ja Gold beans.|お金と資産を増やして守る情報サイト https://goldbeans.jp/ 空家の活用、物件情報とマッチング。失敗しない投資、マネー情報が手に取るようにわかる―いまの暮らし、いまの自分よりも「ちょっとウエ」を目指す人に「ちょっと先」の情報を伝えるベーシック・メディアです。 https://goldbeans.jp/?p=7568 <![CDATA[ 計画を超えた2社、分かれ目は来期にある|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7568.html Tue, 18 Aug 2026 20:00:00 +0000 Tue, 18 Aug 2026 15:46:37 +0000 1 この記事でわかること
・8月18日の東京市場
・昨日の決算に、市場が答えを出す日
・パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)──計画は超えた。来期が動かない
・北川精機(6327)──利益だけが計画を大きく超えた
・【本日発表予定】あい ホールディングス(3076)
・今後の決算発表予定──またぎ注意

8月18日の東京市場

指標終値前日比
日経平均6万7460円73銭1759円52銭安(▲2.54%)
TOPIX4140.2243.89pt安(▲1.05%)
プライム平均株価▲0.27%
上げた銘柄/下げた銘柄722/78446.4%/50.4%

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

18日の日経平均は1759円52銭安の6万7460円73銭で、6営業日ぶりに反落した。下落率は2.54%になる。前日まで5日続伸で3600円あまり上げてきたので、下げ幅そのものは大きいが、上げてきた幅の半分にも届いていない。

下げの材料は3つある。前日の米国市場でダウ・ナスダック・S&P500の主要3指数がそろって続落したこと。米国とイランの交渉を巡る不透明感から、原油先物と米長期金利が上昇したこと。そして国内の長期金利が上昇し、これが株価の重しになったことだ。日経平均ボラティリティー・インデックスは33.30まで上げている(前日比+3.83、上昇率13.00%)。

ここで数字を並べ直したい。日経平均は▲2.54%だが、TOPIXは▲1.05%、プライム平均株価は▲0.27%だ。上げた銘柄は722で46.4%、下げた銘柄は784で50.4%。半分近い銘柄は上げている。指数の下げ幅ほどには、市場全体が売られた日ではない。

差はセクターに出た。値下がり率の上位は電気機器・金属製品・ガラス土石製品・非鉄金属・機械で、値上がり率の上位は海運業・鉱業・石油石炭製品・鉄鋼・医薬品。日経平均へのマイナス寄与はアドバンテスト・東京エレクトロン・ファーストリテイリングが上位を占め、プラス寄与にはソフトバンクグループ・三菱商事・武田薬品工業が並んだ。金利上昇と原油高で買われる側と売られる側が、きれいに分かれている。

つまり18日は全面安の日ではなく、資金の置き場所が半導体からエネルギー・海運・素材へ移った日と読むほうが実態に近い。持ち株が何のセクターかで、体感はまるで違ったはずだ。25日移動平均線からの乖離率は2.43%まで縮んでいる(前日は5.03%)。

昨日の決算に、市場が答えを出す日

今日19日に決算発表を予定するのは2社。うち事業会社はあい ホールディングス(3076)の1社だけで、もう1社はREITだ。数のうえでは静かな日になる。

ただ、今日の本当の材料は今日の発表ではない。昨日18日の引け後に出た2社の決算に、今日の市場が値段を付ける。パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)が15時30分、北川精機(6327)が15時35分の開示だった。どちらも取引が終わってからの数字なので、18日の終値はまだ決算を見ていない値段である。

結論から書くと、2社とも会社計画を超えて着地した。それでも今日の値動きが揃うとは限らない。分かれ目は着地の数字ではなく、同時に出た来期の計画にある。ここが今日いちばん見ておきたいところだ。

パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)──計画は超えた。来期が動かない

ドン・キホーテ、ユニー、アピタを展開する会社の2026年6月期本決算だ。まず着地から見る。

項目実績会社計画計画比前期比
売上高2兆4452億6000万円2兆4350億円+0.42%+8.84%
営業利益1748億4200万円1740億円+0.48%+7.73%
経常利益1775億900万円+11.96%
純利益1100億8800万円1070億円+2.89%+21.63%

4項目すべてが計画を超えた。純利益は前期比21.63%増で、営業利益の伸び7.73%を大きく上回っている。

昨日の記事で、私は4Qの3か月に必要な額を出しておいた。売上高6084億6600万円、営業利益364億7900万円、純利益130億3400万円。実際の4Q単独は売上高6187億2600万円、営業利益373億2100万円、純利益161億2200万円だった。純利益は必要額の123.69%を出している。前期並みを出せば計画に届く計算だと書いたが、そのとおりの着地になった。

配当も上がった。今期の年間配当は9.5円で着地している。昨日の時点の会社予想は8.5円だったので、11.76%の増配だ。

来期計画の置き方

問題はここからだ。同時に出た2027年6月期の会社計画を見てほしい。

項目来期計画今期実績比
売上高2兆6870億円+9.89%
営業利益1790億円+2.38%
経常利益1753億円▲1.24%
純利益1105億円+0.37%

売上を9.89%伸ばす計画に対して、営業利益は2.38%、純利益は0.37%しか伸びない置き方だ。経常利益にいたっては1.24%の減益になっている。増収の割に利益が伸びない形と読める。

昨日の記事で私はこう書いた。今期計画は前期比で売上高8.38%増、営業利益7.21%増、純利益18.22%増。来期がこれを上回る形で置かれるかどうか。着地の数字より来期計画の置き方を先に見る、と。答えは出た。来期計画は今期計画の置き方を、利益の面で下回っている。

スイング目線

18日終値は915円50銭で前日比+0.70%。高値927円20銭・安値908円40銭、日中値幅2.07%だった。出来高1587万4400株は20日平均の1.66倍で、売買代金は145億4800万円。日経平均が2.54%下げた日に逆行して上げている。20日平均の日中値幅は2.77%と、もともと荒い銘柄ではない。

株価の位置も見ておきたい。7月1日の793円60銭から18日まで15.36%上げてきた。直近70日の高値は7月29日の984円50銭で、そこからは7.01%下にいる。上げてきた位置で、決算を迎えた形だ。

Point

着地は良い。増配もした。それでも今日の値動きを決めるのは、来期の利益計画をどう受け取るかだと読める。私の本にも書いたが、株価が動くのは決算が良いか悪いかではなく、市場が思っていた線とどれだけ違ったかだ。計画比+2.89%の純利益は、サプライズと呼ぶには小さい。いっぽうで来期の営業利益+2.38%という数字は、上げてきた株価が前提にしていたものと差があるかもしれない。

こういう場面で、私は寄り付きの値段に飛びつかない。出来高を伴って上がり始めたかどうかを確かめてからでも遅くない。今日の1日で答えが出るとも限らず、数日かけて水準を探る動きになることもある。

北川精機(6327)──利益だけが計画を大きく超えた

プレス機や積層板製造装置を手がける会社で、市場はスタンダードだ。こちらも2026年6月期の本決算になる。

項目実績修正後計画計画比前期比
売上高66億700万円66億円+0.11%+6.10%
営業利益9億4900万円8億5000万円+11.65%+52.33%
経常利益10億3100万円+72.12%
純利益7億5000万円6億1000万円+22.95%+90.36%

この会社は6月19日に業績予想を上方修正している。上の修正後計画はその値だ。その修正後の計画すら、営業利益で11.65%、純利益で22.95%上回った。6月の修正前の計画と比べれば、営業利益は43.79%、純利益は70.45%の超過になる。

売上高だけは計画比+0.11%とほぼ計画どおりだ。売上は動かず、利益だけが大きく伸びた決算ということになる。営業利益率は前期の10.00%から14.36%へ、4.36ポイント改善している。

昨日の記事では、4Qに必要な額を売上高24億4500万円、営業利益1億6800万円、純利益8800万円と出した。実際の4Q単独は売上高24億5200万円、営業利益2億6700万円、純利益2億2800万円。営業利益は必要額の158.93%、純利益は259.09%だ。売上の進捗より利益の進捗がはるかに先行していると書いたが、4Qはその傾向がさらに強く出た。

配当は年23円で着地した。計画の20円を15.00%上回り、前期の12円からは91.67%の増配になる。

来期計画の置き方

項目来期計画今期実績比
売上高100億円+51.35%
営業利益12億円+26.45%
純利益8億1000万円+8.00%

売上高を1.5倍にする計画だ。パン・パシフィックHDの営業利益+2.38%と並べると、置き方の性格がまるで違うことがわかる。予想年間配当も25円に引き上げている。

ただこの計画には、見ておくべき点がある。売上高が51.35%増えるのに営業利益は26.45%増、純利益は8.00%増にとどまる。営業利益率で見ると今期の14.36%から来期は12.00%へ下がる置き方だ。今期は売上が伸びずに利益が伸びた年だったが、来期の計画は売上を大きく伸ばして利益率は落ちる形になっている。

スイング目線

18日終値は3935円で前日比▲1.25%。高値4110円・安値3700円で、日中値幅は10.29%あった。出来高162万7300株は20日平均の2.12倍、売買代金63億6800万円。20日平均の日中値幅は11.37%で、パン・パシフィックHDの2.77%の4倍を超える。

株価の位置は昨日の記事でも触れたが、あらためて書いておきたい。7月2日の高値9480円から7月29日の安値2615円まで下げ、そこから18日の3935円まで50.48%戻した。それでも7月の高値からは58.49%下にいる。1か月半のあいだに、これだけの幅を往復している銘柄だ。

Point

数字そのものは強い。計画を超え、増配もし、来期は売上1.5倍の計画を置いた。ただし要注意と付けたとおり、この銘柄は日中値幅が10%を超える。良い数字が出たときの反応も大きいが、逆に振れたときの幅も同じだけある。

加えて、こういう小型株では上方修正を出した時点である程度は織り込まれている、という見方もできる。6月19日の修正で株価はすでに動いている可能性があり、今回の着地がそこからどれだけ上振れたかが問われる。決算が良かったから上がる、と単純に置けない理由がここにある。

私なら、今日の寄り付きで判断しない。値幅の大きい銘柄ほど、最初の値段は当てにならない。1日の値動きを見て、出来高を伴って方向が定まってからでも遅くはないと考えている。

【本日発表予定】あい ホールディングス(3076)

今日19日に決算発表を予定するのは2社。プライムの事業会社はあい ホールディングス(3076/卸売業)の1社で、もう1社はマリモ地方創生リート投資法人(3470)だ。REITは分配金と稼働率で見るもので、四半期の決算区分もない。決算の数字が市場の予想とどれだけ違ったかを見るこの連載の切り口とは、そもそも性質が異なるので、銘柄名と決算期の事実だけを挙げておく。

あいHDは昨日の記事で明日の号で扱うと書いた会社だ。過去の開示は15時30分なので、今日も引け後の開示になる見込みで、市場が反応するのは明日20日になる。

見どころ

3Q(2026年5月15日開示)までの累計は、売上高647億3300万円、営業利益87億1900万円、経常利益99億1400万円、純利益96億4300万円。通期計画は売上高900億円、営業利益107億円、経常利益114億円、純利益103億円だ。

進捗率を並べると売上高71.93%、営業利益81.49%、経常利益86.96%、純利益93.62%になる。売上から純利益へ向かうほど進捗が上がっていく形で、純利益はすでに計画の9割を超えている。

4Qで見る数字

通期計画に届くために4Qの3か月で必要なのは、売上高252億6700万円、営業利益19億8100万円、純利益は6億5700万円だ。前期の4Q単独の純利益は40億2100万円だったので、今期に必要な額はその16.34%でしかない。純利益の計画達成そのものは、かなり手前まで来ている。

ここで注意しておきたいのが前期との比較だ。前期は純利益212億8000万円が営業利益88億8900万円の2.39倍という形をしていた。本業の利益より最終利益がはるかに大きい。今期の通期計画では純利益103億円で、前期比51.60%減という置き方になっている。この減益率は事業が悪くなったという意味ではなく、前期に本業以外の利益があった影響と読むのが自然だ。今期計画は売上高が前期比35.96%増、営業利益が20.37%増なので、本業の側はむしろ伸びる計画である。

配当は5月15日に、予想を110円から125円へ13.64%引き上げている。前期の100円からは25.00%の増配になる計画だ。

スイング目線

18日終値は2936円で前日比▲0.31%。高値2959円・安値2922円、日中値幅は1.26%だった。出来高12万7700株は20日平均の0.79倍で、売買代金は3億7500万円。20日平均の日中値幅は1.94%で、北川精機の11.37%とは性格がまるで違う。7月1日比では+11.55%、直近70日の高値2997円(8月10日)からは2.04%下という位置だ。

同じ6月期の本決算でも、値動きの荒さがこれだけ違う。決算をまたぐかどうかを考えるとき、決算の中身と同じくらい、その銘柄がふだんどれだけ動く銘柄なのかは見ておきたい。

今後の決算発表予定──またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。

上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

今週の並びは、今日19日が2社、20日が1社、21日が2社。事業会社の本決算は今日のあいHDが最後で、20日は日本リート投資法人(3296)のみとなる。先週までの数百社規模から完全に落ち着いており、またぐかどうかで悩む場面はほとんどない週だ。

その先も8月25日のインヴィンシブル投資法人(8963)、26日のジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)とREITが続く。

この時期にやっておきたいのは、持ち株の決算発表日を確かめておくことだ。発表が少ない時期は、決算以外の材料で株価が動く。金利・為替・原油といった相場全体の材料が、18日のように効いてくる。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月18日の対象は1557銘柄だった。

日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、数のうえで上げた銘柄が多かったのかを見るのに向いている。

18日はこの差が大きく出た日だった。日経平均は▲2.54%だが、プライム平均株価は▲0.27%にとどまる。上げた銘柄は722で46.4%、下げた銘柄は784で50.4%と、数のうえではほぼ拮抗していた。指数の下げ幅は、値がさの半導体関連が売られたことで大きく見えていた面がある。持ち株のセクターによって、18日の体感はまるで違ったはずだ。

ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。

なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信にもとづく(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス:2026年6月期本決算、北川精機:2026年6月期本決算および2026年6月19日開示の業績予想の修正、あい ホールディングス:2026年6月期第3四半期および2026年5月15日開示の配当予想の修正)。開示時刻および決算数値はJPX公式のJ-Quants APIによる。株価・出来高・売買代金・日中値幅はJ-Quants APIによる2026年8月18日終値時点の値で、株価は分割調整後の値を使っている。日経平均の終値・前日比は日経平均プロフィルの公表値、TOPIXはJ-Quants APIによる。18日の市況、セクター別の騰落、日経平均への寄与度、日経平均ボラティリティー・インデックスおよび25日移動平均線乖離率は報道による。発表予定はJPX「決算発表予定会社一覧」による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

記事を書いた人

コマンドY
スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/tokyo-shoukennjo.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7533 <![CDATA[ 首都圏中古マンション成約4か月連続減、在庫は5か月連続増【2026年7月/東日本レインズ】 ]]> https://goldbeans.jp/topic/page_7533.html Tue, 18 Aug 2026 03:30:00 +0000 Tue, 11 Aug 2026 20:55:23 +0000 2

この記事でわかること
・中古マンションは成約4か月連続減、在庫は5か月連続増
・中古戸建ては成約4か月ぶり減、価格は7か月連続で上昇
・売り出し価格に買い手が追いつかなくなってきた

中古マンション:成約件数は4か月連続減、在庫は5か月連続増

東日本レインズ(公益財団法人東日本不動産流通機構)の「月例速報2026年7月」によると、首都圏中古マンションの成約件数は3638件で前年同月比マイナス8.6%と4か月連続の減少となった。減少率は6月のマイナス1.3%から一段と広がっている。
新規登録件数は1万6474件(前年同月比プラス5.7%)と2か月連続で増加。在庫件数は4万7151件(同プラス5.5%)と5か月連続で増加し、増加率も拡大傾向にある。

成約㎡単価は84.17万円/㎡で前年同月比マイナス1.5%と3か月連続の下落となった。ただ前月比は1.9%の上昇で、5月に80.78万円/㎡まで落ちた水準からは2か月続けて戻している。レインズは、1990年10月(83.50万円/㎡)の水準は上回ったとしている。成約価格は5267万円で同マイナス0.7%と、ほぼ横ばいながら3か月連続の下落。前月比は1.1%上昇した。

注目すべきは、売り出し側の数字は方向がまるで違うという点だ。
新規登録㎡単価は117.86万円/㎡(前年同月比プラス20.4%)と2024年5月から27か月連続で上昇、在庫㎡単価は118.30万円/㎡(同プラス28.2%)と2024年8月から24か月連続で上昇している。価格でも在庫価格は6866万円(同プラス29.0%)に達し、成約価格5267万円との差は1599万円ある。売り手の希望と買い手が実際に払った額の開きが、そのまま在庫の積み上がりになっているといえよう。

成約・新規登録・在庫の3つを並べると、方向の違いがはっきりする。

区分件数前年同月比㎡単価前年同月比価格前年同月比
成約3,638件-8.6%84.17万円/㎡-1.5%5,267万円-0.7%
新規登録16,474件+5.7%117.86万円/㎡+20.4%6,834万円+20.5%
在庫47,151件+5.5%118.30万円/㎡+28.2%6,866万円+29.0%
首都圏 中古マンション(2026年7月)

※東日本レインズ「月例速報2026年7月」より作成

エリア別の成約件数では、東京都区部が1509件で前年同月比マイナス17.2%と7か月連続の減少となった。横浜・川崎市は634件(同マイナス2.2%)と2024年10月以来21か月ぶりの減少、埼玉県は449件(同マイナス3.2%)と2024年9月以来22か月ぶりの減少、千葉県は415件(同マイナス3.5%)と6か月ぶりの減少に転じている。
これまで郊外が都心の減少を埋める形が続いてきたが、7月はその郊外が軒並み前年割れした。増えたのは多摩の354件(同プラス3.8%)と神奈川県他の277件(同プラス1.5%)だけである。

成約㎡単価のエリア別では、東京都区部が135.77万円/㎡で前年同月比プラス2.7%と2020年5月から75か月連続で上昇した。多摩は58.44万円/㎡(同プラス10.5%)と12か月連続の上昇。
神奈川県他は43.71万円/㎡(同プラス5.3%)と7か月連続、埼玉県は44.53万円/㎡(同プラス2.3%)と7か月連続で上昇している。一方、横浜・川崎市は65.62万円/㎡(同マイナス2.5%)と2025年6月以来13か月ぶりに下落、千葉県も41.37万円/㎡(同マイナス0.1%)とほぼ横ばいながら6か月ぶりに下落した。

エリア別に件数と単価を並べると、件数と単価の動きが一致しないエリアが見える。

エリア成約件数前年同月比連続状況㎡単価前年同月比
東京都区部1,509件-17.2%7か月連続減135.77万円/㎡+2.7%
東京都多摩354件+3.8%4か月連続増58.44万円/㎡+10.5%
横浜・川崎市634件-2.2%21か月ぶり減65.62万円/㎡-2.5%
神奈川県他277件+1.5%21か月連続増43.71万円/㎡+5.3%
埼玉県449件-3.2%22か月ぶり減44.53万円/㎡+2.3%
千葉県415件-3.5%6か月ぶり減41.37万円/㎡-0.1%
中古マンション エリア別 成約動向(2026年7月)

中古戸建住宅:成約件数は4か月ぶり減も、価格は7か月連続で上昇

一戸建住宅の人気は続いている

2026年7月の首都圏中古戸建住宅の成約件数は1738件で前年同月比マイナス1.9%と、4か月ぶりの減少となった。新規登録件数は6560件(同プラス1.5%)と6か月ぶりに増加。在庫件数は2万3197件(同マイナス1.2%)と6か月連続で減少しており、在庫が積み上がるマンションとは需給関係が逆になっている。

成約価格は3933万円で前年同月比プラス0.6%と、ほぼ横ばいながら7か月連続の上昇となった。ただ前月比は1.8%の下落で、6月の4006万円から4000万円台を割り込んでいる。
新規登録価格は4846万円(同プラス11.4%)と12か月連続、在庫価格は4711万円(同プラス6.9%)と2025年3月から17か月連続で上昇した。土地面積は143.96㎡(同マイナス4.7%)と3か月ぶりに縮小、建物面積も102.74㎡(同マイナス1.6%)と3か月連続で縮小している。

マンションと同じ形で並べると、在庫の向きが逆であることがわかる。

区分件数前年同月比価格前年同月比
成約1,738件-1.9%3,933万円+0.6%
新規登録6,560件+1.5%4,846万円+11.4%
在庫23,197件-1.2%4,711万円+6.9%
首都圏 中古戸建住宅(2026年7月)

※東日本レインズ「月例速報2026年7月」より作成

エリア別の成約件数は、東京都区部が274件(前年同月比マイナス17.7%)と5か月連続で減少した。千葉県は352件(同マイナス1.4%)と2024年12月以来19か月ぶりの減少、神奈川県他は210件(同マイナス3.2%)と2か月ぶりの減少となっている。増えたのは埼玉県の439件(同プラス5.3%)が4か月連続、横浜・川崎市の255件(同プラス4.1%)が2024年11月から21か月連続、多摩の208件(同プラス3.0%)が2か月ぶりの増加だ。

成約価格は、横浜・川崎市以外のエリアが上昇した。東京都区部は7494万円(同プラス3.7%)と4か月連続、多摩は4338万円(同プラス19.1%)と2か月ぶり、神奈川県他は3258万円(同プラス4.4%)と7か月連続、埼玉県は2477万円(同プラス2.3%)と4か月連続、千葉県は2641万円(同プラス2.1%)と7か月連続で上昇した。横浜・川崎市だけが4620万円(同マイナス3.4%)と3か月ぶりに下落している。

エリア成約件数前年同月比連続状況価格前年同月比
東京都区部274件-17.7%5か月連続減7,494万円+3.7%
東京都多摩208件+3.0%2か月ぶり増4,338万円+19.1%
横浜・川崎市255件+4.1%21か月連続増4,620万円-3.4%
神奈川県他210件-3.2%2か月ぶり減3,258万円+4.4%
埼玉県439件+5.3%4か月連続増2,477万円+2.3%
千葉県352件-1.4%19か月ぶり減2,641万円+2.1%
中古戸建住宅 エリア別 成約動向(2026年7月)

※東日本レインズ「月例速報2026年7月」より作成

買い手が価格に追いつかなくなってきた

7月の数字を並べると、マンションは成約が減り在庫が増え、戸建ては成約がやや減ったものの在庫は減り続けた。同じ中古住宅でも需給は逆になっている。

そのうえでマンションの数字に共通しているのは、売り出し側の価格が2年以上にわたって2割から3割の上昇を続ける一方、実際に成約した単価は3か月続けて前年を下回っているという点だ。
在庫㎡単価118.30万円/㎡に対し成約㎡単価は84.17万円/㎡。売り手が付けた値段のまま売れているわけではない。

エリア別を見れば、都区部の成約件数は7か月連続で減り、埼玉県は22か月ぶり、横浜・川崎市は21か月ぶりに前年を割った。長く続いた連続増加が同じ月にそろって途切れた。
とはいえ、単価そのものは都区部で75か月連続の上昇を保っており、価格が崩れたわけではない。売り出し価格の上昇に、買い手の側が追いつかなくなってきたといえるだろう。

住み替えや売却を考えているなら、周辺の売り出し価格ではなく成約価格を見ておきたいところだ。今回の調査の数字が示すとおり、両者の差は1599万円ある。在庫が5か月続けて増えているということは、その差を埋められなかった物件が売れ残っているということでもある。

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/02/tokyo01.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7564 <![CDATA[ 日経平均506円高でも下げた銘柄が57%、アルバックは16%安|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7564.html Mon, 17 Aug 2026 20:00:00 +0000 Mon, 17 Aug 2026 14:02:56 +0000 2 この記事でわかること
・金曜の決算に、市場が出した答え(アルバック16%安)
・☆【注目度S級】パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)
・★【要注意D級】北川精機(6327)
・【本日発表予定】
・今後の決算発表予定──またぎ注意

8月17日の東京市場

指標終値前日比
日経平均6万9220円25銭506円45銭高(+0.74%)
TOPIX4184.1113.09pt安(▲0.31%)
プライム平均株価▲0.16%
上げた銘柄/下げた銘柄628/89040.3%/57.2%

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

17日の日経平均は506円45銭高で3日続伸した。数字だけ見れば堅調な一日だ。ところが同じ日のTOPIXは13.09pt安で下げている。プライム平均株価も▲0.16%で、上げた銘柄は628、下げた銘柄は890。数のうえでは下げた銘柄のほうが多い日だった。

この差がどこから来たかははっきりしている。アドバンテスト1銘柄で日経平均を約173円押し上げており、東京エレクトロンと合わせた2銘柄で約251円になる。前引け時点の日経平均構成銘柄は値上がり70・値下がり153で、225銘柄のうち下げたほうが2倍多い。それでも指数はプラスだった。

前日の米国市場ではダウが107.58ドル安、ナスダックが73.86ポイント安と下げている。小売売上高が昨年5月以来の大幅な落ち込みとなり、ミシガン大消費者マインド指数も予想を下回ったためだ。米消費の減速が意識されるなかで値がさの半導体関連だけに資金が向かい、指数を下支えする構図になった。

日経平均だけを見ていると「3日続伸」だが、持ち株が下げた読者のほうが数のうえでは多い。プライム平均株価を毎日置いているのは、この差を数値で見えるようにするためだ。

金曜の決算に、市場が出した答え

17日号で「金曜に決算を出した会社の株を持っているなら、今日の寄り付きが最初の答え合わせになる」と書いた。その答えが出た。14日に決算を発表した9社の、17日の終値がこうなっている。

銘柄開示8月17日終値前日比出来高
アルバック(6728)引け後7870円▲16.01%20日平均の4.31倍
電通グループ(4324)引け後3510円▲7.09%1.84倍
荏原製作所(6361)引け後5482円▲6.45%2.33倍
テラプローブ(6627)引け後1万2350円▲3.82%2.51倍
フェローテックHD(6890)引け後9750円+7.03%1.36倍
KeePer技研(6036)引け後3175円+7.34%5.99倍
東邦亜鉛(5707)引け後1089円+0.74%3.57倍
アシックス(7936)場中5148円▲2.52%1.90倍
トリドールHD(3397)場中4152円▲1.21%1.33倍

アルバックの16.01%安が示したこと

17日号でアルバックについて書いたのは、次の点だった。売上高が計画を3.51%、営業利益が3.15%、経常利益が4.78%それぞれ上回った一方で、純利益だけが185億円の計画に7.61%届かなかった。

 結果は▲16.01%。出来高は20日平均の4.31倍、売買代金189億円まで膨らんだ。4項目のうち3つが計画超えでも、市場が見ていた1つを外せばこうなる。

 私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』に書いたのは、株が動くのは決算の良し悪しそのものではなく、市場の予想との差だということだった。アルバックの場合、差が出たのは純利益の1点だけである。そこが売られる理由になるかどうかは、発表されるまで誰にも分からない。だから決算はまたがない。

「ほぼ計画どおり」の荏原が6.45%下げた

 荏原製作所は上期予想に対して売上高2.67%増、営業利益2.38%増、純利益0.22%増で、17日号では「ほぼ計画どおりの着地」と書いた。その荏原が▲6.45%である。売買代金478億円はこの9社で最大だった。

 計画どおりというのは、予想との差がないということだ。買う理由にならない。良い決算が買われ、悪い決算が売られる、という単純な対応にはならない。

上げた2社

 フェローテックホールディングスは+7.03%。9か月計画に対する進捗が1四半期だけで営業利益46.78%・純利益65.21%まで来ており、純利益の計画を330億円から360億円へ引き上げていた。

 KeePer技研は+7.34%で、出来高は20日平均の5.99倍とこの9社で最も膨らんだ。営業利益は計画を5.12%下回り、純利益は5.25%上回るというねじれた着地で、来期の純利益は36.70%減の計画だった。それでも上げている。ただし売買代金は19億円で、上の2社とは規模が違う。

☆【注目度S級】パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532/小売業)6月期 本決算

 今日18日に決算発表を予定するのは3社。そのうち東証プライムはこの1社だけだ。ドン・キホーテ、ユニー、アピタを展開する会社で、過去4回の開示はいずれも15時30分。今日も引け後の開示になる見込みで、市場が反応するのは明日19日になる。

見どころ
 3Q(2026年5月13日開示)までの累計は売上高1兆8265億3400万円、営業利益1375億2100万円、経常利益1403億6300万円、純利益939億6600万円。通期計画に対する進捗は売上高75.01%、営業利益79.04%に対して、純利益だけが87.82%と突出している。

4Qで見る数字
 通期計画は売上高2兆4350億円、営業利益1740億円、純利益1070億円。4Qの3か月で必要なのは売上高6084億6600万円、営業利益364億7900万円、純利益130億3400万円になる。前期の4Q単独の純利益は146億4100万円だったので、今期に必要な130億3400万円はその89.02%。前期並みを出せば計画に届く計算だ。

スイング目線
 17日終値は909円で前日比▲1.87%。高値925円・安値906円、出来高756万1000株は20日平均の0.80倍で、売買代金は69億0000万円だった。20日平均の日中値幅は2.79%と、荒い銘柄ではない。ただし7月1日比では+14.55%。上げてきた位置での発表になる。

Point
 進捗87.82%という数字は、達成の確度が高いことを示している。だからこそ、この決算で市場が見るのは「計画を超えたか」ではなく「どれだけ超えたか」と、同時に出る来期2027年6月期の計画のほうだ。今期計画は前期比で売上高8.38%増、営業利益7.21%増、純利益18.22%増。来期がこれを上回る形で置かれるかどうか。私なら、着地の数字より来期計画の置き方を先に見る。なお予想年間配当8.5円は3Q時点の会社予想で、本決算で変わる可能性がある。

★【要注意D級】北川精機(6327/機械)6月期 本決算

 S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

 プレス機や積層板製造装置を手がける会社で、市場はスタンダード。過去の開示は15時35分で、こちらも引け後の見込みになる。

見どころ
 3Q(2026年5月8日開示)までの累計は売上高41億5500万円、営業利益6億8200万円、経常利益7億5100万円、純利益5億2200万円。注目したいのは6月19日に業績予想を上方修正していることだ。営業利益を6億6000万円から8億5000万円へ28.79%、純利益を4億4000万円から6億1000万円へ38.64%引き上げ、予想年間配当も14円から20円にした。売上計画66億円は据え置いている。

4Qで見る数字
 修正後の通期計画に対する進捗は、売上高62.95%に対して営業利益80.24%、純利益85.57%。売上の進捗より利益の進捗がはるかに先行している。4Qに必要なのは売上高24億4500万円、営業利益1億6800万円、純利益8800万円。前期実績(売上高62億2700万円、営業利益6億2300万円、純利益3億9400万円)と比べると、修正後計画は営業利益36.44%増、純利益54.82%増になる。

スイング目線
 20日平均の日中値幅は11.23%。同じ日に発表するパン・パシフィックHDの2.79%の4倍だ。17日終値は3985円で前日比+11.31%、高値4025円・安値3710円、出来高112万0500株は20日平均の1.57倍、売買代金43億8000万円だった。株価の位置も見ておきたい。7月3日の8210円から7月29日の2679円まで、1か月足らずで67.37%下げている。そこから17日の3985円まで48.75%戻した。その途中で、決算発表の前日にさらに11.31%上げている。

Point
 期末の2か月前に利益と配当を引き上げた会社が、実際にどこへ着地したか。それが確かめられる決算だ。S級のような大型株は情報が行き渡っていて織り込まれているが、この規模の会社は数字が出た瞬間に評価が変わる余地が残っている。ただし要注意と付けているとおり、日中値幅11.23%は上にも下にも同じだけ動くということだ。1か月で67%下げてから49%戻し、発表前日にさらに11%上げた銘柄である。私なら、この位置で決算をまたごうとは思わない。

【本日発表予定】

 上の2社のほかに、CREロジスティクスファンド投資法人(3487)が6月期の決算を発表する。物流施設に投資するREITで、四半期ごとの決算区分がない。一般の事業会社と違って売上や営業利益で業績を測るものではなく、分配金と物件の稼働率が中心になる。この連載が扱っている「決算の数字が予想と違ったから株価が動く」という見方とは、そもそも性質が異なる。

今後の決算発表予定──またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

今週の並びは、今日18日が3社、19日が2社、20日が1社、21日が2社。先週までの数百社規模から完全に落ち着いており、またぐかどうかで悩む場面はほとんどない。

このうち事業会社の本決算は、今日のパン・パシフィックHDと北川精機、そして明日19日のあい ホールディングス(3076/卸売業)の3社だけだ。あいHDは3Q時点で純利益の進捗が93.62%まで来ており、前期は純利益212億8000万円が営業利益88億8900万円の2.39倍という特殊な形をしている。5月15日には配当予想を110円から125円へ引き上げた。ここは明日の号で扱う。

残りはREITとインフラファンドで、8月25日のインヴィンシブル投資法人(8963)、26日のジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)まで、その傾向が続く。

そのうえで、今日の2社はどちらも引け後の開示になる見込みだということを添えておく。今日の値動きは決算を見ていない値段で、数字に対する答えが出るのは明日19日だ。昨日のアルバックが16%下げたのと同じ構図が、明日に起きる可能性がある。発表前に持ち高をどうするかは、今日の取引時間中に決めるしかない。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月17日の対象は1557銘柄だった。

日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、「数のうえで上げた銘柄が多かったのか」を見るのに向いている。

17日はその差がはっきり出た日だった。日経平均は+0.74%だが、TOPIXは▲0.31%、プライム平均株価は▲0.16%。上げた銘柄は628で40.3%、下げた銘柄は890で57.2%である。アドバンテスト1銘柄の押し上げが約173円あり、指数はこれで持ち上がっていた。14日は日経平均+0.59%に対してプライム平均株価が+0.91%と、逆に指数を上回っていたので、3営業日のあいだで関係が二度入れ替わったことになる。

ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。

なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信にもとづく(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス:2026年6月期第3四半期、北川精機:2026年6月期第3四半期および2026年6月19日開示の業績予想の修正、あい ホールディングス:2026年6月期第3四半期。8月14日発表分はアルバック・KeePer技研が2026年6月期本決算、電通グループ・荏原製作所・テラプローブが2026年12月期第2四半期、フェローテックホールディングスが2026年12月期第1四半期、アシックスが2026年12月期第2四半期、東邦亜鉛・トリドールホールディングスが2027年3月期第1四半期)。開示時刻および決算数値はJPX公式のJ-Quants APIによる。株価・出来高・売買代金・日中値幅はJ-Quants APIによる2026年8月17日終値時点の値で、株価は分割調整後の値を使っている。日経平均の終値・始値・高値・安値は日経平均プロフィルの公表値、TOPIXはJ-Quants APIによる。17日の市況および日経平均構成銘柄の寄与度は報道による。発表予定はJPX「決算発表予定会社一覧」による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

記事を書いた人

コマンドY
スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/toushou03.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7558 <![CDATA[ 今日の決算発表は6社、ただし動く材料は金曜の354社にある|決算書ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7558.html Sun, 16 Aug 2026 20:00:00 +0000 Sun, 16 Aug 2026 16:24:55 +0000 1 この記事でわかること
・今日の決算発表は6社、ただし材料は金曜にある
・金曜に出た決算と、今日の見どころ(アシックス/アルバック/フェローテック ほか)
・【本日発表予定】
・今後の決算発表予定──またぎ注意

8月14日の東京市場

指標終値前日比
日経平均6万8713円80銭405円21銭高(+0.59%)
TOPIX4197.2021.16pt高(+0.51%)
プライム平均株価+0.91%
上げた銘柄/下げた銘柄1124/40272.2%/25.8%

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

14日の日経平均は405円21銭高で4日続伸した。TOPIXは8日続伸で終値ベースの最高値を更新している。前日の米国株高を受けてAI・半導体関連が朝から買われ、ザラ場では6万9608円24銭まで上げて6万9000円台に乗せた。

ただ、そこからは戻り売りに押されている。終値は6万8713円80銭で、高値からは894円44銭下げた。後場中盤には6万8471円15銭まで沈む場面もあった。韓国の総合株価指数が上げ幅を縮めたことに加え、週末を前にした持ち高調整の売りが出たためだ。日銀による9月の追加利上げへの思惑も残っており、株式の割高感が意識されたという見方もある。

注目したいのは、指数の伸びが鈍かった一方で、プライム平均株価が+0.91%と指数を上回ったことだ。上げた銘柄は1124で全体の72.2%を占めている。13日は日経平均+1.16%に対してプライム平均株価が+0.86%と、指数のほうが大きかった。14日はこれが逆転している。値がさ株が伸び悩むなかで、中小型を含めて幅広く買われた日だった。

今日の決算発表は6社、ただし材料は金曜にある

今日17日に決算発表を行う予定なのは6社。内訳はREIT3社、インフラファンド1社、スタンダード2社で、東証プライムは0社だ。

先週の並びを振り返ると、12日が203社、13日が217社、14日が354社。そこから一気に6社まで落ちた。この期の決算発表は、先週金曜で山を越えている。

ただ「今日は見るものがない」かというと、そうではない。むしろ逆で、今日は先週金曜に出た354社ぶんの評価が下される日になる。

理由は決算発表の時間帯にある。上場企業の決算発表は、引け後の15時30分以降に開示されるものが大半だ。金曜の15時半に数字が出ても、その日の取引はもう終わっている。市場がその内容を織り込んで売買できるのは、次に取引所が開く日——つまり今日の朝からになる。

金曜に決算を出した会社の株を持っているなら、今日の寄り付きが最初の答え合わせになる。逆にいえば、金曜の終値は決算を見ていない値段だ。

金曜に出た決算と、今日の見どころ

先週14日に発表があった会社のうち、この連載で取り上げていた銘柄の数字を並べておく。開示が場中だったか引け後だったかで、株価に織り込まれている度合いが違うので、そこも添える。

アシックス(7936/その他製品)12月期2Q

 14日13時00分の開示。場中に出たので、金曜の株価にはすでに一部が織り込まれている。

 上期は売上高5344億8300万円で32.69%増、営業利益1204億8600万円で48.51%増、経常利益1165億9800万円で48.29%増、純利益821億7100万円で53.29%増だった。そのうえで通期計画を引き上げている。売上高は9500億円から1兆500億円へ、営業利益は1710億円から1950億円へ、純利益は1100億円から1200億円へ。予想年間配当も38円から44円に増やした。

 この連載では14日号で、上期の営業利益について「970億円前後に乗るかが目安」と書いていた。実際は1204億8600万円で、その目安を231億4100万円上回っている。2Q単独(上期から1Qを引いた3か月)で見ると営業利益は597億2400万円で前年同期比63.09%増。1Qの36.5%増より伸びが加速した形だ。

 なお引き上げ後の通期計画でも、純利益を経常利益で割った比率は63.49%と低いままである。上期の実績は70.47%だった。最終段階での目減りを見込む置き方そのものは変わっていない。

アルバック(6728/電気機器)6月期 本決算

 14日15時30分の開示。引け後なので、市場が反応するのは今日になる。

 着地は売上高2691億3000万円、営業利益195億9800万円、経常利益199億800万円、純利益170億9200万円。計画に対しては売上高が3.51%、営業利益が3.15%、経常利益が4.78%それぞれ上回った。ところが純利益だけは185億円の計画に対して7.61%届かなかった。

 この連載では14日号で、営業利益の進捗が77.47%まで来ているのに純利益は49.25%どまりだと指摘し、「4Qの3か月だけで純利益93億8900万円を出さないと計画に届かない」と書いていた。実際の4Q単独の純利益は79億8100万円で、必要額に15.00%届かなかった。3Q累計に対する比率は87.60%である。

 あわせて来期2027年6月期の予想が出ている。売上高2550億円で今期比5.25%減、営業利益280億円で42.87%増、純利益190億円で11.16%増、配当は152円で据え置き。減収を見込みながら営業利益は4割超の増益という計画だ。今日はこの来期計画をどう評価するかが焦点になる。

フェローテックホールディングス(6890/電気機器)12月期1Q

 14日15時30分の開示。こちらも引け後で、反応は今日。

 今期は3月期から12月期への移行にあたる9か月決算で、その1Q(2026年4〜6月)が出た。売上高1824億3700万円で前年同期比164.79%増、営業利益280億7100万円で320.73%増、経常利益272億7900万円で365.19%増、純利益215億1900万円で704.75%増。

 14日号では「9か月計画を単純に3等分すると1四半期あたり売上1266億円・営業益200億円」と書いた。実際は売上で44.03%、営業利益で40.36%それぞれ上回っている。9か月計画に対する進捗は、最初の四半期だけで売上48.01%、営業利益46.78%、純利益65.21%に達した。営業利益率も15.39%と、前期通期の9.54%から大きく上がっている。

 あわせて純利益の計画だけを330億円から360億円へ引き上げた。売上3800億円・営業利益600億円・経常利益550億円は据え置きである。予想年間配当は200円とした。

そのほかの銘柄

 電通グループ(4324/サービス業)12月期2Qは14日15時45分の開示。上期は売上高7173億5200万円、営業利益838億6900万円、純利益462億7700万円で、通期計画に対する進捗は営業利益54.96%、純利益66.39%。ただし2Q単独の営業利益は189億1100万円で1Qの29.1%にとどまる。通期計画は据え置いた。

 テラプローブ(6627/電気機器)12月期2Qは14日15時30分の開示。上期予想に対して売上高が3.84%、営業利益が9.23%、純利益が16.61%それぞれ上回った。14日号では「2Qが1Q並みなら計画どおりに着地する」と書いたが、実際は予想を超えている。

 東邦亜鉛(5707/非鉄金属)3月期1Qは14日15時30分の開示。売上高311億400万円に対して営業損益は2億5000万円の赤字、経常損益は5億8100万円の赤字だった。純利益は2億5900万円の黒字。通期計画は営業利益67億円なので、1Qの赤字からどう戻すかが今後の焦点になる。

 トリドールホールディングス(3397/小売業)3月期1Qは14日13時00分の開示で、こちらは場中。売上高723億1800万円、営業利益52億9400万円、純利益30億3100万円。14日号で注目した営業利益と最終利益の段差は、1Qでは純利益が営業利益の57.25%まで戻っている(前期通期は21.85%)。

