、ほぼ変わっていないという。つまり、家電販売は、急成長が期待できない成熟市場になってしまっているということだ。

加えて、ライバルである大手量販店はそれぞれの棲み分けもできている。
具体的には、ビックカメラは都市圏におけるインバウンド需要に強みを発揮。ヨドバシカメラは、西武百貨店への関与など店舗床を買う商業不動産の賃貸や通販に力を入れる。住宅ローンに強みがあったスルガ銀行に出資していたノジマはソニーのPC部門だったVAIOを買収。ケーズ電機は「頑張らない経営」を掲げ独自路線を進む。

一方、ヤマダは高級プレハブのエスバイエルなど傘下に収めた会社も多く、いまではグループ会社は50社を超える住宅メーカーになっている。

住宅事業の“切り込み隊長”ヤマダホームズ

清村浩一・ヤマダホームズ社長

そんなヤマダの住宅事業を牽引するのが2018年に設立された「ヤマダホームズ」(社長・清村浩一)である。

さまざまな企業を買収するヤマダの戦略は、まさに「成長を買う。時間を買うということ」という。だが、「住宅分野救済型のM&Aは時間がかかる」と積極的な企業買収の戦略について見直しも行っている。その理由は、人口減少下で住宅市場も萎んでゆくことからだという。

買収に次ぐ買収で住宅メーカーに変貌しつつあるヤマダの中核的な存在がヤマダホームズで、 M&Aした住宅関連会社を吸収してきた。
現在の同社の事業領域をみると、建築、土木工事の設計・施行・請負・不動産の売買・賃貸・管理・不動産鑑定・住宅の保守・点検などが幅広い。加えて、家具や内装品、住宅設備機器、医療機器、自動車(EV)の販売も手掛ける。
まさにこの幅広い業務内容こそがヤマダの「くらしまるごと」戦略なのである。

ヤマダが手に入れた主な住宅関連企業は次の通りである。
2017年1月 ハウステック 住宅設備機器
2020年9月 ヒノキヤグループ 注文住宅
2020年7月 秀建 新築戸建住宅分譲 ヤマダホームズグループ
2021年2月 ヤマダレオハウス 住宅販売 ヤマダホームズに吸収合併
2021年2月 ヤマダ不動産 不動産販売 ヤマダホームズに吸収合併
2021年2月 ワイ・ジャスト 住宅リフォーム
2021年2月 家守りホールディングス 住宅リフォーム

そして、2021年には、これら住宅関連会社をまとめる中間持株会社としてヤマダ住建ホールディングスが発足した。

手当たり次第のM&Aに隠された戦略

こうした住宅関連に力を入れるヤマダだが、清村氏は「10年先はわからない社会。2030年には世帯数が減る。総人口が減れば家電も売れなくなる」と話す。

これからは住宅製造販売だけでなく、住生活に多角的な見方ができないと生きていけない時代だ。現在、ヤマダホームズには不動産事業部があるが、さらに不動産事業を拡大し、建設と不動産を兼ね備えた不動産デベロッパーも視野にある。

事業領域が広がるなかで、ヤマダ電機の本体はヤマダホールディンスグスとなり、事業を家電販売、住建、金融、環境の4つのセグメントに分類している。

どれも住宅に関係するが、住建セグメントにはヤマダ住建ホールディングス、ヤマダホームズ、ワイ・ジャスト、家守り、ハウステック、ヒノキヤグループの各社がラインナップしている。これらM&Aで集めた各社によって「くらしまるごとシナジー化」するのが狙いだ。
そして、この延長線上にあるのが住宅と家電をネットでつなげるスマートハウス事業で、今後の経営戦略の中核になる。

また、住宅の周辺分野として、太陽光発電設備やEV充電器の販売や設置、保険やローンなども充実させている。

育成中のEV自動車分野では、トヨタ系の人材を引き抜いている。現在は、家電やITなど最新設備を備えたYAMADAスマートハウスを2024年から供給している。同年秋からは米テスラの家庭用蓄電池を、全国1000店の家電量販店で順次注文を受け付け、販売を開始。ヤマダの住宅や太陽光発電設備と組み合わせる。

ヤマダデンキ店舗で販売開始されたTesla蓄電池「Powerwall」

屋根に設置した太陽光発電の電気を販売も可能にしつつ蓄電池に充電。電気を自分で作って自分で使うというのがヤマダが考えるスマートハウスの戦略の最終形だ。
さらに家の発電装置や蓄電池を制御する仮想発電所(VPP)の構想も温めており、電力供給で家庭の電気代の削減を目指している。
実際、旧レオハウス系の住宅とEVのセットで、3000万円程度で売る先端住宅も販売メニューにある。

銀行から保険…住宅事業を支える周辺事業

こうした住宅販売を支援するのが金融セグメントである。
住宅販売のローン完済時に80歳未満であれば、最長50年の住宅ローンが組める。月々6万円程度の賃貸住宅の家賃並みの安さをPRしている。
ヤマダファイナンスサービスでは住信SBIネット銀行とも提携し、「ヤマダNEOBANK」を作って銀行業を始めている。期間固定金利住宅ローン「ヤマダフラット35」「ヤマダNEOBANK住宅ローン」。リフォームや家電・家具ご購入 のお客様には「ヤマダリビングローン」などを提供している。
また、リフォームの相談窓口を置く大型店は30店から80店規模にする構想だ。

2022年12月に買収したフラット35専門ハウス・デポ・パートナーズでは、10割融資を可能とする変動金利型住宅ローン「ハウス・デポ【MIX】」のほか、各種保証・損害保険も扱う。
このほか、クレジットカードのヤマダフィナンシャル、火災保険・地震保険を扱うヤマダ少額短期保険がある。

目指すは「くらしのテーマパーク」か

2024年5月にオープンした「くらしまるごと」 体験・体感・完結型店舗 「Tecc LIFE SELECT 福山店」


課題はショッピングモールのような幅広い集客だ。大規模な実験店舗の前橋吉岡店(約4000坪)では、膨大な敷地に住宅展示場などを設けた。
ここはまさに「くらしのテーマパーク」といった感じで、ここに行けば家電、家具、インテリア、太陽光発電、EV、蓄電池などさまざまな暮らしの品々をまとめて購入できる。目玉はテスラ製の蓄電池で、この蓄電池はヤマダでしか販売していないので、家電量販店の差別化にもつながりそうだ。

昨今、郊外の戸建て住宅が強盗に襲われる事件が頻発しているが、こうした事件が頻発する直前の2024年3月には、警備業のALSOKと提携。ホームセキュリティにもいち早く取り組んでいる。
また、社会問題となってきている空家対策については、子会社の「家守り」が対応。定期的に訪問し、家をチェックし、管理するという「空き家見守りサービス」を展開している。

住宅販売方法は独特で、健康関連も家電や美容製品のように「健康寿命を延ばす家」と位置づけ、現場の営業マンに対しては「住宅を箱としてだけではなく、健康な暮らしを彩って守るデバイスの集合体として売る姿勢を身につけさせたい」と清村社長は話す。

とはいえ、こうした業務拡大には反動もある。「ダボハゼ」にも見える超多角経営(?)に消極的で抵抗を感じ、転職してしまう社員もいないわけではないのだ。セールストークがモノをいう住宅と家電の販売の営業スタイルは親和性が高いが、住宅販売は保守的だけに、個々の営業マンは水と油というほど違うらしい。そこで会社の縦割り構造を打破し、家電と住宅を両建てで幅広く考えることができる人材をつくることが課題になっている。

「くらしまるごと」で葬祭事業もカバーする時代も?

このように住宅に力を入れるヤマダが向かう方向には、前にも指摘したようにデベロッパー業も視野に入る。ただ、マンションの建設や販売についても構想はあるものの、大きな柱とは考えていない。ビル建設や大規模商業施設のプロデュースは別だという。
「異業種進出といっても、あくまでも「くらしまるごと戦略」が基軸だ」

人口減少が進む日本社会において、「くらしまるごと」なら、冠婚葬祭市場への参入も将来は検討の余地があるだろう。
婚姻数の減少が地域の少子化につながり、家電や住宅需要を蝕み、空き家を増やすからだ。

2030年には、団塊世代が80歳代に突入し多死社会がやってくる。葬祭サービスの専門業者もM&Aなどで流動化の兆しがある。
実際、2024年12月には中国資本傘下の火葬企業の「東京博善」が、これまでの暗黙のルールを破って葬儀事業に参入を果たしている。

揺りかごから墓場までのヤマダはあらゆる領域の新事業に手を伸ばすのか。稀有なカテゴリーキラーの2025年の動きを注視したい。

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ビジネス https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/01/yamada_honsha.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3540 <![CDATA[ 1円物件 使えそうな用途もない山林を売るテクニック ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3540.html Sun, 05 Jan 2025 21:00:00 +0900 Sun, 05 Jan 2025 11:36:27 +0900 2

4箇所の山林を処分してほしい

土地の利活用というと住宅、店舗、資材置き場、駐車場……最近では民泊などが思い浮かびますが、実はそれだけはありません。たとえば山林、一見すると用途は思いつかないような土地であっても、それを購入しようと考える方もいらっしゃいます。
今回、ご紹介する案件は、使い道がなさそうな荒れた山林の売買の実例です。

この案件の依頼者は父親の遺産として静岡県内の山林4ヵ所を相続した2人です。
依頼者の父親は、生前、不動産会社を経営。会社、個人それぞれで複数の不動産を所有していました。しかし、その多くが何らかの問題がある物件でした。

そのなかから相続した静岡県の山林4ヵ所を処分したいと当社に相談に来られました。
「資料を見る限り車も入りそうもない山林で、場所もわからないのですが、処分は可能でしょうか? 子どもに残したくないのでタダでもいいので手放したい」との依頼でした。

物件詳細は、以下のようにものです。
・物件の所在地は静岡県藤枝市、牧之原市、菊川市、川根本町
・全ての山林が駅からバス便のエリア
・建築基準法上の道路に接道していないため、建物の建築不可
・全体的に傾斜地
・周辺に上下水道の配管がない
・場所がどこかもわからない
・長年放置されていたため、雑木林となっている
・その一部は保安林

鬱蒼と茂った木に覆われた物件

依頼者に極力負担をかけずに売る方法

通常であれば資料をいただき、話をうかがったあとに、役場、現地調査を行うのですが、静岡県という遠隔地ということ。また、依頼者は有償での売却は考えておらず、引き取ってくれる人がいればその方に譲りしたい。金額の有無は問わないこということだったため、調査はインターネットや電話で行い、極力費用負担を抑えるかたちで、物件の基本情報を収集し、法的および物理的な状況を整理していきました。

難あり物件を多数取り扱う当社には、こうした物件をお探しのお客様が多数登録されています。そのため調査にお金をかけずに、購入希望者を探すことが可能です。そこで依頼者の承諾のもと、当社にご登録いただいているお客様に向けて、情報を発信しました。
幸いにもこの物件は、すべて山林でそれぞれの評価額も低く、固定資産税はかかっていませんでした。そのため募集をすると「固定資産税がかからないのであれば、お引受けします」という購入希望者が現れました。

早速、手を挙げていただいた購入希望と依頼者で協議を行い諸条件を整えました。
その結果「贈与契約」では譲渡税がかかってしまう可能性があるため「売買契約」というかたちで調整を行い、売買契約書は、当社で作成。後日、依頼者、買主様に来社いただき、そこで売買契約を締結しました。
登記申請については、買主様がコストをかけたくないとのことで、買主様自ら法務局と打ち合わせを行い、所有権移転登記に必要な登記申請書、登記原因証明情報、委任状を作成。それに依頼者に署名いただき本人申請にて登記申請を行い、すべての手続きが無事に完了しました。

売却可能性を探る――特殊需要に着目したアプローチ

今回の案件では、不動産の購入、活用に決まりはないということを痛感した売買となりました。
売買価格は1円と、高く売れたわけではありませんが、「とにかく、土地を手放したい」という要望を叶えることはできました。
こうした山林をはじめとした“ワケあり物件”を抱えている人は多くいらっしゃいます。

一方、この土地の買主の方の購入動機は「将来、道路の拡幅や電柱の設置等で売却や収益があがるかもしれないから所有しておきたい」という先行投資のようなものでした。
このように固定資産税の発生が少ない土地、またはそもそも固定資産税がかからない土地では、将来的な道路拡幅やインフラ整備を見据えて土地を保有したいという方が一定数存在します。言い換えれば、土地の転売や再利用の可能性を見込んでのものです。もしかすると依頼者のお父様もそんなことを考えていたのかもしれません。

道路はあるが、上下水道の配管はない

そして、問題のある物件の売却には特殊なニーズを持つ顧客へのアプローチが必要です。仮に一般市場で価値が低い物件でも、ニッチな需要に応えることで処分の可能性を広げることが可能になります。

山林や未利用地を相続することは、多くの人にとって負担となる場合があります。しかし、適切な専門家のサポートを得て、特殊需要を掘り起こすことで、新しい価値を見出すこともできます。

今回の買主様同様、特殊な需要をもったお客様が当社にはたくさんいます。
もし、難あり物件を売却したい場合はどうするか。
その答えは、当社のように難あり物件を多数取り扱っている不動産会社に相談することです。そうすれば、市場に物件情報を公開しなくても、既存の難あり物件を探しているという方に、直接お声がけすることで売却できない不動産でも早期の段階で売却できることができるのです。

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2025/01/静岡県山林-7-㈱リライト-田中裕治.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3502 <![CDATA[ 環七より外側 マンションブームの終焉「不動産2030年問題」 ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3502.html Thu, 26 Dec 2024 21:00:00 +0900 Fri, 27 Dec 2024 00:51:30 +0900 1

マンション価格が高騰する都市部

近年、東京や大阪を中心とした都市部でマンション価格が大幅に上昇しています。

東京23区の新築マンションの平均価格はおよそ1億4000万円、大阪でも中心地の新築タワーマンションでは1億円を超えており、これは過去最高値に近いとされています。
しかも、このような高額なマンションが続々と売れています。

この背景には、購入者層の変化があります。これまでのイメージですと「高額マンションを購入するのはインバウンと需要 や国内の富裕層が投資目的で購入している」と思いがちですが、実際には30代や40代の共働き世帯が購入者層の主力になっているというのです。

外国人が日本のマンションを購入する理由は円安もありますが、日本の不動産が「世界的に見て割安」なこともあります。
最近では海外に行く日本人は減少傾向にありますが、中国、香港、シンガポールにいる人にとって日本はもはやお隣の国、地区という感じなのです。とくに中国本国は、もとより香港、シンガポールなどでは、共産党の影響力が強くなってきて、安定性を求めて日本の高級マンションを購入するケースが増えています。

欧米系の外国人にとっても、先進国でありながら、日本は物価も安くてマンションも安い。しかも、安全できれい、物価変動も少ない。投資しても日本の経済状況は、いま以上に悪くならないと考えているようです。
これがマンション価格を押し上げていて、東京や大阪の一等地マンションに対する外国人投資家の需要を高めています。

