北里大学薬学部卒業後、大学病院、企業診療所、透析施設で薬剤師として勤務。その後、製薬会社で企画販売に従事し、体調を崩した時に漢方薬に出会い、漢方を学びはじめる。日本漢方協会漢方講座を経て、田畑隆一郎先生の無門塾入門、愛全診療所 蓮村幸兌先生(漢方専門医)の漢方外来にて研修。現在は「より健やかに、更に美しく」を目指して患者さんの漢方相談、わかりやすい漢方の啓蒙活動に取り組んでいる。著書に『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』(ごきげんビジネス出版)がある。
桂枝湯(ケイシトウ)
【体質と主な症状】
体力のあまりない方/寒気、頭痛、発熱から始まり、じわっと汗ばむなど風邪の初期症状
【緩和する症状】
体力虚弱、寒気は強くないが気分がすぐれない状態、鼻かぜのような軽い症状、のぼせ感、頭痛、微熱と共に出るじわっとした汗ばみ
【効能】
5つの生薬がバランスよく体を温めながら、軽く発汗させて、皮膚の防御機能を回復させ症状を改善します。汗が自然にじみ出るような状態で用いることが多いですが、汗の出ていない場合にも用いることができます。
麻黄附子細辛湯 (マオウブシサイシントウ)
【体質と主な症状】
体力のあまりない方/発汗はなく、強い寒気、微熱、倦怠感
【緩和する症状】
普段から冷え性で、四肢が冷えた強い寒気、全身の倦怠感、くしゃみ・鼻水、のどのイガイガや痛み、蒼白い顔色、微熱が続く症状
【成分の効能】
附子(ブシ)と細辛(サイシン)で体の表面と深部の熱を作り出す力をサポートし、麻黄で少し発汗させて、病邪(ビョウジャ)という外部より体内に侵入すると考えられている病気の原因とされているものを追い出して症状を改善します。
「風邪かな?」と思ったときのワンポイントアドバイス
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風邪を予防するには何といっても免疫力を維持しておくことが大切なので、疲れ、ストレス、睡眠不足は大敵です。
日頃から十分な睡眠、バランスの摂れた食事、入浴、軽い運動などで血流をよくすることが大切です。
風邪をひいたら、安静にして体を温める、無理せずしっかりと休養をとるなど早めのケアを心がけてください。
室内の乾燥を防ぎ、食欲があれば温かいうどんに生姜やネギ、発熱で発汗しているときにはスポーツドリンクなどで水分を補給してください。
次回は「花粉症」についての漢方薬を紹介します。
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