 KeePer技研(6036/サービス業)6月期 本決算は14日15時35分の開示。営業利益は69億1400万円で計画を5.12%下回り、純利益は98億3000万円で計画を5.25%上回るという、ねじれたままの着地になった。来期予想は売上高293億8000万円で13.18%増、営業利益90億1200万円で30.34%増だが、純利益は62億2200万円で36.70%減と置かれている。

 荏原製作所(6361/機械)12月期2Qは14日15時30分の開示。上期予想に対して売上高2.67%増、営業利益2.38%増、純利益0.22%増とほぼ計画どおりの着地だった。通期の売上計画は1兆200億円から1兆530億円へ引き上げたが、営業利益1250億円と純利益995億円は据え置いている。

【本日発表予定】

今日発表するのは次の6社。東証プライムは含まれない。

サニックスホールディングス(4651/サービス業) 3月期1Q スタンダード
エム・エイチ・グループ(9439/サービス業) 6月期 本決算 スタンダード

日本ビルファンド投資法人(8951)/日本プライムリアルティ投資法人(8955)/三井不動産商業ファンド投資法人(8964)/カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(9284)

後半の4つはREITとインフラファンドだ。一般の事業会社と違って売上や営業利益で業績を測るものではなく、賃料収入から経費を引いた分配金と、保有物件の稼働率が中心になる。四半期ごとの決算区分もない。この連載が扱っている「決算の数字が予想と違ったから株価が動く」という見方とは、そもそも性質が異なる。保有している場合は分配金の水準と物件の稼働状況を見ることになるが、値動きの荒さを狙う対象ではない。

今後の決算発表予定──またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

今週の並びは、今日17日が6社、18日が3社、19日が2社、20日が1社、21日が2社。先週までの数百社規模から、完全に落ち着いた。

このうち事業会社の本決算は2社しかない。18日のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532/小売業)が6月期の本決算で、19日のあい ホールディングス(3076/卸売業)も6月期の本決算になる。どちらも東証プライムだ。残りはREITとインフラファンドで、8月25日のインヴィンシブル投資法人(8963)、26日のジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)まで、その傾向が続く。

つまり決算をまたぐかどうかで悩む場面は、今週はほとんどない。先週金曜までに持ち株の決算発表が終わっているなら、あとは出た数字に市場がどう反応するかを見るだけになる。

そのうえで、今日の値動きの見方をひとつ添えておく。金曜に良い数字を出した会社が、今日そのまま買われるとは限らない。発表前から期待で買われていれば「織り込み済み」として売られることもあるし、指数が高値圏にあるぶん利益確定も出やすい。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』に書いたのは、数字の良し悪しそのものではなく、市場の予想との差で株価が動くということだった。今日は、その差が値段になって出てくる日だ。数字を見て動くのではなく、値段と出来高を見てから動きたい。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月14日の対象は1557銘柄だった。

日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、「数のうえで上げた銘柄が多かったのか」を見るのに向いている。

14日は日経平均+0.59%、TOPIX+0.51%に対して、プライム平均株価が+0.91%と指数を上回った。上げた銘柄は1124で全体の72.2%、下げた銘柄は402で25.8%だった。13日は日経平均+1.16%に対してプライム平均株価が+0.86%で、指数のほうが大きかったので、2日で関係が入れ替わっている。値がさ株が主導した13日と、幅広く買われた14日という違いが数字に出た形だ。

ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。

なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。

※本文中の決算数値は、各社が2026年8月14日に公表した決算短信にもとづく(アシックス・電通グループ・テラプローブ・荏原製作所:2026年12月期第2四半期、アルバック・KeePer技研:2026年6月期本決算、フェローテックホールディングス:2026年12月期第1四半期、東邦亜鉛・トリドールホールディングス:2027年3月期第1四半期)。開示時刻および決算数値はJPX公式のJ-Quants APIによる。株価・出来高はJ-Quants APIによる2026年8月14日終値時点の値。日経平均の終値・高値・安値は日経平均プロフィルの公表値、TOPIXはJ-Quants APIによる。14日の市況は報道による。発表予定はJPX「決算発表予定会社一覧」による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/toushou03.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7556 <![CDATA[ アシックスら354社が決算発表、1Q純利益47%増でも通期計画は11%増|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7556.html Thu, 13 Aug 2026 20:00:00 +0000 Sun, 16 Aug 2026 16:27:30 +0000 2 この記事でわかること
・☆【注目度S級】アシックス(7936)
・◎【注目度A級】アルバック(6728)
・★【要注意D級】フェローテックホールディングス(6890)
・○【注目度プラス】電通グループ(4324)
・【本日発表予定】
・今後の決算発表予定──またぎ注意

8月13日の東京市場

指標終値前日比
日経平均6万8308円59銭784円53銭高(+1.16%)
TOPIX4176.0437.04pt高(+0.89%)
プライム平均株価+0.86%
上げた銘柄/下げた銘柄1010/49964.9%/32.0%

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

13日の日経平均は784円53銭高の3日続伸で、約1か月ぶりに6万8000円台を回復した。前夜の米国市場で7月のCPIがインフレの鈍化を示し、早期利上げ観測が後退したことでハイテク株が買われた流れをそのまま引き継いでいる。AI・半導体関連が指数を押し上げ、東証33業種のうち21業種が上昇した。

注目したいのは、上げが指数だけの話ではないことだ。プライム平均株価も+0.86%で、上げた銘柄は1010、下げた銘柄は499ある。TOPIXと東証プライム指数は連日で最高値を更新し、東証スタンダード指数も5月以来の高値を付けた。東証プライムの売買代金は概算10兆206億円と厚い。

指数と銘柄数が同じ方向を向いている日は、買いが広く入っている。25日移動平均線も約1か月ぶりに上向きに転じた。7月の調整局面から地合いが変わりつつある地点で、今日の354社が乗る。

354社という数字の意味

今日14日に決算発表を行う予定なのは354社。内訳はグロース169社、スタンダード129社、プライム54社だ。

今週の並びは12日が203社、13日が217社、そして今日14日が354社。今日がこの期の決算発表としては最後の山になる。先週8月7日の680社に次ぐ規模だ。

そのあとは17日が6社、18日が3社、19日が2社、20日が1社と急速に減る。つまり持ち株の決算発表が今日あるかどうかで、来週以降の景色はまったく変わる。今日を越えれば、少なくとも決算発表という変数からはいったん解放される。

決算種別で見ると1Qが149社、2Qが118社、本決算が43社、3Qが42社。決算期は3月期148社、12月期118社、6月期44社、9月期43社だ。3月期の会社が今日出すのは1Qで、12月期の会社が出すのは2Q=上期にあたる。同じ「四半期決算」でも、12月期の会社は1年の折り返し地点だ。通期計画に対する進捗が半分に乗っているかどうかが、はっきり出る。

またぐか降りるかを決められる時間は、今日の取引時間しか残っていない。

☆【注目度S級】アシックス(7936/その他製品)12月期2Q プライム

 見どころ:前期2025年12月期は、売上高8109億1600万円、営業利益1425億1900万円、経常利益1392億9500万円、純利益987億1900万円だった。直近の1Q(2026年1〜3月)は売上高2702億6500万円で29.7%増、営業利益607億6200万円で36.5%増、経常利益587億7500万円で35.5%増、純利益465億6900万円で47.2%増と、どの段階でも大きく伸びている。営業利益率も前1Qの21.37%から22.48%へ上がった。ここまでは文句のつけようがない。ところが会社が置いた今期の通期計画は、売上高9500億円で17.2%増、営業利益1710億円で20.0%増、経常利益1650億円で18.5%増、そして純利益1100億円で11.4%増である。1Qの純利益が47.2%も伸びていながら、通期では11.4%増しか見ていない。

 2Qで見る数字:このねじれは、純利益と経常利益の比率を追うと形が見えてくる。1Qは経常利益587億7500万円に対して純利益465億6900万円で、79.23%が最終まで残った。前1Qは72.96%、前期通期の実績では70.87%である。ところが今期の通期計画は経常1650億円に対して純利益1100億円で、66.67%まで下がる。会社は、最終段階での目減りが今後大きくなる前提で計画を組んでいる。税負担なのか一過性の損失なのかは会社が明示していないため、ここは決めつけずに数字だけを見ておきたい。そのうえで今日の上期発表で見るのは2つ。1つは営業利益が前年並みのペースで出ているかどうかだ。前年の上期営業利益811億3200万円は前期通期実績1425億1900万円の56.93%にあたるので、今期計画1710億円に同じ比重を当てると973億円になる。上期で970億円前後に乗るかが目安で、これは前年上期からちょうど20%増の水準だ。もう1つは純利益と経常利益の比率が、1Qの79.23%を保つのか、それとも計画どおり縮み始めるのか。ここが今期の控えめな純利益計画の妥当性を測る材料になる。なお1Q時点の通期進捗は営業利益で35.53%、純利益で42.34%だった。

 スイング目線:13日終値は4766円で前日比0.63%安。3営業日前から4.24%安、20営業日では3.17%安と、下げてきた地点での発表になる。とくに12日は5046円から4796円へ1日で4.95%下げ、出来高が613万3400株と20日平均340万650株の1.80倍に膨らんだ。10日の高値5139円からは7.26%下げている。相場が3日続伸して6万8000円台を回復した13日も、この銘柄は0.63%安と逆行した。売買代金は205.5億円と厚く、日中値幅は20日平均で2.80%、直近5日では3.26%と広がってきている。上げてきた相場のなかで、この銘柄だけが売られている地点での発表という形だ。

 Point:私がこの銘柄で気になるのは、1Qの数字と会社の見通しが逆を向いていることだ。「1Q純利益47.2%増」だけを見れば絶好調だが、会社が置いた通期計画は11.4%増でしかない。会社は1Qの勢いがこのまま続くとは見ていない、と読むほうが素直だろう。前期は期中に3回、通期計画を引き上げて着地はさらにそれを上回った会社である。その会社が今期の純利益をここまで控えめに置いているのだから、上期の数字がよくても計画を据え置く可能性はある。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、株が動くのは決算の良し悪しそのものではなく市場予想との差だ。この会社の場合、比べる相手は市場予想と、会社自身が置いた控えめな計画の両方になる。数字がよくても計画が動かなければ「材料出尽くし」になりうるし、計画が引き上げられれば話は変わる。しかも直前に4.95%下げている。私なら発表をまたがず、出た数字と翌日の出来高を見てから考える。

◎【注目度A級】アルバック(6728/電気機器)6月期 本決算 プライム

 見どころ:この会社は6月期なので、今日出るのは本決算だ。今期2026年6月期の途中経過を追うと、会社が計画を大きく作り替えていることがわかる。2Q時点(2026年2月10日開示)の通期計画は売上高2500億円、営業利益285億円、経常利益285億円、純利益200億円、予想年間配当164円だった。ところが3Q時点(2026年5月12日開示)では売上高2600億円、営業利益190億円、経常利益190億円、純利益185億円、予想年間配当152円に変わっている。売上高は2500億円から2600億円へ4.0%引き上げながら、営業利益は285億円から190億円へ33.3%下方修正した。配当予想も164円から152円へ7.3%減らしている。

 本決算で見る数字:ここで見ておきたいのは、営業利益と純利益で下方修正の幅がまるで違うことだ。営業利益は33.3%減らしたのに、純利益は200億円から185億円へ7.5%しか減らしていない。この差が3Q時点の進捗にそのまま出ている。3Q累計(2025年7月〜2026年3月)は売上高1916億3100万円、営業利益147億1900万円、経常利益145億3400万円、純利益91億1100万円だった。修正後の通期計画に対する進捗は、売上高73.70%、営業利益77.47%に対して、純利益は49.25%である。営業段階では9か月で8割近くまで来ているのに、最終利益は半分にも届いていない。逆にいえば、4Qの3か月だけで純利益93億8900万円を出さないと計画に届かない。これは3Q累計91億1100万円の103.05%にあたる。残り3か月で、それまでの9か月ぶんを上回る最終利益が必要という計算だ。したがって今日の本決算では、まず営業利益が190億円に乗ったかを見て、そのうえで純利益が185億円にどこまで近づいたかを見る。営業利益が計画どおりでも、純利益だけが届かない着地はありうる。あわせて来期の計画と、152円に減らした配当をどう置くかも材料になる。

 スイング目線:13日終値は9404円で前日比2.67%高。3営業日前から7.12%高と直近は戻しているが、20営業日では4.79%安の水準にある。13日はAI・半導体主導の相場に乗って上げた形だ。ただし出来高は43万2700株で20日平均54万6845株の0.79倍と、戻したわりに商いが伴っていない。売買代金は40.7億円。日中値幅は20日平均で5.08%と荒く、直近5日では3.32%に落ち着いている。下げてきたところを数日で戻し、その途中で本決算をまたぐ形になる。

 Point:この会社で取り違えたくないのは、下方修正がすでに済んでいるという点だ。営業利益を33.3%減らしたのは今年5月の話で、今日の決算はその修正後の計画に対する答え合わせになる。悪い数字が出ること自体は、ある程度織り込まれている。むしろ私が見たいのは、営業利益と純利益の進捗が49.25%と77.47%に開いたまま4Qを迎えたことのほうだ。この開きが4Qで埋まるのかどうかは、営業外や税負担の動きしだいで、外から予想できるものではない。半導体製造装置は値幅が出やすく、20日平均で5%を超える銘柄でもある。数字の当てっこをする場面ではなく、出た数字と来期計画を見てから動くほうが分がいいと私は考えている。

★【要注意D級】フェローテックホールディングス(6890/電気機器)12月期1Q プライム

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

 見どころ:まず決算期の話から入る必要がある。この会社は3月期から12月期へ決算期を変更している最中で、今期は2026年4月1日から12月31日までの9か月決算だ。したがって今日出るのは、その9か月決算の1Q(2026年4〜6月)にあたる。前期までの3月期と単純に比べられないので、前期比を機械的に取ると意味をなさない。前期2026年3月期は売上高2889億3300万円で5.30%増、営業利益275億6100万円で14.41%増、経常利益260億6300万円で1.98%増、純利益148億8600万円で5.14%減だった。売上と営業利益は増えたのに、最終利益だけが減っている。そのうえで今期の話になるが、2026年7月22日に業績予想を大幅に引き上げている。売上高3500億円から3800億円へ8.6%、営業利益380億円から600億円へ57.9%、経常利益360億円から550億円へ52.8%、純利益230億円から330億円へ43.5%の上方修正だ。会社は理由として、半導体製造装置向けのセラミックス・石英・真空シール・金属加工に加え、AIデータセンター用の光トランシーバー向けサーモモジュールなど収益性の高い製品の需要増を挙げている。翌23日はストップ高買い気配で始まった。

 1Qで見る数字:9か月で営業利益600億円という計画は、前期(12か月)の実績275億6100万円の2.18倍にあたる。期間が4分の3に縮むのに利益が2倍を超えるという計画なので、月あたりに直すと形がはっきりする。売上高は前期の月240億7800万円から今期計画の月422億2200万円へ75.36%増、営業利益は月22億9700万円から66億6700万円へ190.27%増である。営業利益率でいえば、前期通期の9.54%から今期計画の15.79%へ跳ね上がる想定だ。したがって今日の1Qで見るのは、この計画のペースに実績が乗っているかどうかの一点になる。9か月計画を単純に3等分すると1四半期あたり売上1266億円・営業利益200億円だが、四半期ごとの偏りはあるので、この数字ちょうどを期待するものではない。むしろ前年同期にあたる2025年4〜6月の売上688億9900万円・営業利益66億7200万円・純利益26億7400万円と比べて、どれだけ変わったかを見るほうが実感がつかめる。上方修正から1か月足らずでの発表なので、会社が7月に見ていた景色が本当に数字として出ているかが問われる。

 スイング目線:13日終値は9230円で前日比3.24%高。3営業日前から6.58%高、20営業日では13.95%高と、上げてきた地点での発表になる。日中値幅は20日平均で6.44%と当日354社のなかでも荒く、13日当日も高値9540円・安値9150円で4.23%動いた。売買代金は87.2億円と厚く、流動性の心配はない。ただし出来高は93万7000株で20日平均174万6900株の0.54倍と、直近は細っている。この1か月の値動きを追うと、5日の高値9420円から7日の安値8350円まで11.36%下げ、そこから13日終値まで戻してきた形だ。上下どちらにも1割動く銘柄が、上方修正の直後に上げてきたところで四半期発表を迎える。

 Point:要注意D級は「業績が悪い株」ではなく「見ている人が少ないのに値が動く株」を指している。S級のアシックスは情報が行き渡っていて、すでに株価に織り込まれている部分が大きい。この会社は9か月の変則決算という読みにくさがあるぶん、数字が出た瞬間に評価が変わる余地が残っている。私が著書で中型株を重視すると書いたのも同じ理由だ。ただし「要注意」と付けているとおり、動くということは逆にも同じだけ動く。値幅が20日平均で6.44%あるということは、1日で1割近く動く日も含まれるということだ。7月の上方修正で株価はすでに反応しているので、今日の1Qが計画のペースに届かなければ、上げた分がそのまま戻る形もありうる。私なら発表をまたがず、数字と翌日の出来高を確かめてから考える。

○【注目度プラス】

上の3社ほど深くは追わないが、数字の背景を知らずに今日の決算だけを見ると読み違える会社を5社挙げておく。354社もあると、こういう銘柄が一覧のなかに埋もれる。

電通グループ(4324/サービス業)12月期2Q
 前期2025年12月期は営業損益が2892億1200万円の赤字、純損益が3276億100万円の赤字だった。したがって前期比を機械的に取ると意味をなさない——赤字からの比較になるからだ。今期1Q(2026年1〜3月)はすでに営業利益649億5800万円、純利益401億5300万円の黒字である。今期の通期計画は売上高1兆4915億円で前期比3.92%増、営業利益1526億円、純利益697億円。1Qの通期進捗は営業利益で42.57%、純利益で57.61%と、いずれも4分の1を大きく超えている。13日終値は3717円で前日比2.18%安、20営業日では7.96%高。売買代金58.3億円。上期の進捗が半分をどれだけ超えるかが見どころになる。

テラプローブ(6627/電気機器)12月期2Q
 半導体のテスト工程を請け負う会社だ。この会社は上期予想を数値で開示しているので、答え合わせの物差しがはっきりしている。上期予想は売上高263億円、営業利益66億円、経常利益65億2000万円、純利益23億3000万円。1Q実績は売上高127億2200万円、営業利益32億1100万円、経常利益32億5800万円、純利益11億6200万円で、上期予想に対する進捗は売上48.37%、営業利益48.65%、純利益49.87%と、ほぼ半分ちょうどで折り返している。つまり2Q(4〜6月)が1Q並みなら計画どおりに着地する。営業利益率は1Qで25.24%と高い。13日終値は1万2000円で前日比1.95%高、売買代金25.1億円。日中値幅は20日平均で7.30%と当日でも上位に入る荒さで、5日の高値1万3280円から7日の安値1万1250円まで15.29%振れている。

東邦亜鉛(5707/非鉄金属)3月期1Q
 この会社は株価の位置が偏っている。13日終値1028円は20営業日前から25.37%高で、当日発表の銘柄のなかでも上げ幅が大きい。背景として押さえておきたいのは前期の着地だ。前期3Q時点の通期計画は売上1230億円・営業利益48億円・純利益27億円だったが、通期の実績は売上1255億5000万円・営業利益67億2200万円・純利益47億8200万円で、営業利益で40.04%、純利益で77.11%も計画を上回った。4Q(2026年1〜3月)の3か月だけで純利益31億円を出しており、これは3Q累計17億3100万円の176.3%にあたる。前期の終盤に急に利益が出た会社という文脈を知らずに今日の1Qを見ると、判断を誤りやすい。なお前期・今期とも年間配当は0円で、無配が続いている。売買代金5.3億円、日中値幅は20日平均5.58%。

トリドールホールディングス(3397/小売業)3月期1Q
 丸亀製麺を展開する会社で、決算はIFRSだ。この会社で気をつけたいのは営業利益と最終利益の段差である。前期2026年3月期は売上収益2787億1500万円、営業利益105億7800万円に対して、純利益は23億1100万円しかない。営業段階から最終までに82億6700万円が消えている計算で、純利益は営業利益の21.85%にとどまる。営業利益率も3.80%と薄い。「営業増益」の見出しが出ても、最終利益がそれについてくるとは限らない構造なので、今日の1Qでは営業段階と最終段階を分けて見ておきたい。13日終値は4299円で前日比0.87%高、20営業日では4.62%高。売買代金12.6億円、日中値幅は20日平均2.40%と落ち着いている。年間配当11円。

KeePer技研(6036/サービス業)6月期 本決算
 カーコーティングの会社で、今日は6月期の本決算になる。この会社の数字は純利益が営業利益を上回るという、通常とは逆の形をしている。3Q累計(2025年7月〜2026年3月)は売上高182億5300万円、営業利益42億7900万円、経常利益42億9100万円に対して、純利益は76億3100万円。純利益が営業利益を33億5200万円も上回っている。通期計画も営業利益72億8700万円に対して純利益93億4000万円と、同じ形で置かれている。この段差の理由は会社の開示から特定できていないので、ここでは事実として押さえるにとどめる。3Qの通期進捗は売上69.40%、営業利益58.72%、純利益81.70%。営業利益の進捗が6割を切っている点は、今日の本決算で確かめたいところだ。13日終値2957円、売買代金3.1億円と細く、日中値幅は20日平均2.00%。予想年間配当100円。

【本日発表予定】

上で取り上げた8社を除く346社が今日発表する。プライムの主なものを決算期ごとに挙げておく。

■3月期 1Q(プライム23社)

SOMPOホールディングス(8630/保険業) ── 前期の純利益は6400億8600万円。損保大手の1Q。
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725/保険業) ── 同じく損保大手。同日発表で比較しやすい。
シチズン時計(7762/精密機器) ── 時計・工作機械。為替の影響が出やすい。
日本電子(6951/電気機器) ── 電子顕微鏡・半導体関連装置。
サンドラッグ(9989/小売業) ── ドラッグストア。内需の実勢が出る。
ラクス(3923/情報・通信業) ── クラウド型の経費精算。SaaSの成長率が見どころ。
ワタミ(7522/小売業)松屋フーズホールディングス(9887/小売業) ── 外食2社。原材料と人件費の転嫁が読める。

アイコム(6820)/エムアップホールディングス(3661)/オプティム(3694)/プロシップ(3763)/コムチュア(3844)/アステリア(3853)/シンクロ・フード(3963)/キャリアリンク(6070)/おきなわフィナンシャルグループ(7350)/ネットプロテクションズホールディングス(7383)/あいちフィナンシャルグループ(7389)/魚力(7596)/東京産業(8070)/ゼビオホールディングス(8281)/琉球銀行(8399)

■12月期 2Q(プライム15社)

荏原製作所(6361/機械) ── ポンプ・半導体装置。上期予想を売上4780億円・営業益495億円と数値で開示しており、1Qの営業益267億4900万円は上期計画の54.0%まで来ている。13日終値5906円は前日比3.20%高。
GMOインターネットグループ(9449/情報・通信業)GMOインターネット(4784/サービス業) ── 親子が同日に発表する。混同しやすいので注意。
日機装(6376/精密機器) ── 人工透析装置と航空機部品。
ノーリツ鋼機(7744/精密機器) ── 事業構成が入れ替わった会社。前期比の読み方に注意。

ホットランドホールディングス(3196)/オロ(3983)/Sun Asterisk(4053)/ベース(4481)/IBJ(6071)/Orchestra Holdings(6533)/ヤーマン(6630)/マネジメントソリューションズ(7033)/フロンティア・マネジメント(7038)/ラックランド(9612)

■9月期 3Q(プライム6社)

GMOペイメントゲートウェイ(3769/情報・通信業) ── 決済代行。9月期なので今日は3Q=4分の3の地点。
アンビスホールディングス(7071/サービス業) ── 医療療養型の住宅。

横浜冷凍(2874)/エアトリ(6191)/アドバンスクリエイト(8798)/クオンツ総研ホールディングス(9552)

■6月期 本決算(プライム3社)

朝日インテック(7747/精密機器) ── 医療用ガイドワイヤで世界的なシェア。6月期の本決算。

And Doホールディングス(3457)/テスホールディングス(5074)

■そのほか

燦ホールディングス(9628/サービス業)は8月期の変則決算にあたる。スタンダード129社・グロース169社もこの日に集中しており、数のうえではこちらが大半を占める。

今後の決算発表予定──またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

今日で山は終わる。17日は6社、18日は3社、19日は2社、20日は1社、21日は2社と、来週は一気に細る。今日の354社を越えれば、決算発表という変数からはいったん解放される。

逆にいえば、今日が最後の関門だ。持ち株の決算発表が今日のなかにあるなら、またぐかどうかを決められるのは今日の取引時間しか残っていない。数字が良いか悪いかを当てにいくのではなく、持ち越すこと自体が賭けになっていないかを考えたい。

相場のほうは3日続伸で6万8000円台を回復し、25日移動平均線も上向きに転じた。地合いが変わりつつあるのは確かだが、地合いが良いことと、個別の決算が良いことは別の話だ。良い相場のなかで1社だけ売られることもあれば、その逆もある。今日のアシックスが、相場が3日続伸するなかで逆行安になっていたのがその例だ。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月13日の対象は1557銘柄だった。

日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、「数のうえで上げた銘柄が多かったのか」を見るのに向いている。

13日はこの3つが同じ方向にそろった日だった。日経平均+1.16%、TOPIX+0.89%、プライム平均株価+0.86%。上げた銘柄は1010で全体の64.9%、下げた銘柄は499で32.0%だった。指数の上げ幅と、銘柄数で見た広がりが一致している。AI・半導体が主導した上げではあるが、その恩恵が一部の値がさ株にとどまらなかった日だと読める。

ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。

なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(アシックス:2026年12月期第1四半期決算短信〔日本基準〕、フェローテックホールディングス:2026年7月22日「(開示事項の訂正)2026年12月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」、アルバック・電通グループ・テラプローブ・東邦亜鉛・トリドールホールディングス・KeePer技研・荏原製作所:各社の直近決算短信)にもとづく。株価・出来高・日中値幅・売買代金は、JPX公式のJ-Quants APIによる2026年8月13日終値時点の値。日経平均の終値は日経平均プロフィルの公表値、TOPIXはJ-Quants APIによる。13日の市況は報道による。発表予定はJPX「決算発表予定会社一覧」による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/toushou03.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7552 <![CDATA[ ネクソンら217社が決算発表、1Q営業益4割増でも上期予想は減益含み|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7552.html Wed, 12 Aug 2026 20:00:00 +0000 Sun, 16 Aug 2026 16:28:03 +0000 2 この記事でわかること
・☆【注目度S級】ネクソン(3659)
・◎【注目度A級】三越伊勢丹ホールディングス(3099)
・★【要注意D級】RS Technologies(3445)
・○【注目度プラス】トレンドマイクロ(4704)
・【本日発表予定】
・今後の決算発表予定

8月12日の東京市場

指標終値前日比
日経平均6万7524円06銭553円84銭高(+0.83%)
TOPIX4139.0038.39pt高(+0.94%)
プライム平均株価+0.52%
上げた銘柄/下げた銘柄983/53063.2%/34.1%

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

12日の日経平均は553円84銭高で続伸した。米国株は全般に安かったが半導体関連がしっかりで、後場に韓国の総合株価指数が上げたのをきっかけに半導体にもう一段の買いが入っている。中東情勢と原油高で上値は重かった。

注目したいのは、TOPIXが終値ベースで最高値を更新したことだ。指数の上げ幅そのものは日経平均+0.83%、TOPIX+0.94%と大きくないが、プライム平均株価も+0.52%で、上げた銘柄が983、下げた銘柄が530ある。

10日と比べると中身の違いがはっきりする。10日は日経平均が2.08%上げてもプライム平均株価は+0.45%どまりで、半導体という一部の値がさ株が指数を持ち上げた日だった。12日は3つの指標が同じ方向に、同じくらいの幅で動いている。薄く広く買われた日である。

お盆で商いは細っているが、直近1か月の調整で売り物もある程度は消化されている。そこへ今日の217社が乗る。

217社という数字の意味

今日13日に決算発表を行う予定なのは217社。内訳はプライム49社、スタンダード76社、グロース92社だ。

今週の並びは12日が203社、今日13日が217社、明日14日が354社。明日14日が、この期の決算発表としては最後の山になる。先週8月7日の680社に次ぐ規模だ。

そのあとは17日が6社、18日が3社、19日が2社と急速に減る。つまり持ち株の決算発表が今週にあるかどうかで、お盆の過ごし方はまったく変わる。

今日と明日で571社が出る。ここを越えれば、少なくとも決算発表という変数からはいったん解放される。逆にいえば、今日と明日は変数がもっとも多い2日間だ。またぐか降りるかを決められる時間は、今日の取引時間しか残っていない。

12月期の会社が今日出すのは2Q=上期にあたる。今日のプライム49社のうち、3月期の1Qが20社、12月期の2Qが17社と、この2つでほとんどを占める。同じ「四半期決算」でも、12月期の会社は1年の折り返し地点だ。通期計画に対する進捗が半分に乗っているかどうかが、はっきり出る。

☆【注目度S級】ネクソン(3659/情報・通信業)12月期2Q プライム

 見どころ:前期2025年12月期は、売上収益4751億200万円、営業利益1240億1200万円、親会社の所有者に帰属する当期利益920億5200万円だった。直近の1Q(2026年1〜3月)は売上収益1522億3400万円で33.6%増、営業利益581億6300万円で39.8%増、親会社帰属の四半期利益572億2500万円で117.8%増と、どの段階でも大きく伸びている。ここまでは明るい数字だ。ところが同じ短信で示された上期(1〜6月)の予想が、単一の数値ではなくレンジで置かれている。売上収益2591億9000万円〜2719億500万円(11.3%増〜16.8%増)、営業利益742億2200万円〜835億700万円(6.4%減〜5.3%増)、親会社帰属の四半期利益733億900万円〜804億200万円(70.4%増〜86.8%増)。1Qが営業益で4割近く増えていながら、上期は減益もありうるという置き方である。

 2Qで見る数字:この上期予想から1Q実績を差し引くと、4〜6月の3か月ぶんが出てくる。営業利益は160億5900万円〜253億4400万円。前年同期にあたる2025年4〜6月は、前年上期の営業益793億900万円から前年1Qの416億1100万円を引いた376億9800万円だった。つまり4〜6月だけを取ると57.4%減〜32.8%減という予想になる。売上収益も同じ計算をすると1069億5600万円〜1196億7100万円で、前年同期1188億5000万円に対して10.0%減〜0.7%増。売上はほぼ横ばいを見込みながら、営業利益だけが3割から6割落ちる形だ。したがって今日見るべきは、上期の着地がレンジのどのあたりに来るかと、その差が何によって生まれているかになる。費用が先行しているのか、それとも1Qに載った収益が一時的なものだったのか。会社は通期予想を数値で開示していないため、この上期レンジが唯一の物差しになる。

 スイング目線:12日終値は2526円で前日比2.33%高。3営業日前から6.07%高、20営業日では11.74%高と、上げてきた地点での発表になる。この日の高値2526円は終値と同値で、高値引けだ。出来高は295万4100株で20営業日平均の1.07倍、売買代金は74.0億円と当日217社のなかで最も厚い部類に入る。日中値幅は20営業日平均で3.42%。上げてきたところで、しかも「減益もありうる」と会社自身が示しているレンジの答え合わせを迎える。上にも下にも振れる材料がそろっている。

 Point:私がこの銘柄で気になるのは、見出しになる数字と会社が示した見通しが逆を向いていることだ。「1Q営業益39.8%増」だけを見れば好調そのものだが、会社が置いた上期レンジの下限は減益である。会社は1Qの勢いが4〜6月まで続くとは見ていない、と読むほうが素直だろう。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』に書いたのは、株が動くのは決算の良し悪しそのものではなく市場予想との差だということだが、この会社の場合は比べる相手が市場予想ではなく、会社自身が出したレンジになる。レンジの真ん中に着地すれば「想定どおり」で材料出尽くしもありうるし、上限を超えれば話は変わる。いずれにせよ答えは今日の引け後に出る。私なら発表をまたがず、出た数字と翌日の出来高を見てから考える。

◎【注目度A級】三越伊勢丹ホールディングス(3099/小売業)3月期1Q プライム

 見どころ:前期2026年3月期は、売上高5456億2600万円で1.8%減、営業利益800億2000万円で4.9%増、経常利益865億8700万円で1.7%減、純利益760億9600万円で44.1%増だった。減収で営業増益、経常は減益なのに最終利益だけが4割以上増えている。そのうえで今期2027年3月期の計画が、売上高5600億円で2.6%増、営業利益815億円で1.8%増、経常利益800億円で7.6%減、純利益615億円で19.2%減増収・営業増益の計画を掲げながら、経常と純利益だけが減る形だ。

 1Qで見る数字:この計画のねじれは、2つの数字を追うと見えてくる。1つは営業外収支だ。経常利益から営業利益を引くと、前期は65億6700万円のプラス、前々期は118億1000万円のプラスだった。ところが今期計画は800億円-815億円で15億円のマイナスになる。前期からの振れ幅は80億6700万円だ。もう1つは税負担で、純利益を経常利益で割ると前々期59.9%、前期87.9%、今期計画76.9%。前期は最終段階での目減りが極端に小さかった。この2つが今期は正常な水準に戻る前提で計画が組まれている。したがって1Qで見るのは、まず営業利益が前年並みのペースで出ているかどうか。前1Q(2025年4〜6月)の営業利益156億5000万円は前期通期800億2000万円の19.6%にあたるので、今期計画815億円に同じ配分を当てると159億3900万円。160億円前後に乗るかが目安になる。もう1つは経常と純利益の関係で、前1Qは経常170億7900万円に対して純利益188億3800万円と、1Qの時点ですでに最終利益が経常を上回っていた。今期の1Qで同じ形が出るのか、それとも会社計画どおり縮むのか。ここが今期の減益計画の妥当性を測る材料になる。

 スイング目線:12日終値は3677円で前日比0.88%高。3営業日前から1.69%高だが、20営業日では7.71%安と、下げてきたところで直近数日だけ戻している位置だ。出来高は203万4600株で20営業日平均の0.93倍と、むしろ細っている。売買代金は74.6億円と厚い。日中値幅は20営業日平均で2.87%、直近5営業日では2.26%と落ち着いている。商いが細ったまま、下げ止まったかどうかがまだ確認できていない地点での発表になる。

 Point:この会社で取り違えたくないのは、どの段階の利益を見ているかだ。前期の「純利益44.1%増」と今期計画の「純利益19.2%減」を並べると急ブレーキに見えるが、営業段階では4.9%増から1.8%増へと、伸びが鈍るだけである。最終利益の落差をつくっているのは本業ではなく、営業外と税負担だ。私が決算で最初に見るのは売上・利益・前年同期比の3つだが、この会社に関しては営業利益で本業を測り、経常から下は「前期がよすぎた反動」として別に受け取るようにしている。発表後にニュースの見出しが「減益」と出ても、それが本業の話なのかどうかを確かめたい。見出しだけで判断すると、逆の方向に動くことになりかねない。

★【要注意D級】RS Technologies(3445/金属製品)12月期2Q プライム

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

 見どころ:半導体向けのシリコンウェーハ再生と、その原料となる材料を手がける会社だ。前期2025年12月期は売上高767億700万円で29.6%増、営業利益142億8100万円で9.0%増、経常利益166億3500万円で6.2%増、純利益92億9700万円で1.6%減だった。売上が3割近く伸びているのに、純利益はわずかに減っている。そのうえで今期2026年12月期の計画は、通期が売上高840億円で9.5%増、営業利益154億円で7.8%増、経常利益172億円で3.4%増、純利益100億円で7.6%増。上期は売上高400億円で5.3%増、営業利益75億円で5.6%増、経常利益84億円で17.4%増、純利益50億円で31.6%増通期では1割に満たない伸びを見込みながら、上期の純利益だけ3割増を置いている。

 2Qで見る数字:直近の1Q(2026年1〜3月)は売上高191億5300万円で8.7%増、営業利益36億3000万円で21.0%増、経常利益42億4700万円で30.6%増、純利益19億2600万円で12.2%増だった。これを上期計画と突き合わせると、売上は47.9%、営業は48.4%、経常は50.6%まで来ている。ところが純利益だけは38.5%しか届いていない。残る4〜6月で30億7400万円を積まないと上期計画50億円には乗らない計算だ。1Qが19億2600万円だったことを思えば、この四半期だけで1Qの1.6倍を出す必要がある。前期の上期営業益71億300万円は通期142億8100万円の49.7%で、この会社の上期は通期のほぼ半分という配分だった。したがって営業段階は計画どおりのペースだと言える。見るべきは純利益で、上期計画の31.6%増という置き方が実現できているかどうかだ。

 スイング目線:12日終値は6800円で前日比0.58%安。日中値幅は20営業日平均で6.68%あり、当日217社のうち売買代金5億円以上の26社のなかで3番目、プライムの銘柄では最も大きい。売買代金は13.2億円で、この枠の基準である5億円を上回っている。出来高は19万3800株で20営業日平均の0.68倍と細っており、直近5営業日の値幅も6.06%と高いままだ。騰落は3営業日で0.44%安、5営業日で1.04%高、20営業日では10.53%安。下げてきたあと、細い商いのなかで日々6%以上振れている状態での発表になる。

 Point:要注意D級に挙げるのは、業績が悪い会社ではない。見ている人が少ないのに、値が動く会社だ。ネクソンのように売買代金74億円が集まる銘柄は、材料が行き渡って織り込まれている。この会社は代金13.2億円で、数字が出た瞬間に評価が変わる余地が残っている。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で中型株を重く見ているのは、この余地があるからだ。ただし要注意と付けているとおり、動くということは逆にも同じだけ動くということである。出来高が20営業日平均の0.68倍まで細っているところに決算発表が来るので、薄い板に注文が入れば値幅はふだんの6.68%よりさらに開きうる。純利益の進捗が38.5%どまりという事実は、上振れにも下振れにも読める。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

○【注目度プラス】

上の3社ほど深くは追わないが、数字の背景を知らずに決算だけ見ると読み違える会社を挙げておく。217社もあると、こういう銘柄が一覧のなかに埋もれがちになる。

トレンドマイクロ(4704/情報・通信業)12月期2Q
 セキュリティソフト大手で、12月期なので今日出るのは2Q=上期にあたる。前期2025年12月期は売上高2759億8400万円、営業利益577億7700万円、純利益345億2300万円。この営業利益は前々期481億500万円から20.1%増えている。ところが今期2026年12月期の計画は、売上高3015億円で9.3%増なのに営業利益564億円で2.4%減、純利益366億円で6.0%増。増収なのに営業減益という置き方だ。直近の1Q営業利益155億5800万円は前年1Qの150億600万円から3.7%増で、通期計画564億円に対しては27.6%。前期は上期の営業益284億7200万円が通期の49.3%だったので、上期で通期計画の半分に届くかが1つの目安になる。12日終値は6966円で0.72%高、20営業日では11.60%高と上げてきた位置だ。売買代金59.6億円。

KADOKAWA(9468/情報・通信業)3月期1Q
 前期2026年3月期は、営業利益81億200万円で51.3%減、純利益12億7800万円で82.7%減と大きく落ち込んだ。注意したいのは、この前期が期中に何度も下方修正された結果だということだ。2025年8月の1Q発表時点で会社が掲げていた通期の純利益計画は114億円で、着地した12億7800万円はその11.2%にすぎない。そのうえで今期2027年3月期の計画は、売上高3003億円、営業利益101億円で24.7%増、純利益58億円で353.8%増。前期がここまで沈んだので、前年同期比は機械的に取ると跳ね上がる。見るべきは前年比ではなく計画に対する進捗のほうだ。前1Qの営業利益23億1800万円は今期計画101億円の23.0%にあたる。12日終値は3602円で0.87%高、20営業日では4.10%安。

サンケン電気(6707/電気機器)3月期1Q
 前期比を機械的に取ると、この会社ほど実態から離れる例は少ない。前々期2025年3月期は営業損益が37億8800万円の赤字なのに、純利益は509億3400万円の黒字だった。前期2026年3月期は売上高801億7500万円で34.1%減、営業損益47億2800万円の赤字、純損益97億9800万円の赤字。2期を並べると純利益が600億円動いているが、本業の営業損益は両期とも赤字である。今期2027年3月期の計画は売上高865億円、営業利益14億円、経常利益1億円、純利益10億円で、3期ぶりの営業黒字転換を掲げている。前1Q(2025年4〜6月)は営業損益3億8700万円の赤字だったので、今日の1Qで赤字幅が縮んでいるかがまず見るところだ。12日終値は8536円で2.18%安、20営業日では15.98%安と売られてきた位置にある。日中値幅は4.81%と当日でも上位。

PKSHA Technology(3993/情報・通信業)9月期3Q
 9月期の会社なので、今日出るのは3Qにあたる。直近の2Q累計(2025年10月〜2026年3月)は売上収益187億1200万円で前年同期比85.8%増と急拡大した。ところが営業利益は33億4700万円で5.9%減、純利益は18億6500万円で12.5%減と、どちらも前年を下回っている。売上が8割以上増えているのに利益が減る形だ。今期の通期計画は売上収益350億円で前期比60.8%増、純利益28億5000万円で6.2%増。売上は6割増を見込みながら、利益は横ばい圏に置いている。2Q時点の進捗は売上53.5%、純利益65.4%。前年は3Q累計の営業利益が46億3500万円で、3Q単独では10億7800万円だった。今日の3Qで、売上の伸びが利益に回り始めているかどうかが見どころになる。12日終値は3010円で3.79%高、出来高は20営業日平均の1.28倍と膨らんでいる。

加賀電子(8154/卸売業)3月期1Q
 電子部品商社で、前期2026年3月期は売上高6589億4100万円で20.3%増、営業利益278億2400万円で17.9%増、経常利益299億3000万円、純利益310億9900万円で82.1%増だった。純利益310億9900万円が経常利益299億3000万円を11億6900万円上回っている。前期は期中に通期の売上計画を5740億円、5950億円、6200億円と3度引き上げたうえで、6589億4100万円で着地した経緯もある。上振れを重ねた翌期の計画が、売上高6450億円で2.1%減、営業利益285億円で2.4%増、純利益200億円で35.7%減。減収で最終利益は3分の1以上減る置き方だ。前1Qの営業利益64億8400万円は今期計画285億円の22.8%にあたる。12日終値は5160円で4.03%高、20営業日では23.44%高と大きく上げた地点での発表になる。出来高も20営業日平均の1.30倍。