共働き世帯が支えるマンション市場

一方、前にも指摘しましが、価格を押し上げているのはインバウンド需要だけでなく国内でも若い世代が都市部の高額マンション需要を支える存在になっていることがあります。

その理由は、所得水準の上昇と銀行ローンの長期化、柔軟化があります。
実際、都市部では共働き世帯が増加しており、なかでも30代から40代、共働きで世帯収入を合算すると1500万円以上になり、これが若い世代のマンション購入の原動力になっています。

また、これを大手金融機関が提供する住宅ローンの仕組みも需要を後押ししています。
最近では、70歳までの長期ローン(50年ローン)や、夫婦合算で1億円以上の融資を提供する商品が普及しています。これにより若い世代でも高額物件を手に入れることが可能になっています。
さらに共働き世帯は、子どもの教育環境も 重視していて、「都心部の名門校に近いマンションを購入する」ことが一つのトレンドとなっています。そのため中央区、港区、渋谷区といったエリアは、こうしたニーズで人気が高まり、マンション価格を押し上げています。

完売した超高級マンション「三田ガーデンヒルズ」

住宅ローン完済はハナから考えない

加えて、こうした若い世代の住宅購入に対する考え方も変化しています。

昭和世代は、「家は一生の買い物」という感覚で、住宅ローンを完済しようと思っていました。
しかし、いまの若い世代の人は最後までローンを払う、完済しようなんていう考えはありません。売却を前提にしています。ですから購入段階で、物件の利回りを考えています。そして、タイミング良く売却し、次の生活へと移るという柔軟な発想になっています。
このような意識の変化が、都市部マンション市場の活況を支えているのです。

東京は環七から外のマンション建設が激減

こうした状況になって、新たな問題も生じています。
それはかつてマンション建設が盛んだった日本全国で、都心部から離れた郊外型マンション市場が厳しい状況になっているということです。

2005年から2006年には、全国で年間8万~9万戸のマンションが販売されていました。しかし、2023年には、その数が6万戸にまで減少しています。この減少傾向は、マンション需要が都心部に集中し、郊外型の物件が需要を失いつつある現状を物語っています。

マンション開発がおさまりつつある環状7号線

特に、東京都心から離れた環状7号線(環七)や環状8号線(環八)沿いのエリアでは、マンションの販売不振が顕著です。これらのエリアでは以前、マンション用地が積極的に開発され、多くの新築マンションが建設されました。しかし、最近では未活用の空き地や駐車場として放置されるケースが目立っています。不動産業者の間では、「都心から離れたエリアの物件は売却が難しくなっている」という声が広がっています。

郊外型マンションの需要低下の要因の1つは、もちろん人口減少です。
団塊の世代を中心に郊外の住宅需要が高まったものの、少子化と若年層の都市部へ流出が加速し、郊外地域では空家や売却困難な物件が増加しています。

環七、環八の外側、国道16号沿線はさらこの傾向が顕著です。かつて国道16号線沿いは千葉県の千葉市、柏市、埼玉県の春日部市、川越氏、都下の八王子、神奈川県の相模原市、横浜市、横須賀市といったエリアで、大規模な住宅開発が進みましたが、現在ではその多くが「住む人のいない街」と化しています。

46年の歴史に幕をおろしたイトーヨーカドー津田沼店

また、これらの地域では住宅地が広がりと並行して大型ショッピングモールの開発も進み、イトーヨーカドーやイオンモールといった大手スーパーマーケットが次々と進出、地域経済を支えてきました。しかし、近年ではこれらのショッピングモールが閉鎖されたり、他社によって買収されたりするケースが増加しています。
たとえば、イトーヨーカドーの船橋店やイオンモールの一部店舗は2020年以降に閉店したことで周辺の住宅需要もさらに低下しました。
これは大阪、名古屋、福岡などの全国の主要都市でも同様なことが起きており、このことがさらに進んで郊外の空家、地方の空家問題となってきました。

名古屋、大阪のニュータウンはオールドタウン

空家問題は、地方だけでなく、最近では東京でも深刻化しています。
なかでもとくに注目されるのは世田谷区です。世田谷というと高級住宅地として知られていますが、空家の増加が進んでいます。東京でいうと、この世田谷区や大田区、北区、足立区などでも空き家が急増していると指摘されており、郊外型の住宅地が「終焉の時代」を迎えつつあります。

こうした現象は全国的に出てきており、関東では多摩ニュータウン、名古屋の高蔵寺ニュータウン、大阪の千里ニュータウンといった3大ニュータウンが、いまやオールドタウンとなってしまっています。

高蔵寺ニュータウン

まさに湖の水がだんだん少なくなって、水が中心部にだけに残り、周辺は干上がってくる、そんな状況が日本の大都市で起こっているのです。つまり、人が集中するのは大都市圏の中心部だけで、周辺には住む人がいなくなる――この境が2030年、即ちこれが「不動産の2030年問題」なのです。

この現象の背景にあるのは、戦後のベビーブーム時代に作られた住宅地の需要が減少していることがあります。そして、これが相続問題と絡んできています。
それは子ども世代が郊外の実家を「住みたくない場所」と感じて売却を希望する一方で、買い手が見つからないことが課題になっています。言い換えれば、郊外の住宅は人口減少や少子化の影響で、相続後の利用価値が低くなり、不動産はいらないということなのです。

2030年問題で始まる不動産市場の地殻変動

「不動産の2030年問題」とは、一言でいってしまうと人口減少と高齢化による不動産市場の構造的な変化です。つまり、これによって生じる問題の中心は、団塊の世代の不動産を中心とした相続にともなった不動産の供給過多と土地あまりなのです。
そして、相続によって市場に供給される住宅(土地)は、買い手が見つからないまま放置され、それが空家になるわけです。
一方、相続をする子どもは、相続で不動産を受け取るより現金を望む子どもが多くなっており、とくに女の子はその傾向が強い。これによって、地方や郊外の不動産価格を低下させる可能性があります。

こうした問題がより深刻なのは地方です。
たとえば、和歌山県のある地方都市では、数世代にわたって続く資産家の家族が、後継者問題と、それに関係した相続問題に直面しています。この一家は広大な土地を保有し、地域経済を支える存在でもありましたが、跡継ぎとなるべき娘が誰も跡を継ぐ気もなく、不動産の相続を望んでおらず、どうしたらよいか、相談を受けています。
こうした例は、地方では多くあります。

また、都市部の高級マンション市場でも将来的な課題が指摘されています。
現在は投資目的で購入されている物件が多いものの、2030年以降には、団塊ジュニア世代が60歳台に突入、都心のマンションが大量に市場に放出される可能性もあります。これによって、マンション価格の下落を引き起こすリスクもあります。不動産市場全体にわたる構造的な課題として、2030年問題は注視が必要です。

未来を見据えた投資戦略

不動産市場の変化を前に、不動産を購入する場合は中長期的な視点が必要です。
それは投資目的なのか、自分が住むことが目的かをきちんと見極めることが重要です。
今後も都市部のマンションは、引き続き高い需要が見込まれますが、エリアや物件選定を慎重に行う必要があります。加えて、不動産を購入・運用する際には、税金や維持費、地域ごとのリスクを十分に考慮し、持続可能な計画を立てることが必要です。

日本の不動産市場は2030年問題を契機に大きな変化を迎えようとしています。転換期を乗り越えるためにも、市場動向を把握し、冷静な判断がいま以上に必要です。

【回避不可】かなり危険!迫る「不動産2030年問題」より

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/3791242_s.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3435 <![CDATA[ 品川区タワマン補助金2000億円を投入!? 区議会で飛び出した再開発の試算額 ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3435.html Wed, 04 Dec 2024 21:00:00 +0900 Thu, 05 Dec 2024 01:43:43 +0900 1

請願、陳情をカスハラ扱いする品川区に新たな衝撃

タワーマンションを中核とした再開発をめぐる住民の請願や陳情を、カスハラ扱いしているとして波紋が広がる品川区。そんな品川区で進もうとしてタワマン開発に区が「最大で2000億円規模の補助金を投入する」という区議らの試算が出され住民たちを驚かせている。

このタワマン開発とは、北品川一丁目と東品川一丁目等にまたがる約13ヘクタールにも及ぶエリアに計画されている品川浦再開発計画のこと。

その中身は、京浜急行の北品川駅周辺の釣り船や屋形船が泊められている品川区の観光スポットにもなっている「品川浦」を囲むように西街区、南街区、北街区の3つ分け、ここに10棟規模のワマンを建設するというものだ。この再開発に名を連ねるのは、日鉄興和不動産、三菱地所、三菱地所レジデンス、旭化成不動産レジデンス、五洋建設、清水建設、大林組など大手デベロッパーとゼネコンである。

品川浦再開発予定地
品川浦再開発/船だまり
開発地の中心部にある船だまり

こうした品川区で進められている再開発をめぐっては、品川区内各地域の約10の住民団体で構成される「住み続けられるまちづくりをめざす品川区民の会」(以下「めざす会」)が立ち上がり再開発計画の見直しを求めている。これに対して、区側は「めざす会」の住民の請願や陳情を「悪質なクレーム」としている。実際、区が取りまとめた「悪質クレーム等調査票(まとめ)」という内部文書では、行動をしている住民について次のように記されている。

「再開発事業への反対者であり、元区議会議員であることから、地域に反対の旨のビラを配布し、区議会に多数の請願・陳情を多数提出していることから、対応業務が増大し、業務量が増加している。また、その内容に職員や再開発関係者の個人名が記載されていたり、事実と異なる内容や組合等を誹謗中傷する内容が含まれていたり、職員の処分を求める陳情の提出など、職員が安心して働くことを妨げている状況」

品川区悪質クレーム等調査票
区が取りまとめたクレームについての内部文書(著者提供)

カスハラについては昨今、桑名市で全国初の「カスハラで氏名公表」という制裁措置含めたカスハラ防止条例案が出され注目されているが、民間よりも行政の動きが前のめりになっている印象がある。

タワマン補助金2000億円の試算、区の答えは?

このような区の対応に住民たちの不信感が高まるなかで、飛び出したのが、今回の品川浦タワマン建設に支出する補助金2034億円あまりという区議による試算だった。この試算が出されたのは、11月22日に開かれた品川区議会24年4回定例会でのことだ。

質問に立った石田ちひろ区議(共産)は「武蔵小山の小山三丁目第1・第2地区は超高層3棟含む4棟のビルを建設する計画で、税金投入予定額は合わせて467億円あまり。開発区域面積が4.35倍の品川浦の補助金額は、単純計算すると2034億円余となります。1つの地区だけで、区全体の再開発補助金累計額1500億円あまりを超える膨大な額です」と指摘、区の見解を問いただした。 

これに対して、東京都から派遣されている都市整備推進担当部長は、次のように答弁した。

「区では、地域での街づくりの動き等を踏まえ、品川駅南地域まちづく地域のビジョンを策定し品川浦を重点検討区域として位置付けて、品川駅の南の玄関口にして多様な人々を迎え入れるにふさわしい拠点性と賑わいを兼ね備えた街の形成に取り組んでいきます」

続けて「品川駅、天王洲アイル駅を広域活性化拠点として位置付けており、国内外から多様な人が訪れ、働き、楽しみ、いこい、暮らす拠点性と文化性をかねそなえた国際交流としても拠点を形成する」とその意義について答えた。

一方、事業費、建物の概要等々については「現在準備組合により街づくりの検討は進められており、現時点では未定と聞いております」とするのみ。

補助金がらみの答弁は都から派遣の担当部長に丸投げか

また、再開発への補助金の巨額性を指摘された質問には、

「補助金の交付につきましては要綱等と規定に依拠し、補助金の対象を適正に判断しております。再開発事業への補助金は地元の権利者が協力して地域の防災性を高める道路や公開空地、地域に貢献する公共施設など公益性を踏まえ交付しています」

実はこの答弁はタワマン建設への補助金について聞かれた際の自治体から出てくる常套句のような内容なのだ。

都営バスの営業所と都営住宅。奥に見える高層ビルは港区の「品川インターシティ」(一部品川区)

しかし、品川浦の再開発地域内には4棟の都営住宅があり、この扱いに質問が及ぶと、

「準備組合が主体となり、まちづくりの検討を進めて置く中で東京都と協議を行っています」(都市整備推進担当部長)

と、区としては都が管轄の都営住宅存続の問題について、腰が引けているように感じる。

なぜ品川区はこれほど再開発に税金投入が必要なのかついて、質疑のなかで石田区議は、こう指摘した。

「品川では、開発企業が取得するビル床は渋谷や新宿に比べ価が低いので、補助金で補っている」

つまり、都心の物件に比べ開発企業にとって品川区の再開発ビル等は採算性が低いため、税金投入で補い、企業や住民を呼び込こうもうという狙いがあるのではないかということである。ちなみに、品川区の24年度の一般会計予算額は2036億円である。国の文化庁の予算の総額だって1000億円程度にすぎない。

全国のタワマン開発に投入される税金は1兆円以上

とはいえ、再開発、タワマン開発にあたって、税金投入はあたり前になっているという現実がある。

共同通信社(24年11月17日)の調べによると、全国118地区で進む市街地再開発の事業費総額8兆5218億円うち、約9割に国や自治体から補助金が投じられ、その公費負担の総額(予定を含む)は1兆543億円。補助の割合は12.4%になるという。なかには事業費の過半を税金に頼る例も4地区あるという。

そして、タワマン建設がともなうものは、半数以上の66地区(19都府県)で、それらのタワマンは富裕層向けの物件が多く、巨額の税金を投じながら公共性や地域住民への恩恵が乏しいと指摘している。

全国的にも再開発、タワマン建設に補助金と称した税金が投入されているにせよ、品川区のタワマン熱は高い。

武蔵小山のタワマンと商店街
武蔵小山駅前のタワマン(左)と長いアーケードの「武蔵小山パルム」(右)

たとえば、品川浦の再開発計画のほかにも、武蔵小山商店街の入り口部分の東急目黒線武蔵小山駅前には、三井不動産と住友不動産のタワマンが建ち並ぶ。武蔵小山商店街は、800メートルという東京でも有数の長さのアーケード商店街。この商店街の中ほどに、アーケード街を分断してさらに3棟のタワマンを建てる計画が進もうとしている。もちろん、この計画も区が推進している。

ウェルビーイング視点からの答えを求められる森澤区長

品川区の再開発は品川浦、武蔵小山のほか、大きなもので大崎西口、東五反田、大井町、戸越の4エリアで計画されており、小さいものまで含めると、再開発計画は数十エリアに上る。いまや品川区は、東京都最大の再開発区になる勢いなのだ。

森澤恭子品川区長
森澤恭子品川区長(品川区HPより)

森澤恭子品川区長は2024年2月の施政方針演説でこう述べている。

「誰もが生きづらさを感じ、選択を阻まれることなく、自分の望むように生き、幸せを感じることができる社会。人がつながり、支え合うことができるやさしく寛容な社会。そうした社会をつくるために、人々の抱える不安を少しでも取り除き、未来に希望が持てる、そうした政策を打ち出していく(中略)区民一人ひとりの思いに寄り添い、『区民の幸福(しあわせ)』、すなわちウェルビーイングの視点から施策を展開していく」

そして、区長は今年度、事業見直しで捻出して約38億円のウェルビーイング予算を組んだという。
石田区議は森澤品川区長の誇るこの予算との関連で見解を求めた際も、森澤区長は答えることはなかった。答弁に立ったのは東京都から派遣された都市整備担当部長である。

「めざす会」は森澤区長に直接会って話をしたいと再三要望を出しているが、区側はこの面談要望を拒否している。
森澤区長は「人々の抱える不安を少しでも取り除き、区民一人ひとりの思いに寄り添う、すなわちウェルビーイングの視点から」タワマン建設を中心とした再開発について語るのはいつなのだろうか。

【関連記事】
「10棟以上のタワマン建設」北品川再開発の中身と計画反対に動き出す住民たち

小池百合子氏の都知事選勝利でタワマン建設が加速 その背景にあるもの

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/2024-11-26-15.11.52.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3410 <![CDATA[ 東京都内でノスタルジックな旅館暮らしのような生活を愉しむ(東京都北区) ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3410.html Mon, 02 Dec 2024 20:00:00 +0900 Mon, 02 Dec 2024 22:25:14 +0900 1

お盆休みに念願の京都にある銭湯「鴨川湯」に入ってきました。当時からの形を残しながらも必要な箇所だけ今の形に改装されていて、改修の仕方にも愛を感じる銭湯でした。若い方が引き継いでおり、オリジナルのTシャツや手ぬぐいなど可愛いグッズもたくさんありました。

飲み物も懐かしいみかん水もあればクラフトビールなど多種多様の品揃え。お湯も最高。サウナも最高。夏には嬉しいアイスクリームも常備されており、温まった体に冷たいアイス、気持ちのいい風を感じながら鴨川沿いを雄大な空の下、散歩して帰りました。

私が思う銭湯の好きなポイントを全部おさえていて、ぜひ京都に行った際は足を運んでほしい銭湯の1つです。

銭湯らしい銭湯の京都「鴨川湯」

風呂なし物件というより、「銭湯付き」賃貸

さて、今回紹介するのは北区の赤羽駅から15分ほど、南北線の志茂駅からは徒歩6分のところにある風呂なし物件「末広荘」です。

京浜東北線の「赤羽」駅から徒歩15分ほどのところにある風呂なし物件「末広荘」。銭湯の裏にあるアパートで末広荘第一、第二、第三と3棟あります。今回はそのうちの2つの2Kと1Kのお部屋をご紹介します。

2つのお部屋ともに清潔感もあり、古い物件にありがちなチープなビニールぽい素材でのリフォームが施されていません。建築当時の良さをそのままに、綺麗に保たれていて、畳や木材の風合、建具も丁寧に手入れされています。お寺などに感じる洗練された日本の佇まいがそこにはありました。
4.5畳の部屋と6畳の部屋がある2Kの間取りで、広々としたお部屋です。キッチンも広く、トイレは洋式です。

2Kの広々とした明るい間取り

そして、最大の特徴は奥の部屋の窓をあけると…。
なんと目の前には銭湯があり、お湯の流れる音や、桶がぶつかる「カコーン」という銭湯ならではの音が聞こえてきます。あれ、私もう銭湯入っていたかな?と錯覚するぐらいの銭湯好きには贅沢なBGMです。
部屋から銭湯までは歩いて30秒ほど。ここまで近いと外に出なくてはなりませんが、内風呂感覚で、毎日銭湯に行くのも苦ではないでしょう。家賃は4万8000円とこの広さで5万円を切ります。

窓を開ければ目の前に銭湯

居住用賃貸のお部屋の窓は木のさっしのままで、鍵もネジ式の回すタイプのもの。このタイプのものがまだ残っているとだけで、レトロ好きの方にはテンションがあがることでしょう。

レトロ感を醸す窓枠

ちょっと懐かしい日本らしいたたずまいの民泊

別の2棟は居住用賃貸と民泊として使われています。

間取りは1Kですが、間口が広いので広々とした印象があります。
台所も広く、トイレも洋式、エアコンもついています。家賃はお風呂がないというだけで4万円。これだけの広さに、銭湯も徒歩1分と条件のいい風呂なし物件は珍しいです。
物干し場もあり懐かしい風景がこの令和でも感じられるのもいいものです。

間口の広い部屋(左)/渡り廊下を伝って物干しへ(右)


民泊のほうも畳のあるお部屋です。しかも目と鼻先には露天風呂・サウナ付きなのですから、ちょっとした旅館のような空間に泊まれるのは、海外の方たちにとっては日本の日常を味わえるいい体験になりそうです。

日本の昔を感じさせる民泊

露天風呂、サウナ、マイクロファインバブル水の銭湯でリフレッシュ

正面からみると銭湯というよりちょっとした健康ランド風

このお部屋の近くにある銭湯「テルメ末広」は、荒川の河川敷が近く散歩をしたり、ランニングをしたり、運動している人が多いエリアにあります。運動後のリラクゼーションとして利用するのにも最適な銭湯です。
テルメ末広の水は井戸水を使用されており、「マイクロファインバブル水」になっているそうで湯船もシャワーもカランもコインランドリーもお湯も水も「マイクロファインバブル水」なんだそうです。

明るく広々とした浴室

マイクロファインバブルは皮膚に優しく、微細な気泡が毛穴に浸透して汚れを落とすため、洗顔やスキンケアの効果を高めるといわれています。そんなよいお水が使用された湯船に毎日浸かれたらお肌の調子もよくなりそうですね。
また、日替わりの薬湯にあって、季節に応じた自然薬湯は、天然ハーブやルイボス、シラカバなど自然素材が使われ、これも人気になっています。
とても入浴者さんの健康を考えてくれています。銭湯経営者さんの心配りを感じます。
しかも私が毎回銭湯にあると嬉しい設備ナンバー1にあげる「露天風呂」もあります。

都内であっても趣のある露天風呂

加えて、露天風呂、サウナもありますし、ジャグジー、水風呂と盛り沢山。こんなお風呂を毎日楽しめて、健康にも気遣ってくれる銭湯がお部屋から30秒なんて贅沢すぎやしませんか。毎日大きなお風呂に浸かって、体も癒し、心も癒す。これこそ銭湯のある暮らしの理想形です。

地方の温泉のような休憩処

銭湯で体をぽかぽか暖めして免疫力を高める。そして、温かいおでんおいしい季節がやってきます。最近、銭湯に行っていないなと思う方お近くの銭湯に通ってみて、銭湯の良さあなたのお気に入りの銭湯を探してみてください。

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/都内であっても趣のある露天風呂.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3376 <![CDATA[ 103万円、トランプ、防衛関連銘柄…12月の東京市場の読み方 ]]> https://goldbeans.jp/money/page_3376.html Wed, 27 Nov 2024 20:00:00 +0900 Thu, 28 Nov 2024 02:15:37 +0900 1

八方の顔色うかがいながら石破内閣で株価はどうなる?

衆院選で自民・公明の与党が過半数過半数割れになったことで、国会運営が不安定化。石破政権は法案を1つ通すにも常に野党の顔色を見ながらになる。そんななかでキャスティングボートを握るのが国民民主党で、早くも同党が主張する「103万円の壁」が引き上げられることで合意された。今後の注目は、引き上げ額がどこまでになるかという点に移っている。
いずれにしても、働く人の手取が継続的に増え、結果として消費が伸び、国内経済に与える影響は大きく、このことが実際に改革日本を象徴する案件となるかが注目されるところ。

一方、「掉尾の一振(とうびのいっしん)」になるためには、2025年度予算と「103万円の壁」がどうなるかにある。

東京市場は期待と失望の狭間で一喜一憂することから、当面は上値が重い展開となる。加えて、12月に日銀金融政策決定会合で0.25%引き上げに踏み切るかも読みづらい状態にある。かといってこれ以上の円安・ドル高も政府も容認できない。
米国はトランプ氏に大統領就任が控えており、しかも上下院ともに共和党が過半数をもつ「トリプルレッド」。これでトランプ次期大統領の政策が通りやすい環境が仕上がっている。米国ではトランプ政権に対する期待も強く、市場の動きもご祝儀相場以上の強さを見せている。

ドル円の為替相場は、トランプ政権発足前の現状でもドル高進み、156円台というドル高が進んでいる。そこで12月のFRBの金融政策がトランプ政権発足前にどう動くかが注目される。米国が金利を下げるのか、日本が引き上げるのか、予想は綱引き状態である。

日本の上場企業の中間決算を見る限り東京市場は、大きな変化はなさそうに見えるが、株価の動向はソフトバンクの好業績に寄るところが大きく、業績相場に移行できそうにはない。ここしばらくは政策による期待感で動く相場展開の、「噂で買って事実で売る」という相場になりそうだ。
米国はというと、財務長官に指名された投資家のスコット・ベッセント氏、FRB議長の動向が注目点。パウエルFRB議長は2026年の任期満了までは続けることを公表しているが、トランプ次期大統領の政策にはインフレの懸念があり、パウエル議長は、これまで以上に慎重な判断に迫られる必要が出てくるだろう。

3万8000円を割り込むか否かが分かれ道

こうした環境下での東京市場は、テクニカル的には非常に難しい位置にある。

3万8000円を割込むことになると、トリプルトップを形成することになり、調整が長引くことになるだろう。13週線、26週線近辺での攻防も同じ不安を感じさせるものがある。

個別銘柄では、防衛関連銘柄を見ておきたい。というのも、ロシアのプーチン大統領が核ドクトリン改定による戦術核使用の可能性を示唆する動きを見せており、これが地政学リスクを想起させるからだ。
そのせいもあってか三菱重工(7011)、川崎重工(7012)、IHI(7013)、東京計器(7721)といった銘柄が投資マネーを吸引している。このほかには防衛省と取引実績のあるアジア航測(9233)で、増収増益に加えて4%程度の利回りも高く魅力的である。

IT関連では、米国のエヌビディア(NVDA)の注目の決算発表があり、事前のコンセンサスを上回る動きを見せた。
事前コンセンサスでは8~10月の売上げ増を前年同期比8割増、データセンター部門の売上げは100%増、最終利益は9割増と、期待される高いとされるハードルを今回も上回った。

しかし、市場の反応は今ひとつといった感がぬぐえない。エヌビディア関連では、AI向け次世代チップ「ブラックウェル」の動向も注目される。ただ電力消費問題という弱点も指摘されている。さらに、反独占禁止法違反の対象となる可能性も出だしており、継続的な株高に対しては疑問符が付き始めており、注意しておきたい。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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マネー https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/000160551.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3360 <![CDATA[ 「慢性頭痛」を漢方でスッキリ解消! 症状別おすすめ漢方薬活用法 ]]> https://goldbeans.jp/life/page_3360.html Sun, 24 Nov 2024 16:00:00 +0900 Tue, 26 Nov 2024 08:23:27 +0900 2

日本人は頭痛持ちが多く、特に慢性頭痛に悩んでいるといわれています。
頭痛はからだの冷え、ストレス、胃腸の働きが弱る、気候の変化等により気血水の巡りが悪くなると起こりやすい!と漢方では考えます。
自分の頭痛は個人個人の体質などが複雑にからみあって起こり、肩や首のこり、めまい、吐き気などが同時に起こることも多くみられます。頭痛が起こるタイミングや原因を知っておくことで早めに対応することが大切です可能です。
 頭痛が起こる原因を漢方的なタイプに分け、それぞれ代表的な漢方薬を紹介します。

1)水毒タイプ

水代謝(水毒)が原因で起こるタイプ
水分のとり過ぎや胃の不調で水分代謝を調節している腎や脾 が弱ると、体内に余分な水毒が停滞するために起こる頭痛です。
(「脾」は消化吸収を行い、食べものからエネルギーを吸収するコントロールセンター)。
(「腎」は精(生きるためのエネルギー源)を貯蔵し、水の代謝をスムーズにする)

※「腎・脾」については「体の「五行」を理解して、毎日を快調に過ごす健康対策」を参照

水毒が原因となるためむくみ、吐き気、下痢、のぼせ、たちくらみ、めまいなどを伴うこともあります。

【頭痛の症状・傾向:雨天などの気圧の変化、二日酔いなどで起こる頭痛】
*五苓散(ゴレイサン) 雨天などの気圧の変化、二日酔いなどで起こる頭痛
口が渇く、尿量少ない、飲酒後にむくみやすい方に。
 全身、特に頭部の余分な水分を除くことで、エネルギーである「気」、栄養物質である「血」の流れを改善して頭の重だるさや痛みを改善します。
 下痢や吐き気、むくみにも効果があります。

※「気・血・水」については「漢方薬のキーワード1 「証と気血水」」を参照

【頭痛の症状・傾向:胃腸が弱く、足の冷えがあり、頭痛と共にめまいがでやすい方】
*半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ) 胃腸が弱く、足の冷えがあり、頭痛と共にめまいがでやすい方に
頭痛時に目の奥が痛む、全身の倦怠感、むくみ、吐き気、眠気を伴うことも。
胃の機能を改善し、水捌けを調えながら天麻と半夏の二味がめまいや頭痛を改善します。

【頭痛の症状・傾向:ふらつき、立ちくらみ、のぼせ、動悸がある方の頭痛】
*苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)ふらつき、立ちくらみ、のぼせ、動悸がある方の頭痛
耳鳴り、頭重感、みずおちが苦しく感じることがあり、顔や頭を冷やすと気持ちよく感じる方に
胃を温めて胃腸の働きを向上させることで、水を巡らせ、「気」と「水」の流れを整えます。

2)胃腸が弱い・冷えがあるタイプ

胃腸の働きが低下すると、胃の中に水分が停滞するため冷えが起こり、「水」や「気」の巡りも損なわれ、強い痛みが起こりやすくなります。
吐き気や光がまぶしく感じることもあります。
こうした頭痛には胃を温めることで症状を改善していきます。

【頭痛の症状・傾向:ズキズキする頭痛、頭痛からくる吐き気もある】
*呉茱萸湯
(ゴシュユトウ) ズキズキする頭痛、頭痛からくる吐き気
手足が冷えて肩が凝り、時にみずおちが膨満する方の頭痛、頭痛時に吐気、嘔吐を伴う方にこともあります。
ズキズキする頭痛は「冷え」が原因となり上部(頭)への「気」や「血」の流れが乱れてしまったために生ずると考えます。
身体の中心であるおなかを温めながら頭痛を改善します。
胃腸の働きが整うので吐き気を鎮める働きがあり、またしゃっくりにも効果があります。

【頭痛の症状・傾向:冷え性で胃腸が弱く、下痢しやすい。のぼせはあるのに温めると楽になる方】
*桂枝人参湯
(ケイシニンジントウ)
冷え性で、胃腸が弱く、下痢しやすい、のぼせはあるのに温めると楽になる方に。
頭に汗をかいたり、動悸を伴うことがあり、冷気やクーラーで頭痛が悪化する方もこのタイプに入りますに。
人参で体の中心の胃を温め、桂枝(シナモン)で体の表面の冷えをとりながら症状を改善します。
胃が弱く、下痢を伴う風邪の初期症状にも用います。