【本日発表予定】

今日13日に決算発表を行う予定なのは217社。市場別ではプライム49社、スタンダード76社、グロース92社である。上で取り上げた8社を除いた、プライムの銘柄を決算期ごとに挙げておく。

■3月期 1Q(19社)
ライフドリンク カンパニー(2585/食料品) / JPホールディングス(2749/サービス業) / オイシックス(3182/小売業) / ケイアイスター不動産(3465/不動産業) / 力の源ホールディングス(3561/小売業) / じげん(3679/情報・通信業) / ダブルスタンダード(3925/情報・通信業) / チェンジホールディングス(3962/情報・通信業) / カネカ(4118/化学) / アミューズ(4301/サービス業) / 日本システム技術(4323/情報・通信業) / ぴあ(4337/サービス業) / デジタルガレージ(4819/情報・通信業) / 古河機械金属(5715/非鉄金属) / ワイエイシイホールディングス(6298/機械) / スターゼン(8043/卸売業) / 光通信(9435/情報・通信業) / ビジネスブレイン太田昭和(9658/情報・通信業) / 学究社(9769/サービス業)

■12月期 2Q(16社)
六甲バター(2266/食料品) / すかいらーくホールディングス(3197/小売業) / 地主(3252/不動産業) / ファインデックス(3649/情報・通信業) / セレス(3696/情報・通信業) / GMOグローバルサイン・ホールディングス(3788/情報・通信業) / Appier Group(4180/情報・通信業) / テイクアンドギヴ・ニーズ(4331/サービス業) / メドレー(4480/情報・通信業) / 大幸薬品(4574/医薬品) / CAC Holdings(4725/情報・通信業) / サイボウズ(4776/情報・通信業) / バリューHR(6078/サービス業) / エル・ティー・エス(6560/サービス業) / マーキュリアホールディングス(7347/証券、商品先物取引業) / 建設技術研究所(9621/サービス業)

■9月期 3Q(3社)
ディア・ライフ(3245/不動産業) / GMOフィナンシャルゲート(4051/情報・通信業) / 日本ビジネスシステムズ(5036/情報・通信業)

■6月期 本決算(3社)
アイスタイル(3660/情報・通信業) / 澁谷工業(6340/機械) / キュービーネットホールディングス(6571/サービス業)

このほかスタンダード・グロースの銘柄が168社ある。

今後の決算発表予定

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

明日14日は354社と、この期の決算発表としては最後の山になる。電通グループ(4324)、荏原製作所(6361)、日本電子(6951)、アルバック(6728)、ラクス(3923)、アシックス(7936)、シチズン時計(7762)、朝日インテック(7747)、GMOペイメントゲートウェイ(3769)などが控えている。プライムだけで54社だ。

その先は急に減る。17日が6社、18日が3社、19日が2社。18日はパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)の6月期本決算、19日はあい ホールディングス(3076)の6月期本決算が出る程度になる。

つまり山は今日と明日で終わる。この2日で571社が出るので、持ち株の決算発表がこのなかにあるなら、またぐかどうかを決められるのは今日の取引時間だけだ。数字が良いか悪いかを当てにいくのではなく、持ち越すこと自体が賭けになっていないかを考えたい。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月12日の対象は1556銘柄だった。

日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、「数のうえで上げた銘柄が多かったのか」を見るのに向いている。

12日はこの3つが同じ方向にそろった日だった。日経平均+0.83%、TOPIX+0.94%、プライム平均株価+0.52%。上げた銘柄は983で全体の63.2%、下げた銘柄は530で34.1%だった。10日は日経平均+2.08%に対してプライム平均株価が+0.45%と大きく開いていたので、同じ「上げた日」でも中身が違う。

ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。

なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(ネクソン:2026年12月期第1四半期決算短信〔IFRS〕、三越伊勢丹ホールディングス:2026年3月期決算短信〔日本基準〕、RS Technologies・トレンドマイクロ・KADOKAWA・サンケン電気・PKSHA Technology・加賀電子:各社の直近決算短信)にもとづく。株価・出来高・日中値幅・売買代金は、JPX公式のJ-Quants APIによる2026年8月12日終値時点の値。日経平均の終値は日経平均プロフィルの公表値、TOPIXはJ-Quants APIによる。12日の市況は報道による。発表予定はJPX「決算発表予定会社一覧」による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/toushou04.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7529 <![CDATA[ お盆の薄商いに203社の決算発表、値が振れやすいのはここから|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7529.html Tue, 11 Aug 2026 20:00:00 +0000 Tue, 11 Aug 2026 02:23:20 +0000 2 この記事でわかること
・☆【注目度S級】東京海上ホールディングス(8766)
・◎【注目度A級】TOPPANホールディングス(7911)
・★【要注意D級】ラサ工業(4022)
・○【注目度プラス】日本マイクロニクス(6871)
・【本日発表予定】
・今後の決算発表予定

8月12日の東京市場

指標終値前日比
日経平均6万6970円22銭1363円51銭高(+2.08%)
TOPIX4100.6125.68pt高(+0.63%)
プライム平均株価+0.45%
上げた銘柄/下げた銘柄916/60358.9%/38.8%

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

10日の日経平均は1363円51銭高と大きく上げた。米雇用統計が下振れして早期利上げ観測が後退し、前週末の米国市場でハイテク株が買われた流れを引き継いだ格好だ。

ただ、この2.08%という上げ幅は相場全体の実勢とは差がある。TOPIXは+0.63%、プライム平均株価は+0.45%にとどまった。上げた銘柄は916で全体の58.9%、下げた銘柄も603ある。日経平均は株価平均型なので、値がさの半導体株が買われると指数が大きく振れる。

つまり10日は「半導体は大きく買われたが、それ以外は小幅高どまり」の日だった。実際、今日12日に発表する東京海上ホールディングスは2.36%安、クレディセゾンは1.82%安と、金融・保険には逆行安が目立つ。

お盆の薄い商いに、発表が積み上がる

今週は11日の山の日で1日休みが入り、そこからお盆の時期に入る。この時期は機関投資家の売買が細りやすく、その反面で個人の売買比率が上がる。

そこへ決算発表が積み上がる。今日12日が203社、13日が217社、14日が354社。とくに14日は、先週8月7日の680社に次ぐ規模で、この期の決算発表としては最後の山になる。

売買が細るときは、同じ材料でも値が振れやすくなる。買い手も売り手も少ないところに注文が入るためだ。ふだんなら1%の下げで収まる売りが3%動くことも、逆に薄い買いで大きく上げることもある。

気をつけたいのは、その値動きを実勢と取り違えることだ。薄商いのなかで出た大きな陽線を「上がり始め」と読んで飛び乗ると、商いが戻った時に元の水準へ引き戻される。私が出来高を伴っているかどうかにこだわるのは、こういう場面で判断を誤らないためでもある。

持ち株の決算発表日が13日か14日にあるなら、またぐか降りるかの判断は、今日を含めて2営業日しかない。

会計基準が変わる年の決算を、どう読むか

今日の目玉である東京海上ホールディングスには、決算を読むうえで避けて通れない事情がある。今期から国際会計基準(IFRS)を適用していることだ。

同社は5月20日に日本基準の本決算を開示したあと、6月26日にIFRSでの本決算をあらためて開示した。この2つで、同じ前期(2026年3月期)の純利益が違う数字になっている。

開示前期の純利益今期予想
5月20日(日本基準)9804億2800万円8300億円
6月26日(IFRS)5312億5500万円8300億円

今期予想はどちらも8300億円で同じだ。ところが前期の実績が4491億円も違うため、増減率がまったく別の顔になる。IFRSの前期5312億5500万円と比べれば56.2%の増益、日本基準の前期9804億2800万円と比べれば15.3%の減益になる。

実際、5月の予想開示のとき、時事通信は「純利益予想56.2%増」と報じ、日本経済新聞は「純利益15.3%減」と報じた。どちらも間違っていない。要は基準の取り方が違うだけだ。

会計基準が変わると、利益の計上の仕方そのものが変わる。保険会社の場合、保険契約から生じる収益や負債の測り方がIFRSと日本基準で異なるため、同じ事業から出てくる利益の数字が変わる。会社が儲かり方を変えたわけではない。

ここで押さえておきたいのは、「前年同期比」という物差しが今期は素直に使えないということだ。今日出る1Qも、比較対象を日本基準の前1Q(純利益4668億2000万円)に取るのか、IFRSに引き直した数字に取るのかで、見え方が変わる。

決算発表のあと、ニュースの見出しに「増益」と出るか「減益」と出るかは、媒体がどちらの基準を比較対象に選ぶかで決まる可能性がある。見出しだけで判断せず、何と比べた数字なのかを確かめたい。

☆【注目度S級】東京海上ホールディングス(8766/保険業)3月期1Q プライム

 見どころ:前期2026年3月期は、日本基準で経常収益8兆8722億7700万円、経常利益1兆3486億3000万円、純利益9804億2800万円だった。同じ前期をIFRSで測り直すと純利益は5312億5500万円になる。今期2027年3月期の予想は8300億円で、この数字自体は5月20日の日本基準開示でも6月26日のIFRS開示でも変わらない。直近の1Q(2025年4〜6月)は日本基準で経常収益2兆2685億2900万円、経常利益5652億8700万円、純利益4668億2000万円だった。前1Qの純利益4668億2000万円は、日本基準の前期通期9804億2800万円に対して47.6%にあたる。保険会社の1Qは通期の半分近くを稼ぐ配分になっている。

 1Qで見る数字:見るべきは3つある。1つ目は、開示がIFRSベースで出てくるか。今期からIFRSを適用しているので、四半期の開示も基準が切り替わる。2つ目は、その数字が今期予想8300億円に対してどこまで来ているか。前期の配分どおりなら1Qで4割台に乗る計算になるが、IFRSでは収益の計上時期が変わるため、日本基準と同じ配分になるとはかぎらない。3つ目は、会社が前年同期比をどう示すか。IFRSに引き直した前1Qの数字を並べてくるのか、それとも通期予想に対する進捗だけを示すのか。ここが揃わないと、増益か減益かの判断そのものが立たない。

 スイング目線:10日終値は7752円で前日比2.36%安。日経平均が2.08%上げた日に逆行安した。3営業日前の7日終値7939円からは0.13%高で、水準そのものは大きく変わっていない。7日に7939円まで買われたあと、10日に売られて戻した形だ。出来高は10日が380万9900株で、5日の321万3800株から増えている。半導体に資金が向かった日に保険が売られており、セクターの資金移動がそのまま出ている。

 Point:会計基準が変わる年の決算は、数字そのものより「何と比べた数字か」が問題になる。同じ8300億円が56.2%増にも15.3%減にも見えるというのは、読む側の物差し次第で評価が反転しうるということだ。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』に書いたのは、決算はまたぐものではなく結果と反応を見てから動くものだということだが、基準が切り替わる年はこの「反応を見る」ということがとくに効く。市場がどちらの物差しで見たかは、発表後の値動きにしか現れないからだ。私なら当日の初動ではなく、翌日以降に出来高を伴って方向が定まってから判断する。

◎【注目度A級】TOPPANホールディングス(7911/その他製品)3月期1Q プライム

 見どころ:前期2026年3月期は、売上高1兆8050億3300万円、営業利益671億800万円、純利益648億100万円だった。ここで目を引くのは前期の期初計画との差だ。期初は売上高1兆8800億円、営業利益920億円、純利益650億円を掲げていた。営業利益は920億円の計画に対して671億800万円で、72.9%しか届いていない。ところが純利益は650億円の計画に対して648億100万円と、99.7%まで着地している。営業段階で250億円近く未達だったものが、最終利益ではほぼ計画どおりになった。営業外や特別損益で埋めた形だ。そのうえで今期2027年3月期の計画は、売上高1兆9250億円で6.65%増、営業利益800億円で19.21%増、純利益550億円で15.12%減。増収で営業増益なのに、純利益だけが減益という計画である。

 1Qで見る数字:前1Q(2025年4〜6月)は売上高3975億6100万円、営業利益135億4100万円、純利益93億7000万円だった。この営業利益135億4100万円は、前期通期671億800万円の20.2%、今期計画800億円に対しては16.9%にあたる。今期は営業益で19.21%増を計画しているので、1Qでも前年同期を上回るペースが要る。目安として、通期計画800億円の2割にあたる160億円前後に乗ってくるかを見たい。もう1つ、純利益が計画どおり減る形になっているか。前期は営業益が未達でも純利益が着地した会社なので、営業と最終のどちらで見るかで評価が変わる。

 スイング目線:10日終値は4816円で前日比2.51%高。3営業日前から2.45%高で、じりじりと上げてきた地点での発表になる。出来高は10日が123万4600株と、7日の104万9100株から増えた。日中値幅は20営業日平均で3.65%あり、売買代金は59.2億円と厚い。ただ直近5営業日の値幅は2.41%と落ち着いてきており、20営業日では7.4%下げている。下げてきたところから直近3日で戻している最中の発表という位置づけだ。

 Point:この会社で気をつけたいのは、営業利益と純利益が別の動きをすることだ。前期は営業益が計画の72.9%どまりでも純利益はほぼ計画どおりだった。今期計画は逆に、営業益19.21%増で純利益15.12%減。同じ会社の同じ決算を、営業で見るか最終で見るかで印象が大きく変わる。私が決算で最初に見るのは売上・利益・前年同期比の3つだが、この会社に関しては営業利益で本業の実力を見て、純利益の増減は中身を確かめてから受け取るようにしている。数字が良くても悪くても、どの段階の利益なのかを取り違えないことだ。

★【要注意D級】ラサ工業(4022/化学)3月期1Q プライム

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

 見どころ:リン化合物や高純度薬品を手がける化学メーカーで、半導体向けの材料も持つ。前期2026年3月期は売上高477億2700万円、営業利益60億1200万円、経常利益61億9100万円、純利益43億5900万円だった。前々期の営業利益47億3600万円から26.9%増えている。今期2027年3月期の計画は、売上高540億円で13.14%増、営業利益62億円で3.13%増、純利益43億円で1.35%減。増収の計画なのに、営業増益はわずか3.13%で、純利益は微減という置き方だ。前期が26.9%の営業増益だったことを思えば、今期計画は明確に慎重な数字である。

 1Qで見る数字:前1Q(2025年4〜6月)の営業利益は13億1700万円だった。前期通期60億1200万円の21.9%、今期計画62億円に対しては21.2%にあたる。この会社の1Qは通期の2割強という配分だ。したがって今期も1Qで13億円台に乗るかが1つの目安になる。ここを大きく上回るようなら、3.13%増という控えめな計画のほうが保守的だったことになる。逆に下回れば、増収計画そのものが問われる。前期は3Q時点で会社が通期の売上計画を492億円から477億円へ引き下げる一方、営業益の計画は51億円から58億円へ引き上げた経緯があるので、売上と利益のどちらが計画に沿っているかを分けて見たい。

 スイング目線:10日終値は2250円で前日比2.00%安。日中値幅は20営業日平均で6.62%あり、当日203社のなかでも上位に入る。売買代金は24.6億円で、この枠の基準である5億円を大きく上回っている。直近5営業日の騰落は+18.9%、20営業日では+15.7%だ。5日の終値2362円まで急騰したあと、6日に2229円まで下げて、そこから2250円前後で推移している。直近1週間で2割近く上げた地点からの発表になる。値幅が大きいということは、上にも下にも同じだけ動く可能性があるということである。

 Point:要注意D級に挙げるのは、業績が悪い会社ではない。見ている人が少ないのに、値が動く会社だ。東京海上のように情報が行き渡っている銘柄は、材料がすでに株価に折り込み済みだ。ラサ工業のような会社は、数字が出た瞬間に評価が変わる余地が残っている。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で中型株を重く見ているのは、この余地があるからだ。ただし要注意と付けているとおり、動きは上がりも下がり同じだけ動くということ。直近5営業日で18.9%上げているので、計画どおりの数字でも「材料出尽くし」で売られる形はありうる。ここまで上げてきただけに決算発表は、平時よりさらに分が悪い。

○【注目度プラス】

上の3社ほど深くは追わないが、数字の背景を知らずに決算だけ見ると読み違える会社を挙げておく。203社もあると、こういう銘柄が一覧のなかに埋もれがちになる。

日本マイクロニクス(6871/電気機器)12月期2Q
 半導体検査用のプローブカードを手がける会社だ。前期2025年12月期は売上高701億7300万円、営業利益165億4200万円、純利益120億6300万円。直近の1Q(2026年1〜3月)は売上高209億4500万円、営業利益56億4700万円と好調だった。12月期なので今日出るのは2Q=上期にあたる。注目したいのは株価で、10日終値は1万3890円と前日比1.31%高だが、5日の1万5920円からは3営業日で12.75%下げている。日中値幅は20営業日平均で7.99%と当日203社で最大、売買代金は166.1億円と厚い。半導体関連が買われた10日に小幅高どまりで、20営業日では16.8%下げている。上げ相場に乗り切れていない位置での発表になる。

クレディセゾン(8253/その他金融業)3月期1Q
 前期2026年3月期の純利益は617億2800万円で、今期2027年3月期の予想は755億円を掲げている。この会社はすでにIFRSを適用しているので、東京海上のような基準の切り替えはない。1Qの純利益は2023年6月期151億7700万円、2024年6月期169億5000万円、2025年6月期165億9500万円、前1Q(2025年4〜6月)160億9600万円と、3年ほぼ横ばいで推移している。今期予想755億円は前期比22.3%増なので、この横ばいのペースから明確な加速が要る計画だ。10日終値は4648円で前日比1.82%安と、東京海上と同じく逆行安した。

H.U.グループホールディングス(4544/サービス業)3月期1Q
 臨床検査大手だ。前期2026年3月期は売上高2473億6200万円、営業利益47億8000万円、経常利益28億3400万円、純利益68億2300万円。経常利益28億3400万円より純利益68億2300万円のほうが大きい。特別利益で最終利益が膨らんだ形だ。今期計画は売上高2560億円、営業利益90億円で88.28%増、純利益50億円で26.72%減。営業益は倍近くに増える計画なのに、純利益は減る。さらに前1Q(2025年4〜6月)は営業利益8億7000万円に対し純損益は11億9700万円の赤字だった。1Qが赤字の会社なので、今期1Qが黒字化しているかどうかがまず見るところになる。10日終値は3536円で3営業日で6.15%高と、上げてきた地点での発表だ。

リゾートトラスト(4681/サービス業)3月期1Q
 会員制リゾートホテルの会社。前期2026年3月期は売上高2630億2000万円、営業利益291億6100万円、純利益209億1200万円。今期2027年3月期の計画は、売上高2550億円で3.05%減、営業利益310億円で6.31%増、純利益210億円で0.42%増。減収なのに増益という計画だ。売上が減る前提で利益を増やすということは、採算の改善か、売上構成の入れ替えを見込んでいることになる。前1Qの営業利益45億4800万円は今期計画310億円の14.7%にあたる。10日終値は1752円で前日比0.40%安。

センコーグループホールディングス(9069/陸運業)3月期1Q
 物流大手で、前期2026年3月期は売上高8996億2000万円、営業利益369億9600万円、純利益193億2000万円だった。今期2027年3月期の計画は売上高1兆200億円で13.38%増、営業利益430億円で16.23%増、純利益234億円で21.12%増。売上1兆円乗せを掲げた強気の計画である。前1Qの営業利益86億8900万円は今期計画430億円の20.2%にあたるので、今期も1Qで86億円を超えてくるかが目安になる。10日終値は2262円で3営業日で3.01%高。

【本日発表予定】

今日12日に発表するのは203社。市場別ではプライム48社、スタンダード100社、グロース55社である。上で取り上げた8社を除いた、プライムの主なところを決算期ごとに挙げておく。

■3月期 1Q(24社)

ホクト(1379/水産・農林業) / 紀文食品(2933/食料品) / SRAホールディングス(3817/情報・通信業) / アカツキ(3932/情報・通信業) / アイティフォー(4743/情報・通信業) / アジアパイルホールディングス(5288/ガラス・土石製品) / ARCHION(543A/輸送用機器) / トランヴィア(545A/情報・通信業) / ムニノバホールディングス(547A/その他金融業) / 弁護士ドットコム(6027/サービス業) / サトー(6287/機械) / トレックス・セミコンダクター(6616/電気機器) / コプロ・ホールディングス(7059/サービス業) / ライフネット生命保険(7157/保険業) / プレミアグループ(7199/その他金融業) / 伯東(7433/卸売業) / コロワイド(7616/小売業) / 長野計器(7715/精密機器) / 木曽路(8160/小売業) / 鴻池運輸(9025/陸運業) / サンウェルズ(9229/サービス業) / TREホールディングス(9247/サービス業) / グルメ杵屋(9850/小売業) / サガミホールディングス(9900/小売業)

■12月期 2Q(10社)

K&Oエナジーグループ(1663/鉱業) / ジェイエイシーリクルートメント(2124/サービス業) / NJS(2325/サービス業) / ソリトンシステムズ(3040/情報・通信業) / ブロードリーフ(3673/情報・通信業) / 電算システムホールディングス(4072/情報・通信業) / 四国化成ホールディングス(4099/化学) / ペプチドリーム(4587/医薬品) / オプテックスグループ(6914/電気機器) / 応用地質(9755/サービス業)

■9月期 3Q(3社)

LIFULL(2120/サービス業) / プラスアルファ・コンサルティング(4071/情報・通信業) / アトラエ(6194/サービス業)

■6月期 本決算(3社)

メディアスホールディングス(3154/卸売業) / デジタル・インフォメーション・テクノロジー(3916/情報・通信業) / システムサポートホールディングス(4396/情報・通信業)

このほかスタンダード・グロースの銘柄が155社ある。

今後の決算発表予定

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

明日13日はネクソン(3659)、トレンドマイクロ(4704)、三越伊勢丹ホールディングス(3099)、すかいらーくホールディングス(3197)、カネカ(4118)などが発表する。14日は電通グループ(4324)、荏原製作所(6361)、ラクス(3923)、日本電子(6951)、アルバック(6728)などが控えている。

冒頭に書いたとおり、この2日は薄い商いのなかに発表が集中する。持ち株がこのなかにあるなら、またぐかどうかを決められるのは今日と明日の2営業日だけだ。数字が良いか悪いかを当てにいくのではなく、発表を持ち越すこと自体が賭けになっていないかを考えたい。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月10日の対象は1556銘柄だった。

日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、「数のうえで上げた銘柄が多かったのか」を見るのに向いている。

10日はこの3つが大きく分かれた日だった。日経平均は+2.08%と急反発した一方、TOPIXは+0.63%、プライム平均株価は+0.45%にとどまっている。上げた銘柄は916で全体の58.9%、下げた銘柄も603あった。指数の上げ幅ほどには、個々の銘柄は上がっていない。

ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。

なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(東京海上ホールディングス:2026年3月期決算短信〔日本基準〕および2026年3月期決算短信〔IFRS〕、TOPPANホールディングス・ラサ工業・日本マイクロニクス・クレディセゾン・H.U.グループホールディングス・リゾートトラスト・センコーグループホールディングス:各社の直近決算短信)にもとづく。株価・出来高・日中値幅・売買代金は、JPX公式のJ-Quants APIによる2026年8月10日終値時点の値。日経平均・TOPIXの終値と10日の市況は報道による。発表予定はJPX「決算発表予定会社一覧」による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/toushou03.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7524 <![CDATA[ 楽天が通期予想を出さない年に、244社が決算発表|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7524.html Sun, 09 Aug 2026 20:00:00 +0000 Sun, 09 Aug 2026 15:42:02 +0000 1 この記事でわかること
・☆【注目度S級】楽天グループ(4755)
・◎【注目度A級】サンリオ(8136)
・★【要注意D級】CKD(6407)
・○【注目度プラス】住友金属鉱山(5713)
・【本日発表予定】
・今後の決算発表予定

8月10日の東京市場

指標終値前日比
日経平均6万5606円71銭76円55銭安(▲0.12%)
TOPIX4074.9319.08pt高(+0.47%)
プライム平均株価+0.20%
上げた銘柄/下げた銘柄938/58260.3%/37.4%

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

7日は日経平均が小幅安、TOPIXは上げた。プライム平均株価も+0.20%で、上げた銘柄が938と全体の6割を占めている。数のうえでは総体的に上昇局面の日だった。

それでも日経平均が下げたのは、株価の高い値がさ株が売られたからだ。ソフトバンクグループやレーザーテックなどの決算が市場予想に届かず、AI・半導体関連が軟調だったことが理由。日経平均は株価平均型なので、こうした値がさ株の動きが指数に強く出る。実際、日経平均を構成する225銘柄のうち上げたのは148銘柄、下げたのは75銘柄で、数のうえでは上げた銘柄のほうが2倍近く多い。

つまり7日は「半導体は売られたが、それ以外は買われた」という日だった。今日10日発表予定の244社は、その大半が半導体以外の会社である。

週明けの相場が、今日の決算発表をどう見るか

先週で主力企業の決算発表は大方が一巡した。ここから相場は、出そろった決算を吟味して銘柄を選び分ける段階に移行する。

もう1つ、今週の地合いを決める要因がある。11日が山の日で休場となり、そこからお盆の時期に入ることだ。機関投資家の売買は細りやすく、その反面で個人の売買比率が上がる。売買が細るときは、同じ材料でも値が振れやすくなる。買い手も売り手も少ないところに注文が入るためだ。

決算発表が244社もある日に、こうした地合いが重なるため、私は決算の中身そのものより、薄い商いのなかで出た値動きを実勢と取り違えないことに気を配っている。

進捗率が使えない会社をどう読むか

本日の目玉である楽天グループには、通期の業績予想を数値で開示していないため決算を読み解く物差しが1つ欠けている。

5月14日の1Q短信には、業績予想の欄に金額が入っておらず、代わりに「株式市況の影響を大きく受ける証券サービスを除いた連結売上収益については、2025年12月期に比べ一桁後半の成長率を目指します」と書かれている。売上の伸び率について方向を示しただけで、営業利益や純利益の数値目標はない。

通期計画がなければ、進捗率が計算できない。「1Qで通期計画の何%まで来たか」という読み方ができないということだ。

この形の会社は今期に入って何社か出てきた。キーエンスは会社の方針として通期予想を出さない。東京エレクトロンは2Q発表時に開示するとして期初は伏せていた。このような進捗率が使えないときは、前年同期比で読むことが基本になる。

☆【注目度S級】楽天グループ(4755/サービス業)12月期2Q プライム

 見どころ:直近の1Q(2026年1〜3月)で、営業損益が303億9400万円の黒字になった。前年同期は154億4400万円の赤字だったので、何と言っても黒字転換するか否か。売上収益は6435億8300万円で14.4%増。EBITDAは1087億9100万円で36.2%増、モバイル事業の本格参入後、第1四半期としては初めて1000億円を超えた。ここまでは明るい数字だ。ただし同じ1Qで、四半期純損益は186億4800万円の赤字だった。営業段階で黒字でも、最終損益はまだ赤字が残っている。前期2025年12月期も、営業利益143億8200万円に対し純損益は1778億8600万円の赤字だった。

 2Qで見る数字:この会社は通期予想を数値で出していないので、進捗率では読めない。見るのは前年同期比だ。前2Q累計(2025年1〜6月)の営業損益は66億1000万円の赤字だった。今回の2Q累計がこれを上回って黒字を確保できているかが1つ目。2つ目は、1Qの営業益303億9400万円というペースが2Qも続いたかどうか。単純に2倍すれば600億円台になるが、そこに届くかは中身次第だ。3つ目に、純損益の赤字がどこまで縮んだか。営業黒字が定着しても、金融費用の重さで最終赤字が続くなら、会社の景色は変わらない。

 スイング目線:7日終値は886円で前日比3.08%高。3営業日では6.60%高と、発表前にじりじり上げている。出来高も7日は1578万株と、4日の1091万株から増えた。上げてきた地点での発表になるので、良い数字が出ても「織り込み済み」で下げる形はありうる。逆に純損益の赤字が想定より重ければ、上げたぶんの反動が出る余地もある。

 Point:通期計画のない会社は、決算の受け止め方が人によってばらつく。物差しが共有されていないからだ。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』に書いたのは、決算は「またぐ」ものではなく「結果と反応を見てから動く」ものだということだが、物差しのない会社では、この「反応を見る」がとくに効く。数字の解釈が割れるぶん、初動が一方向に決まりにくいからだ。私なら、発表当日の値動きではなく、翌日以降に出来高を伴って方向が定まるかを見る。

◎【注目度A級】サンリオ(8136/卸売業)3月期1Q プライム

 見どころ:前期2026年3月期は、売上高1940億8800万円、営業利益778億5900万円だった。前々期の営業益518億600万円から50.3%増えている。1Qの営業利益で並べると、2023年6月期が59億6400万円、2024年6月期が107億4600万円、2025年6月期が201億9800万円と、3年で3倍を超えるペースで伸びてきた。ここまでは文句のつけようがない。問題は、今期の会社計画がその勢いから落ちることだ。今期2027年3月期の計画は、売上高2298億円で18.4%増、営業利益895億円で15.0%増、純利益638億円で16.8%増。前期の営業益が50.3%増だったことを思えば、15.0%増は明確な減速である。

 1Qで見る数字:前1Q(2025年4〜6月)の営業利益201億9800万円が比較対象になる。今期計画895億円に対して、前1Qは22.6%にあたる。前期は1Qが通期の25.9%を占めた(201億9800万円÷778億5900万円)ので、この会社の1Qは通期のおおよそ4分の1という配分だ。したがって今期も1Qで220億円前後、計画に対して25%近辺に乗ってくるかが目安になる。ここを下回るようだと、15.0%増という計画自体が保守的だったのか、それとも伸びが本当に鈍ったのかという議論になる。

 スイング目線:7日終値は1397円で前日比6.52%高。3営業日では10.96%高だ。出来高は7日に3677万株と、前日6日の1714万株から2倍以上に膨らんでいる。発表前に、出来高を伴って大きく上げた形である。この位置からの決算発表は、数字が計画どおりでも「材料出尽くし」で下げやすい。上げの理由が決算への期待だとすれば、その期待はすでに株価に入っているということだ。

 Point:伸びている会社の決算でこわいのは、悪い数字ではなく「思ったほど伸びていない数字」だ。3年で1Q営業益が3倍を超えてきた会社に、市場は伸びて当たり前という前提を置く。その前提より少しでも鈍ければ、数字自体は増益でも売られる。私が見るのは前年同期比の増益率が計画の15.0%増を上回っているかどうかで、下回っていれば、増益であっても市場は減速と受け取る可能性がある。3日で約11%上げた地点からの発表という点も、あわせて頭に入れておきたい。

★【要注意D級】CKD(6407/機械)3月期1Q プライム

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

 見どころ:空圧機器と、半導体・液晶の製造装置を手がける会社だ。前期2026年3月期は売上高1578億8600万円、営業利益196億4000万円だった。注目したいのは今期2027年3月期の計画で、売上高1800億円、営業利益245億円、純利益163億円。営業利益は前期比24.7%増になる。過去5期の営業利益は、2022年3月期178億7900万円、2023年3月期211億7000万円、2024年3月期131億1300万円、2025年3月期190億1800万円、前期196億4000万円。今期計画の245億円は、この5期のどれよりも大きい

 1Qで見る数字:この会社の1Qは薄い。前1Q(2025年4〜6月)の営業利益は37億7200万円で、前期通期196億4000万円の19.2%にすぎない。今期計画245億円に対しては15.4%だ。つまり進捗率で見ると「遅れている」と読めてしまう。4分の1にあたる25%に乗ることはこの会社の場合まずない。見るべきは前年同期比のほうで、前1Qの37億7200万円をどれだけ上回ったかが判断材料になる。24.7%増という通期計画のペースに乗るなら、1Qで47億円前後が1つの目安だ。

 スイング目線:7日終値は6330円。日中値幅は20営業日平均で6.68%あり、当日244社のなかでも上位に入る。売買代金は50.5億円で、この枠の基準である5億円を大きく上回っている。直近5営業日の騰落は+5.5%、20営業日では▲7.7%だ。値幅が大きいということは、上にも下にも同じだけ動くということである。半導体製造装置向けの比率が高いので、7日に売られたAI・半導体株の地合いをそのまま受ける立場でもある。

 Point:要注意D級に挙げるのは、業績が悪い会社ではない。見ている人が少ないのに、値が動く会社だ。S級の楽天のように情報が行き渡っている銘柄は、材料がすでに株価に入っている。CKDのような会社は、数字が出た瞬間に評価が変わる余地が残っている。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で中型株を重く見ているのは、この余地があるからだ。ただし要注意と付けているとおり、動くということは逆にも同じだけ動く。1Qが薄い会社なので、進捗率だけを見て失望売りが出る場面もありうる。数字の型を知らずに飛び乗らないことだ。

○【注目度プラス】

上の3社ほど深くは追わないが、数字の背景を知らずに決算だけ見ると読み違える会社を挙げておく。244社もあると、こういう銘柄が一覧のなかに埋もれる。

住友金属鉱山(5713/非鉄金属)3月期1Q 前期2026年3月期は売上高1兆7415億8600万円、純利益1762億9000万円だった。ところが今期2027年3月期の会社計画は、売上高1兆8830億円と増収である一方、純利益は1390億円で21.2%の減益を見込んでいる。増収なのに減益という計画だ。それでいて株価は7日終値8999円まで、3営業日で11.68%上げている。減益計画の会社が上げているという形なので、1Qの数字が計画のペースに乗っているかどうかで見方が割れやすい。

スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684/情報・通信業)3月期1Q 前期2026年3月期は売上高2976億6100万円、営業利益547億3600万円。今期計画は売上高2980億円とほぼ横ばいで、営業利益は490億円と10.5%の減益を見込む。ゲーム会社は大型タイトルの発売時期で四半期ごとの数字が大きく振れるので、1Q単体を前年同期と比べるときは発売本数の違いを頭に入れておきたい。7日終値は2770円で3.24%高だった。

東映(9605/情報・通信業)3月期1Q 前期は売上高1853億3300万円、営業利益360億9600万円。今期計画は売上高1890億円で増収だが、営業利益は287億円で20.5%の減益を見込んでいる。こちらも増収減益の計画だ。映像コンテンツは作品ごとの当たり外れが四半期の数字に直接出るので、1Qの前年同期比だけで通期の可否を判断しにくい。

横浜ゴム(5101/ゴム製品)12月期2Q 12月期の会社なので、本日出るのは2Q=上期にあたる。前期2025年12月期は売上高1兆2349億5900万円、営業利益1529億100万円。今期計画は売上高1兆3000億円、営業利益1730億円で13.1%増を見込む。上期で計画の半分にあたる865億円前後に乗っているかが目安になる。

ラウンドワン(4680/サービス業)3月期1Q 前期2026年3月期は売上高1895億4800万円、営業利益287億7300万円。今期計画は売上高2190億9000万円で15.6%増、営業利益330億5000万円で14.9%増と、増収増益の計画を置いている。米国での出店が業績の軸になっているので、1Qでは為替の影響と既存店の動きを分けて見ておきたい。7月31日の日米協調介入以降の円高は、この会社にとって円換算額を目減りさせる方向に働く。

【本日発表予定】

本日発表するのは244社。市場別ではプライム75社、スタンダード142社、グロース27社である。上で取り上げた8社を除いた、プライムの主なところを決算期ごとに挙げておく。

■3月期 1Q(50社)

日本甜菜製糖(2108/食料品) / meito(2207/食料品) / マツキヨココカラ&カンパニー(3088/小売業) / ワコールホールディングス(3591/繊維製品) / セック(3741/情報・通信業) / セントラル硝子(4044/化学) / 関東電化工業(4047/化学) / 日本化学工業(4092/化学) / オリオンビール(409A/食料品) / ブルーゾーンホールディングス(417A/小売業) / ニチバン(4218/化学) / 扶桑薬品工業(4538/医薬品) / ダスキン(4665/サービス業) / ビジネスエンジニアリング(4828/情報・通信業) / サワイグループホールディングス(4887/医薬品) / 藤倉コンポジット(5121/ゴム製品) / 品川リフラ(5351/ガラス・土石製品) / GMSグループ(544A/機械) / MIRAINIホールディングス(546A/卸売業) / 大紀アルミニウム工業所(5702/非鉄金属) / 東京製綱(5981/金属製品) / 日工(6306/機械) / アネスト岩田(6381/機械) / ミダックホールディングス(6564/サービス業) / ジャパンディスプレイ(6740/電気機器) / チノー(6850/電気機器) / 大真空(6962/電気機器) / SBIアルヒ(7198/その他金融業) / カッパ・クリエイト(7421/小売業) / ハピネット(7552/卸売業) / VTホールディングス(7593/小売業) / 東京計器(7721/精密機器) / 理研計器(7734/精密機器) / ニホンフラッシュ(7820/その他製品) / 山善(8051/卸売業) / ニプロ(8086/精密機器) / GSIクレオス(8101/卸売業) / シナネンホールディングス(8132/卸売業) / 青山商事(8219/小売業) / ソニーフィナンシャルグループ(8729/保険業) / グランディハウス(8999/不動産業) / サカイ引越センター(9039/陸運業) / 近鉄グループホールディングス(9041/陸運業) / 名古屋鉄道(9048/陸運業) / 丸全昭和運輸(9068/陸運業) / 大栄環境(9336/サービス業) / GENOVA(9341/サービス業) / イーレックス(9517/電気・ガス業) / ナック(9788/サービス業) / イノテック(9880/電気機器)

■12月期 2Q(13社)

リンクアンドモチベーション(2170/サービス業) / ファンコミュニケーションズ(2461/サービス業) / フジオフードグループ本社(2752/小売業) / DIC(4631/化学) / イーエムシステムズ(4820/情報・通信業) / ミルボン(4919/化学) / メック(4971/化学) / 日本カーボン(5302/ガラス・土石製品) / タツモ(6266/機械) / だいわ(6459/機械) / ツバキ・ナカシマ(6464/機械) / ユニソルホールディングス(7128/卸売業) / ビジョン(9416/情報・通信業)

■6月期 本決算(3社)

ショーボンドホールディングス(1414/建設業) / 物語コーポレーション(3097/小売業) / 鈴木(6785/電気機器)

■9月期 3Q(1社)

カナミックネットワーク(3939/情報・通信業)

このほかスタンダード・グロースの銘柄が169社ある。

今後の決算発表予定

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

今週は11日が山の日で休場になる。12日203社、13日217社、14日354社と、休み明けから再び発表が積み上がる。とくに14日は先週の8月7日680社に次ぐ規模で、この期の発表としては最後の山になる。

持ち株の決算発表日が12日から14日にあるなら、判断は本日と12日の2日しかない。11日が休場である以上、実質的に今日を含めて2営業日で決めることになる

お盆の時期で売買が細るなかに、これだけの発表が重なる。薄い商いのなかでは、同じ内容の決算でも値の振れ方が普段より大きくなりやすい。またぐかどうかを決めるなら、その前提で考えておきたい。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月7日の対象は1556銘柄だった。

日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、「数のうえで上げた銘柄が多かったのか」を見るのに向いている。

7日はこの3つが分かれた日だった。日経平均は▲0.12%と小幅安、TOPIXは+0.47%、プライム平均株価は+0.20%。値がさ株が売られる一方で、上げた銘柄数は938と全体の60.3%を占めていた。

ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。

なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(楽天グループ:2026年12月期第1四半期決算短信〔IFRS〕、サンリオ・CKD・住友金属鉱山・スクウェア・エニックス・ホールディングス・東映・横浜ゴム・ラウンドワン:各社の直近決算短信)にもとづく。株価・出来高・日中値幅・売買代金は、JPX公式のJ-Quants APIによる2026年8月7日終値時点の値。日経平均の終値と7日の市況は報道による。発表予定はJPX「決算発表予定会社一覧」による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/toushou04.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7517 <![CDATA[ 決算書の数字がよくても株価が下がる理由 8/3~6発表の12銘柄を検証 ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7517.html Sat, 08 Aug 2026 03:15:00 +0000 Sat, 08 Aug 2026 02:27:55 +0000 1 日東紡績は、営業利益が84.8%増えて17.92%下げた

8月5日、日東紡績(3110)が第1四半期決算を発表した。営業利益79億円。前年同期の43億円から84.8%増えている。

決算ウォッチはこの日の朝、同社を要注意D級として、「営業利益が60億円前後に乗るかどうかが1つの目安になる」とした。決算発表では営業利益が79億円で、目安とした60億円を3割上回った。

ところが翌8月6日、株価は17.92%下げた。3555円から2918円である。出来高は20日平均の3.27倍に膨らんだ。

決算は見立て通りだった。株価は逆に振れた。

この検証は、毎日の連載で取り上げている3銘柄の株価がどう動いたかを確かめ、指摘した内容と株価の動きが連動しているかを確認する。いわば、記事の“品質管理”である。見立て通りか、外れたかを確認し、外れた理由を探り分析の精度を高めていきたいと思っている。

初回は8月3日から6日までに取り上げた12銘柄が対象。決算発表の前に「ここを見る」で指摘した数字が合っていたか、合っていた場合に株価はどう動いたか。この2つを分けて確かめていく。

10銘柄中8銘柄で、数字の読み通りの結果に

まず、発表前に示した基準がどれだけ読み通りの結果になったかを見ていきたい。基準は各銘柄の記事の「1Qで見る数字」で、判定は指摘したとおりの結果になったかを機械的に確認したのが以下の表の内容だ。

銘柄発表前に書いた基準実際判定
三菱UFJ(8306)☆S級純利益が前1Q5460億円超8094億円
日産自動車(7201)◎A級営業損益が前1Q791億円の赤字から縮小779億円の黒字
三井E&S(7003)★D級営業益75億円前後なら計画どおり102億円×
トヨタ自動車(7203)☆S級営業益が前1Q1兆1661億円に対しどうか1兆634億円
三菱重工業(7011)◎A級事業利益が1041億円を上回るか判定不能
イビデン(4062)★D級営業益が前1Q176億円に対しどうか269億円
ローム(6963)☆S級営業益が前1Q1億9500万円をどれだけ上回るか96億円
スズキ(7269)◎A級営業益が1421億円に乗るか1580億円
日東紡績(3110)★D級営業益が60億円前後に乗るか79億円
ソフトバンクG(9984)☆S級純利益が前1Q4218億円に対しどうか3473億円×
任天堂(7974)◎A級営業益が570億円前後・利益率が戻るか1426億円・27.5%
SUMCO(3436)★D級2Q単独の営業赤字が24億3000万円以内か約11億円の赤字

判定できた10銘柄のうち8銘柄が○だ。外したのは三井E&Sとソフトバンクグループの2つになる。

三菱重工業はIFRSの事業利益で基準を立てたが、この指標はJ-Quantsに収録されておらず、機械的な照合ができないので除外した。

トヨタが△になっているのは、営業利益1兆634億円は前年同期比8.8%減で、減益という方向は想定内だったものの、会社の通期計画が3兆円から3兆4000億円へ上振れした。記事ではこの点に触れていなかったため、想定通りとも外したとも言えないので△としている。

想定通りの8銘柄のうち、5銘柄は株価が下落

問題は判定と株価の反応の相関関係だ。

銘柄判定初動出来高倍率
イビデン(4062)24.49%高1.16倍
日東紡績(3110)17.92%安3.27倍
三井E&S(7003)×9.10%安4.49倍
三菱重工業(7011)7.69%高3.33倍
任天堂(7974)5.26%高1.81倍
ローム(6963)3.14%安1.07倍
三菱UFJ(8306)2.72%安1.00倍
ソフトバンクG(9984)×2.51%安0.72倍
SUMCO(3436)2.09%安1.10倍
トヨタ自動車(7203)1.52%安1.60倍
スズキ(7269)1.16%高2.03倍
日産自動車(7201)0.86%安1.18倍

基準を満たした8銘柄のうち、株価が上がったのは3銘柄。下がったのが5銘柄だ。決算の数字が予想通りでも、株価は半分以上が逆を向いた。

具体的にはローム、三菱UFJ、SUMCO、日産はいずれも基準を満たしたものの、株価は下げている。ロームは前年同期の2億円から96億円へ、およそ49倍の営業利益を出していながら3.14%安となった。

株価が上がりきった銘柄は、決算が良くても上がらない

こうした結果になった理由は発表前の株価を見るとその理由が見えてくる。日東紡績は8月4日終値3170円から、発表当日の5日に3555円まで12.15%上昇。つまり、決算が出る前に上げ切っていた。要は株価が決算内容を「織り込み済み」だったということだ。これはロームも同様だ。

もちろん、記事でも以下のように

「3営業日では16.29%高と、決算発表の前にすでに大きく上げている。上げてきた地点での発表は、良い数字が出ても「織り込み済み」で下げる形になりやすい」

と指摘している。

一方、8月4日に取り上げたイビデンは、発表前日の8月3日に6.70%下げており、そこへ営業利益269億円、前年同期比52.4%増が出て24.49%高。通期計画も900億円から1270億円へ上振れていたため、素直に株価は上昇した。

当たり前のことだが、株価が動くのは good か bad かではなく、市場の期待との差。良い意味でも悪い意味でも市場の予想と違う動きをしたときなのだ。

外した2銘柄のことから、学ぶべき点

○×でいえば、外したのは三井E&Sとソフトバンクグループだった。

三井E&Sには「営業益が75億円前後なら計画どおり」と記事には記した。会社が前期の376億円から今期320億円へ減益計画を出していたので、それを織り込んだ基準である。実際に出たのは102億円で、前年同期比14.4%増だった。減益計画を前提にした基準そのものが低すぎたことになる。

ところが株価は9.10%安、出来高は4.49倍に膨らんだ。増益で、基準も上回って、大きく売られている。

この銘柄は8月3日14時30分の開示で、場中に数字が出た。発表前の1か月で15.6%上げていたことは記事でも指摘している。上げ切った株が場中に決算を出せば、材料出尽くしの売りがその日のうちに出るのは当然のこと。基準を外したことより、上げ幅を軽く見ていたことのほうが問題だった。

ソフトバンクグループは純利益3473億円で、前1Qの4218億円を17.7%下回った。この会社は保有株の時価評価で利益が振れるため、記事では「前1Qの4218億円という実額との比較になる」とし、増減の方向を示すことはしなかった。結果、株価は2.51%安、出来高は0.72倍と平均を下回っており、市場も反応していない。

決算を読む意味は、どこにあるのか

ここまでの数字だけを見れば、決算を読んでも株価の動きまでは読めない、という話になってしまうだろう。

ただ、基準を満たさなかった2銘柄は、どちらも株価が下げており、上げたものは1つもない。「数字が基準に届かなければ下げる。届いても上がるとは限らない」ということ。決算を読むことの本質は、上がる株を探すためではなく、下げる株を避けるために効いているといえるだろう。

「損小利大」という考え方からすれば、これは悪い結果とはいえまい。私が著書『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で強調した1つに、「決算は地雷を避けるための守りの作業」ということと合致している。

もう1つ、出来高についても触れておこう。大きく動いた4銘柄のうち3銘柄は出来高が3倍を超えている。日東紡績3.27倍、三井E&S4.49倍、三菱重工3.33倍だ。一方でローム1.07倍、三菱UFJ1.00倍のように出来高が動かなかった銘柄は、値幅も3%以内に収まっている。これも当たり前だが、数字の中身より、市場がその数字にどれだけ反応したかによって株価は反応するということの証左といえよう。

決算を見る前に、株価を見る

今回の12銘柄の検証から学ぶべき点は、1つに絞れる。

「決算短信を開く前に、その銘柄が直近20営業日でどれだけ動いたかを見ておくこと」である。

日東紡績は発表当日に12.15%、ロームは3営業日で16.29%上げていた。どちらも良い数字を出して下げている。逆にイビデンは発表前日に6.70%下げ、そこへ増益が出て24.49%高になった。同じ「増益」でも、株価がどこにいるかで結果が反対になる。

上げ切った銘柄の決算は、良い数字が出ても買う人が残っていない。この判断に決算短信は要らない。株価チャートを1枚見れば済む。

これを踏まえると、短信で見るところが変わってくる。上げ切った銘柄なら「計画を上方修正したか」まで確認したい。すでに織り込まれた増益では足りず、市場の期待を超える材料が要るからだ。逆に下げてきた銘柄であれば、基準を満たすかどうかだけで十分に効く。

もう1つ、決算をまたいで持つ理由は今回も見つからなかった。12銘柄のうち、発表の翌日に5%以上動いたのは4銘柄あった。その方向は上に2つ、下に2つで、事前に読み分けることはできなかった。結果と反応を見てから動いても、24.49%高のイビデンは翌日以降も買えた。またいで取れるのは、その日の値幅だけだ。

来週は8月7日と、8月10日から12日の発表分を検証する。7日は今シーズン最多の680社が発表した日で、リクルートホールディングス、オリンパス、ハーモニック・ドライブ・システムズを取り上げている。この3社は反応日が週明けになるため、次回に回した。

なお次回からは、各銘柄の基準に「発表前20営業日の騰落率」を必ず添える。数字の良し悪しと、株価がどこにいるか。この2つを並べて精度の高い情報を提供していきたい。

※本記事の決算数値は、JPX公式のJ-Quants APIが配信する各社の決算短信開示値による。株価・出来高は同APIの分割調整後の値にもとづく。初動は各社の開示時刻を確認し、15時以降の開示は翌営業日、場中の開示は当日を反応日として、前営業日終値との比較で算出した。出来高倍率は反応日の出来高を直前20営業日の平均で割ったもの。判定は各記事に記載した基準を満たしたか否かのみで機械的に付けており、当社が独自に集計したものである。取引所等が公表する指標ではない。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

コマンドY/スイングトレーダー
著書『10万円を1年で100万円にする株式投資術』。Gold beans.で毎日、決算短信のポイントを解説。
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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/tokyo-shoukennjo.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7506 <![CDATA[ 今シーズン最多680社が決算発表、増収でも利益が半減した1社|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7506.html Thu, 06 Aug 2026 20:00:00 +0000 Sat, 08 Aug 2026 04:14:02 +0000 2 8月6日の東京市場
指標終値前日比
日経平均6万5683円26銭617円18銭安(▲0.93%)
TOPIX4055.859.68pt高(+0.24%)
プライム平均株価+0.64%
上げた銘柄/下げた銘柄1130/40172.6%/25.8%

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

3つの数字の向きが揃っていない。日経平均は0.93%下げたのに、TOPIXは0.24%上げ、プライム平均株価は0.64%上げている。上げた銘柄は1130、下げた銘柄は401で、数のうえでは7割が上げた日だった。

理由は日経平均の作りにある。日経平均は構成銘柄の株価を足して割る「株価平均型」なので、株価の高い銘柄ほど指数を動かす力が大きい。6日は東京エレクトロン1銘柄で日経平均を約323円押し下げており、下げ幅617円18銭の半分以上を1社が作った。値がさ株が売られると、他の1500銘柄が上げていても日経平均は下がる。

プライム平均株価はこの重みをつけず、1銘柄を1票として数える。日経平均の0.93%安は「値がさ株が売られた」という事実であって、市場全体が下げたという意味ではない。指数の数字だけを見て「昨日は下げた日」と受け取ると、実際の相場を読み違える。

680社という数字の意味

本日は680社が決算発表を迎える。7月31日の266社、8月6日の323社を大きく上回り、今シーズンで最も多い日だ。

内訳はスタンダード347社、プライム297社、グロース36社。決算種別では1Qが514社と全体の4分の3を占める。

社数が多い日は、一覧を眺めても何も見えてこない。680社を順番に追うのではなく、見るべき数社を先に決めて、そこだけ深く読む。残りは自分の持ち株が含まれているかどうかだけ確認すればいい。

前日の相場は3日ぶりの反落

6日の日経平均は3日ぶりの反落だった。売られた理由ははっきりしている。前日5日に急伸した値がさの半導体株に、利益確定の売りが出たためだ。前夜の米国市場でナスダックが下落に転じた流れを引き継いでいる。

一方で決算を手がかりにした個別の物色は活発で、好業績の銘柄に資金が向かった。プライム平均株価が上げているのはそのためだ。決算が評価される地合いは続いている。

なお本日は台風の影響でトヨタ自動車が国内9工場を停止する。トヨタは本日の発表銘柄ではないが、部品を納める会社の決算を読むときは頭の隅に置いておきたい。

☆【注目度S級】リクルートホールディングス(6098/サービス業) 3月期1Q プライム

 見どころ:前期2026年3月期は売上収益3兆6973億円で3.9%増、営業利益6305億円で28.5%増だった。注目すべきは増益率ではなく利益率のほうだ。売上高営業利益率は前期の13.8%から17.1%へ上がっている。売上が3.9%しか伸びていないのに営業利益が28.5%伸びたということは、増えた売上以上に利益が増えたということで、稼ぎ方そのものが変わったと読める。

 1Qで見る数字:今期2027年3月期の会社計画は売上収益4兆0300億円で9.0%増、営業利益7870億円で24.8%増だ。前期の3.9%増から売上の伸びを9.0%へ引き上げる計画になっている。1Qでこの9%成長のペースに乗れているかどうかが最初の関門だ。通期計画に対する進捗率でいえば、営業利益7870億円の4分の1にあたる約1970億円が目安になる。ここを大きく下回るなら下期偏重の計画ということになり、その根拠が説明されているかを見たい。

 スイング目線:6日終値は1万2845円で前日比0.98%高、3営業日では3.71%高だ。日経平均が617円下げた日に上げており、値上がり寄与では10位に入っている。半導体が売られた日に買われているので、相場全体の地合いとは別の理由で動いていることになる。売買代金は477億円と厚く、値がさ株のわりに板は薄くない。

 Point:利益率が13.8%から17.1%へ上がった会社の1Qは、数字そのものより「その利益率が続いているか」を見る。一度上がった利益率は、上がった理由が一過性なら元に戻る。私なら1Qの営業利益率が17%前後を保てているかどうかを最初に確かめる。前日に上げているぶん、良い数字が出ても織り込み済みで反応が鈍いことは十分にありうる。

◎【注目度A級】オリンパス(7733/精密機器) 3月期1Q プライム

 見どころ:前期は売上高1兆0106億円で1.3%増と過去最高を更新した。ところが営業利益は971億円で40.2%減、純利益は681億円で42.2%減だ。売上は最高でも利益は4割減った。売上高営業利益率は前期の16.3%から9.6%へ落ちている。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、売上が伸びていて利益が減っている会社は、どこかに無理が出ている。上のリクルートとちょうど逆の1年だ。

 1Qで見る数字:今期の会社計画は売上高1兆0550億〜1兆0760億円で4.4〜6.5%増、営業利益は1365億〜1555億円で40.5〜60.1%増と、レンジで示されている。幅があること自体が「読みきれていない」という会社の意思表示だ。前期の落ち込みの主因は米国関税の影響や原価率の悪化とされており、1Qではこの原価率が戻っているかを見たい。営業利益率が前期の9.6%から10%台へ戻せているかが分かれ目になる。なお同社は整形外科事業を非継続事業に分類しており、売上高と営業利益は継続事業ベースの数字だ。前期と比べるときはこの点に注意したい。

 スイング目線:6日終値は1872円で前日比3.60%高、3営業日では2.91%高だ。日経平均が下げた日に3.6%上げている。売買代金は77億円で、リクルートの477億円と比べれば5分の1以下だが、流動性に不安のある水準ではない。

 Point:レンジ計画の会社は、1Qの数字より「レンジのどちら側を見ているか」というコメントのほうが効くことがある。上限と下限で営業利益は190億円違う。数字が良くても会社が下限寄りの説明をすれば、株価はそちらに反応する。発表の直後に飛びつかず、反応を見てから動けばいい。決算をまたいで持つ理由が、私には見当たらない。

★【要注意D級】ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324/機械) 3月期1Q プライム

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

 見どころ:ロボットの関節に使う減速機の会社だ。前期は売上高595億円で7.0%増、営業利益は25億円だった。前期の営業利益がわずか600万円だったため、短信では増減率が「-」と表示されている。ほぼゼロだった利益が25億円まで戻った、というのが前期の実態だ。一方で純利益は16億円で53.7%減と、こちらは半分以下になっている。営業利益は戻ったのに純利益は減るという、方向の違うねじれが起きている。

 1Qで見る数字:今期の会社計画は売上高680億円で14.2%増、営業利益62億円で141.5%増、純利益45億円で179.7%増だ。さらに上期だけを見ると営業利益30億円で544.5%増という計画になっている。通期62億円のうち上期で30億円、つまりほぼ半分を上期で稼ぐ前提だ。1Qの数字が上期計画の4分の1に届いているかどうかが、この計画の現実味を測る物差しになる。

 スイング目線:6日終値は7130円で前日比3.52%安だが、3営業日では12.64%高だ。3日で1割以上上げたあと、前日に下げた地点での発表ということになる。直近20営業日の日中値幅は平均7.89%で、本日発表する銘柄の中で最も大きい部類に入る。売買代金は110億円あり、流動性は確保されている。

 Point:この枠を「要注意」と呼んでいる理由は、値動きが大きい銘柄は逆にも同じだけ動くからだ。日中値幅7.89%は、1日のうちに7%以上動く日が平常だという意味で、良い方向にも悪い方向にも振れる。前期の営業利益が600万円という水準からの回復途上にある会社なので、数字が出た瞬間に評価が変わる余地は大きい。だからこそ、またぐのではなく結果を見てから判断したい。私なら3日で12%上げたという事実のほうを重く見る。

○【注目度プラス】

上の3社ほど深くは追わないが、数字の背景を知らずに1Qだけ見ると読み違える会社を挙げておく。680社もあると、こういう銘柄が一覧の中に埋もれる。

商船三井(9104/海運業) 3月期1Q この会社は8月3日に今期の業績予想を上方修正している。4月30日の短信では今期の純利益を1700億円、前期比20.3%減と見込んでいたが、これを2400億円へ引き上げ、前期比では増益に転じる形になった。ドライバルクの運賃が期初想定を上回ったことが理由だ。本日の1Qは「修正後の計画に対する1Q」であり、4月の短信の数字を基準に読むと判断を誤る。上方修正の発表日である3日に株価は4.17%上げており、材料としては一度織り込まれている。6日終値は6036円で前日比1.11%高だ。

キリンホールディングス(2503/食料品) 12月期2Q 12月決算なので本日出るのは2Q、つまり上期の締めにあたる。3月期の会社の1Qと同じ感覚で見ると、進捗率の意味を取り違える。上期が終わった時点なので、通期計画に対して5割前後まで来ているかが基準になる。6日終値は2927円で前日比3.43%高と、日経平均が下げた日に逆行して上げた。

サイバーエージェント(4751/サービス業) 9月期3Q 決算期が9月なので、本日は3Q。通期の残りは1四半期しかなく、通期計画の達成可否がほぼ見えるタイミングだ。3Qまでの進捗が7割台なら順当、6割台なら4Qにかなりの負荷がかかる。6日終値は1470円で前日比0.62%高と、動きは小さい。

ニトリホールディングス(9843/小売業) 3月期1Q 6日終値は2750円で前日比4.96%高。日経平均が617円下げた日に5%近く上げており、当日の値上がりとしては目立つ部類だ。上げた直後の地点で決算発表を迎える銘柄は、良い数字が出ても「織り込み済み」で反応が鈍くなることがある。3営業日では4.11%高で、上げのほとんどが前日1日に集中している。

川崎重工業(7012/輸送用機器) 3月期1Q 6日終値は2868円で前日比1.90%安だが、3営業日では5.93%高だ。前日比だけを見ると下げた銘柄に見えるが、3日前から見れば上げている。売買代金は292億円と本日の発表銘柄では厚いほうで、値動きも出やすい。防衛関連として物色される場面があり、業績以外の材料で動くことがある点は頭に入れておきたい。

【本日発表予定】

上に挙げた8社を除く、本日発表のプライム銘柄を決算期ごとに並べる。スタンダード347社・グロース36社は数が多いため割愛する。持ち株がある場合は、発表日かどうかをここで確認してほしい。

■3月期1Q(228社)

大林組(1802/建設業) ── 大手ゼネコン。手持ち工事の採算が読みどころ。
日揮ホールディングス(1963/建設業) ── プラント大手。海外案件の進捗で振れやすい。
テルモ(4543/精密機器) ── 医療機器。6日終値2312円で前日比1.05%高。
シャープ(6753/電気機器) ── 6日終値635円で前日比2.14%高。
日本郵政(6178/サービス業) ── 6日終値2395円で前日比1.61%高。
セブン銀行(8410/銀行業) ── ATM手数料が収益の柱。

コムシスホールディングス(1721) / 西松建設(1820) / 奥村組(1833) / 戸田建設(1860) / 熊谷組(1861) / 五洋建設(1893) / エクシオグループ(1951) / 三機工業(1961) / 昭和産業(2004) / UTグループ(2146) / パーソルホールディングス(2181) / 森永乳業(2264) / 雪印メグミルク(2270) / 宝ホールディングス(2531) / 日清オイリオグループ(2602) / 三浦工業(6005) / SMC(6273) / 井関農機(6310) / 東芝テック(6588) / 堀場製作所(6856) / シスメックス(6869) / 三井海洋開発(6269) / 広島ガス(9535) ほか

■12月期2Q(47社)

ブリヂストン(5108/ゴム製品) ── 12月期なので本日は上期の締め。
INPEX(1605/鉱業) ── 原油価格に業績が連動する。
日本ペイントホールディングス(4612/化学) ── 12月期の折り返し。
クラレ(3405/化学) ── 機能性樹脂。12月期なので本日は上期。

住友林業(1911) / サッポロビール(2501) / リガク・ホールディングス(268A) / ユーグレナ(2931) / ライオン(4912) / TOYO TIRE(5105) / 東洋炭素(5310) / ノーリツ(5943) / ソディック(6143) / サカタインクス(4633) ほか

■9月期3Q(9社)

オープンハウスグループ(3288) / FOOD & LIFE COMPANIES(3563) / 三洋貿易(3176) / ホソカワミクロン(6277) / 学研ホールディングス(9470) / TKC(9746) / 加藤産業(9869)

■6月期本決算(4社)

オープンアップグループ(2154) / グリーホールディングス(3632) / 前田工繊(7821) / コーア商事ホールディングス(9273)

■12月期1Q(1社)

ニチレイ(2871)

今後の決算発表予定

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

本日の680社で、今シーズンのピークは越える。来週は10日が244社、12日が203社、13日が217社、14日が354社と続く。山は越えるが、数が減るわけではない。持ち株の決算発表日は、今日のうちに確認しておきたい。

・8月10日(月) 244社
・8月12日(水) 203社
・8月13日(木) 217社
・8月14日(金) 354社

本日のように680社が一斉に出る日は、自分の持ち株が「その他大勢」に埋もれる。指数が動いても、それが自分の持ち株の話とは限らない。6日の相場がまさにそうで、日経平均は617円下げたのに、プライム平均株価は0.64%上げていた。指数を見て相場を判断するのではなく、自分の持ち株がどう動いたかを見る。冒頭にプライム平均株価を置いたのは、その材料を1つ増やすためだ。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

記事冒頭に載せている当サイトの独自指数「プライム平均株価」について、計算方法と考え方についての補足説明です。

「プライム平均株価」は、東証プライム上場の全銘柄について前日比騰落率を出し、それを単純平均した数字です。時価総額や株価水準によってそれぞれに重みをつけず、各銘柄を1としています。

既存の2つの指数とは、以下のように銘柄に重みを付けています。

日経平均 株価で重みがつく。株価の高い値がさ株の比重が大きくなる
TOPIX 時価総額で重みがつく。大型株・金融・内需銘柄の比重が大きくなる
プライム平均株価 全銘柄を1として等しくしている

日経平均とTOPIXは、基準が株価か時価総額かの違いはありますが、どちらも「大きい銘柄ほど指標への影響を強く出す」指数になります。そのため中小型株がそろって上げても、指数にはほとんど表れないということがおこります。プライム平均株価は、すべてを同じとしているため単純に市場全体が上がったか、下がったかが分かるような指標になっています。

ただし、以下の注意点があります。

注意点)「プライム平均株価」は当サイトが独自に計算した指数で、取引所等が公表するものではありません。
1)株式分割を騰落と誤って数えないよう、株価は分割調整後の値を使っています。
2)前営業日と当日の双方に終値がある銘柄だけを対象としているため、新規上場や売買停止の銘柄は外れます。6日の対象は1557銘柄でした。

なお、この指数が日経平均より優れているというわけではありません。

日経平均は売買代金の大きい値がさ株の動き、TOPIXは時価総額の大きい銘柄で変動し、それ自体が相場の重要な情報となっています。しかしながら、この2つだけを見ていると、その日の相場を一部銘柄の動きだけで全体を判断することになります。これに「プライム平均株価」を加えることで、指数が動いた理由が何なのかを掴むことができます。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(リクルートホールディングス:2026年3月期決算短信〔IFRS〕2026年5月15日/オリンパス:2026年3月期決算短信〔IFRS〕2026年5月12日/ハーモニック・ドライブ・システムズ:2026年3月期決算短信〔日本基準〕2026年5月13日/商船三井:2026年3月期決算短信〔日本基準〕2026年4月30日)にもとづく。商船三井の上方修正後の予想値は同社の2026年8月3日発表および日本経済新聞の報道による。株価・出来高・日中値幅・売買代金、およびTOPIXの終値はJPX公式のJ-Quants APIによる2026年8月6日終値時点の値。日経平均の終値と6日の市況、日経平均寄与度は株式会社フィスコの配信記事による。発表社数は日本取引所グループの決算発表予定会社一覧による。プライム平均株価は、J-Quantsの分割調整後終値をもとに当社が独自に計算した指標であり、取引所等が公表する指数ではない。東証プライム上場銘柄のうち、前営業日と当日の双方に終値がある1557銘柄を対象に、前日比騰落率を単純平均して算出した。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/06/SP_700x300@2x.webp
https://goldbeans.jp/?p=7502 <![CDATA[ 日経2342円高の半分を作った2社、その1社が本日決算発表|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7502.html Wed, 05 Aug 2026 20:00:00 +0000 Wed, 05 Aug 2026 16:27:20 +0000 1 指数が3.66%上昇も、上げたのは一部の銘柄だけ

5日の日経平均は2342円91銭高の6万6300円44銭。率にすると3.66%の大幅続伸で、6万6000円台を回復した。

きっかけは前夜の米国市場だ。ナスダック指数が約2.6%高、半導体株で構成するSOX指数は6.5%高と大きく上げた。
さらにベッセント財務長官が対イラン和平合意に楽観的な見解を示したことで原油が下げ、金利も低下したことが背景にある。結果、ダウは連日で過去最高値を更新した。この流れを受けて、東京市場では指数寄与度の大きい値がさ株に買いが集中した。

ここで数字を1つ確かめておこう。
上げ幅2342円91銭のうち、アドバンテストが656円50銭、ソフトバンクグループが587円31銭を押し上げている。2銘柄で1243円81銭、上げ幅の53.1%だ。

日経平均は株価平均型の指数なので、株価の高い銘柄の動きがそのまま指数に効く。指数が3.66%上げたからといって、市場全体が3.66%上げたわけではない。実際、東証プライムの値上がり銘柄は65%で、31%は値下がりしている。

そして本日、その押し上げた2社のうち1社、ソフトバンクグループが1Qを発表する。

上げた株と、下げた株が同じ日に出る

もう1社、目を向けておきたい銘柄がある。任天堂だ。

5日の任天堂は7428円で前日比1.72%安。日経平均が3.66%上げた日に下げており、値下がり寄与では12位に入っている。3営業日では3.27%安だ。AI・半導体に買いが集まる相場のなかで、ゲーム関連は物色の外に置かれている。

つまり本日は、相場に押し上げられて上げた株と、その相場から外れて下げた株が、同じ日に決算発表を迎えることになる。この2社は、決算で見るところが違う。

ソフトバンクグループは数字より、数字の作られ方を見る。この会社の利益は投資先の時価評価で動くので、四半期ごとの振れが極端に大きい。良い数字が出ても、それが持続する種類のものかどうかは別の話だ。

任天堂は数字より計画との関係を見る。今期は減収を織り込んだうえで増益を計画している。1Qがその線に乗っているかどうかが判断材料になる。

私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』に書いたのは、決算は「またぐ」ものではなく、結果と反応を見てから動くものだということだ。相場に持ち上げられた地点での発表は、とくにそうだと考えている。

なお、以下の各社の分析は前期までの実績と会社計画にもとづくものだ。5日の急騰を織り込んだ株価水準の評価ではないし、当日の着地を予想するものでもない。

☆【注目度S級】ソフトバンクグループ(9984/情報・通信業)3月期1Q プライム

 見どころ:前期2026年3月期は、売上高7兆7986億5000万円で7.7%増、純利益5兆0022億7100万円だった。前期の純利益1兆1533億3200万円から333.7%増という数字になる。この会社の利益は、保有する投資先の株式を時価で評価した損益が大きく効くため、四半期ごとの振れが極端に大きい。実際に前期を四半期に分けると、1Q(4〜6月)4218億円、2Q単独(7〜9月)2兆5022億円、3Q単独(10〜12月)2486億円、4Q単独(1〜3月)1兆8296億円となる。2Q単独と3Q単独で10倍の差がついている。この会社の四半期利益を、前四半期と並べて増減で読むのは意味がない。

 1Qで見る数字:前1Q(2025年4〜6月)の純利益は4218億1900万円だった。前期通期5兆0022億円に対して8.4%にすぎない。したがって進捗率という物差しも、この会社には当てはまらない。見るのは前1Qの4218億円という実額との比較になる。あわせて、時価評価の損益を除いた事業側の稼ぎ(通信・アーム・ファンド運用の実績)がどう動いたかも確認したい。同社は投資会社という性格上、通期の業績予想を公表していないので、計画との答え合わせという読み方もできない。

 スイング目線:5日終値は5958円で前日比13.96%高。3営業日でも13.27%高になっている。上げた理由は決算ではない。米国ハイテク株高、とくに株価連動性の強いアームが前日に17%超急騰したことが直接の材料だ。つまり本日の1Qは、ひと晩で14%上げた地点からの発表になる。上げてきた地点での発表は、良い数字が出ても「織り込み済み」で下げる形になりやすい。逆に市場の期待に届かなければ、上げたぶんの反動が出る余地もある。

 Point:私がこの会社の決算で見ているのは、利益の額そのものではなく、その利益がどこから来たかだ。時価評価の益は、相場が反対に振れれば同じ幅で戻る。前期のように四半期で10倍の差がつく会社の数字を、1回の決算で判断するのは無理がある。しかも今回は、決算とは関係のない材料で14%上げた直後の発表だ。私なら数字を見たあと、市場がそれをどう受け取ったかを1日見てから動く。

◎【注目度A級】任天堂(7974/その他製品)3月期1Q プライム

 見どころ:前期2026年3月期は、売上高2兆3130億5100万円で98.6%増、営業利益3601億1700万円で27.5%増、純利益4240億5600万円で52.1%増だった。売上がほぼ倍になっているのは、前期がSwitch 2の発売初年度にあたるためだ。ここで気をつけたいのは、売上が98.6%増えたのに営業利益は27.5%しか増えていないことで、営業利益率は前々期の24.3%から15.6%に下がっている。ハードは利益率が低く、発売初期は販促費もかさむ。売上の伸びをそのまま利益の伸びと読むと外す。

 1Qで見る数字:今期2027年3月期の会社計画は、売上高2兆0500億円で11.4%減、営業利益3700億円で2.7%増、純利益3100億円で26.9%減。減収で増益という計画だ。ハードの台数が一巡し、利益率の高いソフトの比率が上がることを前提にしている。計画の営業利益率は18.0%で、前期の15.6%から改善する形になる。前1Q(2025年4〜6月)は売上高5723億6300万円、営業利益569億2800万円だった。前1Qの営業利益は今期計画3700億円の15.4%にあたるので、1Qで15%前後に乗れば計画線上ということになる。あわせて営業利益率が前1Qの9.9%からどこまで戻るかを見たい。ここが計画の増益が本物かどうかの手がかりになる。

 スイング目線:5日終値は7428円で前日比1.72%安。日経平均が3.66%上げた日に下げており、値下がり寄与では12位に入っている。3営業日では3.27%安だ。下げた理由は業績ではなく、物色がAI・半導体に集中してゲーム関連が外れたことによる。相場に持ち上げられていないぶん、決算の数字がそのまま評価されやすい地合いともいえる。

 Point:減収増益の計画は、中身を見ないと評価できない。売れる台数が減っても利益率の高いものが売れれば増益にはなるが、それは会社の狙いどおりに進んだ場合の話だ。私が1Qで見るのは、売上の減り方と利益率の戻り方のバランスで、どちらか一方だけを見ると読み違える。相場全体が上げた日に逆行安した株は、決算で材料が出れば動きやすいが、それは下にも同じことがいえる。

★【要注意D級】SUMCO(3436/金属製品)12月期2Q プライム

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

 見どころ:半導体シリコンウエハーの大手で、12月期なので本日出るのは2Q=上期にあたる。前期2025年12月期は、売上高4096億7000万円で3.3%増と売上は伸びたが、営業利益は13億4200万円まで落ちた。前々期の369億2400万円から96.4%減だ。経常損益は38億8600万円の赤字、純損益は117億5100万円の赤字になっている。売上が増えているのに利益が消えているのは、汎用ウエハーの市況低迷と減価償却費の負担が重なっているためで、売上の数字だけを見ると実態を外す会社になっている。

 2Qで見る数字:今期2026年12月期の1Q(1〜3月)は、売上高1014億200万円で前年同期比1.0%減、営業損益が52億7300万円の赤字、純損益が84億6900万円の赤字だった。前1Qは営業59億9000万円の黒字だったので、そこから赤字に転落している。会社の上期計画は売上高2134億円、営業損益77億円の赤字、純損益154億円の赤字。上期の時点で赤字を計画しているという点は先に押さえておきたい。1Qですでに52億7300万円の赤字を出しているので、上期計画に対する進み方は68.5%。裏返せば、2Q単独の営業赤字が24億3000万円までに収まれば計画線上ということになる。「赤字だから悪い」ではなく「計画した赤字の幅に収まっているか」で読む決算だ。

 スイング目線:5日終値は3756円で前日比5.95%高、3営業日では11.89%高。20営業日の日中値幅は9.71%で、本日発表する323社のなかで最大だ。売買代金は525億9000万円あり、流動性の面では入りやすいが、直近20営業日では31.4%安で、そこから直近5日で12.9%戻したという位置にある。値幅が大きいということは、上にも下にも同じだけ動くということでもある。

 Point:要注意D級は「業績が悪い株」ではなく「見ている人が少ないのに値が動く株」だ。SUMCOの場合は業績も実際に苦しいが、ここで見ているのはそこではない。1か月で3割下げて、直近5日で1割戻した銘柄が、赤字計画の折り返し地点を発表する。数字が出た瞬間に評価が変わる余地が、S級の銘柄より大きく残っている。私が中型株を見るのはこの理由からで、それは『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いた。ただ、そこに要注意と付けているのは、動くということは逆にも同じだけ動くからだ。日中値幅が1割近く出る銘柄は、読み違えたときの戻りも速い。

○【注目度プラス】

上の3社ほど深くは追わないが、数字の背景を知らずに1Qや2Qだけ見ると読み違える会社を挙げておく。323社もあると、こういう銘柄が一覧の中に埋もれる。

レーザーテック(6920/電気機器)6月期本決算 6月期なので本日は通期の本決算だ。前期2025年6月期は売上高2514億7700万円、営業利益1228億4300万円で、営業利益率48.8%という高収益企業になる。今期2026年6月期は当初、売上高2000億円・営業利益850億円と大幅な減益を計画していたが、期中に売上高2200億円・営業利益1000億円へ引き上げた。3Q累計の営業利益は781億9100万円で修正後計画の78.2%まで来ている。5日終値4万6680円は3営業日で23.13%高と急騰しており、上げた地点での通期発表になる。

NTT(9432/情報・通信業)3月期1Q 前期2026年3月期は売上高14兆4091億2100万円で5.1%増、営業利益1兆7062億2100万円で3.4%増だった。今期2027年3月期の会社計画は、売上高15兆0600億円で4.5%増、営業利益1兆7100億円で0.2%増、純利益9800億円で5.5%減。増収なのに純利益は減益という計画で、成長投資の負担が利益を抑える形になっている。前1Qの営業利益4051億9300万円は今期計画の23.7%にあたるので、1Qで23〜24%台なら計画どおりのペースだ。5日終値151円で前日比0.40%高と、相場が3.66%上げた日にほぼ動いていない。

味の素(2802/食料品)3月期1Q 5日終値5333円は前日比7.67%高で、値上がり寄与では18位に入っている。相場全体が上げた日ではあるが、内需の食品株がこれだけ動くのは通常ではない。直近20営業日では18.7%安の水準にあるので、下げてきたところからの戻りという位置づけになる。20営業日の日中値幅は3.42%で、食品株としては大きい。上げた直後の発表という点で、値動きの読みにくさは残る。

エムスリー(2413/サービス業)3月期1Q 5日終値1735円は前日比1.95%安。日経平均が3.66%上げた日に下げており、値下がり寄与20位に入っている。直近5営業日でも7.9%安、20営業日で7.0%安と、相場の上げに乗れていない。医師向けプラットフォームという内需・成長株の性格で、AI・半導体に物色が集中する局面では外れやすい。20営業日の日中値幅は3.16%、売買代金50億8000万円と、この価格帯では動きやすい部類に入る。

住友ゴム工業(5110/ゴム製品)12月期2Q 12月期なので本日は2Q=上期にあたる。5日終値2218円は前日比1.56%高だが、3営業日では2.72%安と、7月31日の日米協調介入以降の円高局面で戻りが鈍い。タイヤは海外売上比率が高く、円高が採算に直接効く業種だ。上期の折り返し地点で、会社が通期計画の前提為替をどう置き直すかが数字と同じくらい効いてくる。

【本日発表予定】

本日は323社が決算発表を行う。プライム193社、スタンダード119社、グロース11社。決算種別では1Qが252社と大半を占め、2Qが49社、3Qが13社、本決算が9社となっている。以下は上で取り上げた8社を除いた、プライム上場の主な銘柄だ。

電気機器・機械

KOKUSAI ELECTRIC(6525/電気機器) 3月期1Q ── 半導体製造装置。5日の半導体株高の流れの中にある。
浜松ホトニクス(6965/電気機器) 9月期3Q ── 9月期なので本日は3Q。光半導体の大手。
TOWA(6315/機械) 3月期1Q ── 半導体後工程の封止装置。
アズビル(6845/電気機器) 3月期1Q / ブラザー工業(6448/電気機器) 3月期1Q / ダイフク(6383/機械) 12月期2Q / 栗田工業(6370/機械) 3月期1Q / アマダ(6113/機械) 3月期1Q / ホシザキ(6465/機械) 12月期2Q

芝浦メカトロニクス(6590)/ メイコー(6787)/ ヨコオ(6800)/ 日本光電工業(6849)/ エスペック(6859)/ メガチップス(6875)/ 日東工業(6651)/ IDEC(6652)/ 能美防災(6744)/ PHCホールディングス(6523)/ デンヨー(6517)/ ユー・エム・シー・エレクトロニクス(6615)/ 帝国通信工業(6763)/ 日本トリム(6788)/ オイレス工業(6282)/ ユニオンツール(6278)12月期2Q / 月島ホールディングス(6332)/ TEIKOKU(6333)/ SANKYO(6417)/ 日本金銭機械(6418)/ ガリレイホールディングス(6420)/ 新晃工業(6458)/ イーグル工業(6486)/ PILLAR(6490)/ カナデビア(7004)/ レオン自動機(6272)/ 日精エー・エス・ビー機械(6284)9月期3Q

化学・医薬品

富士フイルムホールディングス(4901/化学) 3月期1Q ── 半導体材料とヘルスケアの構成比が高い。
東京応化工業(4186/化学) 12月期2Q ── フォトレジストの大手。12月期なので本日は上期。
レゾナック・ホールディングス(4004/化学) 12月期2Q ── 半導体後工程材料。12月期の折り返し。
東レ(3402/繊維製品) 3月期1Q / ツムラ(4540/医薬品) 3月期1Q / 参天製薬(4536/医薬品) 3月期1Q / ロート製薬(4527/医薬品) 3月期1Q / 日本新薬(4516/医薬品) 3月期1Q

コーセーホールディングス(4922)12月期2Q / ポーラ・オルビスホールディングス(4927)12月期2Q / 小林製薬(4967)12月期2Q / アース製薬(4985)12月期2Q / 高砂香料工業(4914)/ 住友精化(4008)/ 多木化学(4025)12月期2Q / ステラ ケミファ(4109)/ 保土谷化学工業(4112)/ 大日精化工業(4116)/ ダイキョーニシカワ(4246)/ 森六(4249)/ JCU(4975)/ 日本農薬(4997)/ 有沢製作所(5208)/ ZACROS(7917)/ 東洋紡(3101)/ 東和薬品(4553)/ ゼリア新薬工業(4559)/ 富士製薬工業(4554)9月期3Q

情報・通信・サービス

TBSホールディングス(9401/情報・通信業) 3月期1Q / エイベックス(7860/情報・通信業) 3月期1Q / 日本通信(9424/情報・通信業) 3月期1Q / ジャパンエレベーターサービスホールディングス(6544/サービス業) 3月期1Q / エン(4849/サービス業) 3月期1Q / リログループ(8876/サービス業) 3月期1Q

KLab(3656)12月期2Q / デジタルハーツホールディングス(3676)/ 朝日ネット(3834)/ アドソル日進(3837)/ マークラインズ(3901)12月期2Q / ユーザーローカル(3984)6月期本決算 / ニーズウェル(3992)9月期3Q / エムティーアイ(9438)9月期3Q / アルプス技研(4641)12月期2Q / リソルホールディングス(5261)/ チャーム・ケア・コーポレーション(6062)6月期本決算 / MS-Japan(6539)/ NISSOホールディングス(9332)/ スペース(9622)12月期2Q / 藤田観光(9722)12月期2Q

その他製品・精密機器・輸送用機器

ニコン(7731/精密機器) 3月期1Q / 島津製作所(7701/精密機器) 3月期1Q ── 島津は分析計測機器。
テクセンドフォトマスク(429A/その他製品) 3月期1Q ── フォトマスクの専業。
ピジョン(7956/その他製品) 12月期2Q / リンテック(7966/その他製品) 3月期1Q / NISSHA(7915/その他製品) 12月期2Q / フルヤ金属(7826/その他製品) 6月期本決算 / NOK(7240/輸送用機器) 3月期1Q / カヤバ(7242/輸送用機器) 3月期1Q / 曙ブレーキ工業(7238/輸送用機器) 3月期1Q

ユニプレス(5949)/ 極東開発工業(7226)/ パイロットコーポレーション(7846)12月期2Q / フジシールインターナショナル(7864)/ クリナップ(7955)/ イトーキ(7972)12月期2Q

建設・不動産・陸運

大和ハウス工業(1925/建設業) 3月期1Q / 長谷工コーポレーション(1808/建設業) 3月期1Q / 住友不動産(8830/不動産業) 3月期1Q / 東急不動産ホールディングス(3289/不動産業) 3月期1Q / 東京建物(8804/不動産業) 12月期2Q / 京王電鉄(9008/陸運業) 3月期1Q / 西日本鉄道(9031/陸運業) 3月期1Q / セイノーホールディングス(9076/陸運業) 3月期1Q

福山通運(9075)/ ヤマウラ(1780)/ 鉄建建設(1815)/ 東鉄工業(1835)/ 淺沼組(1852)/ ピーエス・コンストラクション(1871)/ 東亜建設工業(1885)/ 若築建設(1888)/ 福田組(1899)12月期2Q / 日本リーテック(1938)/ 東京エネシス(1945)/ 太平電業(1968)/ 日比谷総合設備(1982)/ ADワークスグループ(2982)12月期2Q / ロードスターキャピタル(3482)12月期2Q / パラカ(4809)9月期3Q / ミガロホールディングス(5535)/ サンフロンティア不動産(8934)

商社・小売・金融・素材ほか

JX金属(5016/非鉄金属) 3月期1Q / 三菱マテリアル(5711/非鉄金属) 3月期1Q / 古河電気工業(5801/非鉄金属) 3月期1Q ── 非鉄3社は5日の値上がり業種トップだった。
岩谷産業(8088/卸売業) 3月期1Q / オリックス(8591/その他金融業) 3月期1Q / ヤマダホールディングス(9831/小売業) 3月期1Q / ケーズホールディングス(8282/小売業) 3月期1Q / 太平洋セメント(5233/ガラス・土石製品) 3月期1Q / コスモエネルギーホールディングス(5021/石油・石炭製品) 3月期1Q / 大王製紙(3880/パルプ・紙) 3月期1Q / マネックスグループ(8698/証券、商品先物取引業) 3月期1Q