3)首・肩こりを伴うタイプ

首や肩こりなどのほかにイライラやのぼせを伴うこともあります。
自律神経の失調などによる気の高ぶりで血の巡りが悪くなる、また筋肉の緊張によるこわばりなどが原因となります。
こうした頭痛では、「血」の流れをスムーズに整えながら、「気」や「血」の不調を改善していきます。

【頭痛の症状・傾向:血色はよいが下腹部がはる傾向があり、月経痛、子宮内膜炎などがある】
*桂枝茯苓丸
(ケイシブクリョウガン) 血色がよく、下腹部がはる傾向があり、月経痛、子宮内膜炎などがある方に。
のぼせがあるのに足腰は冷えることもあり、腰痛、めまいが起こる方に用います。
こうした頭痛は、体を温め、「血」と「水」を巡らせながら血行を改善することで頭痛を改善します。

【頭痛の症状・傾向:イライラ、のぼせ、便秘を伴う方に】
*桃核承気湯(トウカクジョウキトウ) イライラ、のぼせ、便秘を伴う方に
 頭痛のほかにのぼせ、いらいら、便秘、月経異常などを伴う場合に用います。
 「血」の巡りを整えながら、精神不安を鎮め、便通を整える効果があります。

【頭痛の症状・傾向:首・肩のこりがひどく、胃腸虚弱のない方の頭痛】
*葛根湯(カッコントウ) 首・肩のこりがひどく、胃腸虚弱がない方の頭痛
葛根湯という漢方の風邪薬の定番で、風邪の初期症状による頭痛にも緩和します。
身体を温めて発汗することにより「気」や「血」の流れを改善して、筋肉のこわばりや痛みを和らげます。
発汗させる作用があるので汗をかいている、項(うなじ)に 手をあてると”じめっ”としている方は発汗が促されるので注意が必要です。

4)血虚タイプ

しくしくとした頭痛で、動悸、めまい、冷え、立ちくらみがある方は「血」の不足により脳に栄養が届かないために頭痛が起こりやすい傾向にあります。、また、このタイプの頭痛は、皮膚や唇の乾燥し、爪の色が悪い、健忘、貧血傾向などの症状がみられることもあります。

【頭痛の症状・特徴:生理の前に頭痛が悪化する】
*当帰芍薬散
(トウキシャクヤクサン) 生理の前に頭痛が悪化する方に
貧血、めまい、倦怠感、腹痛、肩こり、動悸、冷えなどを伴うことも。
「血」を補いながら、「水」の巡りを改善することで頭痛だけでなく冷え等の症状も改善します。

【頭痛のワンポイントアドバイス】
 頭痛を訴える人の多くは、「水」や「血」の巡りの悪さ、ストレスなどによる胃腸の働きの低下がみられます 。
ふだんからからだを温め、食生活やライフスタイルを見直し、「気・血・水」の巡りを整えて頭痛の起こりにくい体質を目指しましょう。

日頃からできる対策は以下のようなものがあります。
●体を温める(生姜、長ネギ、シナモンなど)、水を巡らせる(キュウリ、小豆など)食材を積極的に摂る。
●同じ姿勢での作業を行う場合にはこまめに休息をとる。
●適度な運動や湯船につかって無理なく汗をかく。
●呼吸が浅いと頭痛を招きます。意識して1日数回の深呼吸を忘れずに。行う

次回は、「胃の不調」について漢方薬を紹介します。

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暮らし https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/頭痛_1976730_s.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3348 <![CDATA[ 40、50代でも間に合う!新NISAとiDeCoで老後2000万円を目指すシミュレーション ]]> https://goldbeans.jp/money/page_3348.html Wed, 13 Nov 2024 21:00:00 +0900 Thu, 14 Nov 2024 01:17:09 +0900 1

導入直後は、新聞、雑誌、テレビはもとよりネットでは新NISAについてさまざまな情報が発信されてきた。

こうした記事や情報で「自分もやらないと」と焦ってNISA口座を開設する人も多く、口座開設に数週間から1か月かかるということもあった。そんな新NISA熱もおさまりつつあるようだ。

一方、iDeCo(個人型確定拠出年金)も22年に加入年齢や受給開始年齢、掛金拠出限度額などが延長・引き上げられている。
そこで落ち着いたところで、いま一度、新NISAとidecoについて考えてみよう。

簡単に新NISA、iDeCoについて大ざっぱに説明すると、新NISAはつみたて投資枠が年間120万円まで引き上げられたことに加え、新たに成長投資枠が年間240万円が加えられ、360万円までと増額された。また、投資期間無期限になった。
一方、iDeCoは、公務員や確定給付型企業年金がある会社員のiDeCoの掛金の上限額が、1万2000円から2万円に引き上げらた。

iDeCoとNISAについては、「手数料が高い」あるいは「投資商品なため(iDeCoは元本保証の商品もある)、リスクがある」などさんざんな評価をする経済評論家もいる。

しかし、こうした改正もあって証券会社、銀行、生保など手数料を下げたり、無料にするなどしており、手数料は低くなってきている。
しかも、いずれも「非課税」という点が大きい。

ともかく、2000万円を貯めるために

では、実際にこの2つを利用したとするとどのくらい資産をつくることができるのだろか。新NISAiDeCoとでシミュレーションしてみよう。

たとえば、いま40歳の人が、iDeCoで月々2万円・つみたてNISAで月々3万円を20年間、インデックスファンドに積み立てた場合で考えると、インデックスファンドの平均利回りが4~6%といわれていおり、年利5%として計算すると、20年後の受け取り金額は元金1200万円・運用益837万円で合計2037万円になる。

つまり、いわゆる「2000万円問題」をクリアすることができる。そもそも想定金利が高すぎるのではないかとおもわれる人も多いだろう。
しかし、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(円換算ベース)に連動させたS&P500の過去10年の平均利回りは10%ほどなので、何に投資するかを調べて行えば無理な数字ではないだろう。

余談だが、2000年以降、かのジョージ・ソロス銘柄の平均利回りより、S&P500のほうが高いという株式評論家もいる。とはいえ、何に投資するかは慎重に選ぶ必要がある。

「非課税」分でリスクをカバー

iDeCoを活用した際の節税効果という視点からは次のように考えることもできる。

会社に企業年金がない人のiDeCoの上限掛け金は年間27万6000円。

そこで40歳・年収600万円・東京23区に在住・配偶者控除のある人が年間27万6000円を20年間積み立てたケースと、していないケースを比較してみると、活用した場合は1年間の「所得税/住民税は38万1100円」。

していない場合の「所得税/住民税」はおよそ43万5300円で、その差は年間5万4200円。

年収が上昇しないとして40歳から60歳までの20年間続けたとすると、合計で108万4000円が節税効果になる。
加えて、運用利回りがゼロでも552万円を積み立てられるので、トータルでは660万4000円の“貯金”になる。

仮に受取時積み立てていた金融商品が2割下がったとするとマイナスは110万円あまり。受け取るときに減ってしまうが、実質的にはほぼ節税分と相殺される計算になる。

逆にいえば、毎月の節税分のおよそ4500円を別枠として貯金しておけば、2割までの目減り分はカバーできる計算になる。

NISAは売却時の利益に加え、運用益も非課税になるので、利益が出ればその恩恵は大きくなる。しかも、NISAはiDeCoと違って、必要なときにいつでも引き出せる。そのためiDeCoに比べて、柔軟に活用できるというメリットもある。

老後に必要とされる2000万円をiDeCoで確保しつつ、さらに上乗せとしてNISAの活用するか、iDeCoとNISAをバランスよく運用するか。それは考え次第だが、この「非課税を活用しない手はあるるまい。
“裏金政治家”を見るまでもなく、宗教法人など非課税の個人や組織が一番お金がたまるからだ。

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マネー https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/30516595_s.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3332 <![CDATA[ 為替相場の一目均衡表では米国大統領選挙はトランプ勝利? ]]> https://goldbeans.jp/money/page_3332.html Thu, 24 Oct 2024 01:30:00 +0900 Thu, 24 Oct 2024 01:23:46 +0900 1

読み切れない11月相場

11月の相場展開を予想するのは難しい。
日米ともに大きなイベントを控えているからだ。10月27日は低支持率に悩む石破政権に対する評価が下される衆議院選挙、11月5日には大接戦が予想されて米大統領選挙の結果が今後の政治、経済に大きな影響を及ぼすことはいうまでもない。この結果によっては今後の金利政策に影響し、結果的には為替も大きく変化するだろう。

FRBは9月に大方の予想に反して0.5%引き下げ、予防的な措置として市場の評価を求めました。その後、米国経済は急激に悪化する様子もなく、FRBの政策は評価されている。その際、2026年に3%程度までにさらに金利を引き下げるため、11月、12月に経済状況を鑑み、市場にそれぞれ0.25%の金利引き下げを想定するシナリオを描いて見せている。その間に日銀は2%まで金利を引き上げるのがベストシナリオになる。

ドル円の為替相場は、7月3日の161.952円から9月16日には139.581円まで大きく揺れ、その振れ幅は22.14円。
これをテクニカル的に解釈すると、リバウンドは振れ幅22.14円の半値戻し150.657円が予想される。つまり10月17日には150.325円を付け半値戻しが達成されている。相場格言には「半値戻しは全値戻し」とあり、再び円安に振れることも予断をゆるさないことになる。

一目均衡表でも、厚い雲を上に突き抜けるタイミングが近づいている。また、先行スパン1と先行スパン2が交錯する変化日が11月6日で、米国大統領選挙の結果で為替が大きく動くことを示唆している。

為替動向から見ると、共和党のトランプ候補が優先といえる。というのも、トランプ氏は強いドルを政策の中で位置づけているからだ。一方、ハリス副大統領が勝利すると、為替相場は一転、ドル安・円高に振れる可能性は否定できない。

発足から低支持率の石破首相

石破与党過半数維持――逆張りに賭ける手も

日経平均株価は、現在、高値更新中のダウとの連動性は低く、ナスダックとの連動性が高いことから高値更新が難しい状態にあります。

日本株の主役は、ディスコ、東京エレクトロン、レーザーテックなどですが、米国のIT主役のエヌビディアのようなカリスマ性には欠けています。
日本での期待は、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイが2818億円の円建て社債の発行条件を決めたことで、再度日本株投資に踏み切るのではないかということだ。このため三菱UFJを中心とした金融株に上昇期待が高まっている。

しかしながら、経済状況を占う街角景気は4か月ぶりに悪化に転じた。秋になってからも気温の高い日が続き秋冬物の売上げが悪く、円安による物価高が消費の節約志向を高めているからだ。ただ、消費関連の雄であるファーストリテイリングや外食産業のサイゼリヤは中国などのアジア諸国で売上げを伸ばしている。
石破政権の低支持率の中、マスコミの多数は与党の過半数割れを予想している。そこで与党が過半数維持に期待して「人の行く裏に道あり花の山」という格言にかける投資家も出ている。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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マネー https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2024/10/Donald_Trump_2017-01-20.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3283 <![CDATA[ 「10棟以上のタワマン建設」北品川再開発の中身と計画反対に動き出す住民たち ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3283.html Mon, 21 Oct 2024 21:00:00 +0900 Thu, 05 Dec 2024 01:38:17 +0900 2

13ヘクタールの広大な再開発計画

意外と知らない方も多いが「品川駅」は港区にある。とはいえ、屋形船・船宿・宿場町の風情を残すエリアは品川区になる。
そんな江戸時代からの風光明媚な面影が残る品川は、もうすぐ見られなくなるかもしれない。
なぜなら、周辺にタワーマンションが10棟以上建つ計画があるからだ。これに対して品川の住民たちの間で、反対運動が猛烈な勢いで沸き起こっている。その一方、再開発推進派や品川区は2026年度の都市計画決定を目指す。

対象区域は北品川一丁目と東品川一丁目にまたがる約13ヘクタールにも及ぶエリアで、JR品川駅から少し離れた南東方面の広大な面積になる。
そこにはかつて豊富な水揚げや海苔の産地で現在は釣り船や屋形船が泊められた独特の風情がある品川区の観光スポットにもなっている「品川浦」を囲むように京浜急行の北品川駅周辺の西街区、南街区、北街区の合計3街区が分けられて再開発が行われる。
この品川浦周辺地区再開発は、京浜急行の泉岳寺駅~新馬場駅間の連続立体交差事業と密接に関係している。

川浦周辺北地区・西地区・南地区市街地再開発事業/各地区準備組合の対象区域
工事フェンスで囲まれる北品川駅(photo ogw417Studio)

ひと気が少なく、さびれた感じの北品川駅は、過去に線路の立体化工事の計画が持ち上がった際には反対運動によって民家など数軒がそのまま残ったが、今回も再開発エリアに組み込まれている。このため立ち退きによって閉店した店も出ている。
また、都営バスの車庫と一体化した広大な複数の都営住宅の敷地も再開発対象エリアに入る可能性がある。

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失われる風光明媚な品川の風情

「品川 日乃出」歌川広重『東海道五十三次/品川 日乃出』

中世の品川は「品川湊」といわれ、海辺の品川洲崎と、それを望む武蔵野台地といった船の寄りつきに適した地形で、武蔵野国の主要な港湾として諸国からの荷船で賑わい、問屋が軒を連ねた。
近世の江戸時代になると「品川浦」は江戸の周辺の4つの宿場なかでも最大の宿場町だった。加えて、潮干狩りや花見、花街といった観光と行楽の場として、また東海道五十三次の最初の宿場町として賑わいを見せた、という。

また、江戸城に海産物を献上した最寄りの漁村としても有名だった。品川浦に向かう横丁は「浜道」と呼ばれ、恵まれた海の間近にあることが住民の誇りとされた。
一方、旧東海道近くには「なぎさ通り」という道があり、江戸時代にはそこが品川浦に接して海岸線で、打ち寄せる波と、街道筋の松並木が潮風にそよいでいた。それも昔の話でいまではその海岸線が埋めたてられ、高層建築に建ち並ぶ。

現在は商店街になっている旧東海道

山手側の御殿山から望む景色は間近に海を眺められる風光明媚な場所だ。そんな地域のためデベロッパーから見れば、歴史ある品川浦の景色を売り物にできる絶好の立地と思われて来た。しかも、品川区は再開発に対する反対運動が弱いため、開発する側にとっては好都合な地域といえる。

2024年度末には計画取りまとめ

品川区にとっては、山手線などの大崎駅周辺の再開発をしてしまったため、まとまった広い土地はもうこの品川浦エリアにしかないようだ。すでに再開発を前提に、住民のほとんどが引っ越し、主に高齢者が住む都営住宅を中心にひと気のない集合住宅が建ち並ぶ。なかにはそれほどに古くは見えず、まだまだ住めそうな建物もある。とはいえ、こうした住宅に住むのは生活弱者で、地元区議が動いて8月に開かれた区との再開発計画の説明会で出た話は、住民たちにとって聞いて驚くことばかりだった。

そんな品川浦で、最近発足した再開発準備組合の再開発基本計画素案は早くて今年度末に取りまとめられる可能性がある。

再開発案では、街角から水辺をつなぐ歩行者空間を、新たな「浜道」として整備し、品川浦に根付いてきた水辺への意識、水辺と生活のつながりを取り戻すというもの。だが、それは巨大開発の「おまけ」のようにみえる。
というのも、現状、幅の狭い運河に観光の屋形船などが停泊し、昔ながらの風情が残っているが、この停泊場所の移動を検討。高層建築物によるビル風対策の観点から、運河の入り口のエリアに集積する案があるとされる。

また、新たに建設されそうな飲食・商業施設、保育施設や高齢者施設などは、拠点となる施設は遊歩道で結ばれ、海辺を歩いて楽しめる「ウォーカブル」なエリアとなる。しかし、これも日本のどこでも行われている開発手法で、それ自体が目新しいものでもなく、いまさら珍しくもお洒落な感じもない。

大手デベとゼネコンのオールスターキャスト

宿場町に街路灯を整備した旧東海道品川宿まちづくり協議会は、江戸時代からの歴史や地域の特性などを研究し、地域の広報や、行事の企画などに精力的で、地域密着型の活動をしてきたが、タワマン連続開発には沈黙しているように見える。

品川区は東京都とのパイプが太く、これまでも都が再開発の全面に出て、主導することがあった。
この「品川浦」を囲むように南・西・北の3街区品川浦一帯の再開発に名を連ねる大手デベロッパー、スーパーゼネコンはまさにオールスターキャストともいえるような布陣だ。

最も面積が広い品川浦に接する北街区(品川浦周辺北地区市街地再開発準備組合/準備組合は23年10月末に発足)の開発面積は6万㎡。事業協力社は、日鉄興和不動産、三菱地所、三菱地所レジデンス、旭化成不動産レジデンス、清水建設、大林組、京浜急行電鉄、住友不動産、中央日本土地建物、東急不動産、長谷工不動産の11社が名を連ねる。

「品川浦周辺北地区」に入る東京都交通局 品川自動車営業。奥にあるのが都営北品川アパート

北品川駅を含む西街区(品川浦周辺西地区市街地再開発準備組合/準備組合は23年10月末に発足)の開発面積は3万5000㎡。事業協力社は、日鉄興和不動産、三菱地所、三菱地所レジデンス、旭化成不動産レジデンス、、五洋建設、清水建設、京浜急行電鉄の7社。

南街区(品川浦周辺南地区市街地再開発準備組合/23年10月に準備組合が発足)の開発面積は4万㎡。事業協力社は、日鉄興和不動産、三菱地所、三菱地所レジデンス、旭化成不動産レジデンス、東京建物、五洋建設、大林組、東急不動産の8社による。

品川浦周辺南地区に入る船だまり

次々と立ち上がる住民団体

「品川浦周辺地区 再開発を再考し立ち退きから住民を守る会」が発行する冊子の創刊号によると、「品川区は市街地再開発への累計税金投入額から見る23区でも中央区に次いで2位にあたる再開発が突出して多い区だ」と前述の地元区議は指摘する。
この8月には、再開発に巻き込まれる住民らと、品川区との話し合いがあったが進展はなく、住民からは次のような不満ばかりが爆発した。

「住民発意って何ですかね? そもそも再開発に何の知識も持たない普通の住民はこんな大規模な再開発って発想もない」
「近所で再開発したいねという話は一切聞いたことがない」
「住民に相談されることもなく、先に企業やら行政と話が進んで、事後報告的に、再開発の話が降ってわいてきました」
「勝手に、再開発地域に含められ、巻き込まれました」

などと住民は困惑した声を区にぶつけた。区の姿勢にも次のような批判が集まった。

「反対の人の意見を聞くような雰囲気が元々ないのは一目瞭然」
「早く進めろという意見は(準備組合のニュースなどでよく目にしますが)住民が到底受け入れられない内容のまま、早急に都市計画決定に持ち込むようなことには反対です」

さらに再開発の構想図では「イメージパース」「ゾーニング」など横文字が並ぶ。しかも品川浦方面を望む水辺を中心とするゾーニング、パブリックスペースの事例イメージには「本資料は現時点での検討中のイメージを示したもので確定したものではありません」と書かれ、美しい港に変貌するスケッチは絵に描いた餅のようで、それを見ただけでは再開発によってできあがる真の姿がわからない。
住民にとっては、これまで再開発計画を事前に察知することが少なく、後手に回ってきたが、ここにきて巻き返しを図っている。

実際に「住み続けられるまちづくりをめざす品川区民の会」の構成団体も増え、10団体を突破することが見えてきている。

9月23日には東五反田一丁目地区の「東五反田一丁目地区市街地再開発を心配する会」が正式発足した。
これまでに活動を始めたのは、「大崎西口駅前地区再開発を心配する会」「大崎西口高層建築を考える会」「武蔵小山の再開発から住民と職場を守る会」「五丁目の環境と文化を守る会」「東大井五丁目1~4番地区 再開発を心配する会」「戸越公園駅周辺 調和のとれた街並みを創生する会」「住民の暮らしと安全・環境を守る会」「放射2号線を考える会」「品川浦周辺地区再開発を再考し立ち退きから住民を守る会」である。

本当に進むのか? 危惧される建設費の高騰

品川区の再開発はタワマン建設が中心で、品川浦では11棟のタワマン建設が構想されている。品川区の再開発でよく名前が出る不動産会社は、三菱地所グループや三井不動産グループのほか、港区を根城にする日鉄興和不動産だ。なかでも日鉄興和は日鉄系の不動産が旧日本興業銀行系のデベロッパーの興和不動産と合併した会社で、旧興和不動産はバブル経済時代に森ビルと港区の再開発を競い、バブル崩壊後は、経営が厳しい局面もあった。
しかし、いまの日鐵興和は品川駅(港区)の品川インターシティの巨大再開発以降、品川浦の開発を主導する1社となっている。同社は日鉄不動産の八幡製鐵所跡地の再開発も手掛け、品川インターシティでは、旧国鉄の操車場、品川駅北の開発も同じく操車場跡地の開発を行った。
さらに三菱地所レジデンスと日鉄興和は長さ東洋一といわれた武蔵小山の商店街を寸断するタワーマンションを計画している。

これから再開発を立ち上げる場合、地価の下落(東京都心の超一等地を除く)と、人件費、資材費など、建築費の高騰は避けられないと見られている。
建物物価調査会が発表した9月の東京地区の建築費指数によると、マンションの建築費が過去最高を更新した。型枠工や左官といった専門職人の人件費が上がり、鉄筋や鉄骨などマンション建設のコスト上昇に歯止めがかかっていない。
中野区の中野駅前にあるサンプラザ中野を含む再開発計画もさまざまな経費の高騰で採算が合わなくなり、計画が見直されることになった。品川浦周辺は似たようなオフィスビルやタワマンがすでに乱立している。いまから巨大事業を始める品川浦のマンション連続開発も、他地域の厳しさを追体験することにはなるまいか。

事業自体が見直される可能性も出てきた「中野サンプラザ」の跡地の再開発計画

マンションの指数(速報値、2015年=100)は9月に133.9と、前月から1.2%上昇した。最近では、ほぼ毎月のように過去最高を更新する上昇基調にある。1年前に比べると6%高くなっている。
これは前述した型枠工事になどの人件費と材料費の指数が前月比で上がり、コスト高に拍車をかけているため。マンション以外の建物種別の指数も9月には過去最高となった。
具体的にはオフィスビル(鉄骨造)は前月比0.7%高の134.6、工場(同)は0.7%高い134.1、住宅(木造)は0.8%高の139.5になった。

品川区がかかわって進めている再開発は武蔵小山、大崎西口、東五反田、品川浦、大井町、戸越の6エリアとされるが、細かく見ていくと数十エリアになりそうで、品川区は東京都最大の再開発区といえる。

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2024/10/S__7479346_0.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3263 <![CDATA[ 体の「五行」を理解して、毎日を快調に過ごす健康対策 ]]> https://goldbeans.jp/life/page_3263.html Thu, 17 Oct 2024 00:20:00 +0900 Tue, 14 Jan 2025 22:36:13 +0900 2

「五行」という言葉を聞いたことはないでしょうか?
五行は自然界の森羅万象を木・火・土・金・水の自然界の5つに分類した哲学で、この哲学を人間のからだに応用して、からだを5つに分類しました。
これが五臓という東洋医学の独自の考え方です。
「五臓六腑にしみわたる」という言葉をどこかで耳にしたことがあるかと思いますが、からだのあらゆる「機能」、「役割」、「臓腑」、「部位」を5つに分けた考え方で、5本の柱は「肝」、「心」、「脾」、「肺」、「腎」に分類されます。

「肝」は血を貯蔵し、全身に気を巡らせる働きをしています。
肝の働きが不調になるとイライラ、憂うつになる、不眠になることもあります。
血を貯蔵するパワーが低下するとドライアイ、手足のしびれ・こむらがえり、生理不順をきたします。
爪、目、涙、筋肉などにも影響を及ぼし、爪にツヤがなくなり割れやすくなる、目のかすみや乾燥などの症状が現れます。

「心」は血を全身に送り出し、精神の安定を保ちます。
精神の不調は不安感、落ち着かない、驚きやすい、記憶力の低下、多夢などを招きます。
血の循環障害により動悸・息切れ、発汗、顔色の変化などが起こります。
舌、顔などにも影響を及ぼし、口内炎や舌先が赤くなる、顔色が青くなる・赤くなるなどの症状が現れます。

「脾」は消化吸収を行い、血の巡りを助けます。
食べものからエネルギーを吸収するコントロールセンターです。
脾の不調により食欲不振、下痢、むくみ、疲れやすい、めまい・ふらつきなどが起こります。
血が血脈から漏れ出さないにする統血機能があるので、低下すると出血しやすくなり不正出血や鼻血の原因になることもあります。
肌肉、口、唇、よだれなどに影響を及ぼし、痩せる、味覚障害、よだれがでやすいなどの変調もみられます。

「肺」は気と水を巡らせ、呼吸を担います。
呼吸することによりエネルギーを取り込み、それを食べ物から得られたエネルギーと合わせて気を作りだします。また気や水を下へ降ろす作用もあるので、水分や栄養分を下方の臓器に運ぶことができます。
肺の不調は風邪をひやすい、疲れやすい、顔のむくみ、尿量の低下などが起こります。
皮膚、体毛、鼻、のど、気管支、声なども影響を及ぼし、皮膚の乾燥、花粉症などの鼻炎症状から咳や、のどの乾燥、声がれなどが起こりやすくなります。

「腎」は精(生きるためのエネルギー源)を貯蔵し、水の代謝をスムーズに助けます。
成長・発育や生殖の維持をコントロールしています。また全身を巡った水は一度、腎に集められ、必要な水は脾、肺、全身に送られ、不要な水は膀胱などから排泄されます。
腎の働きが弱っていると成長の遅れ、老化、頻尿、むくみなどが起こります。
骨、骨髄、耳、泌尿生殖器、毛髪、歯などにも影響を及ぼし、骨がもろくなる、歯が抜ける、抜け毛や白髪、耳鳴り・聴力の低下、頻尿、尿量の減少などが生じます。

いまの体の状態は?――早期発見チェックシート

五臓の性質がわかったところで体質チェックをしてみましょう。

【肝が損なわれている症状】
□イライラ   □疲れやすい
□情緒不安定になりやすい   □足のつり・しびれ
□不眠・夢が多い   □胃腸虚弱
□神経過敏   □胸や脇が張って苦しい
□物忘れ   □お腹が張り、ガスが多い
□頭痛   □焦燥感
□めまい・立ちくらみ   □食欲不振
□肩凝り   □生理不順・生理痛
□目が疲れる   □下痢と便秘をくりかえす
□かすみ目・視力低□酸っぱい物を好む

【心が損なわれている症状】
□動悸・息切れ   □顔が赤くなる
□脈が乱れる   □不安感
□胸苦しい・胸の圧迫感   □イライラ
□神経過敏   □異常な汗
□こだわり   □舌の先が赤い・ヒリヒリする
□不眠・夢が多い   □疲れやすい
□すぐ目が覚める   □皮膚の乾燥
□口の渇き   □悪心・嘔吐
□のぼせ   □焦燥感が強い
□昼間眠い   □苦いものを好む

【脾が損なわれている症状】
□食欲不振   □精神不安
□消化しにくい   □気力がわかない
□倦怠感(特に食後)   □顔色がわるい(黄色い)
□上腹部痛   □疲れると甘いものが欲しい
□むかつき・吐き気   □頭痛・頭重
□よだれが多い   □めまい
□手足の冷え   □むくみやすい
□味が分かりつらい   □寝汗がある
□口内炎   □お腹が冷える
□軟便・下痢傾向   □皮膚の乾燥

疲れが抜けない、なんとなく不調……というときに

【肺が損なわれている症状】
□風邪をひきやすい   □肌荒れ・皮膚の乾燥
□くしゃみ   □肌が薄く弱い・敏感肌
□鼻水・鼻づまり   □汗をかきにくい
□咳・痰が多い   □声がれ
□アレルギー性鼻炎(花粉症)   □蕁麻疹・アトピー性皮膚炎
□鼻の乾燥   □乾燥に弱い
□のどの乾燥・痒み □むくみやすい
□胸のふさがった感じ   □口の渇き・口内の乾燥
□息切れ   □疲れやすい
□手足の冷え   □辛いものを好む

【腎が損なわれている症状】
□倦怠感   □歯が弱い
□カラだが冷える(特に下半身)   □口の渇き
□手足のほてり   □頻尿傾向・残尿感
□めまい   □夜間尿
□髪の毛が抜けやすい   □むくみ
□白髪が多い   □物忘れ・思考力の低下
□聴力低下   □精力の減退(性機能の低下など)
□耳鳴り   □恐がる
□腰痛・膝の痛み   □寒さに弱く、冬に体調をくずしやすい
□骨がもろい   □目の乾燥

五行のそれぞれの回復と強化のポイント

いかがでしたか?
チェックの数が多かった臓器には注意が必要です。
それぞれの回復、強化の方法は以下のようになります。

■肝にチェックが多かった方へのアドバイス
自律神経と密接にかかわるので、ストレスを受けるとダメージを受けやすくなります。
ストレス発散を心がけ、適度な運動や入浴でリラックス。柑橘類など酸味のある食材、また、気の流れをスムーズにする春菊、三つ葉などの香味野菜もおすすめです。

■心にチェックが多かった方へのアドバイス
ストレスは肝だけでなく心にも伝わります。
激しすぎず、適度な汗をかくことで気が巡ります。不眠は入浴や足湯でからだを温め、熱が冷めていくことで眠気を生じます。神経過敏な場合には小魚などカルシウムを多く摂るのもおすすめです。