銀行5社(しずおかFG 5831 / 楽天銀行 5838 / 千葉興業銀行 8337 / 筑波銀行 8338 / 宮崎銀行 8393)/ 日本証券金融(8511)/ ジャックス(8584)/ ニップン(2001)/ ウェルネオシュガー(2117)/ 森永製菓(2201)/ 丸大食品(2288)/ オエノンホールディングス(2533)12月期2Q / サントリービバレッジ&フード(2587)12月期2Q / ニッスイ(1332)/ ユキグニファクトリー(1375)/ 日鉄鉱業(1515)/ 石油資源開発(1662)/ ゴールドウイン(8111)/ フコク(5185)/ 宮地エンジニアリンググループ(3431)/ リンナイ(5947)/ ジーテクト(5970)/ 高周波熱錬(5976)/ エイチワン(5989)/ 日本発條(5991)/ ヨドコウ(5451)/ 大平洋金属(5541)/ 栗本鐵工所(5602)/ 三菱製鋼(5632)/ 三菱製紙(3864)/ 中越パルプ工業(3877)/ ダイワボウホールディングス(3107)/ バイタルケーエスケー・ホールディングス(3151)/ TOKAIホールディングス(3167)/ ウイン・パートナーズ(3183)/ 第一興商(7458)/ オーハシテクニカ(7628)/ 高島(8007)/ カメイ(8037)/ 神鋼商事(8075)/ 三愛オブリ(8097)/ サンゲツ(8130)/ ハードオフコーポレーション(2674)/ ゲオホールディングス(2681)/ アルペン(3028)6月期本決算 / 幸楽苑(7554)/ レノバ(9519)

このほかスタンダード119社、グロース11社が発表する。

今後の決算発表予定──またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

明日7日は680社と、このシーズン最大の山になる。本日の323社と合わせると、この2日で1000社を超える。持ち株の決算発表日を今日のうちに確かめておきたい。

日付発表社数
8月6日(木)323社
8月7日(金)680社
8月10日(月)244社
8月12日(水)203社
8月13日(木)217社

680社が1日に出るということは、その日は1社ずつ吟味する時間がないということでもある。しかも7日は金曜日なので、発表の内容を確かめる前に週末を挟むことになる。金曜の引け後に出た決算は、月曜の寄り付きまで動かせない。

今週のように相場が大きく動いている局面では、なおさら注意がいる。5日は日経平均が3.66%上げたが、上げ幅の半分は2銘柄で作られていた。相場に持ち上げられた株は、相場が反対に振れれば同じだけ戻る。決算が良くても、それだけでは支えにならないことがある。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(任天堂:2026年3月期決算短信〔日本基準〕および2026年3月期第1四半期決算短信、ソフトバンクグループ・SUMCO・レーザーテック・NTT・その他各社:各社の直近決算短信および四半期決算短信)にもとづく。株価・出来高・日中値幅・売買代金はJPX公式のJ-Quants APIによる2026年8月5日終値時点の値。日経平均の終値・騰落幅・寄与度、および前夜の米国市場の動向は株式会社フィスコの市況レポート(8月5日大引け時点)による。ソフトバンクグループの5日の株価上昇理由(アームの急騰・米ハイテク株高)も同レポートによる。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載内容は将来の株価や利益を保証するものではありません。
株式の売買はご自身の判断と責任において行ってください。

コマンドY/スイングトレーダー
著書『10万円を1年で100万円にする株式投資術』。Gold beans.で毎日、決算短信のポイントを解説。
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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/06/SP_700x300@2x.webp
https://goldbeans.jp/?p=7478 <![CDATA[ 日本人1億2000万人割れ 「東京圏人口集中3割超え」の裏で進む賃貸オーナーの危機 ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_7478.html Wed, 05 Aug 2026 03:30:00 +0000 Thu, 06 Aug 2026 15:12:29 +0000 2

この記事でわかること
・東京圏の人口が初めて3割を超えた、本当の理由
・埼玉・千葉が調査開始以来はじめて減少に転じた
・人口が309万人減っても世帯が増えたしくみと、2030年の折り返し
・「家賃保証」が減額請求で崩れる法的な理由
・修繕積立金が足りないマンションが36.6%という現実
・いま持っている人が確かめておきたい3つのこと

3割超えの中身は、集中ではなかった

日本人の人口が1億2000万人を割った。
総務省が2026年7月29日に公表した住民基本台帳に基づく人口動態調査で、2026年1月1日現在の日本人人口は1億1973万6483人。前年から91万6744人減り、1984年以来42年ぶりの水準に戻った。減少は17年連続で、減少幅は過去最大である。

その2か月前、2026年5月29日に総務省が公表した2025年国勢調査の人口速報集計は、この国の人口地図が塗り替わったことを示していた。2025年10月1日現在の総人口は1億2304万9524人。5年前から309万6575人、2.5%の減少と、人口が増えたのは東京都と沖縄県だけで、残る45道府県が減っている。

そして、東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の人口は3698万6000人となり、全国に占める割合は30.1%。初めて3割を超えた。

一極集中がまた進んだ、と読みとれるが、速報値の中身を開くと、話はそう単純ではない。

実は神奈川・埼玉・千葉が、そろって減少

3割超えを支えたはずの東京圏で、実際に人口が増えたのは東京都だけ。しかも、その伸びは1.4%にすぎない。

残る3県は減少に転じている。埼玉県と千葉県の減少は、1920年に国勢調査が始まって以来はじめてのことだ。神奈川県は戦後初のマイナスとなった。愛知県も戦後初めて減った。

つまり東京圏のシェアが3割を超えたのは、東京圏が膨らんだからではなく、むしろ地方の縮み方が東京圏を上回ったから、割り算の答えが大きくなっただけである。分子が増えたのではなく、分母が減ったということなのだ。一極集中という言葉から思い浮かぶ「地方から人が吸い寄せられて首都圏が肥る」という構図とは、起きていることが違う。

これは市町村別に見るとさらにはっきりする。
全国1719市町村のうち人口が増えたのは161市町村、全体のわずか9.4%だ。残る1558市町村(90.6%)が減っており、10%以上減った市町村が全体の27.7%を占める。

増加数の上位には流山市(千葉県)、印西市(千葉県)、朝霞市(埼玉県)、海老名市(神奈川県)といった首都圏の街が並ぶ。一方で同じ神奈川県の横須賀市は2万3100人減り、横浜市も2万2651人減っている。県単位で3県を見ると、その中身は伸びる街と沈む街がくっきり分かれており、二極化は大都市と地方のあいだだけに限らない。同じ都道府県の中でも二極化が起きているのだ。

人口は309万人減っても、世帯は129万増加

一人暮らしの高齢者のイメージ。単身世帯の増加が住宅需要を支えてきた
増える単身の高齢者世帯

住宅と不動産を考えるうえで、この速報値で重要な数字は人口ではなく、世帯数だ。

2025年の世帯数は5712万5000世帯。2020年から129万4000世帯、2.3%増えている。人口が309万人減ったこの5年で、世帯はむしろ増えた。そして、1世帯当たり人員は2.15人まで下がり、すべての都道府県で減少した。

住宅の需要をつくるのは、人口ではなく世帯である。一人暮らしの高齢者が増えれば、人口が減っても住宅は必要とされる。この5年間、住宅需要が人口減ほどには落ちなかった背景にはそれがあった。

ただこれは、需要が守られたという話ではない。一人世帯が増えることで住宅需要が必要とされる局面は、いずれ終わる。単身化が進みきったあと、世帯数は人口とともに減り始める。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、一般世帯の総数は2030年の5773万世帯でピークを迎え、そこから減少に転じる。2050年には5261万世帯まで落ちる見通しだ。猶予は5年ほどしかない。いまはその手前の、それがいちばん見えにくい時期にあたる。

現在も家は建ち続けている。2023年住宅・土地統計調査によれば、総住宅数は6502万戸で、2018年から261万戸増えた。その一方で空き家は900万戸、空き家率13.8%といずれも過去最多・過去最高である。うち賃貸・売却用や別荘を除く、いわゆる放置されやすい空き家は37万戸増えた。人が減り、家が増える。この差が縮む理屈は、いまのところ見当たらない。

最初に影響を受けるのは地方の賃貸経営

家が増え続けることに対して最初に影響を受けるのは、地方で賃貸経営を行っている個人や零細のオーナーだろう。なかでも一括借り上げ(サブリース)契約をめぐるトラブルが、今後さらに増えると見られている。
こうしたサブリース契約はオーナーが業者に建物をまるごと貸し、業者が入居者に転貸する仕組みで、「30年一括借り上げ」「家賃保証」といった営業で土地を持つ個人や、零細企業に売られてきたものだ。
しかしながら、このサブリース契約には法律上の落とし穴がある。

サブリース契約は、建物の賃貸借契約である以上、借地借家法32条の賃料増減額請求の対象になる。最高裁は2004年11月8日の判決で、賃料自動増額特約が付いたサブリース契約にも同条が適用されると判示した。「賃料の減額を求めない」という特約を結んでいても、同条は強行法規と解されており、その特約で適用を排除することはできない。

つまり保証されているのは家賃額ではなく、家賃を払うという約束の枠組みにすぎない。周辺相場が下がれば、業者は正面から減額を請求できる。空室率が上がる地方ほど、その請求が現実になる。ローンの返済額は減らないから、差額はオーナーがかぶることになる。
賃貸住宅管理業法(2021年施行)でサブリース業者の勧誘規制や重要事項説明は義務づけられたが、それは契約前の説明を厳しくしたにとどまる。契約後に相場が下がったときの減額請求そのものを封じる法律ではない。

「限界マンション」は郊外から始まる

分譲マンションでは、別の形で同じ問題が出てくるだろう。

国土交通省の令和5年度マンション総合調査によれば、計画に対して修繕積立金が不足しているマンションは36.6%にのぼる。うち20%を超えて不足しているものが11.7%ある。修繕積立金の月額平均は1万3054円で、25年間で約1.8倍になった。それでも実情としては足りていない。

大規模修繕の足場が組まれたマンション。修繕積立金の不足が課題になっている
修繕費不足のマンションは大きな課題だ

住戸数が同じでも、居住者が高齢化し、年金生活者が増えれば、値上げの合意は取りにくくなる。空室や賃貸化が進めば、管理組合の総会は成立しにくくなる。資材費と人件費は上がっているから、必要な工事費だけが先に膨らむ。外壁タイルの剥離のような、放置すれば通行人に危険が及ぶ工事すら先送りされる――これが「限界マンション」と呼ばれる状態だ。

同じ調査では、築40年以上のマンションで70歳以上の世帯主が半数を超えたことも示されている。建物の老朽化と居住者の高齢化が同時に進む。しかもこの現象は、地価が支える都心より、価格が下がる郊外で先に起きる。修繕積立金を積み増せない物件は、売ろうとしても買い手がつかないため値を引く。結果、管理の質が資産価値に跳ね返る局面に入っている。

いま、やっておきたい対策

分譲マンションの所有者の立場から、やることは3つに絞られる。

1つは、自分の物件を「県」ではなく「街」でどちらに振れたかを確かめること。たとえば、神奈川県全体としては人口が減ったが海老名市は増えている。一方、横須賀市は2万人以上減った。県単位の平均は、もう判断材料にならない。総務省統計局のサイトで市区町村別の速報値は誰でも確認できるので確認してみてほしい。

2つめは、サブリースであれば契約書の賃料改定条項を読み直すこと。何年ごとに見直すのか、減額請求が来たとき交渉の材料になる資料を自らが持っているか。相場を示す資料がなければ、業者の提示額がそのまま通りやすい。

3つめは、修繕積立金の残高と長期修繕計画の照合である。計画上の積立額と実際の残高がずれていないかの確認だ。次の大規模修繕までに足りるかについては、管理組合に資料を求めれば出てくる。第三者による建物検査(インスペクション)を入れるなら、売りに出す直前ではなく、まだ手を打てる時期にやっておきたい。

人口の集中も郊外の縮小も、個人の力で止められるものではない。国勢調査の確定値は2027年にかけて順次公表される。それらの数字はさらに細かくなるが、風向きが変わることはおそらくない。

問われているのは、この流れを止められるかどうかではなく、縮んでいく街の家をどう軟着陸させるかだ。
「つくっては壊す」を繰り返してきた戦後の住宅政策は、900万戸の空き家という形で答えを突きつけられている。次に何を建てるかより、いま建っているものをどう畳むか――そちらの技術と制度のほうが、これからの日本ではよほど難しい。

そしてその先に控えているのが、大都市圏に建てられてきた分譲マンションの老朽化だ。大規模修繕と建て替えをどうするか――郊外の空き家に続く、次の宿題である。

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不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/tokyo_fuji02.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7473 <![CDATA[ 円高で売られたスズキと、買われたロームが同じ日に決算発表|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7473.html Tue, 04 Aug 2026 20:00:00 +0000 Tue, 04 Aug 2026 17:00:10 +0000 1 同じ相場が、逆向きに効いている2社

4日の日経平均は202円63銭高の6万3957円53銭。前日の607円安から反発した。ただ中身を見ると、上がった株と下がった株の顔ぶれがはっきり分かれている。

きっかけは7月31日だ。日米が協調して円買い介入を実施し、それが3日朝に発表された。ドル円は157円台から155円台へ2円半動いた。円高は輸出企業の採算を直接削るので、自動車が売られた。スズキは3日に6.74%安、4日も2.13%安で、3営業日では11.59%安になっている。

一方で半導体・電子部品には買いが入った。ロームは4日に4.55%高、3営業日では16.29%高だ。太陽誘電は同じ3日で17.96%高、ミネベアミツミは9.54%高。円高で採算が悪化するのは電子部品も同じはずだが、そちらはAIサーバー向けの需要という別の材料が上回っている。

本日はこの両極が、同じ日に決算発表を迎える。スズキとロームが並ぶ日ということだ。

この2社は、決算で見るところが違う

同じ「1Q」でも、この2社で確認すべきものは同じではない。

スズキは数字より前提を見る。今期計画は円安を前提に置いて組まれている。1Qの期間(4〜6月)は円高が進む前なので、数字自体は悪くない可能性が高い。問題は、会社が計画の前提為替をどう置き直すかだ。

ロームは数字より反応を見る。前期に過去最大の赤字を出し、今期は黒字転換の計画を出している。この落差はすでに知られているので、1Qの数字が計画どおりでも株価が動くとは限らない。3日で16%上げた地点からの発表なので、「良い数字が出たのに下げる」という出尽くしの形になりやすい。

私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』に書いたのは、決算は「またぐ」ものではなく「結果と反応を見てから動く」ものだということだ。今日のような日はとくにそうだと考えている。

☆【注目度S級】ローム(6963/電気機器)3月期1Q プライム

 見どころ:前期2026年3月期は、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体の生産設備を中心に1936億円の減損損失を計上し、純損益は1584億2400万円の赤字になった。過去最大の赤字額だ。EV市況の低迷でSiCの需要見通しが下振れたことが理由になっている。ただ営業損益の段階では108億6400万円の黒字を確保しており、赤字は減損という一過性の要因で作られている。ここを取り違えると1Qを読み違える。

 1Qで見る数字:今期2027年3月期の会社計画は、売上高5100億円、営業利益300億円、純利益290億円。営業利益は前期の108億6400万円から176.1%増という計画になる。ここで注意したいのは、前1Q(2025年4〜6月)の営業利益がわずか1億9500万円だったことだ。今期計画300億円に対して0.65%にすぎない。つまりこの会社の1Qは、進捗率で読むと実態を大きく外す。見るべきは前年同期比のほうで、前1Qの1億9500万円をどれだけ上回ったかが判断材料になる。

 スイング目線:4日終値は4525円で前日比4.55%高。3営業日では16.29%高と、決算発表の前にすでに大きく上げている。上げてきた地点での発表は、良い数字が出ても「織り込み済み」で下げる形になりやすい。逆に計画に届かない数字が出れば、上げたぶんの反動が出る余地もある。どちらに転んでも値幅は出やすい。

 Point:減損を出し切った会社は、翌期の数字が良く見える。前期の分母が潰れているからだ。私が見るのは、その見かけの改善が本業の回復とどこまで重なっているかで、そこは1Qの営業利益と、会社が計画を据え置くかどうかに表れる。3日で16%上げた地点からの発表なので、数字が良くても素直に上がるとは限らない。私なら発表後の反応を見てから動く。

◎【注目度A級】スズキ(7269/輸送用機器)3月期1Q プライム

 見どころ:前期2026年3月期は、売上収益6兆2929億6700万円で8.0%増、営業利益6229億900万円で3.1%減。増収減益だった。今期2027年3月期の会社計画は、売上収益6兆8000億円で8.1%増、営業利益5700億円で8.5%減、純利益3800億円で13.5%減。売上は伸ばしながら利益は落とす計画で、会社は人財や技術への投資拡大を理由に挙げている。

 1Qで見る数字:前1Q(2025年4〜6月)の営業利益は1421億3600万円だった。今期計画5700億円に対して24.9%にあたる。1Qで24〜25%台に乗れば計画どおりのペースということになる。ただ今回はもう1つ見るところがある。会社が計画の前提為替をどう置いているかだ。5月14日の計画は7月31日の介入より前に組まれているので、円高が進んだいまの水準とはずれている可能性がある。前提が動けば計画も動く。

 スイング目線:4日終値は1904円で前日比2.13%安。3営業日では11.59%安になっている。7月31日の日米協調介入が3日朝に発表され、ドル円が157円88銭から155円23銭まで動いたことで、自動車株がまとめて売られた流れの中にある。下げの理由は前期の業績ではなく為替なので、1Qの数字だけで下げ止まりを判断するのは難しい。

 Point:円高で売られた株が決算発表を迎えるとき、数字が良ければ戻るとは限らない。市場が見ているのは1Qの実績ではなく、これから先の為替前提だからだ。3日で11%下げているぶん、戻ろうとする力も働く。私なら、下げ止まりを株価の下げ幅ではなく、発表後の出来高を伴った反発があるかどうかで確かめる。落ちてくるナイフを掴まない、というのはこういう場面のことだ。

★【要注意D級】日東紡績(3110/ガラス・土石製品)3月期1Q プライム

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

 見どころ:ガラス繊維の会社で、電子材料事業がAIサーバー向けの基板材料として伸びている。前期2026年3月期は売上高1182億2900万円で8.4%増、営業利益208億1900万円で26.6%増、純利益417億7000万円で225.4%増だった。この純利益の伸びが極端なのは、営業利益の2倍の水準まで膨らんでいるからで、本業の伸びだけでは説明がつかない。3Q時点で純利益が351億1000万円まで一気に増えており、一過性の利益が入っていると読むのが自然だ。

 1Qで見る数字:今期2027年3月期の会社計画は、売上高1370億円で15.9%増、営業利益260億円で24.9%増、経常利益260億円で20.7%増。ここまでは増益計画だが、純利益は170億円で59.3%減になる。前期の純利益に一過性の要因が入っていた裏返しだ。上期の計画は売上高679億円で18.3%増、営業利益126億円で33.3%増なので、1Qで営業利益が60億円前後に乗るかどうかが1つの目安になる。純利益の減少だけを見て「業績が悪化した」と読まないこと。この会社で見るべきは営業利益のほうだ。

 スイング目線:4日終値は3170円。20営業日の日中値幅は7.19%で、本日発表する178社のなかで最大だ。売買代金は259億4000万円あり、流動性の面では入りやすい。直近20営業日では9.82%安だが、直近5営業日では9.84%高と、ここ数日で買われている。値幅が大きいということは、上にも下にも同じだけ動くということでもある。

 Point:要注意D級は「業績が悪い株」ではなく「見ている人が少ないのに値が動く株」だ。S級のロームは情報が行き渡っていて、良い材料も悪い材料もあらかた織り込まれている。日東紡はそうではないぶん、数字が出た瞬間に評価が変わる余地が残っている。私が中型株を見るのはこの理由からで、それは『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いた。ただ、そこに要注意と付けているのは、動くということは逆にも同じだけ動くからだ。当日の値幅が7%出る銘柄は、読み違えたときの戻りも速い。

○【注目度プラス】

上の3社ほど深くは追わないが、数字の背景を知らずに1Qや2Qだけ見ると読み違える会社を挙げておく。178社もあると、こういう銘柄が一覧の中に埋もれる。

資生堂(4911/化学)12月期2Q 前期2025年12月期は営業損益が287億8800万円の赤字、純損益も406億8000万円の赤字だった。今期2026年12月期の会社計画は営業利益590億円、純利益420億円で黒字転換を見込む。12月期なので本日出るのは2Q=上期だ。1Qの営業利益は123億3300万円で、通期計画590億円に対して20.9%。上期で40%台に乗るかどうかが黒字転換計画の答え合わせになる。

SUBARU(7270/輸送用機器)3月期1Q 前期2026年3月期は営業利益401億2000万円まで落ちた。米国の追加関税と環境規制関連の費用が重なったためで、3Q時点の通期計画1300億円からも大きく未達だった。今期計画は営業利益1500億円で273.9%増と回復を織り込んでいる。ただ4日終値2584円は3営業日で8.47%安。スズキと同じ円高の直撃を受けている。回復計画の前提が為替でどこまで揺れるかが1Qの焦点になる。

日本郵船(9101/海運業)3月期1Q 7月30日に今期計画を上方修正したばかりだ。経常利益を1850億円から2500億円へ35.1%引き上げ、純利益は2400億円とした。コンテナ船の運賃市況が想定を上回っていることと、円安の進行が理由に挙がっている。修正の直後に出る1Qなので、数字そのものより「修正した水準に見合う進捗が出ているか」を見る決算になる。なお修正理由に円安が入っているぶん、その後の円高がどう効くかは次の四半期以降の話だ。

太陽誘電(6976/電気機器)3月期1Q 前1Q(2025年4〜6月)は営業利益31億4200万円、純損益は8億7600万円の赤字だった。前期通期では営業利益199億9600万円まで戻しているので、この会社の1Qは期初として薄い時期にあたる。4日終値1万290円は3営業日で17.96%高。7月31日には売買が極端に細り、翌営業日から急増している。上げてきた地点での発表という点はロームと同じ構図だ。

花王(4452/化学)12月期2Q 前期2025年12月期は売上高1兆6886億3300万円、営業利益1640億6900万円。今期計画は売上高1兆7500億円で3.6%増、営業利益1820億円で10.9%増と、着実な増益計画になっている。1Qの営業利益449億300万円は通期計画に対して24.7%で、ペースとしては計画線上だ。12月期なので本日は2Q=上期。上期で50%前後に乗るかどうかを見る。

【本日発表予定】

本日は178社が決算発表を行う。プライム115社、スタンダード55社、グロース8社。決算種別では1Qが147社と大半を占める。以下は上で取り上げた8社を除いた、プライム上場の主な銘柄だ。

情報・通信業

メルカリ(4385/情報・通信業) 6月期本決算 ── 6月期なので本日は通期。3Q時点の通期計画は売上高2200億円だった。
ディー・エヌ・エー(2432/情報・通信業) 3月期1Q ── 売買代金18億円。直近20営業日で7.02%安。
カカクコム(2371/サービス業) 3月期1Q ── 価格.com・食べログ。内需系で為替の影響を受けにくい。
BIPROGY(8056/情報・通信業) 3月期1Q

スカパーJSAT(9412)/ 朝日放送グループHD(9405)/ JMDC(4483)/ クロスキャット(2307)/ キューブシステム(2335)/ クレスコ(4674)/ TDCソフト(4687)/ アルファシステムズ(4719)/ コロプラ(3668)9月期3Q / アバントグループ(3836)6月期本決算 / インテージHD(4326)6月期本決算 / CIJ(4826)6月期本決算 / インテリジェント ウェイブ(4847)6月期本決算

電気機器

ミネベアミツミ(6479/電気機器) 3月期1Q ── 4日終値3847円は3営業日で9.54%高。電子部品高の流れに乗っている。
オムロン(6645/電気機器) 3月期1Q ── 4日終値5538円で前日比3.32%高、3営業日で7.14%高。
セイコーエプソン(6724/電気機器) 3月期1Q ── 前期は営業利益495億5800万円。前1Qは141億3600万円だった。

ジーエス・ユアサ(6674)/ ホーチキ(6745)/ タムラ製作所(6768)/ 山一電機(6941)/ 図研(6947)/ 日本シイエムケイ(6958)/ ニチコン(6996)/ ミツバ(7280)

機械・鉄鋼・金属

JFEホールディングス(5411/鉄鋼) 3月期1Q ── 前期は営業利益1122億300万円。前1Qは162億6100万円だった。
神戸製鋼所(5406/鉄鋼) 3月期1Q ── 前期は営業利益1298億8300万円。
IHI(7013/機械) 3月期1Q
THK(6481/機械) 12月期2Q

オークマ(6103)/ タクマ(6013)/ 酉島製作所(6363)/ 荏原実業(6328)12月期2Q / 日本冶金工業(5480)/ 新日本電工(5563)12月期2Q / トーカロ(3433)/ 東洋製罐グループHD(5901)/ パイオラックス(5988)/ リョービ(5851)12月期2Q / アーレスティ(5852)

化学・医薬品・食料品

アステラス製薬(4503/医薬品) 3月期1Q ── 4日終値2168円は3営業日で5.18%安。
キッコーマン(2801/食料品) 3月期1Q ── 前期は営業利益759億4000万円。売買代金73億円と厚い。
三井化学(4183/化学) 3月期1Q
ユニ・チャーム(8113/化学) 12月期2Q
明治ホールディングス(2269/食料品) 3月期1Q

日油(4403)/ 三洋化成工業(4471)/ エステー(4951)/ 荒川化学工業(4968)/ 生化学工業(4548)/ 江崎グリコ(2206)12月期2Q / なとり(2922)

建設・不動産・陸運

鹿島建設(1812/建設業) 3月期1Q ── 売買代金93億円。当日の建設業7社では最大。
西日本旅客鉄道(9021/陸運業) 3月期1Q
京浜急行電鉄(9006/陸運業) 3月期1Q

安藤・間(1719)/ 東急建設(1720)/ 高松コンストラクショングループ(1762)/ 大末建設(1814)/ ライト工業(1926)/ ダイダン(1980)/ SREホールディングス(2980)/ 三重交通グループHD(3232)/ 富士急行(9010)/ AZ-COM丸和HD(9090)

商社・小売・金融・その他

メディパルホールディングス(7459/卸売業) 3月期1Q
アルフレッサ ホールディングス(2784/卸売業) 3月期1Q
博報堂DYホールディングス(2433/サービス業) 3月期1Q
全国保証(7164/その他金融業) 3月期1Q

銀行7社(めぶきFG 7167 / 横浜FG 7186 / プロクレアHD 7384 / 百十四銀行 8386 / 佐賀銀行 8395 / 名古屋銀行 8522 / 北洋銀行 8524)/ 稲畑産業(8098)/ 東邦HD(8129)/ 三信電気(8150)/ 東陽テクニカ(8151)9月期3Q / 立花エレテック(8159)/ 高千穂交易(2676)/ アルコニックス(3036)/ ヤマエグループHD(7130)/ エディオン(2730)/ サンマルクHD(3395)/ 王子HD(3861)/ 日本製紙(3863)/ レンゴー(3941)/ グンゼ(3002)/ 帝国繊維(3302)12月期2Q / 東海カーボン(5301)12月期2Q / フジミインコーポレーテッド(5384)/ 武蔵精密工業(7220)/ タチエス(7239)/ プレス工業(7246)/ A&Dホロンホールディングス(7745)/ 松風(7979)/ グリムス(3150)/ 静岡ガス(9543)12月期2Q / 日本管財HD(9347)/ イチネンHD(9619)/ 山田コンサルティンググループ(4792)/ 新日本科学(2395)

このほかスタンダード55社、グロース8社が発表する。

今後の決算発表予定──またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

今週はここからが本番になる。明日6日は323社、明後日7日は680社と、この2日で1000社を超える。7日は今シーズンの最大の山だ。持ち株の決算発表日を今日のうちに調べておきたい。

日付発表社数
8月5日(水)178社
8月6日(木)323社
8月7日(金)680社
8月10日(月)244社
8月12日(水)203社

680社が1日に出るということは、その日は個別の決算を1社ずつ吟味する時間がないということでもある。前日までに、自分の持ち株がどの日に出るかだけは確かめておく。そのうえで、またぐか降りるかを決める。

いま円高で下げている自動車や、逆に上げている半導体・電子部品を持っているなら、なおさらだ。相場の方向と決算の方向が食い違ったとき、株価は決算より相場に引っ張られることがある。今週はその食い違いが起きやすい週だと考えている。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(スズキ:2026年3月期決算短信〔IFRS〕、日東紡績:2026年3月期決算短信〔日本基準〕、ローム・資生堂・SUBARU・日本郵船・太陽誘電・花王・その他各社:各社2026年3月期または2025年12月期の決算短信および四半期決算短信)にもとづく。株価・出来高・日中値幅・売買代金はJPX公式のJ-Quants APIによる2026年8月4日終値時点の値。日経平均の終値と4日の市況、および7月31日の日米協調介入に関する報道は共同通信および各社報道による。ロームの減損損失額と赤字理由、日本郵船の業績予想修正、SUBARUの今期計画は各社の開示および報道にもとづく。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載内容は将来の株価や利益を保証するものではありません。
株式の売買はご自身の判断と責任において行ってください。

コマンドY/スイングトレーダー
著書『10万円を1年で100万円にする株式投資術』。Gold beans.で毎日、決算短信のポイントを解説。
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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/06/SP_700x300@2x.webp
https://goldbeans.jp/?p=7470 <![CDATA[ トヨタら90社が決算発表、円が2円半動いた翌日の1Q|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7470.html Mon, 03 Aug 2026 20:00:00 +0000 Mon, 03 Aug 2026 14:47:58 +0000 2 円が2円半動いた翌日に、輸出の代表が決算を出す

3日の日経平均は607円12銭安の6万3754円90銭で、3営業日ぶりの反落となった。下げ幅はザラ場で一時1600円を超え、安値は6万2703円47銭である。終値ベースでは0.94%安にとどまったが、日中の値動きはそれよりずっと荒い。

下げた理由ははっきりしている。日米両政府が3日朝、7月31日に協調して円買い介入を実施したと発表したことによる。
3日の東京市場でドル円は157円88銭から155円23銭まで、2円半ほど円高に振れている。日本の財務省は「さらなる協調介入の実施も躊躇しない」としており、これで円安方向への戻りに歯止めがかかるか、一時の円高にとどまるか見方は割れている。

円高は輸出企業の採算を悪くする。業種別では輸送用機器、鉱業、保険が下落率の上位に入り、トヨタ自動車は3.37%安の2964円で終えた。3営業日前の3224円からは8.08%安である。

そのトヨタの1Qの決算が今日、出される。前週末7月31日の日経平均は2494円高の大陽線だったから、上げた翌営業日に急落し、その翌日に輸出の代表格が決算を出すという順番になる。相場のほうが先に動いてしまった状態で数字が出てくるわけで、株価がどちらに振れるかは、決算の中身だけでは決まらない。

本日の発表は90社。明日5日は178社、6日は323社、7日は680社と増えていく。7日は7月31日の266社を大きく上回り、今期の決算発表のピークになる。

☆【注目度S級】

トヨタ自動車(7203/輸送用機器) 3月期 1Q プライム

 見どころ:前期(2026年3月期)は営業収益50兆6849億円で5.5%増、営業利益3兆7662億円で21.5%減だった。日本企業として初めて売上50兆円を超えた一方、利益は2割減っている。増収減益であり、売上が伸びていても利益が減っている会社は、どこかに無理があると読むのが基本だ。トヨタの場合、その無理は米国の関税である。

 1Qで見る数字:前1Q(2026年3月期1Q)は営業収益12兆2533億円で3.5%増、営業利益1兆1661億円で10.9%減だった。この前1Qの時点で、関税による減益影響を4500億円織り込んでいる。今回はその1年後の1Qにあたる。今期(2027年3月期)の会社計画は営業収益51兆円で0.6%増、営業利益3兆円で20.3%減だ。前期に続いて2割の減益を、会社自身が計画に置いている。前1Qの営業益1兆1661億円は今期計画3兆円の38.9%にあたるから、同じ水準で出れば計画に対しては速い進捗になる。逆にいえば、計画がそれだけ低く置かれているということでもある。

 スイング目線:8月3日終値2964円、前日比3.37%安。3営業日で8.08%安と、決算発表前に売られた地点での発表になる。この下げの理由は業績ではなく為替だ。円高が採算に効くという理屈は正しいが、それは今日出る4〜6月期の数字にはほとんど入っていない。介入があったのは7月31日で、対象期間の外だからだ。数字と株価が別の材料で動く局面であり、発表後の初動と出来高を見てからでも遅くない。

 Point:私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、決算は「またぐ」ものではなく、結果と反応を見てから動くものだ。トヨタは今回、変数が2つある。決算の中身と、円がどこで落ち着くかだ。2割減益の計画に対して数字が上振れても、円高が続くと見られれば株価は戻らない。逆も同じである。私なら、数字そのものより、数字が出たあとに出来高を伴って上がり始めるかどうかを見る。

◎【注目度A級】

三菱重工業(7011/機械) 3月期 1Q プライム

 見どころ:前期は売上収益4兆9741億円で14.1%増、事業利益4322億円で21.8%増、親会社所有者帰属当期利益3321億円で35.3%増だった。増収増益であり、トヨタとは逆の形になっている。三菱重工はIFRSを採用しており、営業利益ではなく事業利益という指標を使う点に注意したい。

 1Qで見る数字:前1Qは売上収益1兆1936億円で7.4%増、事業利益1041億円で24.7%増だった。今期(2027年3月期)の計画は売上収益5兆4000億円で8.6%増、事業利益5400億円で24.9%増である。前1Qの事業益1041億円は今期計画5400億円の19.3%にあたる。ここが1つの目安になる。四半期を単純に4等分すれば25%だから、19%台は例年どおり1Qが薄いということだ。今回の1Qがこの水準を上回るかどうかを見たい。

 スイング目線:8月3日終値3799円、前日比0.93%高。円高で輸出関連が売られた日に、逆行して上げている。防衛とガスタービンが主力で、防衛は国内需要が中心のため、円高の直接の影響が自動車ほど大きくないと見られたことが理由だろう。売買代金は813億円とトヨタに次ぐ規模がある。3営業日では1.58%高で、下げた地点からの発表ではない。

 Point:円高の日に上げた株は、その理由を確認しておきたい。三菱重工が上げたのは「業績がよいから」ではなく「円高で売られる理由が薄いから」だ。理由が消極的なぶん、決算の中身が計画を下回れば、支えるものがなくなる。上げてから決算をまたぐのは、下げてからまたぐのと同じだけ分が悪い。

★【要注意D級】

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

イビデン(4062/電気機器) 3月期 1Q プライム

 見どころ:前期は売上高4162億円で12.7%増、営業利益620億円で30.3%増、純利益637億円で89.0%増だった。半導体パッケージ基板が主力で、生成AI向けサーバーの需要が業績を押し上げている。前期の途中で会社計画そのものが上振れた点は押さえておきたい。前1Q発表時点の通期営業益計画は550億円だったが、実績は620億円で着地している。

 1Qで見る数字:前1Qは売上高974億円、営業利益176億円だった。今期の計画は売上高5000億円で20.1%増、営業利益900億円で45.1%増と、さらに大きく伸ばす前提だ。上期に限れば売上2300億円で17.7%増、営業益380億円で16.7%増を置いている。通期45.1%増に対して上期16.7%増だから、伸びの大半を下期に置いた計画である。前1Qの営業益176億円は今期計画900億円の19.6%にあたる。

 スイング目線:8月3日終値1万5535円、前日比6.70%安。ところが3営業日前からは15.33%高である。7月29日には高値1万5340円から安値1万2980円まで振れ、7月31日は1万6650円で寄り引け同値、つまり値幅制限いっぱいまで買われた。直近20営業日の日中値幅は平均8.93%で、本日発表する90社のなかで最大だ。売買代金は1278億円あるので流動性の心配はない。1か月では16.5%安である。

 Point:この銘柄を要注意D級に置いているのは、上がるほうに賭けるためではない。3営業日で15%上げ、その翌日に6.70%下げるという値動きは、そのまま逆にも起きるということだ。1日の値幅が平均8.93%あるということは、朝に買って夕方に1割近く減っている日が普通にあるという意味である。計画の伸びを下期に厚く置いている会社だから、1Qの数字だけで通期を判断するのも難しい。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

○【値動き注意】

上の3社のほかに、本日発表する銘柄のなかで値動きの大きいものを10社挙げておく。直近20営業日の日中値幅(高値と安値の差)が大きい順で、売買代金5億円以上のものだけを並べた。添えたのは、なぜ値が動きやすいかという事業の性格だけで、業績の評価はしていない。数字を読むのは上の3社と同じ手順が要るので、気になる銘柄があれば短信に当たってほしい。動くということは、上にも下にも同じだけ動く。持っている人は、その前提で発表日を確認しておきたい。

東京精密(7729/精密機器) 3月期1Q 値幅5.82%
── 半導体ウエハーの加工装置と測定機。設備投資の増減が直接効く。

ダイヘン(6622/電気機器) 3月期1Q 値幅5.61%
── 溶接ロボットと変圧器。電力設備と自動化の両方に乗る。

デクセリアルズ(4980/化学) 3月期1Q 値幅5.01%
── 光学材料と接合材料。スマートフォン向けの比率が高い。

DMG森精機(6141/機械) 12月期2Q 値幅4.71%
── 工作機械大手。12月期なので本日は上期の数字になる。

ウシオ電機(6925/電気機器) 3月期1Q 値幅4.14%
── 産業用光源。半導体露光装置向けが業績を左右する。

十六フィナンシャルグループ(7380/銀行業) 3月期1Q 値幅3.95%
── 十六銀行が中核の岐阜地盤。金利の影響を受ける側にいる。

ニチアス(5393/ガラス・土石製品) 3月期1Q 値幅3.91%
── 断熱・シール材。プラントと半導体装置の両方に納める。

ヒロセ電機(6806/電気機器) 3月期1Q 値幅3.83%
── コネクタ専業。株価が2万7000円台で1単元の値動きが大きい。

住友大阪セメント(5232/ガラス・土石製品) 3月期1Q 値幅3.75%
── セメントと光電子材料。建設需要と半導体の両方を持つ。

住友重機械工業(6302/機械) 12月期2Q 値幅3.42%
── 建設機械と半導体製造装置。12月期なので本日は上期。

【本日発表予定】

上記13社を除く77社が本日発表する。主なものを決算期ごとに挙げる。

■3月期 1Q

ソフトバンク(9434/情報・通信業) ── 通信の内需で、円高の影響を受けにくい側にいる。8月3日終値224円、前日比0.49%高。3営業日では4.83%安。
三井物産(8031/卸売業) ── 資源と機械の総合商社。円高は輸入側に効くため、自動車とは向きが違う。8月3日終値4874円、前日比1.28%安。
ダイキン工業(6367/機械) ── 空調で海外売上比率が高い。8月3日終値2万3295円、前日比変わらず。3営業日では2.33%安。
日本製鉄(5401/鉄鋼) ── 鉄鋼は3日に売られた業種の1つ。8月3日終値647円、前日比0.40%安。
マツダ(7261/輸送用機器) ── トヨタと同じ日の発表。海外売上比率が高く、円高の影響は自動車のなかでも大きい側だ。8月3日終値1142円、前日比2.93%安。
住友化学(4005/化学) ── 8月3日終値513円、前日比1.67%安。
東ソー(4042/化学) ── 8月3日終値2704円、前日比0.24%安。
帝人(3401/繊維製品) ── 8月3日終値1618円、前日比1.16%安。
ALSOK(2331/サービス業) ── 8月3日終値1146円、前日比2.26%安。3営業日では6.67%安。
日清食品ホールディングス(2897/食料品) ── 8月3日終値2849円、前日比1.26%安。3営業日では8.01%安。
ヤマハ(7951/その他製品) ── 8月3日終値1230円、前日比1.05%安。
タカラトミー(7867/その他製品) ── 8月3日終値3656円、前日比0.80%高。
東武鉄道(9001/陸運業) ── 8月3日終値3016円、前日比2.58%安。
川崎汽船(9107/海運業) ── 海運は円高が運賃収入の円換算に効く。8月3日終値2868円、前日比0.63%高。
長瀬産業(8012/卸売業) ── 8月3日終値1162円、前日比2.07%高。当日の主要銘柄では上昇率が大きい。
丸井グループ(8252/小売業) ── 8月3日終値2887円、前日比2.71%安。
フジ・メディア・ホールディングス(4676/情報・通信業) ── 8月3日終値3919円、前日比1.56%安。3営業日では7.98%安。

NTN(6472)/横河電機(6841)/ユー・エス・エス(4732)/ハウス食品グループ本社(2810)/エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)/アクシアル リテイリング(8255)/Joshin(8173)/サックスバー ホールディングス(9990)/九州旅客鉄道(9142)/三井倉庫ホールディングス(9302)/安田倉庫(9324)/飯野海運(9119)/文化シヤッター(5930)/アイカ工業(4206)/あすか製薬ホールディングス(4886)/AREホールディングス(5857)/日本信号(6741)/大崎電気工業(6644)/アイホン(6718)/TOA(6809)/トピー工業(7231)/エフ・シー・シー(7296)/世紀東急工業(1898)/朝日工業社(1975)/シグマクシス・ホールディングス(6088)/ドリームインキュベータ(4310)/Umios(1333)ほか

銀行は千葉銀行(8331)/ひろぎんホールディングス(7337)/十六フィナンシャルグループ(7380)/東和銀行(8558)/富山銀行(8365)/トマト銀行(8542)の6行が発表する。前日8月3日に11行が出たばかりで、地方銀行の1Qが2日続く形だ。

■12月期 2Q

クボタ(6326/機械) ── 12月期なので本日は上期。北米の農機需要が業績を左右する。8月3日終値2717円、前日比1.04%安。
AGC(5201/ガラス・土石製品) ── 建築用ガラスと電子部材。8月3日終値6063円、前日比0.26%安。
ヤマハ発動機(7272/輸送用機器) ── 二輪と船外機。海外売上比率が高く、円高が効く側にいる。
MonotaRO(3064)/タダノ(6395)/JUKI(6440)/KHネオケム(4189)/オークネット(3964)/立川ブラインド工業(7989)

■9月期 3Q

タスキホールディングス(166A)/HENNGE(4475)/MTG(7806)/ユーラシア旅行社(9376)

■6月期 本決算

アクモス(6888)

このほかスタンダード・グロースの銘柄が発表する。

今後の決算発表予定 またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

本日90社を通過すると、5日に178社、6日に323社、7日に680社と増えていく。7日の680社は7月31日の266社を大きく上回り、今期の決算発表のピークになる。来週10日も244社ある。持ち株の決算発表日を確認していない人は、今日のうちに見ておきたい。

今週は、決算の中身のほかに為替という変数が乗っている。日米が協調介入に踏み切り、さらなる実施も躊躇しないと明言した以上、円がどこで落ち着くかは会社の努力とは関係なく決まる。輸出企業の決算をまたぐと、決算の中身と、為替がどちらに振れるかの2つを同時に当てにいくことになる。片方が読めても、もう片方は読めない。

数字がよくても株価が下がる日はある。円高がその理由になる週だ。私なら、発表後に出来高を伴って上がり始めるのを確認してから動く。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信にもとづく。トヨタ自動車は2026年5月8日公表の2026年3月期決算短信および2025年8月7日公表の同期第1四半期決算短信、三菱重工業は2026年5月12日公表の2026年3月期決算短信および2025年8月5日公表の同期第1四半期決算短信、イビデンは2026年5月11日公表の2026年3月期決算短信で確認した。四半期実績はJPX公式のJ-Quants APIでも突き合わせた。株価・出来高・日中値幅も同APIによる値で、いずれも8月3日終値時点。値動き注意に挙げた10社の日中値幅は、8月3日時点で直近20営業日の平均を取ったもので、いずれも売買代金5億円以上の銘柄に限っている。日経平均の終値と8月3日の市況、日米の協調介入とドル円の値動きは報道による。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載内容は将来の株価や利益を保証するものではありません。
株式の売買はご自身の判断と責任において行ってください。

コマンドY/スイングトレーダー
著書『10万円を1年で100万円にする株式投資術』。Gold beans.で毎日、決算短信のポイントを解説。
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https://goldbeans.jp/?p=7465 <![CDATA[ 三菱UFJら83社が決算発表、日銀が据え置いた翌営業日に銀行11社|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7465.html Sun, 02 Aug 2026 20:00:00 +0000 Sun, 02 Aug 2026 15:27:49 +0000 1 日銀は据え置いた。ただ、中身は据え置きではない

日銀は7月31日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促す、という現状維持を決めた。賛成8、反対1である。

据え置き自体は市場の想定どおりだったが、中身を見ると、反対したのは高田創審議委員で、1.25%程度への引き上げを議案として提出し、否決されている。理由として挙げられたのは、海外発のディマンドショックによる物価の上振れリスクと、海外の金融環境の転換に即応した機動的な対応が必要な新たな局面に入った、という認識だ。

同時に公表された展望レポート(基本的見解)では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比について、2026年度後半以降、2%をはっきりと上回る水準まで伸び率を高めていくと予想している。リスクバランスは、経済の見通しについては概ねバランスしているとする一方、消費者物価の見通しについては上振れリスクの方が大きいとしている。

つまり、金利は据え置かれたが、動かす理由のほうは積み上がったということである。

そのうえで、為替も動いた週だった。
ドル円は7月30日夜、162円80銭台から157円90銭まで5円弱下落している。政府・日銀による円買い介入とみられる動きだと報じられた。31日にも160円50銭から158円54銭まで2円程度下げる場面があり、その後は160円台に戻している。

本日8月3日は83社が決算発表を行う。うち銀行が11社、総合商社が3社、自動車メーカーが3社だ。金利で収益が変わる会社と、為替で収益が変わる会社が、金利と為替の両方が動いた週末の翌営業日に、まとめて決算発表をおこなうというわけだ。

なお、日銀は展望レポートの背景説明を含む全文は、本日8月3日14時に公表する予定だ。決算の数字とは別に、こちらも目を通しておきたい。

☆【注目度S級】

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306/銀行業) 3月期 1Q プライム

 見どころ:前期(2026年3月期)は経常収益14兆6208億円で7.3%増、経常利益3兆4101億円で27.7%増、親会社株主に帰属する当期純利益2兆4272億円で30.3%増だった。純利益は4期連続の過去最高である。金利のある世界に戻ったことが、そのまま数字に出ている。

 今期の会社計画:2027年3月期の純利益計画は2兆7000億円。前期比11.2%増になる。前期の30.3%増からは伸びが落ちる計画だが、それでも増益を見込んでいる。1Qは、この計画に対してどこまで進んだかを見る。

 1Qで見る数字:前1Q(2025年8月4日発表)は経常収益3兆2539億円、経常利益7085億円、純利益5460億円だった。前期通期に対する前1Qの進捗は純利益で22.5%。同じペースなら今期1Qは6000億円台前半ということになる。ここを上回るか下回るかが、ひとつの目安になる。

 金利との関係を、決算のどこで見るか:銀行の場合、政策金利の引き上げは貸出金利に反映されるまで時間がかかる。7月31日に据え置きが決まったばかりで、その影響は今回の1Q(4〜6月)には当然入っていない。今回の数字に入っているのは、それ以前の金利水準での実績である。金利の話と、今日出る数字は、時間軸が違う。ここを混ぜて読むと判断を誤る。

 スイング目線:7月31日終値3,571円、前日比1.30%高。この日の日経平均は一時前日比3,497円高まで急伸したが、同社の上げは1.30%にとどまった。買われたのは半導体で、銀行株には資金が戻っていない。3営業日で見ると2.46%安である。出来高は5,009万株。

 Point:銀行株は、金利の話が出るたびに動く。ただ今日見るのは金利のニュースではなく、4〜6月の実績だ。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、決算は「地雷を避ける」ための守りの作業であって、テーマに乗るための材料ではない。金利が上がりそうだから銀行を買う、という順番で考えると、決算の中身を見ないまま持つことになる。まず数字を見て、それから反応を見るというのが順番だ。

◎【注目度A級】

日産自動車(7201/輸送用機器) 3月期 1Q プライム

 見どころ:前期(2026年3月期)は売上高12兆79億円で4.9%減、営業利益580億円で16.9%減、そして親会社株主に帰属する当期純損失が5330億円だった。前々期も6708億円の純損失で、2期連続の赤字である。営業段階では黒字を保っているが、経常利益は10億円まで落ちている(前期比99.5%減)。営業外に相応の負担があるということだ。

 今期の会社計画:2027年3月期は売上高13兆円で8.3%増、営業利益2000億円で244.8%増、純利益200億円を計画している。赤字からの黒字転換計画だ。営業利益を3.4倍にする前提になっている。

 1Qで進捗率は使えない:ここが読み方の要点になる。前1Q(2025年7月30日発表)は営業損益が791億円の赤字だった。前2Q累計で276億円の赤字、前3Q累計で101億円の赤字、そして通期で580億円の黒字である。期の前半が赤字で、後半に取り戻して通期で黒字にする形になっている。したがって「通期計画2000億円に対して1Qで何%」という進捗率の計算は成り立たない。前1Qの営業赤字791億円と比べて、赤字幅がどこまで縮んだか。あるいは黒字に転じたか。見るのはそこだ。

 為替の影響をどう見るか:円安は輸出企業の円換算額を押し上げるが、今回の1Qは4〜6月の期間であり、7月30日の円買い介入とみられる動きは、当然この数字には入っていない。今回の決算で分かるのは4〜6月の為替水準での実績であって、足元の水準ではない。

 スイング目線:7月31日終値336.2円、前日比5.30%安。日経平均が急反発した日に5%超下げている。出来高は5,718万株で、前日の3,397万株から大きく増えた。3営業日で見ると0.36%安とほぼ変わっておらず、29日に358.2円まで上げたぶんを31日で戻した形になる。株価が300円台の銘柄で1日5%動くということは、値幅としては十数円だ。

 Point:赤字の会社の決算は、黒字の会社より読み違えやすい。良い悪いの基準が「前年比プラスか」ではなく「赤字幅が縮んだか」に変わるからだ。今期は黒字転換の計画を出している以上、1Qで赤字が続いていても計画どおりということはあり得る。逆に、1Qで黒字になっていても通期の計画には届かない、ということもあり得る。私なら、数字そのものより会社が計画を据え置くかどうかを見る。

★【要注意D級】

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

三井E&S(7003/機械) 3月期 1Q プライム

 見どころ:舶用エンジンと港湾クレーンを手がける会社だ。前期(2026年3月期)は売上高3531億円で12.1%増、営業利益376億円で62.7%増、経常利益448億円で61.7%増。営業益が6割増えている。

 それでも今期計画は減益:ここが読みどころだ。2027年3月期の計画は売上高3700億円で4.8%増、営業利益320億円で15.0%減、経常利益370億円で17.6%減、純利益300億円で22.0%減。前期に6割増やした営業益を、今期は1割5分減らす計画を会社自身が出している。伸びている会社が減益計画を出すときは、そこに理由がある。1Qでその理由が数字に出ているかがチェックポイントだ。

 純利益の見え方にも注意:前期の純利益は384億円で1.6%減だった。営業益が62.7%増えているのに純利益が減っているのは、前々期に一時的な利益があったため。前々期は1Qの時点で純利益287億円に対して営業利益43億円という、明らかに営業外由来の形をしている。前期比を機械的に取ると実態を外す銘柄である。

 1Qで見る数字:前1Q(2025年8月6日発表)は売上高811億円、営業利益88億円だった。前期通期に対する進捗は営業益で23.6%。四半期でおおむね均等に稼ぐ形なので、今期計画320億円に同じ23.6%を当てると1Qで75億円前後になる。前1Qの88億円を下回る計算だ。この水準で出てくるなら計画どおり、ということになる。

 スイング目線:8月2日時点の株価は4,868円。日中値幅は直近20営業日の平均で5.44%と、当日発表83社のなかで3番目に大きい。売買代金は117.8億円で流動性は十分にある。直近1か月では15.6%上昇しており、上げてきたところでの発表になる。

 Point:値幅5.44%というのは、1日で5%前後動く日が普通にあるということだ。動くということは、逆にも同じだけ動く。前期が絶好調だったから安心、という理屈は通らない。現に会社自身が減益計画を出している。私が同社を要注意D級という枠を置いているのは、こういう銘柄が「知名度は低いのに値だけは動く」からで、上がるほうに賭ける枠ではない。1か月で15.6%上げたあとの決算をまたぐのは、上げたぶんだけ落ちる余地も抱えるということだ。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

○【値動き注意】

上の3社のほかに、本日発表する銘柄のなかで値動きの大きいものを10社挙げておく。直近20営業日の日中値幅(高値と安値の差)が大きい順で、売買代金5億円以上のものだけを並べた。添えたのは、なぜ値が動きやすいかという事業の性格だけで、業績の評価はしていない。数字を読むのは上の3社と同じ手順が要るので、気になる銘柄があれば短信に当たってほしい。動くということは、上にも下にも同じだけ動く。持っている人は、その前提で発表日を確認しておきたい。

ニッカトー(5367/ガラス・土石製品) 3月期1Q 値幅7.63%
── 工業用セラミックス。電子部品向けで、当日83社のなかで値幅は最大。

FUJI(6134/機械) 3月期1Q 値幅5.68%
── 電子部品実装ロボットが主力。半導体の物色に連動しやすい。

オルガノ(6368/機械) 3月期1Q 値幅5.35%
── 半導体工場向けの超純水装置。設備投資の増減がそのまま効く。

千代田化工建設(6366/建設業) 3月期1Q 値幅4.89%
── プラント建設。大型案件の採算次第で数字が振れやすい。

日本製鋼所(5631/機械) 3月期1Q 値幅4.53%
── 電池用フィルムの製造装置と防衛関連。テーマが乗りやすい。

三菱自動車工業(7211/輸送用機器) 3月期1Q 値幅4.37%
── 日産・いすゞと同じ日の発表。株価が300円台で値幅が出やすい。

住友ベークライト(4203/化学) 3月期1Q 値幅4.03%
── 半導体封止材で世界首位。半導体の需給に業績が連動する。

東京きらぼしフィナンシャルグループ(7173/銀行業) 3月期1Q 値幅3.91%
── 6月29日に株式分割。分割後で売買単位が下がっている。

ダイトロン(7609/卸売業) 12月期2Q 値幅3.90%
── 半導体製造装置を扱う商社。12月期なので本日は上期。

西日本フィナンシャルホールディングス(7189/銀行業) 3月期1Q 値幅3.05%
── 西日本シティ銀行が中核。金利が地域の貸出にどう出るか。

【本日発表予定】

上記13社を除く70社が本日発表する。主なものを決算期ごとに挙げる。

■3月期 1Q

伊藤忠商事(8001/卸売業) ── 前期は売上高14兆8230億円、純利益9002億円で2.3%増。7月31日終値2,014円、前日比0.47%安。
三菱商事(8058/卸売業) ── 前期は売上高18兆9159億円、純利益8004億円で15.8%減。三菱UFJが最高益を更新した同じグループで、こちらは減益だった。7月31日終値4,776円、ほぼ変わらず。
丸紅(8002/卸売業) ── 7月31日終値5,201円、前日比0.10%高。3営業日では1.35%安。
LINEヤフー(4689/情報・通信業) ── 前期は売上高2兆363億円、営業利益3413億円で8.3%増、純利益1936億円で26.2%増。7月31日終値446.8円、前日比2.53%安。出来高2,554万株。
いすゞ自動車(7202/輸送用機器) ── 日産、三菱自と合わせて自動車3社が同じ日に並ぶ。
エーザイ(4523/医薬品)塩野義製薬(4507/医薬品)持田製薬(4534/医薬品) ── 医薬品が並ぶ。
日本ハム(2282/食料品)プリマハム(2281/食料品)伊藤ハム米久ホールディングス(2296/食料品) ── 食肉3社が同じ日に出る。
ヤマトホールディングス(9064/陸運業)日本航空(9201/空運業) ── 内需の代表格。
リコー(7752/電気機器)JVCケンウッド(6632/電気機器) ── 電機はこの2社。
大和証券グループ本社(8601/証券、商品先物取引業)東京センチュリー(8439/その他金融業) ── 金融では銀行以外にこの2社。
[銀行] 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)と、上の値動き注意に挙げた2行を除くと、群馬銀行(8334)/山形銀行(8344)/山梨中央銀行(8360)/福井銀行(8362)/清水銀行(8364)/紀陽銀行(8370)/愛媛銀行(8541)/富山第一銀行(7184)の8行が発表する。地方銀行が並ぶので、金利の影響が地域の貸出にどう出ているかを横に並べて見られる日でもある。

日本化薬(4272)/セーレン(3569)/東亞道路工業(1882)/日本軽金属ホールディングス(5703)/PALTAC(8283)/ソーダニッカ(8158)/寿スピリッツ(2222)/アイティメディア(2148)/LITALICO(7366)/ソフトクリエイトホールディングス(3371)/NSW(9739)/日産車体(7222)/ティラド(7236)/ワークマン(7564)/東祥(8920)/ぐるなび(2440)ほか

■12月期 2Q

協和キリン(4151/医薬品) ── 12月期なので本日は上期の数字になる。
大塚商会(4768)/東計電算(4746)/JIG-SAW(3914)/オリジナル設計(4642)/いであ(9768)ほか

■9月期 3Q

長谷川香料(4958)/ノエビアホールディングス(4928)/イー・ガーディアン(6050)/ニシオホールディングス(9699)

■6月期 本決算

ジョイフル本田(3191)

このほかスタンダード・グロースの銘柄が発表する。

今後の決算発表予定 またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

本日83社を通過すると、4日に90社、5日に178社、6日に323社、7日に680社と、日を追って増えていく。とくに7日は680社と、7月31日の266社を大きく上回る。持ち株の決算発表日を確認していない人は、今日のうちに見ておきたい。

先週は指数が上下に大きく振れた。週半ばに日経平均が6万448円まで沈み、5月21日以来の安値をつけたあと、週末には一時前日比3,497円高まで戻している。週を通せば249円13銭安の6万4362円02銭で、ほぼ行って来いだ。ただ中身は入れ替わっていて、戻したのは半導体である。銀行も商社も自動車も、この戻りには乗っていない。

この地合いで決算をまたぐと、変数が2つになる。決算の中身と、半導体に戻った資金がそのまま続くかどうかだ。どちらか一方が読めても、もう一方は読めない。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信にもとづく。三菱UFJフィナンシャル・グループは2026年5月15日公表の2026年3月期決算短信、日産自動車は2026年5月13日公表の同期決算短信、三井E&Sは2026年5月14日公表の同期決算短信で確認した。四半期実績はJPX公式のJ-Quants APIによる。株価・出来高・日中値幅も同APIによる値で、三菱UFJ・日産ほかは7月31日終値時点。値動き注意に挙げた10社の日中値幅は、8月2日時点で直近20営業日の平均を取ったもので、いずれも売買代金5億円以上の銘柄に限っている。日銀の決定内容と展望レポートの記述は、日本銀行が2026年7月31日に公表した「当面の金融政策運営について」および「経済・物価情勢の展望(2026年7月)【基本的見解】」による。為替と先週の市況は報道による。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載内容は将来の株価や利益を保証するものではありません。
株式の売買はご自身の判断と責任において行ってください。

コマンドY/スイングトレーダー
著書『10万円を1年で100万円にする株式投資術』。Gold beans.で毎日、決算短信のポイントを解説。
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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/06/SP_700x300@2x.webp
https://goldbeans.jp/?p=7452 <![CDATA[ 住宅ローン変動金利8月アップ 5年ルールの落とし穴と守り・攻めの対策 ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_7452.html Fri, 31 Jul 2026 03:15:00 +0000 Fri, 31 Jul 2026 01:33:38 +0000 1 利上げは6月に決まり、住宅ローンに効くのは8月から日本銀行は6月16日の金融政策決定会合で、政策金利を1.0%程度に引き上げることを決めた。無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を0.75%から0.25%引き上げたもので、適用は翌17日から始まっている。この会合は、植田和男総裁が欠席するなかで開かれた。しかも決定は全員一致ではなく、賛成7、反対1だった。反対した浅田統一郎審議委員は、中東情勢の影響について「物価の上振れリスクよりも生産・雇用の下振れリスクの方が大きい」として、据え置きが望ましいとしている。政策金利の引き上げは、当然のことながら住宅ローンの金利にも影響する。実際、三菱UFJ銀行は6月16日、短期プライムレートを2.125%から2.375%へ0.25%引き上げると発表した。改定日は8月3日である。理由は「日本銀行の金融政策決定会合の結果、ならびに市場金利上昇を受けて」と説明されている。同様にみずほ銀行、みずほ信託銀行も同じ日付でリリースを出しており、三井住友銀行も8月3日の改定となる。さすがメガバンク、重要なことは横並びだ。それはともかく、短期プライムレートとは、銀行が信用力の高い企業に短期で貸し出すときの最優遇金利のこと。変動型の住宅ローンは、多くの金融機関がこれを基準にしている。つまり8月3日は、変動金利で借りている人にとって、金利が動く日ということになる。地域金融機関も追随している。たとえば、たちばな信用金庫は7月7日、短期プライムレートを2.625%から2.875%へ引き上げると告知。改定日はメガバンクと同じ8月3日、引き上げ幅も同じ0.25%だ。水準はメガより0.5%高い。金融機関は、令和の今でも横並び主義である。

3500万円・35年なら、月3877円

では、実際に返済金額はどのように変わるのか。借入3500万円、返済期間35年、元利均等返済で試算したのが以下の表だ。
適用金利毎月返済年間総返済額
0.40%8万9317円107万円3751万円
0.65%9万3194円112万円3914万円
0.90%9万7177円117万円4081万円
1.15%10万1266円122万円4253万円
0.40%から0.65%へ、つまり0.25%上がると、毎月の返済は3877円増える。年間で4万6530円、35年の総返済額では約163万円の差になる。借入額別に見るとこうなる。いずれも残り35年、0.25%上昇の場合だ。3000万円 … 月 +3324円(年 +3万9883円)3500万円 … 月 +3877円(年 +4万6530円)4000万円 … 月 +4431円(年 +5万3177円)5000万円 … 月 +5539円(年 +6万6471円)月3877円という金額をどう受け止めるかは人によるだろうが、この金額は1回分の利上げによる差だ。日銀は決定文で「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と明記していることから、この先も金利は上がるということである。

「5年間は返済額が変わらない」の落とし穴

ただ、変動金利には5年ルールがある。これは金利が上がっても、毎月の返済額は5年間据え置かれるという仕組みだが、安心してはいけない。据え置かれるのは返済額であって、金利ではないという落とし穴があるからだ。借入3500万円・当初0.40%の例で見てみると、毎月の返済額は8万9317円だが、このうち利息が1万1667円、残りの7万7650円が元金の返済になる。
金利が上がっても毎月の返済額8万9317円は変わらないが、利息が増えて元金に回る分が減っていくことを示した図
金利が上がっても返済額は同じ。増えるのは利息で、減るのは元金に回る分だ
要は金利が0.65%に上がると、利息は1万8958円に増えるということ。返済額は8万9317円のまま変わらないが、元金に回る分が7万359円に減ることになる。つまり、これまでより元金の返済が7291円少なくなるということだ。これを5年で計算すると43万7460円になり、当然のことながらこの43万7460円にも利息がかかる。仮に金利が0.90%まで上がると、元金に回る分は6万3067円で当初より月1万4583円、5年で87万4980円の元金が減らないということになるのだ。返済額が変わらないので、家計は痛まない。痛まないけれど、借金も減らないというわけ。そして、5年後の見直しで、返済額は上がる。上限は従前の125%と決まっているので、8万9317円なら最大11万1646円まで上がりうる。5年間で貯まったツケを、6年目からの返済額が引き受ける形になるのである。

返済予定表の確認と繰り上げ返済

対応方法は自分のローンの見直し時期を確認することからはじまる。多くの金融機関は年2回、4月と10月に金利を見直し、返済額の変更は5年ごとに行っている。8月3日に短プラが上がっても、適用がいつになるかは契約によって違うが、重要なことは返済予定表を確認することだ。次に行うことは、いまの返済額に月5000円上乗せしてもやっていけるかを考えておくこと。上の試算のとおり、1回の利上げで数千円動く。2回、3回と続けば1万円を超えてくる。家計に余力があるかどうかを、金利が上がってから考えるより、事前に行うことで、対策の選択肢が増える。その対策の1つが繰り上げ返済だ。繰り上げ返済は、金利が上がる局面ほど効果がある。元金を減らせば、そこに乗る利息も減るからだ。手元資金とのバランスにはなるが、検討する価値はある。借り換えについては、いま急ぐ理由は乏しい。前回の記事(住宅ローン、変動がお得なのは政策金利2%まで? 金利上昇の備え方)で試算したとおり、固定が変動を逆転するには政策金利が2.25%を超える必要があった。現状は1.0%で、まだ幅がある。ただ、その幅も5月時点より確実に縮んでいる。5月の記事では0.75%だったが、2か月半で0.25%動いたということを覚えておきたい。

守りの繰り上げ返済、攻めの売却

ここで注目したいのが、日銀が出した決定文の別紙で、住宅投資について「減少傾向にある」と書いているということだ。これは金利が上がる局面で、住宅を買う動きは鈍るということで、これは借りる側だけでなく、売る側にも影響するということ。実は政府が行う経済対策として、もっとも効果あるのが住宅政策だ。言い換えれば、住宅が売れなければ景気が落ち込む。そこで何らかの住宅政策が打ち出されることが予想される。考えられるのは、住宅買い換えの際の優遇税制の導入や住宅ローン減税だ。現状は、中古住宅の価格は上昇傾向にあり、選択肢の1つに売却もいれておいてもよいだろう。繰り上げ返済が「守りの対策」とすれば、売却は「攻めの対策」といえる。攻守を合わせた対応を考えてみてはどうだろうか。【あわせて読みたい】住宅ローン、変動がお得なのは政策金利2%まで? 金利上昇の備え方 ]]>
不動産 https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/07/nichigin03-e1785460699352.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7444 <![CDATA[ キオクシアら266社が決算発表、チェックすべきこの10社|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7444.html Thu, 30 Jul 2026 20:00:00 +0000 Thu, 30 Jul 2026 10:47:01 +0000 2 熊本地震について(コマンドYより)

7月28日の熊本地震で被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
いまも地震が続いています。現地の方はどうか安全を最優先にしてください。

この記事は、その日に決算を発表する会社の数字を読むためのものです。震災を投資の材料として扱うつもりはありません。工場の停止に触れる箇所がありますが、それは決算の数字を読むうえでの事実として書いています。

——コマンドY

指数は戻ったが、戻したのは2銘柄だった

30日の日経平均は3日ぶりに反発した。ただし中身を見ておきたい。押し上げたのはアドバンテストと東京エレクトロンで、この2銘柄だけで約885円分。前日まで3日続けて下げた反動と、米国市場でAI関連が買い戻された流れを受けたものだ。

指数が戻ったから相場が戻った、とは限らない。半導体の外に目を向けると、東証グロース市場250指数先物は続落している。買いが戻ったのは一部で、全体はまだ様子見が続いている。

その状態で、本日266社が決算を発表する。今年最大の日だ。

☆【注目度S級】

キオクシアホールディングス(285A/電気機器) 3月期 1Q プライム

 見どころ:前期(2026年3月期)は売上2兆3,376億円で37.0%増、営業利益8,704億円で92.7%増、純利益5,545億円で103.6%増。数字だけ見れば申し分ない。にもかかわらず、株価は7月22日の64,270円から30日の39,500円まで、8営業日で38.5%下げた。とくに28日は18.3%安、29日は13.9%安と、2日で3割近く消えている。

 下げた理由は業績ではない:きっかけは米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大きく下げたこと、同じNAND型メモリを手がける米サンディスクが急落したこと、そして子会社の訴訟に関する評決が伝わったことだ。会社の足元の業績が悪化したという発表があったわけではない。半導体セクター全体から資金が抜けた、という需給の話である。

 1Qで見る数字:前1Q(2025年8月発表)は売上3,428億円、営業利益449億円だった。前期の通期営業益8,704億円に対して、前1Qの進捗はわずか5.2%。つまりこの会社は期の後半に利益が集中する。1Qの数字が小さく見えても、それだけで判断はできない。前1Qの営業益449億円を上回るかどうかが、ひとつの目安になる。

 ただし今期の会社計画はない:同社は2027年3月期の通期予想を非開示としている。決算短信で確認した。したがって「計画に対する進捗」という物差しが使えない。市場予想との比較になるが、その予想も割れやすい。数字が出たあとの反応を見る以外に、確かめようがない。

 スイング目線:30日終値39,500円、前日比2.92%高。8営業日で38.5%下げたあとの小反発である。ここから決算をまたぐのは、平時よりさらに分が悪い。変数が2つあるからだ。決算の中身と、半導体セクターに資金が戻るかどうか。どちらか一方が読めても、もう一方は読めない。

 Point:数字が良くても株価が下がることはある。今回はその典型で、下げた理由が業績ではなく需給だった。ここで難しいのは、「業績は悪くないのだから戻るはずだ」と考えたくなることです。私なら、その考えは一度脇に置きます。下げ止まりは下げ幅では確認できない。その後の値動きと出来高でしか確認できないからだ。『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたが、落ちてくるナイフは掴まない。上がり始めを、出来高を伴って確認してからでも遅くない。

◎【注目度A級】

山崎製パン(2212/食料品) 12月期 2Q プライム

 見どころ:12月期なので、本日出るのは2Q=上期(1〜6月)の数字になる。前期(2025年12月期)は売上1兆3,114億円で5.4%増、営業利益611億円で17.9%増、純利益409億円で13.5%増。増収増益で着地している。

 熊本工場の停止について:同社は7月30日、熊本地震の影響で熊本工場(熊本県宇城市)の操業を停止していることを明らかにした。生産設備の点検を進めているという。あわせて本社内に対策本部を設置し、30人を現地へ派遣。福岡工場で生産したパンなど1万個を被災地へ送っている。

 ここで確認しておきたいのは、本日発表される数字は1〜6月期のものであり、7月28日に起きた地震の影響は今回の決算には入らないということだ。工場停止が業績に反映されるとすれば3Q以降になる。今回の数字と地震の話は、分けて読む必要がある。

 2Qで見る数字:前年同期(2025年上期)は売上6,506億円、営業利益347億円だった。前1Q(2026年1〜3月)は売上3,337億円で前年同期比4.7%増、営業利益183億円で9.0%増と堅調に来ている。この流れが上期でも続いているかどうか。前期実績で見ると、上期は通期営業益の56.7%を稼ぐ構造なので、上期で350億円前後なら例年並みのペースということになる。

 スイング目線:30日終値3,598円、前日比2.12%安。直近4営業日では6.17%高で、下げたのは前日だけだ。売買代金は40.8億円で、値動きは大きいほうではない。食品株は相場全体が荒れているときに資金の逃げ場になりやすいが、今回は決算と工場停止の両方が重なる。

 Point:地震の影響が今回の数字に入らないことは、決算を読むうえでは重要な前提だ。ただ、それとは別に、同社が停止した工場を抱えながら別の工場から1万個のパンを被災地へ送っていることは、記録しておいていい事実だと思います。数字の話とは別のところで。

★【要注意D級】

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

ニッポン高度紙工業(3891/パルプ・紙) 3月期 1Q

 見どころ:アルミ電解コンデンサ用のセパレータで高いシェアを持つ会社だ。前期(2026年3月期)は売上186億円で16.2%増、営業利益35億円で43.6%増、純利益26億円で48.3%増。営業益が4割増えている。

 それでも株価は1か月で37.5%安:ここが要注意D級たるゆえんだ。業績は伸びているのに、直近1か月で37.5%下げている。電子部品はAI関連の物色対象になりやすく、上げるときも下げるときも実態以上に振れる。今回は巻き戻しの局面に入っている。

 1Qで見る数字:前1Q(2025年7月発表)は売上46億円、営業利益9億円だった。前期通期に対する前1Qの進捗は営業益で24.2%。四半期ごとにおおむね均等に稼ぐ構造なので、1Qで9億円前後が例年並みということになる。ここを上回るか下回るかが目安だ。

 スイング目線:30日終値5,730円。日中値幅は直近20営業日の平均で7.41%と、当日発表銘柄のなかで最も大きい。売買代金は14.9億円で、この枠の足切り(5億円)は超えているが、大型株と比べれば薄い。出来高は20日平均の1.47倍まで増えており、すでに動き始めている。

 Point:値幅7.41%というのは、1日で1割近く動く日があるということだ。動くということは、逆にも同じだけ動く。業績が伸びているから下値は堅い、という理屈は通らない。現に1か月で4割近く下げている。私なら、この銘柄は決算前には持たない。数字を見てから、上がり始めを確認して入るほうが、リスクの取り方としてはまだ理屈が通る。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

○【注目度プラス】

上の3社ほど深くは追わないが、数字の背景を知らずに読むと判断を誤りやすい会社を挙げておく。266社もあると、こういう銘柄が一覧のなかに埋もれる。

三菱ケミカルグループ(4188/化学) 3月期1Q ── 前期の数字がいびつだ。3Q時点で営業益1,133億円あったものが、通期では301億円に減っている。4Qだけで832億円分が消えた計算になる。純利益も3Q時点1,054億円から通期118億円へ。したがって「前期比」を機械的に取ると実態とかけ離れる。1Qは前年同期と比べるほうがいい。30日終値1,138円、前日比1.56%安。

旭化成(3407/化学) 3月期1Q ── 前期は売上3兆745億円、営業益2,312億円、純益1,588億円。前1Qの営業益536億円は通期の23.2%で、四半期ごとにほぼ均等に稼ぐ。1Qで550億円前後なら例年並み。30日終値1,810円、前日比1.12%安。

双日(2768/卸売業) 3月期1Q ── 商社は営業利益を開示しない会社があり、同社もそのひとつ。前期は売上2兆7,573億円、純利益1,036億円。前1Qの純益211億円は通期の20.3%。営業益で比べようとすると数字がないので、純利益で追う必要がある。30日終値5,345円、前日比0.13%高とほぼ動かず。

ヤクルト本社(2267/食料品) 3月期1Q ── 前期は売上4,864億円、営業益452億円。前1Qの営業益109億円は通期の24.1%。海外飲料の比率が高く、為替の影響を受けやすい。30日終値2,903円、前日比0.29%安。

住友ファーマ(4506/医薬品) 3月期1Q ── 前期の利益の出方が特殊だ。2Q時点で営業益962億円あり、通期は1,073億円。つまり下期はほとんど積み上がっていない。上期に一時的な要因があったとみるべきで、前期比で今期を測ると読み違える。30日終値1,290円、前日比1.94%高。

インフォマート(2492/サービス業) 12月期2Q ── 12月期なので本日は上期の数字。前期は売上188億円、営業益28.6億円。注意したいのは株価位置で、直近1か月で53.2%上げている。上げた地点での発表になる。日中値幅も5.04%と大きい。30日終値567円。

東洋水産(2875/食料品) 3月期1Q ── 前期は売上5,366億円、営業益858億円。前1Qの営業益183億円は通期の21.3%。北米の即席麺が利益の柱で、為替と現地価格の動向が効く。30日終値11,355円、直近4営業日で3.75%高。

【本日発表予定】

上記10社を除く256社が本日発表する。主なものを決算期ごとに挙げる。

■3月期 1Q

大東建託(1878/不動産業) ── 賃貸住宅大手。前期は売上1兆9,847億円、営業益1,353億円。30日終値3,505円、前日比2.67%安。
積水化学工業(4204/化学) ── 住宅と高機能材料。前期営業益1,065億円。30日終値2,734円。
小野薬品工業(4528/医薬品) ── オプジーボの特許動向が焦点。30日終値2,458円。
ZOZO(3092/小売業) ── 前期は売上2,284億円、営業益694億円。30日終値1,196円、前日比2.37%安。
トヨタ紡織(3116/輸送用機器) ── 自動車内装。30日終値2,420円。
関電工(1942)/日本電設工業(1950)/中電工(1941)/四電工(1939)/新日本建設(1879)/明星工業(1976)/中部飼料(2053)/DM三井製糖(2109)/キーコーヒー(2594)/フジッコ(2908)/デジタルアーツ(2326)/テクマトリックス(3762)/八洲電機(3153)/明治電機工業(3388)/富士紡ホールディングス(3104)/小松マテーレ(3580)/トーモク(3946)/旭有機材(4216)/リケンテクノス(4220)/積水化成品工業(4228)/ハリマ化成グループ(4410)/石原ケミカル(4462)/クイック(4318)ほか

■12月期 2Q

セルシス(3663)/東亞合成(4045)ほか

■9月期 3Q

キャリアデザインセンター(2410)ほか

このほかスタンダード・グロースの銘柄が101社発表する。

今後の決算予定 またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

本日266社を通過すると、8月3日に72社が控える。7月最終週で発表のピークはいったん越えるが、8月上旬まで断続的に続く。持ち株の発表日を確認していない人は、今日のうちに見ておきたい。

とくに今週は、指数が上下に大きく振れた週だった。28日に日経平均が2,566円安、30日は3日ぶり反発。この地合いで決算をまたぐと、決算の中身が良くても相場に引っ張られる。逆もある。判断の変数を増やさないほうがいい。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信、およびJPX公式のJ-Quants APIによる。キオクシアホールディングスの前期実績は2026年5月15日公表の2026年3月期決算短信で確認した。株価・出来高・日中値幅はJ-Quants APIによる7月30日終値時点の値。日経平均の30日の動きと市況は報道による。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載内容は将来の株価や利益を保証するものではありません。
株式の売買はご自身の判断と責任において行ってください。

コマンドY/スイングトレーダー
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https://goldbeans.jp/?p=7428 <![CDATA[ 東京エレクトロンら124社が決算、3日で2割安から迎える1Q|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7428.html Wed, 29 Jul 2026 20:00:00 +0000 Wed, 29 Jul 2026 19:40:05 +0000 1 決算の前に2割下げた株を、どう見るか

まず、なぜ下げたのかをはっきりさせておきたい。東京エレクトロンの下げは、この会社の業績が悪化したから起きたものではない。29日に出た売り材料は2つで、フィッチがAIの大規模投資を主要な信用リスクになり得ると警告したこと、そして前日から出ていた中国勢の半導体製造装置への参入報道だ。後者は装置メーカーにとって、商売敵が増えるという話になる。

ここで、指数の動きを見ておきたい。29日の日経平均は930.73円安の61,434.19円。ところがTOPIXは10.44ポイント高の3,974.03ポイントと、逆に上がっている

これは2つの指数の作り方が違うために起きる。日経平均は225銘柄の株価を単純に足して割るため、株価の高い銘柄ほど影響が大きい。50,000円の東京エレクトロンが1割下げれば、それだけで指数が大きく動く。実際この日、日経平均の下げ930円のうち603円は東京エレクトロン1銘柄によるものだった。ソフトバンクグループ283円、キオクシア150円、アドバンテスト112円、TDK 112円と、上位はすべて半導体・ハイテクの値がさ株が占めている。

日経平均 930円安の中身(2026年7月29日)

下げ幅の約3分の2は、東京エレクトロン1銘柄によるもの。日経平均は株価の高い銘柄ほど指数を動かす。

指数を押し下げた銘柄

東京エレクトロン▲603円
ソフトバンクG▲283円
キオクシア▲151円
アドバンテスト▲112円
TDK▲112円

指数を押し上げた銘柄

ファーストリテイリング+76円
コナミ+72円
リクルート+56円
KDDI+45円
トヨタ自動車+36円
数値を表で見る
銘柄寄与度
東京エレクトロン▲603.4円
ソフトバンクグループ▲283.19円
キオクシアホールディングス▲150.65円
アドバンテスト▲112.23円
TDK▲112.13円
ファーストリテイリング+75.63円
コナミグループ+71.90円
リクルートホールディングス+56.32円
KDDI+45.05円
トヨタ自動車+35.87円
日経平均 終値61,434.19円(▲930.73円)
TOPIX 終値3,974.03pt(+10.44pt)

棒の長さは寄与度の絶対値。青が押し下げ、赤が押し上げを表す。同じ日にTOPIXは10.44ポイント高となっており、下げたのは相場全体ではなく半導体・ハイテクの値がさ株である。
出所:日経平均の寄与度は株式情報各社が公表した2026年7月29日の寄与度ランキング、指数の終値は共同通信の報道による。

対してTOPIXは、プライム全銘柄を時価総額で加重する。銘柄数の多い内需・金融・自動車の動きが効きやすい。この日はファーストリテイリング、コナミ、リクルート、KDDI、トヨタなどが指数を押し上げた側にいた。

つまり29日は、相場全体が悪かったのではなく、半導体という一部から資金が抜けて内需に移った日である。日経平均だけを見ていると「相場が崩れた」と読めてしまうが、それは指数の作りが半導体の下げを大きく映しただけだ。同じ日に決算を出す顔ぶれでも、オリエンタルランドは4.3%高、日本たばこ産業は2.0%高で引けている。

だから東京エレクトロンの2割安は、その会社の業績が壊れたのではなく、資金が抜けた側にいたということになる。ここを取り違えないことが出発点だ。同じ「1割安」でも、業績が直撃されて下げたのか、セクターから資金が抜けて下げたのかで、決算が出たあとの戻り方はまるで違う。

この2社は、決算で見るところが違う

指数の割れ方は、そのまま2社の読み方の違いになる。

東京エレクトロンは、数字より「反応」を見る銘柄だ。
 すでに3営業日で2割売られている。この状態では、良い数字が出ても資金が戻ってこなければ上がらないし、逆に期待の水準が下がっているぶん、悪くない数字で戻すこともある。決算の中身そのものより、発表後に出来高を伴って買われるかどうかが判断材料になる。

京セラは、逆に「数字そのもの」を見る銘柄になる。
 ほぼ横ばいで来たということは、株価に何も織り込まれていないということだ。資金の出入りに振り回されていないぶん、1Qの中身がそのまま評価される。前期に営業利益が4.3倍になった会社が、その水準を保てているかどうか——見るのはそこ一点でいい。

そのうえで、こういう日にまたぐのは平時よりさらに分が悪い。
 決算書Watchでは普段からまたぎを推奨していないが、理由は変数の数にある。決算の内容が良いか悪いかに加えて、抜けた資金がそのセクターに戻ってくるかどうかという、もう一つの変数が乗る。良い数字を出しても、資金が抜けている側にいれば売られる。読み切れる場面ではない。

下がったから買う、は理由になっていない。
 3営業日で2割下げた株は安く見える。だが下げ止まったかどうかは、下げ幅ではなく、その後の値動きと出来高でしか確認できない。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で繰り返し書いたのは、落ちてくるナイフを掴まないということだ。急いで拾わなくても、上げ始めてから乗れば間に合う。

持っている場合は、撤退ラインを先に決める。
 29日の日経平均VIは43.93まで上昇し、テクニカルでは4本連続の陰線となった。値動きが荒くなっている局面では、決めていない撤退ラインは守れない。いくらまで下げたら降りるかを、決算が出る前の、まだ冷静なうちに決めておく。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

なお、下の各社の分析は前期までの実績と会社計画にもとづくものだ。29日までの下げを織り込んだ株価水準の評価ではないし、当日の着地を予想するものでもない。

7月30日 本日発表の決算 124社

木曜は124社。水曜の55社から倍以上に増える。半導体、電子部品、医薬品、銀行、電力・ガスと業種が広く散らばる日だ。
値が動きやすい3社について、直近の短信から「どこを見るか」を具体的に置いておく。3社目は、S級・A級の陰に隠れているが値動きが荒い「要注意D級」だ。そのあとに、深追いはしないが数字の背景を知らないと1Qを読み違える5社を短く付けた。発表が多い日ほど、見るべき銘柄は一覧の中に埋もれる。いずれも本日発表の1Qはこれからで、下の数値は前期までの実績と会社計画である。当日の着地を予想するものではない。

☆【注目度S級】

東京エレクトロン(8035/電気機器) 3月期 1Q プライム

 見どころ:半導体製造装置の国内最大手。前期(2026年3月期)は売上高2兆4,435億円で0.5%増、営業利益6,249億円で10.4%減。前々期が売上32.8%増・純利益49.5%増と大きく伸びた反動で、増収率がほぼ止まり、利益は減った。営業利益率は25.6%。ただし純利益は5,744億円で5.6%増と、営業段階の落ち込みとは逆を向いている。