■脾にチェックが多かった方へのアドバイス
加齢に伴い胃腸機能は弱ってきます。
食養生がとても大切で、腹八分を心がけましょう。そのうえで食べ物が蓄積されないように眠る3時間前には食事を終わらせるようにします。鶏肉、山芋などは滋養強壮効果、穀類、イモ類、豆、キノコ類は消化機能を高める効果があります。

■肺にチェックが多かった方へのアドバイス
肺は気を全身に巡らせる働きがあるので、強いストレスは気の巡りが滞りがちになります。
1日1回は必ず深呼吸を行い、大きな声をだすことで肺の機能を高めましょう。ハチミツは肺を潤し、梨、銀杏も肺のパワーを高めます。辛いものは肺の働きを調整し、停滞した気と血の流れを促進する作用があるので、ネギ、タマネギ、生姜なども上手に取り入れましょう。

■腎にチェックが多かった方へのアドバイス
腎のパワーは老化と共に誰でも減少します。
腎の働きは腰・膝など下半身から弱まるので、スクワットなどがおすすめです。腎を補う食材としては、にがりの入った天然の塩辛さを適度にプラスしてください。このほか山芋、オクラ、なめこなどのねばねば食品、黒豆、黒ゴマ、ひじきなど黒い色の食材の摂取も重要です。

斉藤明美『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』
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暮らし https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2024/10/25144065_s-e1729118099130.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3214 <![CDATA[ 家の売却価格を最大限に引き上げる5つの方法 ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3214.html Tue, 08 Oct 2024 23:00:00 +0900 Tue, 08 Oct 2024 22:37:11 +0900 1

住み替え――これだけある日米の意識差

住み替え(引っ越し)の多かった人物として有名なのが江戸時代の浮世絵画家の葛飾北斎で90年の人生で93回引っ越ししたそうだ。住み替えといっても、賃貸が持ち家で違いがあるだろうが、持ち家、つまり家の買い替えそうそうはできるもでないだろう。
日本では「家は一生の買い物」という意識が高い。
実際、2022年に行われたインターネット調査「おうち売却の達人 調べ」(全国の持ち家に居住中の30歳以上70歳未満の男女)によると、「不動産(土地建物)を売却したことはあるか」という質問に「ない」と超えた人は79.4%、「ある」と答えた人は15.2%となっている。

一方、米国人は人生で4回、家を買い替えるといわれている。
具体的には結婚すると、職場の近く、大都市圏に近くの小さなマンション。子どもができたら、ちょっと郊外のタウンハウスや一軒家。子どもの成長に合わせて小学校に入ると、教育の学区の良い地域のファミリータイプの戸建て。子どもの独立に合わせて、夫婦2人の終の棲家となる小さな家といった具合だ。

家の買い替えに対する日米の違いは、なぜ生まれるのだろうか?
日本人は農耕民族なので、一度住んだところに定着するが、米国は狩猟民族だから住み処を移動させるということもありそうだ。とはいえ、現代社会においては、住宅の中古市場と中古住宅の価格にある。

米国の全住宅における中古住宅の割合はおよそ80%。これに対して日本はおよそ30%だ。また、中古住宅価格が、米国は年3~4%ほど値上がりしているが、日本ではタワマン、大都市圏の中心部のマンションや一部の宅地をのぞいて、平成バブル崩壊後は買った価格より安くなってしまう。
つまり、日本では持ち家の価値が上がらないため、資金的に買い替えづらいということがあるのだ。

新築マンション価格が1億円を超すなかで、注目が集まっているのが中古マンションや戸建だ。インフレが進み、中古マンション、戸建ての価格も上がってきており、「ホンネの不動産相談所」の調査によれば、中古マンション価格も右肩上がりで、東京23区/築21年の中古マンションの価格相場は、1㎡=99.2万円、平均占有面積42.7㎡=4209.1万円になっている。

高価格が続くうちに売却して買い換えや、郊外への転居には、チャンスといえるかもしれない。しかし、それにはいま住んでいる家を高く売却する必要がある。
そのためにはなるべくいま住んでいる家を高く売りたいところ。そのポイントを考えていこう。

町で見かける張り紙も情報の1つ

リフォームは必要? 売却価格の決め方は?

マンションや家を売却する場合、現状のままの売却か、リノベやリフォームをしてからがよいか迷うところ。
築年数が新しければ、売却にあたって内装のリフォームやリノベーションを行うという方法もある。その場合はキッチンやバスルームなど水回りの設備を最新のものに交換することで内覧時に良い印象を与えることができる。しかし、20年以上の物件であれば、設備もそれなりに古くなっているのでリノベやリフォームをするより、いかに大事に使っていたかがアピールポイントになる。
そこでやっておきたいのが整理整頓と掃除である。お金をかけずに、いかにその家が魅力的なのかをアピールできるようにしておきたい。

次に価格設定をどうするか。
売却価格は、高いにこしたことはない。しかしながら、やはり相場というものがあるのだから、あまり高い価格を設定すれば売れなくなる。価格設定する際は、相場の価格、高めの価格、低めの価格を出して、あえて低い価格で売り出すという方法がある。

この価格を周辺相場よりも低めに設定するメリットは、買い手を早期に見つけられるという点。また、相場より低くすることで、買い手が競合し、結果として高く売れるということもある。ただし、この方法を使う場合は、仲介業者との相談をしたほうがよいだろう。

逆に失敗しやすいのが、売却価格を高く設定してしまうことだ。
価格設定を高くしてしまうと見込み客が現れず、長期間売れ残って、その間の管理費など無駄な出費を増やすことにも繋がる。最終的には、やむなく価格を大幅に引き下げての売却につがることも多い。また、価格を高く設定してしまうことで、物件の詳細を細かくチェックされてしまい、些細なことを理由に必要以上の値引きを求められることさえある。

「正直不動産」ばかりではない

失敗しない仲介業者の選び方

不動産売却というと、仲介業者に依頼することになる。しかし、その前に自らネットや実際に歩いてみて近隣のマンションの売却価格や売却期間などの情報を集めておきたい。
複数の仲介業者に見積もりをとるのは当たり前だが、事前情報は重要だ。やはり、自ら集めた情報ほど信頼できるものはない。

複数の不動産業者の見積もりを取るにしても、仲介業者にはさまざまなものがある。
どうしても名前の知られている大手業者に目が向きがちだが、名前は知られていなくても、地域密着型の評判の良い不動産業者もいる。大手の仲介業者は、マーケティング力があり、豊富なネットワークがあるが、地域密着の業者は、独自のネットワークと情報力があり、有力な見込み客をもっている。

この業者選びで失敗することはめずらしいことではない。
実際によくある失敗パターンは、手数料が安いという理由だけで、その地域の事情がわかってない、あるいは経験が浅い不動産業者に依頼してしまうこと。
こうした業者の中には、マーケティング力が乏しく、見込み客へのアプローチも消極的ということが多い。結果、売却活動が長引いて、希望価格よりも低い価格で売却せざるをえなくなってしまうことにつながる。

仲介業者との契約は「一般契約媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」という3つがある。それぞれ違いがあるが、簡単にいってしまうと、一番ゆるい契約が「一般契約媒介」で、縛りがきつい(業者にとっては責任が重い)のが「専属専任媒介」になる。
また、不動産会社に仲介を依頼しない(媒介契約を結ばない)、個人間で取引を行うことも可能だ。また、媒介契約を結んでも契約内容次第によっては、売主が自ら買主を見つけて売買契約を結ぶ「自己発見取引」もできる。どの媒介契約がよいとは一概にはいえないが、いずれにしても信頼できる業者かどうかを見極める必要がある。

見極め目安の1つが、専任媒介、専属専任媒介にした場合、レインズという不動産業者だけが見られる不動産物件サイトに、規定通り登録されているか確認することだ。
なかにはシークレット物件として、自らの独自ルートで売却活動を行うため、あえてレインズには載せないという業者もいる。しかし、そういった説明もないまま、レインズに登録しない業者であれば、ちょっと考えたほうがいいだろう。

インスペクションは常識になりつつある

「インスペクションと重要事項調査報告書」は事前に準備

最後に、不動産業者に売却を頼んだから、とすべてをお任せにしないということである。
本来であれば不動産業が行うことだが、最近では、売却の際にインスペクション(物件の劣化や不具合の状況を調査し、欠陥の有無や補修すべき箇所、その時期などの検査)を行うことが一般化しはじめている。
購入希望者から求められてから行うのではなく、5万円ほどの費用はかかるが、事前に行っておきたい。また、これも手数料がかかるがマンションの現状が把握できる「重要事項調査報告書」も用意しておくとよいだろう。

加えて、いかに物件を魅力的に見せるかも高く、早く売るためポイントになる。
多くの場合、不動産業者の営業担当者が物件の写真を撮るって物件情報サイトなどに載せている。しかし、プロカメラマンに写真撮影してもらうと、同じ物件でもまるで違うものになるのだ。いまはネットでの物件探しが主流になっており、見落としがちだが、こうしたひと工夫で結果は大きく異なってくる。

中古マンション売却は、適切な価格設定、信頼できる不動産業者の選定、そして市場のタイミングを見極めることが基本。
だが、売却の失敗を避けるためには、事前の準備と計画が不可欠。売主としての売却戦略を立てることが、早く、高く売却することにつながる。

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2024/10/3577273_s.jpg
https://goldbeans.jp/?p=3199 <![CDATA[ 【粗製濫造】「経営コンサルタント」ついに始まった淘汰の波 ]]> https://goldbeans.jp/business/page_3199.html Thu, 03 Oct 2024 22:54:34 +0900 Thu, 03 Oct 2024 22:54:35 +0900 1

コロナ後のいまは戦後の混乱期と同じ

いまはまさに経営コンサルタント企業や、コンサルタントが花ざかりです。ところが、コンサルタントといってもピンからキリまでいて、粗製濫造の状態です。こうなると誰が、どんな会社が本物のコンサルタントをできるかわからず、同時に自然淘汰もはじまっています。

コロナ禍の困難が終了してみると、すでに多くの市場が成熟期になっています。
私が皆さんによく話してるのは「コロナ後のいまはコロナ禍を経て、コロナ前につながる延長と取られている人が多いけれど、いまはまったく次元の違う時代になっている」ということです。

いわばコロナ後のいまは、第2次世界大戦が終わった終戦後のような時代なのです。
終戦後の4年間、日本は新憲法が発布、極東軍事裁判(東京裁判)などがありましたが、社会情勢は一変し国内は混乱状態にありました。こうした混乱4年を経て、1950年に朝鮮戦争による特需になります。
新型コロナのまん延は3年ちょっとで終わりましたが、この3年の混乱はまさに戦後の混乱と、コロナ明けの特需の経済環境にあります。要は、コロナ前とはまったく新しい時代になったと捉えなくては、コロナ後のビジネスには対応できません。

コンサルタント市場は2兆円規模に

コロナ前の世の中と、いまのどこが変わったかというと、もっとも大きく変わったのが金利がある世の中になったことです。これはインフレのラッパを日銀が吹き始めということです。

日銀のゼロ金利政策は、1999年2月に日銀の短期金利の指標である無担保コール翌日物の金利を0.15 %に誘導することを決定し、当時の速水優日銀総裁の「ゼロでもよい」と発言から始まりました。その後、2016年1月に黒田東彦日銀総裁による「異次元のマイナス金利政策」と、トータル25年、四半世紀にわたって日本は金利のない世の中が続いてきました。
しかし、この金利が引き上げられます。いまの経営トップやビジネスマンのほとんどは金利のある世の中を知らないといっても過言ではないでしょう。こうした時代の大きな転換が起これば、経営者はこれにどう対応したらよいか、非常に悩みます。

さらにこの数年、企業戦略、マーケティング、セキュリティ、もの作り、人事DX、M&A、事業再生、事業承継、社会保険など経営環境も変わりました。
経営者が何から、どのように手をつけたらよいかを悩むなか、社内には対応できる人材がいない。そこで経営者がこれに対応するために専門的な知識が必要だと、さまざまな経営コンサルタントを頼るようになりコンサルタント事業の需要が増えたわけです。
そして、さまざまなアドバイスを行うコンサルタントが大量に出てきて、コンサルタント百花繚乱の時代になりました。
この結果、この1年でコンサルタント業の売上規模は2兆円というコンサルタント業界にとっては初めての大きな市場になりました。

混乱期から目が覚めはじめた経営者たち

東大出身の方には申し訳ありませんが、昔から「東大生がその業界に就職するようになったら、その業界終わり」と日本の経済界ではいわれます。その東大出身はもとよりいまや経営コンサルタント業界には、京大といった国立大学どころか、ハーバード大学、コロンビア大学など世界中の名門大学を卒業したり、MBAも持った人がひしめき合っています。

経営者から見ると、こうした人たちはみんな専門家のよう に感じてしまいます。
一方、自社ではそうした人材は集まらないので、高額な報酬であっても手っ取り早く外部の専門家の意見を聞いて、他社よりも早くそれをビジネスに取り入れたほうがいいじゃないかと思ってしまいます。

ところが、同じコンサルタント業やってる私から見ると、こうしたコンサルタントたちに依頼することで「対価に見合う付加価値が本当に得られているのか」という疑問がありました。
アメリカのマッキンゼーを批判するわけではありませんが、こうしたコンサルタントが行う施策の内容はアメリカの新しいノウハウの焼き直しのようなものばかりです。

実際にそれを採用しても、やはりアメリカ企業と日本企業は違うわけですから、困惑する経営者が多く出てきて当然です。
実は、日本では「本当の経営コンサルができるか、できていないかを計る基準」が形成されていません。

頼りにならないコンサルタントの中には「経営コンサルは『結果ビジネス』ではなく、『経過ビジネス』です」という人さえいる。
こうしたコンサルタントは他社のアイデアや資料、ノウハウを真似をしただけの粗悪なコンサルタントです。

コロナが明けて「何かしなくては……」とコンサルタント契約を結んだけれど、落ち着いてくると「何か違う」「自社と合っていない」と気づきはじめた経営者たちが、これらのコンサルタントとの契約を切りはじめた。これがコンサルタン業の倒産が増えている理由です。

コンサルタントに求められる3つの要素

いま、コンサルタントをやりたという若い人が増えています。これ自体はとてもよいことだ 思っています。
私自身、大学でコンサルタントの授業を行っていますが、優秀な学生も多い。そこでコンサルタント志望の学生たちに、コンサルタントにとって一番大事なのは、話し方と訴え方が重要だと話しています。そして、よいコンサルタントは突き詰めると、3つの要素になると話しています。

それは「コンサルタント」の「コン」は「キツネ」、「サル」は「猿」、「タント」は「タレント」ということで、この3つの要素がない人はコンサルタントになってはいけないといっています。

「コン=キツネ」とは「化かす能力があるか」ということで、いまあるものをそのままやっていたのではどうにもなりません。そこでそれを変えることでまったく違ったものにする。
そのためには「知恵」が必要で、それが「猿=サル知恵」になります。当然ですが、他人と違うこと、教科書や本を写してはよいコンサルタントはいえず、自分の魂を入れられるかが重要です。
タントの「タレント」は、タレントのように誰にでも理解できるように話すということができるかということ。これは難しいことを難しく話す人はたくさんいますが 、簡単に話せる人は少ない。つまり、わかりやすく話せるかということです。