 1Qで見る数字:この会社は通期予想を出していない。短信で示したのは今上期(2Q累計)だけで、売上1兆5,700億円(33.1%増)、営業利益4,310億円(42.2%増)という計画である。前期に減益だった会社が、上期だけで営業益4割増を置いた。ここが今日の焦点になる。前1Q(2025年7月発表)は売上5,495億円・営業利益1,446億円で、前期通期の営業益に対して23.2%を稼いだ。今1Qがこの水準を超えられるかどうかが、上期計画の現実味を測る最初の材料になる。

 スイング目線:29日は10.6%安の50,000円で引けた。24日の62,660円から見れば、3営業日で20.2%下げている。出来高は736万株と、24日の387万株から倍近くに膨らんだ。下げの理由は決算ではなく、中国勢の装置参入報道とAI投資への警戒だ。つまり本日の決算は、業績とは別の理由ですでに大きく削られた地点から始まる。数字が計画線に乗っていても、セクターから資金が抜けている間は反応が鈍いことがある。またぐより、発表後の反応を見てからのほうが分がいい。

 Point:通期予想を出さない会社の1Qは、比べる相手が「上期計画の折り返し」しかない。上期営業益4,310億円の半分、およそ2,150億円が一つの目安になるが、この会社は四半期ごとの振れが大きく、単純な折り返しでは測りにくい。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、株が動くのは good/bad そのものより「期待に対してどうか」だ。ここで注意したいのは、3営業日の2割安で期待の水準そのものが下がっている点である。つまりハードルが下がった状態で数字が出る。良い決算でも上がらないことがある一方、平時なら失望とされる数字が「思ったより悪くない」と受け取られることもある。事前の値動きが大きい銘柄ほど、決算の絶対値だけでは反応を読めない。
 ※本日発表の1Qはまだ出ていない。上の数値は前期までの実績と会社計画であり、当日の結果を予想するものではない。

◎【注目度A級】

京セラ(6971/電気機器) 3月期 1Q プライム

 見どころ:電子部品・セラミック・通信機器の総合メーカー。前期(2026年3月期)は売上高2兆702億円で2.8%増、営業利益1,181億円で332.8%増——つまり4.3倍になった。営業利益率は5.7%で、前期の1.4%から大きく改善している。当期利益は1,409億円で485.0%増。ただし利益率5.7%という水準そのものは、電子部品大手としてはまだ低い。前期が悪すぎた反動という側面が強い。

 1Qで見る数字:注目は今期(2027年3月期)の会社計画のほうだ。売上高1兆9,400億円(6.3%減)と減収を見込みながら、営業利益は1,300億円(10.0%増)を置いている。そして当期利益は1,410億円で、前期比±0.0%の横ばい計画だ。前期の当期利益485%増は税引前165.6%増を上回っており、営業の力だけで説明できる伸びではない。今期の横ばい計画は、その前提を会社自身が置いていないことを示している。前1Q(2025年7月発表)は売上4,780億円・営業利益185億円で、前期通期の営業益に対して15.7%にとどまる。1Qが薄い会社なので、進捗率で読むと低く見えすぎる。前年同期比で見るのが正しい。

 スイング目線:29日は0.1%安の3,613円とほぼ横ばいで、日経平均が930円安となるなかでは持ちこたえた形だ。3営業日でも2.1%安にとどまる。半導体装置ではなく電子部品・内需寄りの構成が、今回の売りの震源から外れている。ただし出来高は769万株と24日の334万株から倍以上に増えており、売り買いは活発になっている。時価総額が大きく、1Qの数字だけで方向が決まりにくい銘柄でもある。

 Point:4.3倍という数字は目を引くが、私は「何倍になったか」より「どの水準から何倍か」を見る。前期の営業利益率1.4%は、2兆円企業としては明らかに低い。そこから5.7%まで戻したのが前期の中身だ。会社が今期に減収計画を置いているのは、戻りきったという判断ではなく、まだ整理の途中だという読み方もできる。私なら1Qの利益率が5%台を維持できているかだけを見る。
 ※本日発表の1Qはまだ出ていない。上の数値は前期までの実績と会社計画であり、当日の結果を予想するものではない。

★【要注意D級】

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

ツガミ(6101/機械) 3月期 1Q プライム

 見どころ:小型精密工作機械の会社だ。スマートフォンや自動車の小さな部品を削り出す機械を作っており、売上の大半を中国が占める。東京エレクトロンが「半導体をつくる装置」なら、ツガミは「その半導体を載せる機器の部品をつくる機械」を売っている。前期(2026年3月期)は売上収益1,291億円で20.2%増、営業利益361億円で54.9%増、純利益167億円で53.6%増。営業利益率は28.0%(前期21.7%)まで上がった。工作機械で28%は高い部類に入る。

 1Qで見る数字:今期(2027年3月期)の計画に、はっきりした段差がある。上期(2Q累計)は売上750億円(24.9%増)、営業利益195億円(28.2%増)と強気だ。ところが通期では売上1,450億円(12.3%増)、営業利益365億円(1.1%増)、純利益170億円(1.5%増)にとどまる。上期に28%増やして通期が1%増ということは、下期は減益を前提に置いているということだ。前期に営業益54.9%増だった会社が、今期はほぼ横ばいの通期計画を出している。この段差をどう読むか。前1Q(2025年7月発表)は売上317億円・営業利益86億円で、前期通期の営業益に対して24.0%を稼いだ。今1Qが上期計画195億円の半分、およそ98億円に届いているかが最初の目安になる。

 スイング目線:29日終値は5,890円。直近20営業日の日中値幅は平均6.65%で、これは本日発表する124社の中で最も大きい。売買代金は35億円あり、板が薄すぎるわけではない。出来高は20日平均の1.20倍。直近1か月では6.8%安と、大きく崩れてはいない。値幅が取れて、かつ売買もできる——この枠で取り上げる条件はそろっている。ただし中国依存が高い分、決算そのものよりも中国の設備投資に関する一言で振れることがある。

 Point:私がD級と呼ぶのは「業績が悪い株」ではなく、見ている人が少ないのに値が動く株のことだ。東京エレクトロンや京セラは情報が行き渡っているぶん、決算の内容がすでに織り込まれていることが多い。むしろこういう会社のほうが、数字が出た瞬間に評価が変わる余地が残っている。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で中型株を重視するのも、この余地を取りにいくためだ。ただし「要注意」と付けているのは、動くということは逆にも同じだけ動くからである。日中値幅6.65%が当日1位ということは、1日で6%動く可能性が両方向にあるということだ。値幅が取れる銘柄は、損も同じ速さで膨らむ。
 ※本日発表の1Qはまだ出ていない。上の数値は前期までの実績と会社計画であり、当日の結果を予想するものではない。

○【注目度プラス】

上の3社ほど深くは追わないが、数字の背景を知らずに1Qだけ見ると読み違える会社を挙げておく。124社もあると、こういう銘柄が一覧の中に埋もれる。

野村総合研究所(4307/情報・通信業) 3月期1Q
 前期(2026年3月期)は売上8,147億円で6.5%増と伸びたのに、営業利益は583億円で56.8%減、純利益にいたっては153億円で83.7%減まで落ちた。原因は本業の失速ではなく、豪州・北米子会社ののれん等の減損損失である。だから今期(2027年3月期)の計画は営業利益1,750億円(200.3%増)、純利益1,190億円(679.9%増)と一気に戻る形になっている。減損が消えるぶんの反動なので、前々期の営業益1,349億円と比べた29.7%増のほうが実力に近い。29日は2.1%高の5,493円で、3営業日では11.3%上げている。半導体の下げの震源から外れたITサービスに資金が入った形だ。1Qは、減損とは無関係の本業がその伸びを保てているかを見る。

武田薬品工業(4502/医薬品) 3月期1Q
 この会社は前期の数字が5月13日の短信から6月5日に修正されている。米国で慢性便秘症治療薬をめぐる反トラスト訴訟の陪審評決が出たことで訴訟引当金を追加計上し、営業利益は4,087億円から62億円へ、当期損益は1,523億円の赤字へと変わった。つまり前期比を機械的に取ると、実態とかけ離れた数字が出る。1Qを見るときは、この一過性要因を外して読む必要がある。29日は1.8%高の5,847円で、3営業日でも3.5%高。医薬品は今回の半導体売りの外側にいる。

みずほフィナンシャルグループ(8411/銀行業) 3月期1Q
 前期は経常利益1兆5,731億円で34.7%増、純利益1兆2,486億円で41.0%増。金利のある世界に戻ったことが、そのまま数字に出た1年だった。ただし29日は1.2%安の8,112円、3営業日では6.2%安と、内需が買われた日にむしろ売られている。銀行株は金利観測で動くため、内需・外需という分け方とは別の軸で振れる。1Qでは、この増益ペースが続いているかを見る。31日には三井住友フィナンシャルグループも出るので、比べて読むとセクターの温度がつかみやすい。

オリエンタルランド(4661/サービス業) 3月期1Q
 29日は4.3%高の3,030円、3営業日で12.9%上げた。本日発表する124社の中でも、直前の上げが最も目立つ一社だ。前期は売上7,045億円で3.7%増と伸びたが、営業利益は1,684億円で2.2%減、純利益も1,218億円で1.8%減と小幅な減益だった。増収なのに減益——著書でも書いたとおり、この形は「どこかに無理がある」と読む起点になる。上げてきた地点で決算を迎えるぶん、良い数字が出ても「織り込み済み」で下げる余地がある。

日本たばこ産業(2914/食料品) 12月期2Q
 12月期なので、本日出るのは上期にあたる2Qだ。この会社は四半期がすでに開示されているぶん、比べる材料がはっきりしている。今1Q(2026年5月発表)は売上9,239億円・営業利益3,045億円で、前1Q(8,269億円・2,487億円)から売上11.7%増・営業益22.4%増と伸ばした。本日の2Qは、この1Qのペースが上期を通して続いたかどうかを見る場面になる。前2Q累計は売上1兆7,345億円・営業益4,798億円だった。29日は2.0%高の6,781円で、内需・ディフェンシブとして買われた側にいる。

【本日発表予定】

以下も本日発表。保有していれば、またぎの判断が必要になる。

プライムの主な銘柄
塩野義製薬(4507/医薬品) 3月期1Q ── 感染症領域が主力。ロイヤリティ収入の振れが大きい。
清水建設(1803/建設業) 3月期1Q ── 大手ゼネコン。資材費と工事採算の改善が続くか。
日立建機(6305/機械) 3月期1Q ── 建機。29日は3.2%高、出来高が20日平均の2.9倍に膨らんでいる。
三井住友トラストグループ(8309/銀行業) 3月期1Q ── 信託。運用・不動産の手数料収入を見る。
コニカミノルタ(4902/電気機器) 3月期1Q ── 29日は3.4%高。低位株で値動きが軽い。
東京瓦斯(9531/電気・ガス業) 3月期1Q ── 原料費と電力事業。大阪瓦斯も同日に出る。
日本精工(6471/機械) 3月期1Q ── 軸受け。自動車生産と中国需要に連動する。
日鉄ソリューションズ(2327/情報・通信業) 3月期1Q ── ITサービス。29日に買われた側。
アンリツ(6754/電気機器) 3月期1Q ── 計測器。通信・半導体の設備投資に連動する。
スタンレー電気(6923/電気機器) 3月期1Q ── 車載ランプ。完成車の生産動向を映す。
日清製粉グループ本社(2002)/フィード・ワン(2060)/日本M&Aセンターホールディングス(2127)/カルビー(2229)/システナ(2317)/コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(2579)/野村不動産ホールディングス(3231)/TISI(3626)/積水樹脂(4212)/NGK(5333)/ちゅうぎんフィナンシャルグループ(5832)/M&Aキャピタルパートナーズ(6080)/アイチ コーポレーション(6345)/椿本チエイン(6371)/マックス(6454)/沖電気工業(6703)/FPG(7148)/エクセディ(7278)/愛三工業(7283)/ノジマ(7419)/日本ライフライン(7575)/キングジム(7962)/三菱鉛筆(7976)/タカラスタンダード(7981)/蝶理(8014)/日本瓦斯(8174)/武蔵野銀行(8336)/秋田銀行(8343)/岩手銀行(8345)/芙蓉総合リース(8424)/みずほリース(8425)/栃木銀行(8550)/岡三証券グループ(8609)/丸三証券(8613)/東洋証券(8614)/水戸証券(8622)/いちよし証券(8624)/京阪神ビルディング(8818)/相鉄ホールディングス(9003)/ハマキョウレックス(9037)/NANKAI(9044)/北海道電力(9509)/大阪瓦斯(9532)/北海道瓦斯(9534)/メイテックグループホールディングス(9744)/NSD(9759)/ステップ(9795)

スタンダード・グロースの銘柄(出来高が細い場合があり、売買のしやすさに注意)
日本ケアサプライ(2393)/クラシル(299A)/AGS(3648)/伊勢化学工業(4107)/ニフティライフスタイル(4262)/Jストリーム(4308)/サイバートラスト(4498)/田谷(4679)/大阪製鐵(5449)/東北特殊鋼(5484)/カナレ電気(5819)/コロナ(5909)/東洋シヤッター(5936)/中央発條(5992)/ファインシンター(5994)/大豊工業(6470)/メディアリンクス(6659)/太洋テクノレックス(6663)/菊水ホールディングス(6912)/サノヤスホールディングス(7022)/ヒロセ通商(7185)/橋本総業ホールディングス(7570)/ミクリード(7687)/ジャパン・ティッシュエンジニアリング(7774)/アートネイチャー(7823)/きもと(7908)/野崎印刷紙業(7919)/東リ(7971)/中央魚類(8030)/三谷産業(8285)/東北銀行(8349)/HSホールディングス(8699)/空港施設(8864)/神戸電鉄(9046)/シーユーシー(9158)/兵機海運(9362)/キムラユニティー(9368)/沖縄セルラー電話(9436)/セゾンテクノロジー(9640)/ホウライ(9679)/帝国ホテル(9708)/NCS&A(9709)/大丸エナウィン(9818)/Genki Global Dining Concepts(9828)

今後の決算予定 ── またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。
明日31日は266社。今週どころか、今シーズンの山場がすぐそこにある。持ち株の発表日は、今日のうちに確認しておきたい。

■7月31日(金) 266社
村田製作所(6981)電気機器/三菱電機(6503)電気機器/デンソー(6902)輸送用機器/HOYA(7741)精密機器/第一三共(4568)医薬品/三井住友フィナンシャルグループ(8316)銀行業/キオクシアホールディングス(285A)電気機器/ZOZO(3092)小売業
 266社が一斉に出る。今回の半導体売りの震源にいるキオクシアもこの日だ。資金が抜けた半導体と、資金が入った内需。その両方の代表格が同じ日に決算を出すことになる。この日をまたぐ判断は、今日のうちに決めておきたい。

■8月4日(火) 77社
トヨタ自動車(7203)輸送用機器/三菱重工業(7011)機械/ダイキン工業(6367)機械/日本製鉄(5401)鉄鋼/三井物産(8031)卸売業
 来週はトヨタが出る。29日に買われた内需・自動車の側が、決算でも支えられるかどうかが見えてくる日になる。

■来週も発表は続く
 8月3日(月)72社、5日(水)167社、6日(木)299社。31日で終わりではない。むしろ6日の299社は31日を上回る。持ち株が来週に回っている場合は、日付を今のうちに確認しておきたい。

またがずに降りても、チャンスが消えるわけではない。良い内容で上がり始めたところに、出来高を確認してから乗り直せばいい。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。急ぐ必要はない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(東京エレクトロン:2026年3月期決算短信、京セラ:2026年3月期決算短信〔IFRS〕、ツガミ:2026年3月期決算短信〔IFRS〕、野村総合研究所:2026年3月期決算短信〔IFRS〕)にもとづく。武田薬品工業の前期数値は2026年6月5日開示の修正後の値、その他の銘柄の実績はJPX公式のJ-Quants APIが配信する各社開示値による。株価・出来高・日中値幅はJ-Quants APIによる2026年7月29日終値時点の値。日経平均・TOPIXの終値と29日の市況は共同通信の報道、日経平均の寄与度は株式情報各社が公表した2026年7月29日の寄与度ランキングによる。本日発表の第1四半期決算の内容ではない。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載内容は将来の株価や利益を保証するものではありません。
株式の売買はご自身の判断と責任において行ってください。

コマンドY/スイングトレーダー
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決算書Watch
https://goldbeans.jp/?p=7412 <![CDATA[ 日経平均2,566円安の翌日に55社が決算、アドバンテストは10%安から|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7412.html Tue, 28 Jul 2026 20:00:00 +0000 Tue, 28 Jul 2026 15:09:54 +0000 1 相場が急落した日の、決算との向き合い方

28日の下げは、個別企業の決算が悪かったから起きたものではない。半導体メモリの競争激化という、業界全体にかかる材料で売られた。ここを取り違えないことが、まず出発点になる。

下げの理由が「相場」なのか「その会社」なのかを分ける。
 28日に売られた銘柄の多くは、自社の業績が悪化したわけではない。地合いに巻き込まれた形だ。一方でキオクシアのように、メモリ価格の競争が業績に直結する会社もある。同じ「1割安」でも中身が違う。

急落の翌日に決算をまたぐのは、平時よりもさらに分が悪い。
 決算書Watchでは普段からまたぎを推奨していないが、こういう日はなおさらだ。理由は単純で、変数が2つに増えるからである。決算の内容が良いか悪いかに加えて、相場全体が落ち着くかどうかが乗ってくる。良い決算を出しても、地合いが悪ければ売られる。読み切れる場面ではない。

下がったから買う、は理由になっていない。
 10%下げた銘柄は安く見える。だが下げ止まったかどうかは、下げ幅ではなく、その後の値動きと出来高でしか確認できない。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で繰り返し書いたのは、落ちてくるナイフを掴まないということだ。急いで拾わなくても、上げ始めてから乗れば十分に間に合う。

持っている場合は、撤退ラインを先に決める。
 含み損を抱えた状態で決算を迎えると、判断が「戻ってほしい」という願望に寄っていく。いくらまで下げたら降りるかを、決算が出る前の、まだ冷静なうちに決めておく。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

なお、下の各社の分析は前期までの実績と会社計画にもとづくものだ。28日の急落を織り込んだ株価水準の評価ではないし、当日の着地を予想するものでもない。

7月29日 本日発表の決算 55社

水曜は55社。火曜の34社からさらに増える。半導体と電機、そして電力・銀行が重なる日だ。
値が動きやすい3社について、直近の短信から「どこを見るか」を具体的に置いておく。最後の1社は、S級・A級の陰に隠れているが、値動きが荒い「要注意D級」として挙げる。なお、いずれも本日発表の1Qはこれからで、下の数値は前期までの実績と会社計画である。当日の着地を予想するものではない。

☆【注目度S級】

アドバンテスト(6857/電気機器) 3月期 1Q プライム

 見どころ:半導体テスタ大手。前期(2026年3月期)は売上収益1兆1,286億円で44.7%増、営業利益4,991億円で118.8%増と、ほぼ2.2倍になった。営業利益率は44.2%。AI向け半導体のテスト需要がそのまま数字に出た形だ。今期(2027年3月期)の会社計画は売上1兆4,200億円(25.8%増)、営業利益6,275億円(25.7%増)。

 1Qで見る数字:前1Q(2025年7月発表)は売上2,638億円・営業利益1,240億円だった。今1Qがこれを上回るかがまず一点。もう一点は進捗率で、通期計画6,275億円に対して1Qがどこまで積めたか。前期は1Qで通期の24.8%を稼いでいるので、四半期の目安25%が一つの基準になる。

 スイング目線:28日は10.1%安の25,510円で引けた。3営業日前の30,800円から見れば17%下げている。値がさで値幅が大きく、指数寄与度も高いため、決算後はセクター全体を動かすことがある。ただし今回は決算の前に相場要因で大きく削られており、決算が良くても地合いに押される可能性がある。またぐより、発表後の反応を見てからのほうが分がいい。撤退ラインは先に決めておきたい。

 Point:営業利益率44%は、製造業としては異例の水準だ。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、こういう銘柄は good/bad より「期待に対してどうか」で振れる。数字が良くても下げることがある。私なら、決算そのものより発表後の出来高を見る。
 ※本日発表の1Qはまだ出ていない。上の数値は前期までの実績と会社計画であり、当日の結果を予想するものではない。

◎【注目度A級】

日本電気(6701/電気機器) 3月期 1Q プライム

 見どころ:前期(2026年3月期)は売上収益3兆5,827億円で4.7%増、営業利益3,599億円で40.3%増。純利益は2,702億円で54.3%増と、いずれも大きく伸びた。営業利益率は10.0%で、初めて2桁に乗せている。

 1Qで見る数字:この会社は1Qが薄い。前1Qの営業利益は354億円で、前期通期3,599億円のわずか9.8%にすぎない。四半期の目安25%と比べて低く見えるのは季節性によるもので、それ自体は異常ではない。見るべきは進捗率ではなく、前1Q(売上7,157億円・営業益354億円)との前年同期比である。

 スイング目線:28日は日経平均が3.95%安となるなかで、1.0%高の4,490円と逆行高だった。半導体ではなくITサービスが主力のため、今回の下げの震源から外れている。時価総額が大きいぶん、1Qの数字だけで急に方向が決まりにくい。ただし利益率10%を維持できるかは注目される。ここが崩れると、前期の改善が一時的だったと読まれかねない。

 Point:1Qが薄い会社を進捗率で判断すると、たいてい読み違える。私なら前年同期比だけを見る。決算は数字を並べる作業ではなく、その会社の型を知ってから見るものだ。
 ※本日発表の1Qはまだ出ていない。上の数値は前期までの実績であり、当日の結果を予想するものではない。

★【要注意D級】

エンプラス(6961/電気機器) 3月期 1Q プライム

 S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

 見どころ:半導体検査ソケットと光通信用レンズの会社だ。アドバンテストが「半導体を検査する装置」なら、エンプラスは「検査するときに半導体を挿す受け皿」を作っている。同じAI・半導体テストの流れの中にいながら、知名度は段違いに低い。前期(2026年3月期)は売上高425億円で11.7%増、営業利益61億円で16.6%増、純利益52億円で32.7%増と、利益の伸びが売上を大きく上回った。

 1Qで見る数字:注目は今期(2027年3月期)の会社計画だ。売上高480億円(12.8%増)と伸ばす一方、営業利益は64億円(3.8%増)、純利益にいたっては50億円で4.5%減の計画を置いている。前期に純利益32.7%増だった会社が、今期は減益計画を出しているということだ。この落差をどう見るか。1Qの数字が計画線を上回れば、計画が保守的だったという読み方が出てくる。前1Q(2025年7月発表)は売上90億円・営業利益9億円だった。

 スイング目線:28日は8.3%安の11,950円。株価1万円超の値がさで、直近20日の日中値幅は平均5.9%と大きい。当日発表の55社の中では上から4番目の水準だ。一方で売買代金は29億円あり、板が極端に薄いわけではない。値幅が取りやすく、かつ売買もできる——この枠で取り上げる条件はそろっている。ただし今回の8.3%安は、この会社の業績が理由ではなく半導体セクター全体の下げに連れたものだ。値がさゆえに1単元の金額も大きく、資金の拘束は重い。

 Point:私がD級と呼ぶのは「業績が悪い株」ではなく、見ている人が少ないのに値が動く株のことだ。S級銘柄は情報が行き渡っているぶん、決算内容が織り込まれていることが多い。むしろこういう会社のほうが、数字が出た瞬間に評価が変わる余地が残っている。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で中型株を重視するのも、この余地を取りにいくためだ。ただし「要注意」と付けているのは、動くということは逆にも同じだけ動くからである。値幅が取れる銘柄は、損も同じ速さで膨らむ。
 ※本日発表の1Qはまだ出ていない。上の数値は前期までの実績と会社計画であり、当日の結果を予想するものではない。

【本日発表予定】

以下も本日発表。保有していれば、またぎの判断が必要になる。

プライムの主な銘柄
小松製作所(6301/機械) 3月期1Q ── 建機。北米・資源国の需要と為替の影響を見る。
野村ホールディングス(8604/証券) 3月期1Q ── 相場の活況度がそのまま収益に出る。
ソシオネクスト(6526/電気機器) 3月期1Q ── 半導体設計。案件の期ズレで数字が振れやすい。
マキタ(6586/機械) 3月期1Q ── 電動工具。海外比率が高く、為替の影響を受ける。
ANAホールディングス(9202/空運業) 3月期1Q ── 夏の旅客需要と燃油費。
中部電力(9502/電気・ガス業) 3月期1Q ── 燃料費と再エネ。電力3社が同日に出る。
小糸製作所(7276/電気機器) 3月期1Q ── 自動車ランプ。完成車の生産動向に連動。
MARUWA(5344/ガラス・土石製品) 3月期1Q ── セラミック基板。AI関連で見られやすい。
日本酸素ホールディングス(4091/化学) 3月期1Q ── 産業ガス。半導体向けの動向。
日本航空電子工業(6807/電気機器) 3月期1Q ── コネクタ。スマホ・車載の需要。
きんでん(1944)/トーエネック(1946)/エス・エム・エス(2175)/コア(2359)/バリューコマース(2491)/カワチ薬品(2664)/東京エレクトロン デバイス(2760)/三菱総合研究所(3636)/日本ゼオン(4205)/日本精化(4362)/第一工業製薬(4461)/フューチャー(4722)/電通総研(4812)/小森コーポレーション(6349)/バルカー(7995)/サンワテクノス(8137)/滋賀銀行(8366)/ほくほくフィナンシャルグループ(8377)/極東証券(8706)/アイザワ証券グループ(8708)/ゼンリン(9474)/北陸電力(9505)/東北電力(9506)/杉本商事(9932)/ジェコス(9991)

スタンダード・グロースの銘柄(出来高が細い場合があり、売買のしやすさに注意)
南海辰村建設(1850)/ドリコム(3793)/ODKソリューションズ(3839)/エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート(3850)/Aiming(3911)/エイトレッド(3969)/日本鋳造(5609)/SBIリーシングサービス(5834)/エムケー精工(5906)/エスティック(6161)/トリニティ工業(6382)/大井電気(6822)/FDK(6955)/アコム(8572)/エリアリンク(8914)/杉村倉庫(9307)

今後の決算予定 ── またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。
今週はここが山だ。明日30日は124社、明後日31日は266社。そのうえ相場が荒れている。持ち株の発表日は、今日のうちに確認しておきたい。

■7月30日(木) 124社
東京エレクトロン(8035)電気機器/京セラ(6971)電気機器/武田薬品工業(4502)医薬品/塩野義製薬(4507)医薬品/日本たばこ産業(2914)食料品/オリエンタルランド(4661)サービス業/野村総合研究所(4307)情報・通信業/清水建設(1803)建設業
 半導体の東京エレクトロンが出る。28日に11.0%安と大きく売られた銘柄だ。アドバンテストの反応と合わせて見ると、セクターの温度がつかみやすい。

■7月31日(金) 266社
村田製作所(6981)電気機器/三菱電機(6503)電気機器/デンソー(6902)輸送用機器/HOYA(7741)精密機器/第一三共(4568)医薬品/三井住友フィナンシャルグループ(8316)銀行業/キオクシアホールディングス(285A)電気機器/ZOZO(3092)小売業
 今週の山場。266社が一斉に出る。今回の下げの震源となったキオクシアもこの日だ。28日はストップ安まで売られており、決算の内容次第では値幅がさらに大きくなる。この日をまたぐ判断は、今日か明日のうちに決めておきたい。

■8月4日(火) 77社
トヨタ自動車(7203)輸送用機器/三菱重工業(7011)機械/ダイキン工業(6367)機械/日本製鉄(5401)鉄鋼/三井物産(8031)卸売業
 来週はトヨタが出る。指数への影響が大きい日になる。

またがずに降りても、チャンスが消えるわけではない。良い内容で上がり始めたところに、出来高を確認してから乗り直せばいい。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。急ぐ必要はない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(アドバンテスト:2026年3月期決算短信、日本電気:2026年3月期決算短信、エンプラス:2026年3月期決算短信)にもとづく。株価・出来高・日中値幅はJPX公式のJ-Quants APIによる2026年7月28日終値時点の値。日経平均の終値と28日の市況は日本経済新聞の報道による。本日発表の第1四半期決算の内容ではない。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載内容は将来の株価や利益を保証するものではありません。
株式の売買はご自身の判断と責任において行ってください。

コマンドY/スイングトレーダー
著書『10万円を1年で100万円にする株式投資術』。Gold beans.で毎日、決算短信のポイントを解説。
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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/06/SP_700x300@2x.webp
https://goldbeans.jp/?p=7382 <![CDATA[ キーエンスら34社が決算発表、営業益率52%の巨艦を1Qでどう見るか|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7382.html Mon, 27 Jul 2026 20:00:00 +0000 Sun, 26 Jul 2026 16:36:58 +0000 2 7月28日 本日発表の決算 34社

火曜は34社。月曜の12社から一段増える。ここから週末にかけて数が跳ねていくが、今日はまだ1社ずつ見られる規模だ。
値が動きやすい2社について、直近の短信から「どこを見るか」を具体的に置いておく。なお、いずれも本日発表の1Qはこれからで、下の数値は前期までの実績と会社計画である。当日の着地を予想するものではない。

☆【注目度S級】

キーエンス(6861/電気機器) 3月期 1Q プライム
 見どころ:営業利益率52%という異例の高収益企業。前期(2025年3月期)は売上高1兆591億円で9.5%増、営業利益5,497億円で11.1%増と、初めて売上1兆円を超えた。ただしこの会社は通期の業績予想を出さない主義で、進捗率では測れない。1Qは前年同期比で、増収基調が続いているかを見極める。

 1Qで見る数字:前1Qの売上・営業利益に対して、今1Qが伸びているか。とくに海外売上(前期は海外比率が過半)の動向を見たい。円高は逆風になりうる。

 スイング目線:値がさ株で、1単元の値動きが大きい。数字そのものより、市場の期待値との差で振れる。またぐより、発表後の反応を見てからのほうが分がいい。撤退ラインは先に決めておく。

 Point:これだけ利益率が高いと、少しの鈍化でも「ピークアウト」と読まれやすい。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、良い数字が"織り込み済み"で出尽くしになる典型がこの手の銘柄だ。私なら、良い決算で下げたときの二段目を待つ。
 ※本日発表の1Qはまだ出ていない。上の数値は前期までの実績であり、当日の結果を予想するものではない。

◎【注目度A級】

SCREENホールディングス(7735/電気機器) 3月期 1Q プライム
 見どころ:半導体製造装置。前期(2026年3月期)は売上高6,057億円で3.1%減、営業利益1,225億円で9.7%減の減収減益だった。今期(2027年3月期)は営業利益1,500億円・22.4%増への回復を掲げているおり、それができているかが見どころだ。

 1Qで見る数字:会社の上期計画は売上3,170億円・営業利益560億円。通期に対して営業利益の37%を上期に置いている。1Qがその半分=営業利益280億円前後に乗るかが最初の目安になる。ここに届かないと、増益計画の現実味が問われる。

 スイング目線:半導体製造装置はセクターで連れて動きやすい。同業の値動きとあわせて見ると方向がつかみやすい。単体の good/bad だけで判断すると足をすくわれる。

 Point:減益から増益へ切り返す初回の四半期だ。私なら、計画の高さより「1Qで滑り出せたか」を先に確認する。滑り出しでつまずくと、その計画はそのまま重石に変わる。

【本日発表予定】

以下も本日発表。保有していれば、またぎの判断が必要になる。

プライムの主な銘柄
日東電工(6988/化学)3月期1Q ── 半導体・電子材料。値幅が出やすい。前年同期比と円高の影響を見る。
シマノ(7309/輸送用機器)12月期2Q ── 自転車部品。12月期の折り返し、通期進捗率。
日本取引所グループ(8697/その他金融業)3月期1Q ── 売買代金の水準が収益に直結。相場活況の反映度。
カプコン(9697/情報・通信業)3月期1Q ── ゲーム。新作・旧作の販売本数で数字が振れる。
大同特殊鋼(5471/鉄鋼)3月期1Q ── 特殊鋼。自動車・産業機械の需要動向。
松井証券(8628/証券)3月期1Q ── ネット証券。売買代金と信用収益。
コメリ(8218/小売業)3月期1Q ── ホームセンター。天候と客単価。
ヒューリック(3003/不動産業)12月期2Q ── 12月期の折り返し。
アマノ(6436/機械)3月期1Q ── 就業・駐車場システム。安定業態。
プレステージ・インターナショナル(4290/サービス業)3月期1Q ── ロードサービス等のBPO。会員数の動向。

綿半ホールディングス(3199/小売業)3月期1Q / システムリサーチ(3771/情報・通信業)3月期1Q / SMK(6798/電気機器)3月期1Q / 南都銀行(8367/銀行業)3月期1Q / 池田泉州ホールディングス(8714/銀行業)3月期1Q / エスコン(8892/不動産業)3月期1Q / 日本車輌製造(7102/輸送用機器)3月期1Q / 北陸電気工事(1930/建設業)3月期1Q / ユアテック(1934/建設業)3月期1Q / Genky DrugStores(9267/小売業)6月期本決算

スタンダード・グロースの銘柄(出来高が細い場合があり、売買のしやすさに注意)
マクアケ(4479/グロース)9月期3Q / リアルゲイト(5532/グロース)9月期3Q / 日本興業(5279/スタンダード)3月期1Q / テセック(6337/スタンダード)3月期1Q / イントラスト(7191/スタンダード)3月期1Q / ムラキ(7477/スタンダード)3月期1Q / PLANT(7646/スタンダード)9月期3Q / 大光銀行(8537/スタンダード)3月期1Q / 光世証券(8617/スタンダード)3月期1Q / 両毛システムズ(9691/スタンダード)3月期1Q / ディーエムエス(9782/スタンダード)3月期1Q

今後の決算予定 ── またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。
今週はここから数が跳ねる。明日29日は55社、明後日30日は124社、31日は266社。持ち株の発表日は、今日か明日のうちに確認しておきたい。

■7月29日(水) 55社
小松製作所(6301)機械/日本電気(6701)電気機器/マキタ(6586)機械/ソシオネクスト(6526)電気機器/東京エレクトロン デバイス(2760)卸売業/日本酸素ホールディングス(4091)化学/エス・エム・エス(2175)サービス業/日本ゼオン(4205)化学
 半導体・機械が集中する日。セクターで連れて動きやすい。

■7月30日(木) 124社
武田薬品工業(4502)医薬品/塩野義製薬(4507)医薬品/日本たばこ産業(2914)食料品/野村総合研究所(4307)情報・通信業/清水建設(1803)建設業/カルビー(2229)食料品
 ここから数が跳ねる。1社ずつ見るのが難しくなる日だ。

■7月31日(金) 266社
キオクシアホールディングス(285A)電気機器/ZOZO(3092)小売業/大東建託(1878)建設業/山崎製パン(2212)食料品/双日(2768)卸売業/ヤクルト本社(2267)食料品
 今週の山場。266社が一斉に出る。この日をまたぐ判断は、今日か明日のうちに決めておきたい。

またがずに降りても、チャンスが消えるわけではない。良い内容で上がり始めたところに、出来高を確認してから乗り直せばいい。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。急ぐ必要はない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(キーエンス:2025年3月期決算短信、SCREENホールディングス:2026年3月期決算短信)にもとづく。本日発表の第1四半期決算の内容ではない。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載内容は将来の株価や利益を保証するものではありません。
株式の売買はご自身の判断と責任において行ってください。

コマンドY/スイングトレーダー
著書『10万円を1年で100万円にする株式投資術』。Gold beans.で毎日、決算短信のポイントを解説。
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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/06/SP_700x300@2x.webp
https://goldbeans.jp/?p=7372 <![CDATA[ キヤノンら12社が決算発表、進捗15.7%の遅れをどう戻すか|決算ウォッチ ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7372.html Sun, 26 Jul 2026 20:00:00 +0000 Mon, 27 Jul 2026 00:17:48 +0000 1 7月27日 本日発表の決算 12社

月曜の12社は、決算シーズンとしては静かな部類だ。ただ、静かな日ほど1社あたりに目が集まる。大型株が単独で出てくる日は、値が素直に動くことがある。注目の2社について、直近の短信から「どこを見るか」を具体的に置いておく。

◎【注目度A級】

キヤノン(7751/電気機器) 12月期 2Q プライム

 見どころ:前1Q(1〜3月)は売上高1兆936億円で3.3%増と伸びたが、営業利益は713億円で26.1%減。増収なのに利益が落ちている。通期計画は売上4兆7,650億円(3.0%増)、営業利益4,560億円(0.1%増)で、1Q時点の進捗率は15.7%。四半期の目安25%に対して、明らかに出遅れている。2Qで見る数字:上期の営業利益が通期計画4,560億円に対して何%まで戻ったか。ここが40%台に乗っていれば下期での挽回に現実味が出るが、30%台前半にとどまれば計画の下方修正が意識されやすい。スイング目線:この規模の銘柄は、数字そのものより通期計画をどう触るかで動く。またぐより、発表後の反応を見てからのほうが分がいい。出来高を伴って上がり始めるかを確認したい。Point:売上は伸びて利益は落ちる。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、これは「どこかに無理がある」形だ。理由がコストなのか、構成なのか。私はそこを説明できるかどうかを見る。

マクニカホールディングス(3132/卸売業) 3月期 1Q プライム

 見どころ:半導体商社。前期(2026年3月期)は売上高1兆2,141億円で17.4%増と大きく伸びた一方、営業利益は419億円で5.8%増にとどまった。売上の伸びほど利益が付いてきていない。2Qで見る数字:今期(2027年3月期)の会社計画は売上高1兆3,000億円(7.1%増)に対し、営業利益520億円で24.0%増。利益を売上の3倍以上のペースで伸ばす計画だ。1Qの営業利益が計画520億円に対してどれだけ積めたか——単純計算の四半期目安は130億円になる。スイング目線:半導体関連は決算後の値幅が出やすい業種。ただしセクターごと連れて動くことがあるので、単体の good/bad だけで判断すると足をすくわれる。Point:計画のハードルは会社が自分で上げた。私なら、1Qでつまずいたときにその高さがそのまま重石になる点を警戒する。

【本日発表予定】

以下の10社も本日発表。スイング的な妙味は限定的とみるが、保有していればまたぎの判断が必要になる。

シンプレクス・ホールディングス(4373/情報・通信業) 3月期 1Q プライム金融機関向けシステム。1Qの前年同期比と、通期計画に対する進捗率を確認したい。

東邦瓦斯(9533/電気・ガス業) 3月期 1Q プライム都市ガス。エネルギー価格と気温の影響を受けやすく、1Qは季節要因が出る。前年同期との比較で見る。

コニシ(4956/化学) 3月期 1Q プライム接着剤大手。原材料コストが利益にどう出ているか。売上が伸びていても利益が減っていれば、そこには理由がある。

横河ブリッジホールディングス(5911/金属製品) 3月期 1Q プライム橋梁。工事の進捗で計上が偏りやすく、1Q単独の数字は振れる。前年同期比で見ておきたい。

SBIグローバルアセットマネジメント(4765/サービス業) 3月期 1Q プライム資産運用。市況の影響を受ける業態なので、前年同期比の方向を確認する。

神奈川中央交通(9081/陸運業) 3月期 1Q プライムバス事業。人件費と燃料費が利益を圧迫していないか、そこが見どころになる。

美樹工業(1718/建設業) 12月期 2Q スタンダード12月期の折り返し。通期計画に対する進捗率を確認する。

イマジニア(4644/情報・通信業) 3月期 1Q スタンダードゲーム。タイトルの投入時期で数字が大きく振れる業態。1Q単独では判断しづらい。

SANEI(6230/機械) 3月期 1Q スタンダード水栓金具。住宅関連の需要動向を映す。前年同期比で見る。

フジオーゼックス(7299/輸送用機器) 3月期 1Q スタンダードエンジンバルブ。自動車生産の動向に連動しやすい。

なお、スタンダード市場の銘柄は出来高が細いことがある。売りたいときに売れるか——スイングでは、そこが値動きの魅力より先に来る。

今後の決算予定 ── またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。今週は月曜こそ12社だが、水曜以降は50社、100社、200社超と増えていく。持ち株の発表日は、今日のうちに確認しておきたい。

■7月28日(火) 34社キーエンス(6861)電気機器/日東電工(6988)化学/SCREENホールディングス(7735)電気機器/シマノ(7309)輸送用機器/日本取引所グループ(8697)その他金融業/ヒューリック(3003)不動産業/さくらインターネット(3778)情報・通信業/大同特殊鋼(5471)鉄鋼/松井証券(8628)証券高値圏にある値がさ株が並ぶ。値幅が出やすいぶん、またいだときの振れも大きい。

■7月29日(水) 55社小松製作所(6301)機械/日本電気(6701)電気機器/マキタ(6586)機械/ソシオネクスト(6526)電気機器/東京エレクトロン デバイス(2760)卸売業/MARUWA(5344)ガラス・土石製品/エス・エム・エス(2175)サービス業/日本酸素ホールディングス(4091)化学半導体・機械が集中する日。セクターで連れて動きやすい。

■7月30日(木) 124社武田薬品工業(4502)医薬品/塩野義製薬(4507)医薬品/日本たばこ産業(2914)食料品/野村総合研究所(4307)情報・通信業/清水建設(1803)建設業/カルビー(2229)食料品/日本M&Aセンターホールディングス(2127)サービス業/野村不動産ホールディングス(3231)不動産業ここから数が跳ねる。1社ずつ見るのが難しくなる日だ。

■7月31日(金) 266社キオクシアホールディングス(285A)電気機器/ZOZO(3092)小売業/大東建託(1878)建設業/山崎製パン(2212)食料品/双日(2768)卸売業/ヤクルト本社(2267)食料品/インフォマート(2492)情報・通信業/デジタルアーツ(2326)情報・通信業今週の山場。266社が一斉に出る。この日をまたぐ判断は、今日か明日のうちに決めておきたい。

またがずに降りても、チャンスが消えるわけではない。良い内容で上がり始めたところに、出来高を確認してから乗り直せばいい。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。急ぐ必要はない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(キヤノン:2026年12月期第1四半期決算短信、マクニカホールディングス:2026年3月期決算短信)にもとづく。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載内容は将来の株価や利益を保証するものではありません。株式の売買はご自身の判断と責任において行ってください。