たとえば「南無阿弥陀仏」という念仏を英語にしたどう訳すか。
答えは「Attention, please Amitabha」となります。「南無」は「Attention, please」で、直訳すれば「阿弥陀さま、聞いてください」になる。
こういう言い方をすれば、何となくではありますが「南無阿弥陀仏」に込められる意味や雰囲気までも伝わりやすくなります。このように難しいことをわかりやすく伝える能力がコンサルタントには必要で、相手に伝わらなければ、コンサルの意味がまったくありません。

コンサルタント選びで失敗しないために

私自身、30年間このポリシーでコンサルタントをやってきました。これまで約4200社ぐらいの会社の相談にのり、2000社とコンサルタント契約を結んできています。そこから3社が上場を果たしました。

ただ、こうした経験から最近、強く感じるのは、世の中が本当に変わったということです。
昔から財務は重要でしたが、 相談内容は社員の給与、税務相談、資金繰りが多かった。しかし、いまはどんな中小企業でも決算書を見ながらの企業価値やリスクなどを精査するするデューデリジェンスの相談が増えています。
いまのビジネスでは、これがとても重要で、デューデリジェンスを行うには訓練が必要です。

今後もコンサルタンは必要とされることに変わりはありません。しかし、その企業や社長に合った人で、まさにホームドクターのような人でなければ、これからのコンサルタントは務まらないでしょう。

有名な大学の出身、大手のコンサルタント会社にいたから大丈夫という発想は非常にリスクが高い。実際、魂が入ってないコンサルタントも多くいます。
これからコンサルタントを活用する際にはこのことを間違わずに、慎重に考えていただければと思っています。

立川昭吾の企業再生チャンネル「【粗製濫造】こうして顧客は去っていった・・・。「経営コンサルタント企業」コ」より

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https://goldbeans.jp/?p=3181 <![CDATA[ 不動産投資――もしものときに失敗しない相続準備のすすめ ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3181.html Fri, 27 Sep 2024 01:31:20 +0900 Tue, 24 Sep 2024 04:44:35 +0900 2

相続税対策に不動産が有利な理由

「不動産と相続」というと、「相続税」にスポットをあてられることが多くなります。

現預金や株式、投資信託などの、いわゆる金融資産を保有している場合。
現預金は、持っている金額そのものが相続税評価額になり、株式や投資信託に関しても、市場の取引価格から、評価額が出されます。
そのため相続の対象になる価格も、いくつかの選択肢はありますが、相続税評価額を下げるような対策を打つことは基本的に難しいのが現状です。

一方で不動産に関しては、自宅であれ、賃貸用の物件であれ、相続税評価額という点では、各種の節税措置が施されています。
たとえば、自宅であれば、要件はありますが、対象になれば「小規模宅地の評価減」などがあります。賃貸用の物件でも「貸宅地」「貸家建付地」などで、相続税評価額が下がるケースがあります。
また、土地に関しては取引価格ではなく「路線価」、建物(家屋)に関しては「固定資産税評価額」が、相続税評価額のベースになってきます。

一般論になりますが、「路線価は時価の80%」「固定資産税評価額は時価の70%」くらいの評価になるといわれています。この点だけを考えても、現預金などの金融資産を不動産に変えるだけで、相続税評価額を下げることができます。
不動産投資セミナーなどで、よく「賃貸用不動産は、相続税対策にもなる」といわれるのは、これが理由です。

ただ、相続税評価額が下がればなんでもよいということにはなりません。
不動産は、換金がしにくい資産です。そして、「実物」として残るので、金融資産のように、数字の計算だけで、簡単に分割できるような資産でもありません。
そのため、相続税評価額を下げることだけを目的にして建てたような物件は、その物件の立地によっては、誰も引き継ぎたいと思わない、「負動産」になってしまう可能性があります。

その点から考えると、都心部など立地の良い、賃貸需要のある区分所有の部屋であれば、換金性もあり、相続人同士で分割もしやすく、相続税対策にもなる、という意味でよいのではないか、と考えています。

たとえば、相続人が3人いるような時に、3部屋あれば、3人が1部屋ずつ相続で引き継ぐ、ということもしやすくなります。
もちろん、誰が、どの部屋を引き継ぐか、という問題も生じてくる場合もあります。ただその時は、賃貸需要があり、立地の良い物件であれば、購入希望者が見つかりやすいので、売却ができれば、そこで手にしたお金を3人で均等にわけるという形で、円満に解決するという方法もあります。

相続に有効な2つの方法

ただ、相続の視点で考えると、資産がさまざまな場所に点在してしまい、相続人の方が、保有物件を把握しにくい、ということにもなりかねません。
それに備えるには「自筆証書遺言」とともに資産の一覧を作成し、「法務局」に預けておくというのが、1つの対策として有効になります。
とはいえ、私ごとになると現時点では、資産を遺す存在がいないので遺言書は作成していませんが、自分の死後のことも考えて、一度まとめて書いておくことも必要かな、と感じています。

さて、この法務局に遺言書を預ける制度は、「自筆証書遺言書保管制度」という名称です。
3900円で、法務局で預かってもらえるという制度です。
遺言の内容や体裁が整っているかなどのチェックはしてもらえませんが、自宅などに保管するよりは安心でき、実際に相続が起きた時、相続人の方が閲覧の請求をして、遺言書の確認ができるという流れです。
これを見れば、相続人の方が困らない、という状態を整えておくことこそ、一番の相続の準備になるのではないか考えています。

また、「生命保険契約照会制度」という制度もあります。
これは相続が発生したり、認知判断能力が低下した時に、法定相続人、法定代理人、3親等内の親族などが、対象者が加入していた生命保険を調べてもらい、まとめて回答してもらえる、という制度です。

株式や投資信託などを持っている人よりも、生命保険に加入している人は多く、離れた両親などが、どのような生命保険に入っているかなど、把握しにくいケースもあるかと思います。
そのような時に、この制度を活用することで、加入していたことに気づかない生命保険もなくなり、相続財産の見落としも防ぐことにつながり、保険金の受け取り漏れを防ぐことにもつながります。
生命保険に加入している方が多い日本だからこそ、日本の現状に沿った、良い制度ではないか、と感じます。

相続を考えるということは、「あなたの身の回りの整理をする」ということにもつながります。
遠い未来のことかもしれませんが、現状把握にもつながる面もありますので、「資産を書き出してみること」「親御さんと話してみること」をぜひ一度、行ってみることをおススメします。
これを行っておくことが、ひいては、円満な相続対策、失敗しない相続につながる1歩だと私は考えています。

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https://goldbeans.jp/?p=3191 <![CDATA[ 東京市場、石破なら下落含みで市場警戒。高市なら12月に戻り ]]> https://goldbeans.jp/money/page_3191.html Tue, 24 Sep 2024 06:00:00 +0900 Tue, 24 Sep 2024 05:31:41 +0900 1

3万6000円~3万9000円のボックス相場

驚く程の乱高下が続く東京市場だが、冷静な対応が必要だ。

さて、7月からこれまでの東京市場の動きを見ていこう。
7月11日の高値4万2426円で目先の大天井を形成した。この段階で10%程度の調整があり、3万8000円程度は想定内だった。しかし、この下落の局面で、植田日銀総裁による金利の引き上げの発表があり、市場は崩壊。一気に3万1000円まで急落してしまった。下落率は26%で「令正のブラックマンデー」と名付けられた。ちなみに、ブラックマンデーの下落率は35%だった。

7月から乱高下する株式相場

この局面での私の判断は全治5か月と考えていた。こうしたパニック売りが終わると、反転に入る。戻り相場は、下落幅の半値戻し、3分の2戻しが考えられ、今回は3分の2戻しの3万8600円となり、結果的には3万9000円を若干超えるところまできていた。
しかしながら、ここから再度、米国の金利の引き下げ幅が当初予想の0.25%から0.5%にになったことで、140円割れの円高が進み、これに呼応するかたちで株価も急落。すでに前回の急落(3万1000円)で今後の米国の金利引き下げ、国内の金利引き上げといった政策の転換、12月までの米金利引き下げが今回を含め1.00%、国内は当面見送りを織り込んだと思われる。

株式市場の相場格言に「半値戻しは全値戻し」とあり、現在までの企業の決算動向を見る限り、大幅に減益に転じる企業は少なく、3万6000円~3万9000円のボックス相場が継続すると考えられる。

石破か、高市かで相場の動きは逆目か

10月に入ると、2日は一目均衡表の変化日に当たり、現在状況では上昇が期待できる。9月27日には自民党の総裁選の結果も出ており、総裁の政策に期待する動きがあってもおかしくない。

石破茂元幹事長(左)/高市早苗(経済安保相)(右)

自民党総裁戦後、早期解散の動きが高まれば、市場は期待から「買い先行」となるだろう。
注目は誰が総理総裁になるかだが、石破茂元幹事長であれば「市場は警戒」に入るだろう。何といっても総裁選の第一声で金融所得課税の強化と述べているのだから致し方あるまい。
市場としては、高市早苗経済安保相に対する期待が大きく、高市氏なら全治5か月程度の読みは変わらない。

実態経済としては、九州・熊本の半導体工場の稼働が始まり、設備投資から実際の収益に貢献する局面になる。その中で電力需要不足も懸念され、これ対応するべく電線メーカー等電力設備投資の増加が期待できる。このため原子力発電所の再開が注目だ。
そこで注目銘柄はフジクラ(5803)、ダイフク(6383)、三菱重工(7011)、さくらインターネット(3778)、九州電力(9508)、アドバンストメディア(3773)。

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https://goldbeans.jp/?p=3146 <![CDATA[ 銀座・数寄屋橋の攻防(2) 数寄屋橋のビル開発に刻まれた進出企業の栄枯盛衰 ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3146.html Tue, 10 Sep 2024 20:00:00 +0900 Wed, 11 Sep 2024 05:33:16 +0900 1


東急不動産も祟られた?「数寄屋橋の呪い」

東急プラザの銀座の交差点角地は、業界の一部では「数寄屋橋の呪い」とも一部でいわれる立地店の歴史について紹介しよう。

東急不動産は、この地を東芝(旧東芝TSビル)から買収したものの、TSビルの入っていた各店舗が阪急系のモザイク状態になっており、退去をめぐって阪急側と東急が法的にもめた。このため、東急プラザ銀座の立ち上げにコストと時間がかかった。
ちなみに、東芝の銀座TSビルは銀座東芝ビルと名乗る前は「マツダビルディング」という名前だった。「マツダ」というのは白熱電球などに用いられた米国GEの商標の「マツダランプ」で、東芝の電球の呼称だった。
話はそれるが、マツダといえば、いまは自動車メーカーがまず思い浮かぶ。社名は創業者の松田重次郎に由来するが、英語表記の「Mazda」はゾロアスター教(拝火教)の最高神である光明神(善神/アフラ=マズダ)にちなんで付けられたものである。また、戦前は「Mazda」というと車ではなく、大正時代はライセンス生産されたランプのほうが有名で、その名のほうが全国に知られていた。

東急不動産は、そんな歴史のある東芝TSビルを07年に1600億円あまりでなんとか買収を完了した。
東急不動産の銀座進出に際しては、経営トップは「本拠の渋谷と銀座の二眼レフ体制の経営となる」と高らかに宣言していたが、いまや渋谷の東急ハンズもホームセンター最大手のカインズに売却されてしまった。
東急プラザ銀座でいえば、上層階のロッテの免税店がコロナ禍で不振となり、誘致した有名ブランドも銀座シックスや銀座中央通り、銀座並木通りの個店と客の奪い合いになっていった。

銀座の数寄屋橋交差点の風景。正面のビルが東急プラザ銀座

紆余曲折がありながら、やっと手に入れオープンさせた東急プラザ銀座だったが、買収にあたっての躓きは大きく、16年3月の開業から6年の23年3月に東急不動産はギブアップ。東急プラザ銀座を三井住友トラスト・パナソニックファイナンスに売却を発表し、翌4月に売却した。
関係者によると、簿価は1200億円程度。東急不動産HDは、東急プラザ銀座関連で200億円超の減損処理をしている。

ただ東急不動産はいまもビルの運営管理などを手がけているものの、苦労して手に入れた不動産そのものは完全に手放し、店舗面積2.2万㎡を誇った東急不動産が鳴り物入りでオープンさせた旗艦店は、経営的には失敗だったといえる。

東芝→東急不動産→パナソニック――東急プラザの源流

東急プラザ銀座の買い手の源流をたどれば、旧パナソニックファイナンスとなる。同社は、新橋駅に近い汐留で03年に華々しく竣工した旧松下電工東京本社ビル(現在のパナソニック東京汐留ビル)という豪華なビルに入っていた。
ところが、松下電工を吸収したパナソニックが経営不振から同ビルを13年に三井住友ファイナンス&リース等に売却したが、現在は売却した持分を買い戻して、パナソニック東京本社が入居している。

旧松下電工といえば、「明るいナショナル」で知られた白熱電球や蛍光灯で有名だった。現在は蛍光灯もLEDに代わり、電球や蛍光灯はマイナーな存在になっている。
最近までリストラ続きのパナソニックだったが、現在は東急プラザ銀座において照明技術を演出しているのは旧松下電工のパナソニックである。

東急不動産に1600億円余りで東芝TSビルを売った東芝も、その後、原発関連企業の米ウエスティングハウス社の買収などをはじめ原発から主力の電気事業まで経営難が続き、銀座で得た資金も流出してしまったのであろう。
銀座4丁目交差点は、三越、和光、三愛、日産ギャラリ(現NISSAN CROSSING)と不動だ。しかし、数寄屋橋交差点は、いまではソニービルも「Sony Park」に変わっており、日本の電機メーカーによる買収、経営の攻防が刻まれた商業地なのである。

変わる銀座、変わる「銀座ブランド」の意味

銀座・晴海通り路面の一等地は並ぶビルは1990年過ぎまで、銀行の支店が数多く立ち並んでいたが、バブルの後始末の不良債権処理のために都市銀行は合併し、銀座の支店群も一斉に大リストラされた。
その空いた部分に新しい商業ビルが建った。不況時代の銀座の一等地にはユニクロやZARAなどの内外のファストファッションが出店した。だが、GAPの撤退に見られるように、ファストファッションの競争も若者の雇用の流動化から厳しくなった。代わって、いまはインバウンドや富裕層を主な顧客としたハイブランドの店が群雄割拠している。
一方で、牛丼店、コンビニ、ドラッグストア、人気ラーメン店、道府県市のアンテナショップなど、これまでの銀座らしからぬ業種も急増中だ。そして、いま2階から上のフロアのビル需要を支えるのは、美容整形外科や審美歯科などクリニック系だ。
とくに銀座の場合は、美容整形に来る女性の年齢層が高めだという。お金のある熟女たちはやはり銀座を目指すのか。

もちろん、高級ブランドの勢いは衰えたわけではない。とくにルイ・ヴィトンの人気は相変わらずで、百貨店から新聞社まで誘致の声はひっきりなしのようだ。実際、並木通りにある北海道新聞社のビルを驚くべきアート風に丸ごと新築させて入居している。いまなお、銀座ブランドは強いのかハイブランドの多店舗展開が進んでいる。

ルイ・ヴィトン 銀座並木通り店

とはいえ、過去10年間に、国民の間の所得や資産の格差が鮮明になったように、銀座の店で扱う商品も凹凸感が大きくなった。海外高級ブランド店だけは確実に増え、円安で「安いニッポン」に味を占めた訪日客がブランド店でごった返す。

そうしたなか、高級ブランド店に割って入るのがブランド品買取店だ。こちらには日本人が溢れ、中古品を売るほうも買うほうも大人気のようだ。
高級ブランド店が建ち並ぶ銀座――その銀座ブランドは「安い日本」象徴になりつつあるのかもしれない。

関連記事「銀座・数寄屋橋の攻防(1) ヒューリック銀座数寄屋橋ビルにカルティエ旗艦店進出へ

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https://goldbeans.jp/?p=3096 <![CDATA[ 【倒産不可避?】街の不動産店が次々と消滅、その背景にあるもの ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3096.html Thu, 05 Sep 2024 20:00:00 +0900 Thu, 05 Sep 2024 22:24:57 +0900 1

前年比70%増 街の不動店の倒産

不動産関連企業は、産業になかでも数の多い産業の1つです。都市圏でもだいたいの駅前には1、2軒は必ず不動産屋さんがあり、いまもそれはあまり変わりないようです。

これまでアパートやマンションなど賃貸物件案内のピークは2~4月ぐらいで、これはちょっとした風物詩みたいなものでした。しかし、最近になってこの「ピーク時」というのが、見えなくなってきています。
こうした背景を踏まえ、不動産業界が今後、どうなるかを考えてきたいと思います。

結論からいってしまうと、いま、街の不動産店の倒産が非常に増えてます。

具体的には、帝国データバンクが発表した2023年の賃貸マンション・アパートの仲介・管理を手掛ける「街の不動産屋さん」の倒産件数は120件、前年比で70%増加しています。

2023年3月31日現在の宅地建物取引業者と宅地建物取引士の数は、2022年に比べ宅建業者は1125業者増えています。ただ、これは宅建免許更新者数も含まれているので、この中には更新しない業者もいて、21年と比べた業者数はマイナスになっています。

こうした不動産業者の倒産も含めた廃業が増える大きな理由は、不動産業者の多くが、駅前不動産のような小さい業者が多いということが要因の1つになっています。

この理由は、人口減ということも大きな理由
になりますが、むしろ、物件の紹介、案内の方法が変わってきたということがあります。

賃貸契約件数が減少している理由

2023年3月の東京都内の賃貸契約件数は、2万3000件で、業界では3万を切ったら厳しいといわれおり 、この数字はコロナ前の8割ぐらいまで落ち込んでいます。
背景には、やはり在宅勤務が増えたことがあります。このため企業の人事異動にともなう転勤が減っています。また、大学進学も地方から東京や大阪といった大都市圏の大学への進学が少なくなって、地元の学校に進学する人が増えています。
こういったことから賃貸住宅に居住する独身者や学生の入居者が減ったことが大きなの 原因なのです。

それ以外の要因として見逃せないのが、引っ越し費用の高騰があります。

たとえば、福岡から東京への引っ越し費用は単身者で10万円以上、2人世帯では20万円から25万円というのが相場です。
また、同じ都府県内、いま住んでいる近所で便利なところや、広い部屋に引っ越すといった近距離引っ越しも以前はよくありましたが、これも引っ越し代の高騰や、引っ越し業者とのスケジュールが合わないなど、以前のように簡単に引っ越しができなくっているため、見送るというケースも増えています。

背景には個人所得が上がらない一方で、家賃がじわじわと上がっているため、いま住んでいるところでがまんするということもあるようです。
結果、小規模の不動産業者を訪れる人が減ってしまったわけです。

大手と中小不動産会社の差は広がるばかり

リアルな物件の内見も少なくなっている

それ以上に大きな変化が、物件の選び方や、その物件を実際に見る内見の方法が変わってきたことがあります。

以前であれば、不動産業者の店に行って、希望に合いそうな物件を紹介してもらって、担当者と一緒に実際に物件を見に行く、内見をするのが普通でした。
しかし、いまはIT化が進み、ネットを活用しで自分で気に入った物件を探し、メールやLineで物件を紹介してもらうことが増えてます 。この結果、こうしたシステムのある大手とシステムのない中小の格差がどんどん広がっているというのが実情なのです。

はっきりいってしまえば、街の不動産店には行かず、スマホで大手の会社がつくったアプリで自分の好みの物件を探し、VRを使って内覧をして決めてしまうのです。もはや担当者と現地に行って物件を見るというようなタイパの悪いことは今の若者はしなくなってきてるのです。

お気づきの方も多いでしょうが、少し前までは山手線、中央線、東海道線、また大手私鉄の駅前には何十軒もの不動産店が軒を連ねていました。しかし、最近は驚くほど少なくなっています。
これを見ると、時代が大きく変わったと感じると同時に街の不動産店はどこにいったのかと思ってしまいます。

人気は衰えることのない「不動産業」

とはいえ、不動産業の人気がなくなったかというとそうではなく、依然として人気のある業種です。
宅建取引士の資格を取った人の多くは自分で店を出したいという人も多い。街の不動産店は減っているのに、むしろ競争は激しくなっています。実際、5万7000軒あまりあるコンビニエンストアに対して、賃貸物件を扱ってる全国の不動産事業者は、12万9604社あり、毎年3%ずつが入れ替わっている、新陳代謝の激しい業界なのです。

その一方で、経営者の平均年齢が65.64歳で他の業種に比べて高く、業界として時代の流れについていけなくなっているという側面もあります。また、後継者がいないため廃業する不動産業者も多い。この結果、街の不動産店が消滅していくということにつながっています。

このように不動産事業者を、取り巻く環境が大きく変化しています。
これに加えて、賃貸契約についても、大きく変化してきています。それが電子契約サービスによって簡単にできるようになったということです。

実はIT化、DX化が進んでいる不動産業界

不動産業界はIT化、DX化が遅れているといわれますが、実は対顧客サービスという点においては逆に一番進んでる業界といえます。そのためこの流れに乗れない事業者、事業規模の格差によって、より一層、業界内の新陳代謝が激しくなっています。

当たり前のことですが、ビジネスは常に変化してます。 これは不動産業も同様です。

ここで私が懸念しているのは2027年から2040年にかけて、わが国の労働人口は急激な減少期に入るという点です。そうなれば当然、勤務スタイルも変わってきます。また、外国人労働者の受け入れや、移民についても、この時期あたりから、いま以上に真剣な議論が迫られる必要が出てきます。
もちろん、不動産業界も人手が必要な業界ですから、人の取り合いが激しくなり、おのずと生き残る会社と、淘汰される会社に一層、二分化されことが予想されます。

すでにはじまりつつありますが、大手業者では、優秀な人材を確保するために、自社が管理している高級賃貸物件を社員に貸したりしています。
また、大手は生き残るために新築10年未満の築浅物件をいかに多く管理していくかに力をいています。同様に中小不動産事業者や駅前の不動産店にとっても、仲介だけでなく、管理物件もとれなくなってくる見られ、さらに状況が厳しくなることが予想されます。

日本経済の先を見極めるバロメーター

街の不動産店は生き残れるか(イメージ写真/本文とは関係ありません)

私は地域密着型の街の不動産店というの必要だと思っています。
私自身も都内で暮らしているいますが、周辺では自分の家やマンションを人に貸したいと考えている人が多くいます。そういう人にとっては地域の不動産店は必要な存在です。
というのも、気軽に話ができれる いわば地域密着型の街の不動産店というのはとても大事です。

賃貸管理は、仲介だけでなく、家賃の回収、物件の補修、清掃といった日常業務を街の不動産屋さんが担っている部分もあります。そして、そのことが街の不動産店が生き延びてきた一つの大きな要因でした。
ところが何もかもがネットになってしまうと、こうはいかなくなってしまう。

いま不動産が高騰しているとはいえ、それは大都市圏と、地方の一部地域に限られます。また、新築マンション価格が1億円を上回るなど活況を呈していますが、今後は金利上昇も予想され、これが不動産価格どう影響する見えないところがあります。今後の不動産業界の動向は、日本経済を見極めるためにも目が離せず、それ支える不動産業者の動向はなお注目しておく必要があります。

立川昭吾の企業再生チャンネル「【不可避】街の不動産屋さん 消滅時代へ!」より

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https://goldbeans.jp/?p=3074 <![CDATA[ 銀座・数寄屋橋の攻防(1) ヒューリック銀座数寄屋橋ビルにカルティエ旗艦店進出へ ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_3074.html Tue, 03 Sep 2024 20:00:00 +0900 Tue, 10 Sep 2024 22:12:05 +0900 2

悲願だった高級ブランドの誘致

東京の千代田区と中央区の堺にある旧外堀にある数寄屋橋。この地名の由来は、江戸時代この界隈には織田有楽の邸宅が数寄屋風だった茶室があったことからといわれる。
だが、東京以外、とくに関西以西の若者には「松屋」といえば、百貨店ではなく牛丼店チェーンであるように、数寄屋橋といえば「牛丼の『すき家』がある橋かな?」といった程度の認識しかない。銀座・数寄屋橋の高級イメージは薄いようだ。

そんな数寄屋橋の晴海通りと銀座並木通りの交差点に面しているのがヒューリック銀座数寄屋橋ビル(旧数寄屋橋富士ビル)だ。住所は「中央区銀座4-2-11」と銀座4丁目に位置し、銀座の中心部になる。かつてここには旧富士銀行の数寄屋橋支店が入居しており、ヒューリックの前身の日本橋興業が保有していた。

ヒューリック銀座数寄屋橋ビル
工事が進む「ヒューリック銀座数寄屋橋ビル」(右)

このビル、2007年ごろは、世界最大の高級ブランドグループLVMHの中核企業であるルイ・ヴィトン(LV)が銀座の旗艦店として入る予定だった。しかし、08年のリーマンショックに端を発した世界的金融危機によってLVの銀座旗艦店の出店構想は白紙化した。

そこでヒューリックが慌てて探したテナントは、高級ブランドとは違う米国系カジュアルファッションブランドの「GAP」で、その名も堂々たる「GAPブラックシップ銀座」となった。
いまでこそ、日本で不振が伝えられるGAPだが、11年のフラグシップ銀座のオープン時には徹夜の行列ができ、超人気歌手のアヴリル・ラヴィーンがわざわざ来日しテープカットをしたほど力の入れようだった。しかしながら、「ユニクロ」やセレクトショップの「BEAMS」を愛用する日本の若者はトラディショナルな旧アメカジにはそえほど熱中はしなかったようだ。

閉店を告げるGAPのインフォメーション

加えて、GAPの入った銀座数寄屋橋ビルは銀座4丁目といっても4丁目交差点から離れており、「銀座」というよりどうしても「数寄屋橋」というイメージが強い。結果、2年前にGAP撤退の話が水面下でおこった。
そして、23年7月末にGAPブラックシップ銀座は閉店した。銀座数寄屋橋ビルにとってGAPは4階までの中核テナントだったため、ヒューリックにとっても大きな痛手だった。そのため新たなテナントとして、高級ブランド誘致に力を入れていたのである。

オープンは来春、内装工事もゴージャースに

ヒューリックをデベロッパー4位に躍進させた西浦三郎会長(右端/日光リゾートホテル開業レセプションにて)

さて、いまでこそ国内有数のデベロッパーとなっているヒューリックだが、前身の日本橋興業は旧富士銀行系の銀行資産管理社として設立された地味な会社だった。しかし、旧富士銀行の数寄屋橋支店長も務めた西浦三郎ヒューリック現会長(東条英機の右腕・参謀の一人といわれた陸軍大佐の西浦進氏陸軍大佐の子息で、みずほ銀行副頭取まで務めた)が、社長に就任すると、07年に現社名の「ヒューリック」に改名、業績を伸ばし、大手デベロッパー4位と躍進。日本を代表するデベロッパーの有力社となった。そんな西浦氏は、このビルを11年に11階建てのお洒落なビル(延べ床面積1万1600㎡)に建て替えたときから世界最高のブランドを呼び込むことを考えていたようだ。

そのヒューリック数寄屋橋ビルの大改装は23年から始まっており、GAPのあとにカルティエの進出が決まりになったのは昨年ごろのようだ。
GAPの店舗ですら、カーテンウォールの外に、銀座名物の柳をモチーフにしたアルミダイキャストと青いガラスで構成されたセンスのよいファザードを誇っていただけに、カルティエが入るにあたっての改装も時間がかかっているようだ。

スイスに本社を置くカルティエはLVMHより規模は小さいが、圧倒的なガリバー的存在のルイ・ヴィトンのLVMHグループに対抗できるコングロマリット企業群のリュシュモンのエースがカルティエである(3大グループのもうひとつは「ケリング」)。
そのため「あのカルティエを釣り上げるとはさすが智謀溢れる西浦さんだ」と業界での評判が高まっている。
少なくともカルティエが占める割合は、GAPが入っていた4フロアかそれ以上になると見られ、改装工事も大規模になっている。
カルティエの店舗はGAPと違い、作りが豪華なため、オープンは来春頃と見られている。

とはいえ、カルティエは銀座だけでも、並木通りや中央通りなどにも店舗があり、銀座シックスや銀座松屋といった百貨店にも入っている。こうした店舗の売上は、訪日客に頼る部分があるため、為替動向が円高に振れると、各店の売り上げに響く可能性も考えられる。

「バレンシアガ」誘致でほっと一息の東急プラザ銀座

「バレンシアガ」が入った東急プラザ銀座

そんな銀座数寄屋橋ビルの近くにあるのが16年に竣工した東急不動産の「東急プラザ銀座」だ。オープンにあたっては銀座シックスの向こうを張って、高級ブランドを集めた。
そこでオープン時のビルの顔ともいえる一等地の交差点角地にはバリーが入ったが、家賃が高いとして東急側と家賃などについて長期にわたって交渉を続けていたものの、最後は出ていったしまった。ちなみに、バリーは銀座シックスからも撤退している。

その後、一時期は1階のこの部分は、事実上の空き店舗となっていた。現在は、スペインバスク地方発祥のブランドの「バレンシアガ」(スペインバスク地方が本拠だが、グッチグループに所属した後、仏のケリンググループ傘下)が入っている。とはいえ、バレンシアガは24年4月に銀座中央通り沿いの銀座7丁目に銀座の旗艦店オープンさせており、東急だけに頼っているわけではない。

一方、LVの人気は相変わらずで、百貨店から新聞社まで誘致の声はひっきりなし。並木通りにある北海道新聞社のビルを驚くべきアート風に丸ごと新築させて入居している。いまなお、銀座ブランドは強いのかハイブランドの多店舗展開が進んでいる。

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