コマンドY/スイングトレーダー著書『10万円を1年で100万円にする株式投資術』。Gold beans.で毎日、決算短信のポイントを解説。[著書をAmazonで見る →](※Amazonアソシエイトリンク)

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https://goldbeans.jp/?p=7369 <![CDATA[ 【7月24日】今日の決算発表 信越化学、中外製薬など16社 ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7369.html Thu, 23 Jul 2026 19:41:47 +0000 Thu, 23 Jul 2026 19:41:48 +0000 1

7月24日 東証 決算発表予定

[4063 信越化学工業] 3/31 第1四半期
Point: 半導体ウエハ需要の回復軌道と塩ビの市況回復時期。

[4519 中外製薬] 12/31 第2四半期
Point: 主力薬の海外ロイヤルティ収入と新薬パイプライン進捗。

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■ 建設業
[1964 中外炉工業] 3/31 第1四半期
Point: 受注残高の消化進捗と脱炭素関連設備の需要動向に注目。

■ 食料品
[2804 ブルドックソース] 3/31 第1四半期
Point: 原材料高騰に対する価格転嫁の進捗と採算性の改善度。

■ 情報・通信業
[3912 モバイルファクトリー] 12/31 第2四半期
Point: 位置ゲー事業の減衰補填状況と新規Web3領域の寄与度。

■ 化学
[4973 日本高純度化学] 3/31 第1四半期
Point: 電子部品向け貴金属めっき薬品の出荷増減と金価格影響。

■ 鉄鋼
[5659 日本精線] 3/31 第1四半期
Point: 自動車・電子部品向けステンレス線材の需要回復度合い。

■ 電気機器
[6629 テクノホライゾン] 3/31 第1四半期
Point: GIGAスクール特需後の教育IT需要と光学事業の採算。

[6653 正興電機製作所] 12/31 第2四半期
Point: 電力更新需要に伴う受変電設備受注と利益率の変化。

[6858 小野測器] 12/31 第2四半期
Point: EV開発向け計測機器の受注伸び悩み脱却と黒字化進捗。

■ 証券、商品先物取引業
[7175 今村証券] 3/31 第1四半期
Point: 北陸基盤の顧客取引活発化と受託手数料収入の伸び率。

[8595 ジャフコ グループ] 3/31 第1四半期
Point: IPO環境回復に伴う未公開株売却益の計上規模と出来高。

■ 卸売業
[7422 東邦レマック] 12/20 第2四半期
Point: 靴卸の個人消費低迷影響とコスト高に対する価格転嫁。

[8060 キヤノンマーケティングジャパン] 12/31 第2四半期
Point: ITソリューション事業の成長継続性と粗利益率の推移。

■ 陸運業
[9029 ヒガシホールディングス] 3/31 第1四半期
Point: 2024年問題に伴う運賃改定交渉の進捗と人件費影響。

■ サービス業
[9701 東京會舘] 3/31 第1四半期
Point: 婚礼・宴会需要の回復状況とインバウンド利用の寄与度。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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https://goldbeans.jp/?p=7365 <![CDATA[ 【7月23日】今日の決算発表 ディスコなど7社 ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7365.html Wed, 22 Jul 2026 22:12:22 +0000 Thu, 23 Jul 2026 05:54:37 +0000 1

7月23日 東証 決算発表予定

■ 機械

[6146 ディスコ] 3/31 第1四半期
Point:生成AI向けHBM関連装置の受注動向と高い利益率の維持に注目。

■ 食料品

[2268 B-R サーティワン アイスクリーム] 12/31 第2四半期
Point:猛暑効果やコラボ施策による既存店売上高の伸長と、原材料高の吸収度。

■ 電気機器

[6999 KOA] 3/31 第1四半期
Point:車載向け抵抗器の在庫調整の進捗と、稼働率低下に伴う利益への影響。

■ 化学

[7970 信越ポリマー] 3/31 第1四半期
Point:半導体ウエハケースの需要回復ペースと、塩ビ製品の価格改定効果。

■ 情報・通信業

[9478 SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ] 3/31 第1四半期
Point:法人向けDX支援の受注動向と、IT人材サービスの稼働率及び利益率。

■ サービス業

[9733 ナガセ] 3/31 第1四半期
Point:東進ハイスクールの新規生徒獲得状況と、夏期講習に向けた費用の動向。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

この記事を書いた人
コマンドY

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https://goldbeans.jp/?p=7354 <![CDATA[ 【夏バテ、熱中症】体の不調、気力・体力消耗、重症化を防ぐ漢方薬 ]]> https://goldbeans.jp/life/page_7354.html Wed, 22 Jul 2026 05:05:42 +0000 Wed, 05 Aug 2026 03:13:37 +0000 2

この記事でわかること
・夏バテ・熱中症が起こるしくみと漢方薬の考え方
・【気虚タイプ】食欲低下と全身の倦怠感に効く漢方
・【水毒タイプ】水分代謝の滞り・むくみに効く漢方
・【実証タイプ】大量の汗・のどの渇き・ほてりに効く漢方
・【脾虚タイプ】冷えにともなう胃腸の不調に効く漢方
・ワンポイントアドバイス

夏バテ、熱中症を防ぐ漢方薬

今年も暑い夏がやってきました。毎年やってくる高温多湿の厳しい夏、「屋外は猛暑、室内は冷房で寒い」そんな環境の中で体の不調を感じる人が増えています。
夏バテは暑さや冷房の影響で自律神経の乱れや胃腸の機能が低下することにより慢性的なだるさ、汗が出て手足が重い、食欲不振、不眠、下痢、頭痛などがみられます。

また、熱中症は高温多湿の環境下で体内の水分や電解質のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かず、からだに熱がこもる状態です。大量の汗、頭痛、めまいなどの症状がみられ、重症化すると意識障害、筋肉のけいれんなど危険な状態を引き起こす恐れもあり注意が必要です。
西洋医学では水分、電解質の補給、冷却、安静等が中心ですが、からだのバランスを整える漢方薬で予防や重症化しない工夫をしながら、暑い夏を乗り切りましょう。

気虚タイプ 食欲の低下とともに、全身の倦怠感

暑さと湿度により気力が消耗するために食欲が低下し、冷たい物ばかりが欲しくなり、全身の倦怠感などが起こります。気を補ってパワーを取り戻します。

清暑益気湯(セイショエッキトウ)

【主な症状】夏バテのファーストチョイス、暑さによる食欲不振、夏やせ、全身倦怠感、寝汗、口の渇き、尿量減少

【効果】暑さで消耗した体力と水分を補い、からだにこもった熱を冷まします。

【成分の効能】人参(ニンジン)、黄耆(オウギ)、白朮(ビャクジュツ)、升麻(ショウマ)で元気を補い、麦門冬(バクモンドウ)、五味子(ゴミシ)で潤いをとり戻し、黄柏(オウバク)でほてりを改善します。

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

【主な症状】消化機能の低下、四肢のだるさが著しい、食欲不振、全身倦怠感、夏やせ、寝汗、多汗

【効果】胃腸の機能を高めエネルギーを補うことで消耗した体力を回復させます。

【成分の効能】人参、黄耆が低下したエネルギーを生み消化吸収を助け、白朮、陳皮(チンピ)が水分代謝の乱れを改善し、柴胡(サイコ)、升麻がだるさや気分の落ち込みを上に引き上げ、さらに当帰(トウキ)がからだに潤いをつけます。

六君子湯(リックンシトウ)

【主な症状】元々胃腸が弱く、みずおちがつかえる食欲不振、消化不良、吐き気、冷房で冷えると胃が不調になる

【効果】胃腸の機能を活発にし、水分バランスを整えながら消化吸収を助けることで症状を改善

【成分の効能】人参、白朮が胃腸の働きを高めることでエネルギーを生み出し、茯苓(ブクリョウ)が余分な水を排泄、半夏(ハンゲ)は吐き気、胃もたれを改善、陳皮は気の巡りを良くして胃の不快感を和らげます。

水毒タイプ 冷飲食の摂取過多や発汗のアンバランスで水分代謝が滞る

暑さにより大量の水分を摂取し、一方、湿度が高いために発汗・水分調節がうまくいかず、体内に余分な水が停滞。むくみ、めまい、頭痛、吐き気、のどの渇きなどが起こります。水はけを整えることで症状を改善します。

五苓散(ゴレイサン)

【主な症状】口渇、尿量減少、吐き気、頭痛、下痢、めまい

【効果】からだに溜まった余分な水分を排出して水分の偏りを整えます。

【成分の効能】沢瀉(タクシャ)、猪苓(チョレイ)で余分な水分を排出、茯苓は水分代謝を調整し、白朮は余分な湿気を取り除き、桂枝(ケイシ)は血行を改善することで全体のバランスを調整します。

防己黄耆湯(ボウイオウギトウ)

【主な症状】日頃から暑さに弱い、色白で疲れやすい、少し動いただけでダラダラ出る汗(多汗症)、むくみ(特に下半身)

【効果】気を補いながら胃腸の働きを高め、皮膚の表面や主に下半身の余分な水分を排出して代謝を促します。

【成分の効能】防己(ボウイ)と黄耆が余分な水分を取り除き、体力を補いながら、白朮で湿気を取り除き、大棗(タイソウ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)で胃腸の機能を高めます。

実証タイプ 体力があり、大量の汗、強いのどの渇き、ほてりを伴う

暑さやスポーツなどで汗をかいても、外の温度が高いために体温の発散が十分に行われず、汗を吹き出すようにかくのに体温が上昇。体力が消耗し、脱水を起こすこともあります。放置すると痙攣や意識障害を超すこともあり大変危険です。からだにこもった熱を冷ましながら、失われた水分等を補って症状を改善します。

白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)

【主な症状】元々体力があり、激しいのどの渇き、顔のほてり、大量の汗・発熱等で体力を消耗、尿量が少ない

【効果】からだの熱を冷ましながら、水分や栄養分を補うことで症状を改善

【成分の効能】石膏(セッコウ)、知母(チモ)がからだにこもった熱を冷まし、人参や粳米(コウベイ)がエネルギーを補い胃腸の機能を整えて症状を改善します。

海水浴やキャンプなどで真っ赤に日焼けしてからだがほてる時にも有効です。

五苓散(ゴレイサン)

【主な症状】汗をかきすぎて水分を摂取してものどの渇きが治まらない、尿量が少ない、吐き気、頭痛

【効果】からだに溜まった余分な水分を排出して水分の偏りを整えます。

【成分の効能】沢瀉、猪苓で余分な水分を排出、茯苓は水分代謝を調整し、白朮は余分な湿気を取り除き、桂枝は血行を改善することで全体のバランスを調整します。

脾虚タイプ 冷房や冷飲食摂取による冷えにともない胃腸の働きが低下

冷房や冷飲食のためにからだが深部から冷えて胃腸の機能が低下し、冷えはもとより、食欲不振や下痢などをひき越します。

五積散(ゴシャクサン)

【主な症状】冷房病や冷たいものの摂りすぎによる食欲不振等の胃腸機能が低下、一日中だるい、立ちくらみ、頭痛・腰痛・関節痛(上半身はほてるが、下半身は冷える)

【効果】気を巡らせながら、からだを温めて血行や水分代謝を改善することで症状を改善します。

【成分の効能】麻黄(マオウ)、桂枝、乾姜(カンキョウ)、白芷(ビャクシ)、生姜でからだを温め、白朮、茯苓、厚朴(コウボク)、陳皮、半夏で胃腸の機能を調え、さらに当帰で血の巡りを高めます。

真武湯(シンブトウ)

【主な症状】手足の冷え、下痢・腹痛、めまい・立ちくらみ、全身の強いだるさ、胃のあたりでポチャポチャと水の音がする

【効果】からだを温めて水分のバランスを整えることで新陳代謝を高めます。

【成分の効能】附子(ブシ)でからだの芯部から強力に温め、茯苓、白朮で余分な水分・湿気を追い出し、生姜で吐き気や胃の不快感を改善します。

ワンポイントアドバイス

・水分・塩分のこまめな補給(経口補水液や麦茶、ハブ茶などをうまく活用)
・室内外の温度・湿度管理エアコンの適切な使用
・食事による疲労回復と体力づくりビタミンB1の摂取
(キュウリ、ナス、トマト、ニガウリ、スイカ、メロン、大豆製品、豚肉、ウナギなど)
・充分な睡眠、湯船につかる入浴
・適度な運動や入浴で汗をかきやすいカラダつくりを心がける(暑熱順化)

【合わせて読みたい】
【春バテ】不安にイライラ…体調不良を改善 自律神経の乱れを整える漢方薬9選
【胃の不調】胃痛、食べ過ぎ、ストレス…症状別「漢方」の使い分け
【むくみ】下半身の腫れに効く漢方とマッサージ、生活習慣
【冷え症】暖めるだけではダメ!漢方薬・生活習慣・食事で対策「タイプ別改善法」

『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』斉藤明美 著

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暮らし https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/07/24217589_s.jpg
https://goldbeans.jp/?p=7324 <![CDATA[ 【7月22日】今日の決算発表 オービックなど4社 ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7324.html Tue, 21 Jul 2026 20:05:00 +0000 Sun, 19 Jul 2026 17:25:09 +0000 2

7月22日 東証 決算発表予定

[4684 オービック] 情報・通信業 3/31期 第1四半期 プライム
Point:主力のERP導入需要の強さと、高水準な営業利益率の維持しているかの確認。

[3091 ブロンコビリー] 小売業 12/31期 第2四半期 プライム
Point:原材料高の価格転嫁状況と、既存店売上高の回復基調の持続性をチェック。

[4733 オービックビジネスコンサルタント] 情報・通信業 3/31期 第1四半期 プライム
Point:奉行クラウドへの移行進捗に伴うストックビジネスの成長性を検証。

[5576 オービーシステム] 情報・通信業 3/31期 第1四半期 スタンダード
Point:金融・ITインフラ向けシステム開発の受注残高と技術者稼働率をチェック。

10万円を1年間で100万円にする株式投資術
コマンドY 著

※本稿は、 投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

なるほど、WordPressやWord、Excelなどでよく使う、段落を分けない「強制改行(ラインブレイク)」のことですね!私の配慮が足りず、失礼いたしました。

システム上の表示環境でも行間を詰め、かつ太字の範囲を完全に「コードと銘柄名だけ」にするため、Markdownの「同一段落内の改行」のルールを適用して以下のように修正しました。こちらでイメージ通りでしょうか?

3091 ブロンコビリー] 小売業 12/31期 第2四半期 プライム

  • Point:原材料高の価格転嫁状況と、既存店売上高の回復基調の持続性。

4684 オービック] 情報・通信業 3/31期 第1四半期 プライム

  • Point:主力のERP導入需要の強さと、高水準な営業利益率の維持傾向。

4733 オービックビジネスコンサルタント] 情報・通信業 3/31期 第1四半期 プライム

  • Point:奉行クラウドへの移行進捗伴うストックビジネスの成長性。

5576 オービーシステム] 情報・通信業 3/31期 第1四半期 スタンダード

  • Point:金融・ITインフラ向けシステム開発の受注残高と技術者稼働率。
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決算書Watch https://goldbeans.jp/wp/wp-content/uploads/2026/06/SP_700x300@2x.webp
https://goldbeans.jp/?p=7332 <![CDATA[ リースバックとリバースモーゲージの違いとは「売る」か「借りる」か、あなたに合うのはどっち? ]]> https://goldbeans.jp/real_estate/page_7332.html Tue, 21 Jul 2026 05:18:45 +0000 Wed, 05 Aug 2026 03:13:33 +0000 2

この記事でわかること
1. 相談は5年で10倍、7割が70歳以上
2. リースバックは「売って、借りて、住む」
3. 日本では「建物」があっという間にゼロ評価になる
4. リバースモーゲージは「借りて、死後に精算」
5. 共通の敵は「長生き」――どちらも老いに弱い
6. 結局、どちらが自分に合うのか

相談は5年で10倍、7割が70歳以上

自宅に住み続けたまま、まとまったお金をつくる。その手段としてよく並べて語られるのが、リースバックとリバースモーゲージだ。名前も響きも似ているうえ、どちらも「持ち家の高齢者が老後資金を得る方法」として紹介される。だが、この2つは中身がまるで違う。一方は自宅を売る契約で、もう一方は自宅を担保に借りる契約である。ここを取り違えると、時として老後の住まいそのものを失いかねない。

まず、いま何が起きているかを押さえておきたい。
住宅のリースバックに関する相談が、全国の消費生活センターに急増している。国民生活センターの集計では、2019年度に24件だった相談が、2020年度56件、2021年度85件、2022年度129件、2023年度234件、2024年度239件と、5年でおよそ10倍に膨らんだ。契約当事者の年代を見ると、80歳代が41.4%、70歳代が26.8%で、70歳以上が全体の約7割を占める。

国民生活センターは2025年5月、「強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意」と題した注意喚起を出している。寄せられた相談には、以下のようなものがあった。
「朝10時から夜10時過ぎまで勧誘され、仕方なくサインした」
「約6万円だった家賃が3年後に約11万円になり、払えず退去を求められた」
また、中には認知症の父が戸建てを400万円という相場からかけ離れた安値で売却していた、というケースもあった。

なぜ、この数年で急に増えたのか。背景には、リースバックがテレビCMで一気に知られるようになり、参入業者が膨らんだことがある。こうした家の活用法が広がれば、その裏で高齢者を狙う「押し買い」も増えるのは枚挙にいとまがない。
これらの手口はおおむね決まっている。突然の電話や訪問で「固定資産税も修繕費もいらなくなる」とメリットだけを並べ、長時間ねばって熟慮の機会を奪う。根負けして判断力の落ちた高齢者に狙いを定め、相場より大幅に安く買い叩き、そこに高めの家賃を乗せるというもの。
つまり、売却価格を他社と比べさせない、他者に相談させないのが、こうした商法の常套手段である。契約後に親族から「安すぎる」と指摘されて、初めて気づく。急増の正体は、市場の健全な拡大というより、ブームに便乗した勧誘の激化なのだ。
そして、こうしたことが起きる土台には、リースバックが「売却」契約だという一点がある。

リースバックは「売って、借りて、住む」

リースバックは、自宅を不動産業者などに売却し、その代金を受け取ったうえで、今度は借り手としてその家に住み続ける仕組みだ。売買と賃貸借を同時に結ぶ。所有権は買主に移り、あなたは家賃を払う入居者になる。

利点はわかりやすい。売却なのでまとまった現金が一度に入る。引っ越さずに済むうえ、固定資産税や修繕費といった持ち家の負担からは解放される。しかも、年齢や年収の審査が借入ほど厳しくないため、住宅ローンが組みにくい高齢者でも使いやすい。

問題は、売却である以上、家はもう自分のものではない。買主は投資として買っているから、売却価格は市場相場より低く抑えられがちで、そのぶん家賃には利回りが乗る。契約が期間の定まった定期借家だと、期間満了で更新を断られれば住み続けられない。家賃はあとから値上げされることもある。「そのままずっと住める」と言われても、それを無条件に保証する契約ではないのだ。しかも、悪いことにいったん売買が成立すると宅地建物取引業法上のクーリング・オフは効かず、後戻りには高額な違約金がついてくるということなのだ。

日本では「建物」があっという間にゼロ評価になる

しかし、リースバックやリバースモーゲージという方式が悪いとは言い切れない。両者に共通してのしかかる日本特有の事情があるからだ。有り体にいうと、日本の不動産評価は、建物の価値が驚くほど早く目減りするのだ。

木造住宅の法定耐用年数は22年(事業用)とされ、税務や査定の世界では、この年数をかけて建物の帳簿価値がゼロへ向かって落ちていく。実際、金融機関は木造の建物担保価値を築20年ほどでゼロと見なすことが多く、不動産会社の査定でも築25年前後で建物価格はほぼつかない。
むろん、築20年の家が住めなくなるわけではない。物理的にはあと20年、30年と住める。だが「評価」の世界では、家はほとんど土地の値段でしか見てもらえなくなる。欧米では手入れした中古住宅がむしろ値上がりすることも珍しくないのに、日本は「つくっては壊す」を前提に建物をすり減った消耗品として扱う。

この評価の癖が、リースバックとリバースモーゲージの両方に効いてくる。リースバックでは、建物にほとんど値がつかないぶん買い取り額が土地値中心に圧縮され、「思ったより安い」という一因になる。一方、リバースモーゲージでは、担保に取れるのが実質的に土地の価値だから、借りられる額もそこで頭打ちになる。自宅を「資産」として使おうとした瞬間、日本では建物の価値がほとんど当てにならないのた。そして、このことがリースバック、リバースモーゲージを使いづらいものにして、提示される金額が安くなる容易になっている。

リバースモーゲージは「借りて、死後に精算」

話が横道に逸れたが、リバースモーゲージのついても説明しよう。
リバースモーゲージは、そもそも自宅を手放さないしくみだ。つまり、自宅を担保に金融機関からお金を借り、存命中は利息だけ(あるいは無利息で元金据え置き)を払い、契約者が亡くなったあとに自宅を売却して元金を一括返済する。名前の「リバース(逆)」は、住宅ローンが月々返して残高が減っていくのに対し、こちらは借りて残高が増えていく――返し方が逆だ、という意味だ。そして、所有権は自分が持ったまま、住み続けられる。

代表格が、住宅金融支援機構が民間金融機関と提供する「リ・バース60」である。2024年度の実績を見ると、利用は1297戸、付保金額は207.9億円。申込者の平均年齢は69.5歳、平均年収は403万円で、職業は年金受給者が53.6%と半数を超える。平均融資額は約1667万円、月々の返済は平均4.2万円。使い道は注文住宅の建築やリフォームが多い。

ここで押さえておきたいのが「ノンリコース型」という選択肢だ。2024年度の利用の99.7%がこれを選んでいる。ノンリコースとは、契約者の死亡後に自宅を売っても借入残高に届かなかった場合、その不足分を相続人が負わなくてよい、という仕組みである。担保割れのリスクを子に回さずに済む。ただし利点にはコストが伴い、金利はやや高めに設定される。

とはいえ、リバースモーゲージにも死角はある。
担保は自宅そのものだから、地価が下がれば借りられる額は目減りする。変動金利型では、将来の金利上昇で利払いが膨らむ。存命中に配偶者へどう引き継ぐか、同居する家族がいる場合にどうなるか――契約前に詰めておくべき点は少なくない。

そして、都市部の高齢者にとって見過ごせないのが、マンションが使いにくいという点だ。
リバースモーゲージは「契約者の死後に担保を売って一括返済する」仕組みだから、金融機関は長い年月をかけて確実に売れて値の残る担保を欲しがる。ところがマンションは、建物価値の割合が大きく、管理・修繕の状態や築年数で資産性が大きくぶれる。土地の持ち分は名目上のもので、いざ売るときに戸建てほど値が読めない。だから多くの商品が担保を土地付きの戸建てに限り、マンションは「対象外」または「都心の一定価格以上に限る」といった厳しい条件をつける。「持ち家はあるのに、自分のマンションでは使えない」と、都市部でこの壁にぶつかる人は少なくない。いわば、建物がすぐゼロ評価になる日本の独特のものが、ここでも効いているわけだ。

共通の敵は「長生き」――どちらも老いに弱い

ここまで別々に見てきた2つには、じつは同じ弱点がある。
どちらも長生きするほど不利になるのだ。老後の安心のために選んだはずの契約が、想定より長く生きたとたんに生活を苦しくさせる原因にもなりうる。これは両者を貫く最大の落とし穴で、営業段階ではまず語られない。

リースバックの場合。売却で得たお金は、使えば減る。生活費に取り崩していけば、いずれ底をつく。ところが家賃は、住んでいる限りずっと発生する。売却金を使い切ったあとも、家賃の支払いは続く。
しかも、家賃の値上がりもある。実際、国民生活センターの事例では、売却金を生活費で使いきったあとに家賃が6万円から11万円へ上がり、退去を迫られた例もある。「入ってくるお金には限りがあり、出ていく家賃には限りがない」という構造そのものが、長生きした人を追い詰める。

リバースモーゲージの場合も同様だ。借入残高は毎年ふくらんでいくが、担保にできる自宅の評価には上限がある。長生きして融資限度額まで借り切ってしまえば、それ以上はもう借りられない。老後資金の柱にしていた蛇口が、いちばん助けが要る人生の最終盤で止まる。変動金利型なら、その間に金利が上がって利払いがが多くなり、その心配もつきまとう。90歳、95歳まで元気に生きること自体はめでたい。だが、この二つの契約は「そこまで長くは生きない」という暗黙の前提の上に立っている。

老後資金の設計で怖いのは、じつは早死にではなく長生きのほうだ。自宅を使った資金調達を考えるなら、「平均寿命で足りるか」ではなく「95歳まで生きても住まいと家計が保つか」で試算しておきたい。

結局、どちらが自分に合うのか

表のように2つを並べると、選び方の軸が見えてくる。

リースバックが向くのは、まとまった現金がいますぐ必要な人だ。高齢者施設の入居一時金、事業や借金の清算、建て替えの資金などだ。使途に締め切りがあり、所有権を手放してでも現金化を急ぐなら、売却と資金調達を一度に済ませられるリースバックは理にかなう方法だろう。
国民生活センターが紹介する健全な活用例も、施設入居までの短期間を定期借家でつなぐ、といった「出口の決まった」使い方だった。逆に「ずっとこの家に住み続けたい」人が、生活費の穴埋めのために安易に選ぶと、家賃で家計が回らなくなる。ここが最大の落とし穴である。

リバースモーゲージの向く人は、自宅に住み続けたまま、生活資金やリフォーム費を少しずつ確保したい人だ。持ち家を子に遺すつもりがなく、死後に売却して精算されても構わない――そう割り切れるなら、所有権を保ったまま資金を得られる利点は大きい。そして、相続人に負担を残したくないなら、ノンリコース型を軸に検討したい。

共通して言えるのは、「自宅を使った資金調達」は取り返しがつきにくい、という一点だ。売れば戻せず、借りれば残高は積み上がる。だからこそ、突然の電話や訪問に押されてその場で決めてはいけない。複数の事業者から条件を取り、家族に相談し、自宅を売る・貸す以外の選択肢――住み替え、通常の売却、不動産担保ローン――とも並べて比べたい。判断に迷えば、消費者ホットライン「188(いやや)」に一本かける手もある。

似た顔をした二つの契約は、老後の暮らしを支える道具にも、住まいを失う入口にもなる。分かれ目は、仕組みを正しく知り、自分の10年後から逆算して選べるかどうかにある。急ぐ話ほど、いったん立ち止まって確かめておきたいところだ。

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https://goldbeans.jp/?p=7320 <![CDATA[ 【7月21日】今日の決算発表 インソースなど3社 ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7320.html Mon, 20 Jul 2026 20:04:00 +0000 Sun, 19 Jul 2026 17:07:54 +0000 2

7月21日 東証 決算発表予定

[6200 インソース] サービス業 9/30期 第3四半期 プライム
Point:主力の研修事業の受注回復傾向と、DX関連の進捗状況がポイント。

[296A 令和アカウンティング・ホールディングス] サービス業 3/31期 第1四半期 グロース
Point:新規導入件数の推移とシステム投資に伴う利益率への影響を確認。

[9629 ピー・シー・エー] 情報・通信業 3/31期 第1四半期 プライム
Point:クラウド版移行によるARRの成長率と既存製品の更新需要をチェック。

10万円を1年間で100万円にする株式投資術
コマンドY 著

※本稿は、 投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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https://goldbeans.jp/?p=6839 <![CDATA[ 元ギャル・黒田実緒/建設業を本気で良くする株式会社社長に聞く HPで人手不足の建設業を次世代へつなぐ ]]> https://goldbeans.jp/business/page_6839.html Fri, 17 Jul 2026 01:01:00 +0000 Fri, 17 Jul 2026 01:13:55 +0000 1

HPはツールで人間関係をつくる入り口

「うちはHP屋じゃない」と言い切る黒田実緒。ほとんどがこれまでHPを作ってきたクライアントからの紹介という同社だが、その信頼と強みとは何か。

建設業の会社は、企業理念がないところがほとんどです。でも話を聞いていくと、「世の中にこういうものを提供したい」「社員にはこうなってほしい」などの願いがあります。何度もインタビューを重ねていると「本当はこういうことが伝えたかった」というものが出てきます。
私がやりたいのは、そうした思いを、建設業界外の人たちにも伝わるように翻訳し表現することです。HPはそのためのツールで、会社とお客さんとの深い人間関係を築くための入口です。それをミッション、ビジョン、バリューとして言語化し、それを軸にHPに落とし込んでいく。このプロセスを一緒に進めると、社長自身も「自分がやりたかったことはこれだ」と腹落ちしていく。その瞬間がいちばん面白いと感じています。

作業着で現場へ――職人の心を開くために

どんな現場にも飛び込み、溶け込んで理解を深める

HPをつくるために取材にうかがうときは作業着で現場に行くんですよ。泥だらけになってもいいというつもりで。
建設業のコンテンツを作るのに、スーツとヒールで乗り込んでいったら、相手は心を開いてくれないと思うんですね。自分がお客さんの立場だったら、そういう格好の人が自分たちのことを本当に理解してくれるとは思えない。作業着で現場に密着し続けているからこそ、相手も「この人は自分たちの世界をわかってくれている」と受け取ってくれる。
それと女性スタッフが多いという特徴も、弊社の強みです。職人さんたちも話しやすいということもあると思いますが、かしこまらず、素でいられるそういう空気の中で話を聞くので、普段は口の重い職人さんでも、本音や仕事へのプライドがじわじわと出てきます。

ギャル校出身、学校には行かずバイト漬け――異色の青春時代

通っていた高校はギャルがいっぱいの"ギャル校"でした。当時は『egg』や『小悪魔ageha』といったギャル雑誌が全盛期で、おしゃれもしたいしお金もほしいということで、友人もみんなバイトしていました。私はバイト先で大人と話すのが面白くなってしまって抜け出せなかった。地元宇都宮の飲み屋街、ど真ん中にある焼き鳥屋さんで働いていました。ほとんど学校にも行かず、よく卒業できたなという感じです(笑)。
お店はビジネスマンや経営者の人たちが同伴で使うようなお店で(笑)、知らない世界をどんどん教えてもらえる、その刺激が忘れられなくて、卒業後、宇都宮で有名なママの下で働き、その後は派遣で働いて上京しました。


上京後は六本木の高級クラブ、ユニクロの社員、下北沢でのバイトを掛け持ち。20代前半の黒田は「好きなことを仕事にしたい」という焦りの中で、自分の居場所をひたすら模索し続けた。

20代前半は「本当に好きなことを仕事にしたい」「自分は何者なんだろう」ということばかりが強く、何をしたらよいかを模索しながら苦しみ、答えがわからず動き回っていたという感じです。
学歴コンプレックスがあったので、英語ぐらい喋れればと、学生ビザでオーストラリアに1年半ほど語学留学しました。
向こうではワーキングホリデーで来ている日本人たちが口々に「日本の働き方が合わない」と言うんですね。でも、自分は日本でしっかりと「働く」ことに向き合ってなかった。そのままぬくぬくとオーストラリアに居続けてもと思って25歳で帰国して、そこで初めてちゃんとした就職活動をしました。

「誰のために働くか」がその答えのヒント

経営者、従業員、その家族との繋がりも大切にする

帰国後の就職活動で、初めて自分の過去と向き合った黒田。「誰のために働くか」を問い直したとき、浮かんだのは、休日も作業着を着ていた父親の姿だった。

初めて就職活動をした時、「誰のために仕事の時間を使いたいのか」という角度で自分の過去を見直してみました。そのときに思い浮かんだのが中学生のころ、休日も関係なく作業着でいた父の姿でした。その当時は父とデパートに行くなんて絶対イヤだって思っていた。スーツを着た男性と結婚するんだ、なんて勝手に思っていました(笑)。

そんな過去を振り返った時、こんなに身近にいる私が知らず知らずのうちに職業に偏見を持っていたことに気がついたんです。それが衝撃で、悲しくなって……。父のことを尊敬しているし、父のような誠実でプライドを持った人がたくさんいる建設業界のことを、もっと多くの人に知ってほしいと思ったのです。

建設事業者が集まる飲み会にいきなり参加

思い立ったら即行動。ネットで見つけた建設業の飲み会に一人で飛び込んだ。コネも実績も、何一つない状態からのスタートだった。

ネットを見ていたら「建設職人甲子園」という団体を見つけ、その団体の飲み会の告知があったので申し込みました。あとで聞くと、この飲み会に一般の人が飛び込みで入ってくることはなかったらしくて、20代の女の子がいきなり現れたものだから、みんな物珍しさで声をかけてもらいました。そこから人脈がどんどんつながっていきました。
ウェブのスキルは、飲食店で働いていたころに縁のあったHP制作会社の社長さんから「建設業に貢献したいなら、うちで一緒にやってみないか」と声をかけてもらって、そこに入社させてもらいました。
建設関連会社はWEBマーケティングは苦手だったので、私がやりたかった建設業とデジタルの組み合わせがマッチしたというのは、偶然の産物だったと思います。

外せないルール――思いつきで話すお客に引きずられない

クライアントに伝える内容、方向性を説明しながら仕事を進める

そこで実績を積み技術を身につけ、独立。今もHP制作にあたって、絶対に外せないルールがあるという。

インスタや、動画を作るにしても「これは何の目的で、誰に向けて作っているのか」を常に軸にする。お客さんは思いつきで、あれもこれも入れたいと言ってきます。
もちろん、それも取り入れますが、最初の目的からずらさないこと。そのことをこちらがしっかりグリップしないとダメです。そこで流されてしまうと、誰にも刺さらないコンテンツができあがってしまいます。
そこで必要なことは目的から逆算して、ターゲットに対してどんな訴求をすれば興味を持ってもらえるかを徹底的に考えることです。

建設業を次の世代へ――「見える化」が紡ぐ、会社の未来

これまで「人手不足」と「事業承継」という2つの課題を「見える化」によって、多くの建設会社を支援してきた黒田。建設業を本気で良くする株式会社が目指すものとは何か。

黒田の挑戦はこれからも続く

私たちのミッションは、建設業を次の世代につなぐことです。人材採用は、つまりは会社を継続させることが目的です。今、事業承継が業界全体の深刻な問題になっていますが、その課題解決で私たちが一番価値を発揮できると思っています。
思いを言葉、映像にして、見える化することで次の世代につないでいく。言葉になっているから認識できる、信じられる。思いが伝わるから共感が生まれ、応援したくなる。
言語化されていない技術や思いを掴み、届けたい相手に届ける。これからもそれをずっとやり続けていきたいと思っています。

建設業を本気で良くする株式会社:https://kensetsu-yokusuru.com/

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https://goldbeans.jp/?p=6852 <![CDATA[ 顧客はほぼ口コミ、HPだけで採用・受注倍増の理由―「建設業を本気で良くする株式会社」 ]]> https://goldbeans.jp/business/page_6852.html Fri, 17 Jul 2026 01:00:00 +0000 Fri, 17 Jul 2026 01:14:50 +0000 1

建設業を取り巻く少子高齢化と人手不足の現実

日本の人口減少は、あらゆる産業に深刻な影を落としている。少子化によって生産年齢人口は縮小し続け、企業の採用活動はどの業界でも年々困難を極めている。その中でも特に厳しい状況に置かれているのが建設業だ。

国土交通省が2026年4月に公表した最新データによると、建設業就業者数は2025年時点で478万人。1997年のピーク時の685万人から、およそ四半世紀の間に200万人あまりが減少した。

深刻なのは数だけではない。このデータによれば、就業者のうち55歳以上が36.6%を占め、29歳以下は11.9%と、全産業と比べても高齢化が進行している。
加えて、厚生労働省が2026年1月に公表した職業別有効求人倍率で見ると、建設躯体工事従事者が7.48倍、土木従事者が6.33倍、建築・土木・測量技術者が6.00倍と、建設系職種は軒並み高水準で、求人を出しても人が集まらない状態が深刻化している。

この課題は建設業界だけの問題ではない。道路、橋、トンネル、住宅といった日常生活を支えるインフラのすべては、建設業に支えられている。しかも、2030年までには団塊の世代が70代後半となり、技術継承が困難になることで、工事の品質や安全性にも深刻な支障が生じかねず、その技術を継承する担い手不足は、日本全体の問題といえる。

「建設業を本気で良くする」――その名の通りの会社

こうした厳しい現実に、真正面から向き合っている会社がある。その名も「建設業を本気で良くする株式会社(以下=建設業を本気)」である。
同社を引っ張っているのが社長の黒田実緒さんだ。黒田さんは1989年生まれ、栃木県宇都宮市出身。父はサッシ職人、祖父は宮大工という、筋金入りの建設業の家に育った。

そんな黒田さんだが、思春期のころは、父の作業着姿を恥ずかしいと感じたこともあったという。しかし、「自分は何をしたらいいか」をもがく中で、建設業に対する偏見を持っているのが、誰より建設業の近くにいた自分自身だったということに気づいたという。
父親をはじめ、建設現場で働く人に目を向けると、そこには仕事にプライドを持ち、口はぶっきらぼうでも愛情深い「職人」の格好よさを改めて感じた。その姿を社会に伝えたい――この原体験が会社設立へと繋がった。

理念やビジョンを言語化する

「クライアントの思いや理念、ビジョンを言語化するのが仕事」と話す黒田さん

建設業を本気では、HP制作をメインに動画制作、SNS運用代行を通じて、建設事業者の採用・集客を支援している。対応業種は、クレーン、内装仕上げ、足場工事、土木、左官、塗装、解体、電気、地盤改良など多岐にわたる。

同社が掲げる企業理念は「建設業を、次の世代へつなぐ」というもの。
「私はHP屋さんではありません。HPを創ることを通して、理念やビジョンを言語化しているんです」
と話す黒田さん。建設事業者が持つ技術・誇り、責任感を言葉と映像にして、世間一般が持ついわゆる「3K」のイメージを払拭。魅力ある仕事であることを伝え、新しい人材を呼び込み、業界全体を活性化することに力を注いでいる。

ホームページが変えた「会社の未来」――2つの実例

建設業を本気がこれまでHP制作を行ってきた事業者は100社あまり。そのほとんどが同社にHP制作を行ってきたクライアントからの紹介だという。これだけでもいかに信頼され、実績を上げてきたかの証左になるだろう。

そんな顧客と最初に行うのが、徹底的なヒアリングだ。そこで行う最も重要なことは「何を目的にHPを作るのか」ということ。
そのうえでクライアントの社長の思い・会社の文化・伝えるべき価値を掘り起こす。例えば採用が目的であれば、欲しい人材、売上であれば、それを必要とする顧客に刺さるコンテンツを構築していく。

ドローンなども使いながら、その会社のブランドイメージを高める

HP作成の目的を若手社員の採用にした足場工事会社のケースでは、社長の「素」「人柄」「考え方」が伝わる映像を組み込んだ。そして、先輩社員を紹介するページで仕事内容などを語ってもらう。こうしたことで社風を見える化した。
実際のHPのトップページでは、ドローンを使い、社員一人ひとりの顔が見える場面から一気に上昇する映像から入る。HPを開いた瞬間に会社の規模感と、事業内容の迫力が伝わるよう設計した。

この会社のHPでは「ビジョンを語ってほしい」「理念は?」と問いかけ続けた結果、数か月後に社長自らが会社の思いを言葉に書き起こした。その挨拶文が完成したころから、会社は急成長。みるみるうちに企業規模は倍になった。「言葉になっているから認識でき、信じられる。思いが伝わるから、共感し、応援したくなる」(黒田さん)という同社の哲学が、まさに体現された事例だ。

採用しすぎの贅沢な悩み――8年間の伴走が生んだ成果

動画で分かりやすく業務内容や技術の高さを伝える

同社が8年にわたって伴走してきたクレーン会社では、いまや「採用しすぎ」という贅沢な悩みを抱えるまでになった。日本全国各地、離島からも応募が来るという。
その理由は、ホームページのトップに「企業理念」をブレることなく掲げ続けたことにあった。

このクレーン会社のHP制作は古いHPのリニューアルからスタートし、1年目以降はSEO対策として、クレーンで三角コーンを積み上げていくなど高い技術力や専門的なコンテンツ記事を積み重ねていった。特に力を入れたのが収益の柱である「大型クレーン」での検索順位を上位に引き上げることだった。

4年目に内容を動画中心にして、クレーンの専門知識や現場の様子を発信していった。この動画が「若い人が入社する会社」というイメージを定着させることに成功。5年目にはTikTok・Instagramも展開し、現場作業員から「TikTok見てるよ」と声をかけられるほどの認知を獲得したという。
2025年3月には月間累計55万回再生を達成し、HPからの新規受注は50件から124件へと倍増。採用と集客の両輪で実績を残している。

「見える化」が、業界を救う

これらの事例に共通するのは、いずれも「思いを言語化し、映像で伝える」という点だ。「3K」というイメージを、現場での技術力と仕事に対する誇り、人への思いやり、チームワークで成り立っていることが伝えられている。
「本当はすごいことが、伝わっていない」「誤解が人手不足を生んでいる」「社長や会社の思いが見えず、人が離れていく」――だからこそ建設業の技術、文化、思いを言葉と映像に変換。若者が「この会社で働きたい」と感じる状態をつくり出すことに力を入れる。

建設業の人手不足は、まさに待ったなしの大きな課題だ。しかし、正しいかたちで伝えれば、人は動く。「建設業を本気で良くする株式会社」の試みは、確実に業界全体の未来を切り開くヒントになっている。

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https://goldbeans.jp/?p=7302 <![CDATA[ 【7月17日】今日の決算発表 東京製鐵など4社 ]]> https://goldbeans.jp/financial/page_7302.html Thu, 16 Jul 2026 21:46:24 +0000 Thu, 16 Jul 2026 21:46:24 +0000 1

7月17日 東証 決算発表予定

[5423 東京製鐵] 3/31期 本決算 鉄鋼
Point:鉄スクラップ価格の変動と製品価格への転嫁状況によるマージン。

10万円を1年間で100万円にする株式投資術
コマンドY 著

■ 情報・通信業
[2411 ゲンダイエージェンシー] 3/31期 本決算
Point:遊技業界の広告規制緩和に伴う受注回復と営業利益率の改善推移。

■ 化学
[4929 アジュバンホールディングス] 3/20期 本決算
Point:サロン向け新商品の寄与度と原材料高に伴う粗利率の推移を注視。

■ 金属製品
[5933 アルインコ] 3/20期 本決算
Point:建設機材レンタル部門の稼働率と、物流コストの吸収度をチェック。

※本稿は、 投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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